皆さんは、Microsoft社が販売するソフトウェアの中に、データベースを管理するためのものが存在していることをご存じでしょうか?
Microsoft Windows向けに販売されているAccessは、中小企業や大企業の事業部はもちろん、趣味レベルのプログラマーまで広く使われているソフトウェアです。
そんなAccessについて、Excelとの違いや使用用途を紹介します。
Accessの概要
Access(Microsoft Office Access)は、Microsoft社がMicrosoft Windows向けに販売している、データベース管理システムのソフトウェア(RDBMS※)です。
Access/Jet、Microsoft SQL Server、OracleやODBC準拠のデータを取り扱うことができ、データベースに精通していなくとも小規模なアプリケーションを構築できるようになっています。
※RDBMS(relational database management system/リレーショナルデータベースマネジメントシステム)
リレーショナルデータベース(関係データベース)を管理するための専用のソフトウェア。
必要なデータを必要な時に素早く引き出して他のソフトウェアに提供する事が目的となる。
AccessとExcelの違い
Access と同じくMicrosoft社より販売されているソフトウェアのExcel(Microsoft Excel)はデータベースの作成・管理を行えます。
AccessとExcelの違いとして挙げられる要素としては、“扱えるデータ量”、“セルの入力方法”、“コスト”の3つが挙げられます。
扱えるデータ量については、Excelでは行・列・セル内の文字数について最大数が決まっていますが、Accessは2GBまでならば制限がありません。
セルの入力では、Excelが単一のセルに対して自由に文字列を入力したり、書式を設定したりできるのに対して、Accessは列ごとに文字列、数値、日付などを指定します。
コストの面では、Excelのほうが安く抑えられるようになっています。
単体ならば16,284円(税込)と同価格ですが、家庭向けの場合はExcelが32,784円(永続ライセンス)、Accessが12,984円(年)で、一般法人向けの場合はExcelが540円(ユーザー/月相当/年間契約)、Accessが1,360円(ユーザー/月相当/年間契約)となります。
AccessとExcelの使い分け
“AccessとExcelの違い”の項で紹介したAccessとExcelの相違点から、一概にどちらのソフトウェアが優れているとはいいがたいことがわかります。
Excelは、コストが安く抑えられる他、色や形の変更といった表現方法に秀でているため、資料作成の他、並べ替えや簡単な抽出をする程度ならばこちらを使うのがよいでしょう。
大量のデータを処理するデータベースを作成したり、より厳密にデータを管理したりする場合は、Accessの出番となります。
Accessの使用用途
データの加工、分析
Accessでは、Excelからにデータを移動して、データをリレーショナルテーブルに変換することが可能です。
ExcelではVLOOKUP関数を使用し、データの追加ごとに修正などが必要になる場合がありますが、Accessの場合は、Excelデータのインポート後、必要なデータをコードでつなぎ、クエリで実行するだけで完了します。
レポート機能を使った資料作成
レポートウィザードを使用することで、さまざまなレポートを作成できます。
レポート作成時には、表示フィールドやレイアウトを指定可能な他、グループ化、並べ替え、集計方法の指定を行うこともできます。
ユーザーフォームを使ったアプリケーション開発
“フォーム”とは、パソコンの操作画面におけるユーザーからの入力を受け付ける部分のことです。
Accessにはデータの入力のためのフォームを作成する機能も搭載されているので、人事データやプロジェクトの管理システムのような、データの、管理、登録、更新、削除を行うアプリも作成できます。
システム開発
Accessにはデータベースのフォーマットの他、フォーム、レポートの作成機能が搭載されているため、システム開発を行うことも可能です。
システム開発のためには、Accessはもちろんのこと、VBA(ビジュアルベーシックフォーアプリケーション)についても熟知している必要があり、お手軽というわけにはいきませんが、低価格で開発を行うことが可能です。
まとめ
AccessはExcelよりも使い勝手がよい反面、入力方法などの制約や条件が存在しており、作業によってはExcelで事足りるため、データベース作成において万能であるというわけではありません。
より大量のデータを処理するなどに活躍するソフトウェアなので、自分の行う作業に適しているか、しっかりと見極めたうえで導入、学習していきましょう。