Javaの資格は取得すべき? オススメの資格や難易度を解説
2021年2月26日

 

世界的な人気を誇るプログラミング言語“Java”ですが、Javaに関する資格について皆さんはどの程度ご存じでしょうか?

本記事ではJavaに関する資格の種類や取得することのメリット、難易度などを紹介していきたいと思います。

 

前提:Javaとは

Javaは、サン・マイクロシステムズのジェームズ・ゴスリンさんによって開発され、1995年に発表されたプログラミング言語です。

C言語やC++を元として開発されたため、構文は両者に似ていますが、どちらよりも低レベルの機能は少なくなっています。

現在の最新バージョンは2020年9月にリリースされたJava 15と、2018年9月25日にリリースされ現在サポートされている長期サポート(LTS)版のJava 11です。

 

Javaの大きな特徴として“Write once, run anywhere(一度プログラムを書いてしまえば、どのコンピューターでも動く)”というスローガンが掲げられており、“JVM(Java Virtual Machine:Java仮想マシン)”によってスローガン通りにあらゆるコンピューターで動作します。

そのため、実行環境が導入されていれば特定のハードウェアやオペレーティングシステムの機能に依存せず、あらゆる環境で同じ動作を行えます。

 

Javaは学習難度こそ高いですが、基本的にどのような環境でも使えて処理速度やセキュリティコントロール能力といった性能も高いため、世界的に人気なプログラミング言語となっています。

Googleが開発に用いている“Google三大言語(Java、C++、Python)”の1つとしても有名です。

 

※Javaをリリースしたサン・マイクロシステムズ社は2010年にオラクル社に吸収合併されています。

 

Javaの資格を取得するメリット

Javaの資格を取得するメリットは“資格の取得過程で学んだ知識を活用しやすい”、“能力の証明としてキャリアアップ・転職に活用できる”の2つです。

 

“資格の取得過程で学んだ知識を活用しやすい”という点については、Javaが世界的に人気なプログラミング言語で、Googleが開発に用いる“Google三大言語”の1つとしても有名であることは前述したとおりです。

そして、資格を取得する際に学んだ知識は、業務においてJavaを運用する際に活躍できます。

Javaはその人気から活用シーンが多いため、多くの場面で学んだ知識を生かしていくことができます。

 

“能力の証明としてキャリアアップ・転職に活用できる”という点については、Javaに関係する資格には海外でも有効なものや国家資格が存在しており、等級にもよりますが能力の証明として非常に大きな効力を発揮してくれます。

Javaの人気自体も高いので、転職時のアピールとして活用していくことができます。

 

取得すべきJavaの資格

 

Oracle認定Javaプログラマ

“Oracle認定Javaプログラマ”は、Javaの登録商標や版権を所有するオラクルの日本法人である日本オラクル社によるベンダー資格(民間資格)制度で、試験区分はBronze(ブロンズ)、Silver(シルバー)、Gold(ゴールド)に分かれています。

Javaに深くかかわる会社による国際的な資格として高いステータスを誇っており、SilverとGoldは海外でも有効です。

 

資格に有効期限はありませんが、Javaのバージョンアップに合わせて試験も更新されていくため、基本的には人気、有効性ともに最新の受験がもっとも高くなります。

なお、2019年6月下旬より“Java SE 11”に対応した試験が開始されています。

しかし、古いバージョンの試験も無意味というわけではなく、Gold以上で古いバージョンの試験に合格していれば、出題数が本試験より若干少ない移行試験の受験資格を得ることができます。

 

Javaプログラミング能力認定試験

Javaプログラミング能力認定試験は、ビジネス能力、技能に関する認定試験の開発、主催、実施などを手がけるサーティファイの民間資格です。

Javaに関する基本知識やオブジェクト指向にもとづくアプリケーションプログラムの作成能力を認定する試験で、3~1級の3つに区分が分かれています。

 

“Oracle認定Javaプログラマ”と比較する場合、Javaの登録商標や版権を有するオラクルが運営していることもあり、資格の信頼性という点では多少劣る点があります。

Javaプログラミング能力認定試験ならではの魅力としては、後述する“基本情報技術者試験”における午後の試験への対策として適しているという部分が挙げられます。

Javaプログラミング能力認定試験の2、3級は、基本情報技術者試験における午後の試験での出題形式を意識して作成されているため、試験対策としての学習と連動した活用も多く見られるとのことです。

 

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、経済産業大臣が行う国家試験である情報処理技術者試験の一区分で、日本が目指すべき高度IT人材像に即したキャリアと求められるスキルを示した“共通キャリア・スキルフレームワーク”ではレベル2(基本的知識・技能)と位置付けられています。

試験時間は午前、午後ともに150分で、出題形式は午前が多肢選択式(四肢択一)80問、午後が多肢選択式80問、合格基準は満点の60%以上です。

Java専門の資格ではありませんが、午後の試験の出題範囲の“プログラミング”の中にJavaの問題が含まれています。

本記事で紹介する中では唯一の国家資格ということもあり、信頼性は最も高いといえます。

 

Java資格の難易度や受験料

 

Oracle認定Javaプログラマ

Oracle認定Javaプログラマの受験料はBronzeが13,600円+税、Silver、Goldが26,600円+税となっており、後述するJavaプログラミング能力認定試験、基本情報技術者試験と比べると高額となっています。

 

Bronzeは、言語未経験者向けの入門資格で、Javaを使用したオブジェクト指向プログラミングの基本的な知識を試す内容となっており、自宅でのオンライン受験も可能なので、ある程度実務経験があるならば、そこまで難しくはないでしょう。

ただし、Bronzeの資格は日本国内でのみ有効となっている点には注意が必要です。

初心者の場合はオブジェクト指向の基本を学習する機会になるので、お金に余裕があるならばBronzeの合格を目標として勉強してみるのもよいかもしれません。

 

Silverは上級者の指導のもとで実装が可能なレベルの“初級Javaプログラマ”を対象とした試験です。

日常的なプログラミングスキルの他、さまざまなプロジェクトで発生する状況への対応能力も評価することを目的としています。

Java言語の基本文法やオブジェクト指向プログラミング、プログラミングのために必要とされる仕様などに対する理解が問われます。

実務経験があるならばSilverの合格を目標として勉強を始めるのがよいでしょう。

 

Goldは、設計者の意図を正しく理解し独力で機能実装が行える中上級者向けの試験です。

Javaアプリケーション開発に必要とされる汎用的なプログラミング知識に加えて、設計から実装までのトータルな技術が必要となります。

また、受験の前提条件として、Silverないし全バージョンのGold資格を有している必要があるため、自ずと知識や経験を蓄えた上での挑戦となるでしょう。

 

Javaプログラミング能力認定試験

Javaプログラミング能力認定試験の受験料は3級が5,100円(税込)、2級が6,200円(税込)、1級が7,600円(税込)となっており、Oracle認定Javaプログラマと比較すると1級でもBronzeの約半分と非常にリーズナブルとなっています。

 

3級は主にJavaを使ったプログラミングに必要な知識が試験範囲となっており、基礎知識、簡単なプログラムの作成能力、オブジェクト指向の基本的概念を理解している必要があります。

2級はJavaの一般的な知識の他、小規模なプログラム(アプリケーション、アプレット)の記述能力やオブジェクト指向の一般的概念などが問われます。

1級では、変更仕様に従ってプログラムの保守ができる能力などが必要となります。

また、提示された変更・追加点をプログラムに反映した上で変更仕様書を作成する実技試験も実施されます。

テーマプログラムは事前に公開されますが、2級までの試験とは形式が異なるので注意しましょう。

 

難易度としては、Javaプログラミング能力認定試験はオブジェクト指向に関する基本知識などを測定しており、入門者から熟練プログラマーまで幅広く門戸を開いていることから、全体的にOracle認定Javaプログラマと比べて低いと考えてよいでしょう。

公式サイトからサンプル問題を手軽に入手できるという点も挑戦しやすさを補強しています。

 

なお、Javaプログラミング能力認定試験の受験実績として、累計受験者数は56,427名(2020年3月31日)、合格率は64.7%(2019年度平均合格率)と発表しています。

Oracle認定Javaプログラマの受験者数および合格率は非公開となっており、こちらのデータも区分ごとのものではないため単純な比較はできませんが、受験者の半分以上が合格できるというデータを考慮すると、合格しやすいという印象があります。

 

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験の受験料は5,700円(税込)と、Javaプログラミング能力認定試験と同程度となっています。

試験においては、IT技術や用語、システム開発、データベースなどプログラミング言語に限らず幅広い分野の問題が出題されます。

IT人材育成センター国家資格・試験部の統計資料によると、ここ最近での受験者数に対する合格率は下記のようになっています。

いずれの年も合格率は3割を切っており、非常に難しい試験であるということが分かります。

 

■平成30年度秋期

受験者数:60,004人

合格者数:13,723人

合格率:22.9%

■平成31年度春期

受験者数:54,686人

合格者数:12,155人

合格率:22.2%

■令和元年度秋期

受験者数:66,870人

合格者数:19,069人

合格率:28.5%

 

Javaの資格取得に向けた勉強法

Oracle認定JavaプログラマおよびJavaプログラミング能力認定試験の合格を目指すならば、Javaに関する学習がそのまま試験勉強の1つとなるので、以前“Javaとは何? 特徴や使うメリットを初心者向けに簡単に解説”の記事で紹介した方法で学習を進めていきましょう。

言語の歴史が長く資料も膨大であるため、かえって自身のレベルや環境に適したものを見つけられないことがあるので、ドットインストールやpaizaラーニングといった学習サイトを活用するのがよいでしょう。

学習がある程度進んできたら、問題集を購入して試験問題の傾向や対策をつかんでいきましょう。

基本情報技術者試験の場合はJavaに限らず幅広い分野の知識が必要となるため、参考書と問題集を活用して試験対策を練っていきましょう。

 

まとめ

Javaに関する資格は複数存在しており、それぞれに特徴や注意点があるため、一概にどの資格を取ることが最良とは言えない部分があります。

“海外でも活躍したいのでOracle認定Javaプログラマを取得する”、“資金も経験もないのでまずはJavaプログラミング能力認定試験から”、“Java以外の分野にも触れているので基本情報技術者試験”といった形で自分の条件に適した資格を探して勉強を進めていくことが重要です。

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