実例を交えながらゲームを面白くするレベルデザインを学べる『レベルデザイン徹底指南書』

 

本記事では、ゲームを面白くするために不可欠な「レベルデザイン」について学べる1冊『レベルデザイン徹底指南書』を紹介します。
これからゲームプランナーを目指して就職・転職活動している人はもちろん、ゲーム業界でレベルデザインについてより知識を付けたい方に向けて、最適の1冊です。

 

1.レベルデザインとは

皆様、ゲームの開発を行う上で、面白さを調整するためのレベルデザインが必須だということをご存知でしょうか?
レベルデザインの概念を簡単に説明してしまえば「マップのデザイン」「ゲーム画面のわかりやすさ」「キャラクターの個性・成長具合」「ゲームの成果に応じた報酬」と言ったバランスを調整する作業です。
如何に斬新なゲームを企画したとしても、高額な開発予算を組んで先進的な技術を導入したとしても、このレベルデザインの良し悪しでゲームの面白さが決まってしまうと言っても過言ではありません。

 

2.ゲームを面白くする良いレベルデザイン

レベルデザインはゲームの開発においては非常に重要な存在です。
そのため、多くのゲームクリエイターがより良いレベルデザインについて考えており、Game Developers Conference 2013では“良いレベルデザインの10の原則”というセッションも行われました。

 

 

良いレベルデザインの10の原則
1.ナビゲートが楽しい
2.言葉に依存しない
3.やり方までは伝えるな
4.教え続けよ
5.驚きを与えよ
6.プレイヤーに自由を与える
7.難易度設定ができる
8.効率的であること
9.感情を呼び覚ませ
10.ゲームメカニクスを駆動する

 

セッションでは、ユーザーに刺激を与えることはもちろん、ホスピタリティにも気を配るべきとしていること点に注目すべきでしょう。
“教え続けよ”と“やり方までは伝えるな”という原則は最たるもので、この2つを守ろうとすれば、プレイヤーが飽きないように新しい要素を教え続けつつ、一本道でやらされている感は出さないよう絶妙なバランスを守っていくこととなります。
また、“難易度設定ができる”という部分は言わずもがな、目的地までの移動に楽しさを持たせる“ナビゲートが楽しい”、没入感を損なわせないための“言葉に依存しない”といった要素も、ユーザーにゲームを遊んでもらうためのおもてなし=ホスピタリティとして当てはまるといえるでしょう。

 

当然ながら、このセッションに対してすべての人が賛成するとは限りませんし、原則に当てはまらなくともユーザーが楽しいと感じるゲームは存在するかもしれません。
しかし、原則の紹介においては『Skyrim』、『Fallout3』、『ゼルダの伝説』シリーズなど、実際に高い人気を得た名作タイトルを例として紹介していることから、その効果は十分信頼してよいでしょう。

 

3.レベルデザイン徹底指南書が入門書に最適


 

ゲームの面白さを決めるレベルデザインの概念について学ぶための入門書として推奨したいのが「レベルデザイン徹底指南書(以下 本書)」です。
本書ではレベルデザインを「空間設計」「学習曲線」「ゲームバランス」「UX(ユーザーエクスペリエンス)」の4軸と定義。
それぞれを各チャプターで触れながら解説していきます。

 

3-1.実生活を例が秀逸! 「空間設計」の重要性を解説!

「空間設計」に関して本書は日常生活で身近なものも例に出しながら解説してくれます。
秀逸な例が「ATM」で、小さなモニターという空間において、見づらくてごちゃごちゃしたATMは、機能の把握がしにくく非常に使いづらくストレスを感じて利用する意欲が奪われます。
これはゲームでも同様で世界観が把握しづらいマップや、機能の把握しづらいステータス画面は遊ぶ意欲を奪うだけでシンプルに分かりやすく空間設計を行うことが重要です。

 

3-2.ゲーム本編以上に重要な「学習曲線」を解説!

プレイヤーがゲームの遊び方を覚えるための「学習曲線」に細心の注意を払うことの重要性も本書にはしっかりと書かれています。
例えばアクションゲームではキャラクターの操作方法を覚えないとゴールできないですし、操作方法を覚えるための体験をデザインする重要性にしっかりと触れています。
本書では「世間一般で名作と呼ばれているゲームは、遊び方を覚えるチュートリアルの完成度が極めて高い」と書かれていて目から鱗が落ちる金言でした。

 

3-3.格ゲーを例に近年の「ゲームバランス」の改善を解説!

本書では対戦格闘ゲームを例に、近年の「ゲームバランス」の組み立て方を解説してくれます。
近年発表されている対戦ゲームは一般発売後も定期的にアップデートを施すことで極端に強すぎるキャラクターを抑えたり、キャラクターを追加することで新しい体験を創出したり常に改善が図られています。
常にユーザーの満足度を高めるためにレベルデザインに終わりがないことがよくわかります。

 

3-4.ソシャゲーを例にUXの調整を解説!

「UX(ユーザーエクスペリエンス)」の項目は近年、主流のスマホで遊ぶソシャゲー(ソーシャルゲーム)を実例として効果的に取り上げています。
ソシャゲーは基本的には無料でプレーできるので如何にユーザーを満足させる体験(エクスペリエンス)を与えながら、課金をしてもうらためのレベルデザインを施す必要があります。
UXの改善改良を行うための目安となるKPI(重要業績評価指標)の設定方法なども含めて学習することができます。
読者の皆様が熱中しているソシャゲーに置き換えながら読み進めていくと更に深く理解することができます!

 

4.ゲーム業界で働きたい人、プランナー初心者にお薦め

これからゲーム業界で働きたいと考えている方や、ゲーム会社1年目でこれからプランナーを担当されるような方に是非とも、本書を読んでいただきたいです。
本書の執筆者である大久保 磨氏は徹底したユーザー目線で執筆してくれているので、レベルデザインの概念を読者の皆様の身近なものに置き換えて理解しやすいでしょう。

 

5.名作ほどレベルデザインがしっかりしている

私もこれまで様々なゲーム・アプリにはまりましたが、本書を読み終えてから名作ほど巧みなレベルデザインが施されていることがよくわかりました。
例えば某兄弟が活躍する国民的アクションゲームのステージ1は操作方法を覚えさせるためのチュートリアルとして最適な空間デザインが施されていたり、某ソーシャルゲームでは課金勢と、無課金勢の双方が満足できるようにUXが計算されていたりします。
本書は間違いなくこれからレベルデザインを学びたい人の助けになる一冊でしょう。

 

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