圧倒的な物量がトレンド?スマホゲーム『ペンギンの島』に見る理想のプログラマー


今やスマートフォン向けのゲームとはいっても、家庭用ゲームに勝るとも劣らないバリエーションの作品が毎日公開されています。

 

それはひとえにスマホ本体の性能が年々向上していることも大きな要因ですが、実は少しでも質の高いゲームを軽快な動作で動かせるよう、プログラミングに多大な努力が費やされているというケースも珍しくありません。

 

『ペンギンの島』の魅力

最近リリースされた育成ゲーム『ペンギンの島』は、徐々に増えていくペンギンを好きなだけ眺められるのが最大の魅力です。

 

ペンギンを増やす「放置ゲーム」

舞台は南極か、あるいは北極のような氷の孤島。

施設を拡充させていき、どんどんペンギンたちを自分の島に移住させていくと言う、シミュレーションゲームです。

 

いわゆるシムシティのように、街を発展させるタイプの都市育成ゲームに近いものがありますが、ペンギンの島では文字通り育てるのは人間ではなくペンギンの数です。

その島に住むのも、島をペンギンにとって住み良い場所として整えていくのも、全てペンギンが行ってくれるのです。

 

プレイヤーが実際に関わるのは、基本的にはその島に何を作るのかという指示のみです。

まず島に必要なのはペンギンが働く場所、そしてペンギンが暮らすための場所です。

さらに仕事ばかりではペンギンもストレスを抱えてしまうので、娯楽施設を作ってペンギンに憩いの時間を与えてやる必要があります。

 

初めはペンギンの数も少ないため、少しづつでしかペンギンを増やしていくことができませんが、徐々に資金やペンギンの数が増えてくるにつれ、その規模は倍倍に大きくなっていくというのがこのゲームの最大の見どころです。

 

そしてペンギンたちが作業をしたり、その数を増やすためには時間がかかります。

アプリを起動していない間にも、ペンギンたちはしっかりと働き、休み、島での営みに力を入れてくれるというわけです。

 

まるで現実とは違う、もう1つの世界を持つことができるのは、このゲームの醍醐味の1つです。

 

圧倒的なペンギンの「群れ」

そしてなんといっても最大の魅力は、圧倒的な数のペンギンたちが、自分の設計した島で自由に暮らしている姿を見ることができるところです。

 

プレイ直後こそ、絶海の孤島で寂しく暮らすペンギンたちの姿しか見ることはできませんが、島が拡充していけば、働いたり、遊んだり、休んだり、各々が1つの島の上で好きなように生活している様子を楽しむことができるようになります。

 

条件を満たせば、アザラシなどの他の動物も島へ訪れるようになり、そのバリエーションはさらに豊かになっていきます。

 

一匹ごとの動作を見ていると、少しワンパターンになってしまい、飽きてしまうこともあるかもしれません。

 

しかしそれが群れとなり、各々が違うタイミングで、かつ違うパターンで動いている様子を見ると、まるで本当にペンギンがそこで暮らしているかのようなリアリティを味わうことができます。

 

単体では単調な動きしかできなくとも、それが群れとなることで、動物的な迫力や愛嬌、そして本物らしさが生まれてくるという訳です。

 

物量表現を重視する時代

『ペンギンの島』のような物量重視の表現は、何も育成ゲームだけにとどまりません。

最近では家庭用・スマホ問わず、様々なゲームでその技術力向上の成果を確認することができます。

 

技術向上の成果でもある表現技法

こういった多くのキャラクターを一度に同じディスプレイ上に表現する技術は、昨今のグラフィックやゲームのテクノロジーの向上を如実に表しているとも言えます。

 

一昔前なら、たとえ単調な動きしかできない単体のキャラクターであったとしても、数えるほどしかいないキャラクターを画面上で動かすのが精一杯だったのです。

 

シーマンやポストペットなど、育成ゲームの主流はワンプレイにつき一体だったのは、こういった技術的な問題があったからということもあるでしょう。

 

圧倒的物量は他ジャンルでも見られる

そして現代では、シンプルな動作のキャラクターであれば、恐ろしいほどに多くの物量を表現できるようになっています。

 

たとえば先日発売された、映画「World War Z」を元にした同名シューティングゲーム、『World War Z』では、おびただしい数のゾンビがプレイヤーに襲いかかってきます。

 

一体一体の動きは単調で、誰でも簡単に倒せるというのがゾンビのセオリーですが、同時にそれが圧倒的な数になると、人間一人ではとても太刀打ちできないような数の暴力となります。

 

これまでもゾンビをテーマにしたゲームは数多く発売されてきましたが、World War Zの圧倒的な物量は、ゾンビゲームの歴史を塗り替えるほどのインパクトがあったと言えるでしょう。

 

物量表現とプログラマー

ゲームをプレイするための本体が、以前に比べ格段にハイスペックになっていることは、ゲーム業界に大きな革新をもたらしました。

 

しかしいつの時代になっても、少しでもゲームプレイのストレスを軽減し、多くのプレイヤーに遊んでもらうためには、プログラマーによる不断の努力は欠かせないものです。

 

肝心なのはいかに「軽く」するか

圧倒的な物量表現が可能になったのは、もちろんハードウェアの性能が格段に向上したからということも大きな要因です。

しかし、それと同じく、プログラマーによるゲームそのものを軽量化するための努力もあっての成果であるということができるでしょう。

 

ゲームの動作は、実装しているプログラムによっても大きくそのパフォーマンスが変わってきます。

実行の際に少しでCPUに負担がかからないようコードを工夫して入力できるスキルは、プログラマーの腕の見せ所でもあります。

 

どれだけ優れたグラフィック表現ができても、実際に遊ぶとなると、単なるムービーとは違い、莫大な負荷がハードウェアにかかってしまいます。

 

挙動の重さはプレイヤーのストレスや、その他のゲームシステムの実装にも大きな影響を及ぼすため、軽量化のためのスキルは、なんでもできる今だからこそ必要とされているとも言えるでしょう。

 

スマホスペックに見合った表現を

まして、スマホゲームが主流の現代では、ハードウェアのスペックによる制約は、プログラマーやグラフィッカーにとっての大きなチャレンジとなっています。

 

小さなハードでも美麗なグラフィックを実現し、圧倒的な物量を表現するためには何ができるのか。

そんな工夫の積み重ねが、プレイヤーの感動と満足感に直結しています。

 

おわりに

プログラマーは、直接プレイヤーの目に触れるような部分に関わることは少ないですが、実はゲームプレイングすべてに大きく携わっているという、縁の下の力持ちです。

 

特に今のようにゲームを通じてなんでも表現できるような時代になったからこそ、「なんでもできる」を実現するプログラマーの存在は、非常に尊い人材となっていることは間違いありません。

 

ライター名:Satoru Yoshimura

プロフィール:ライター。20年以上の付き合いがあるビデオゲームとアメリカ音楽をテーマとした活動が中心。「日本のゲーム音楽がヒップホップに与えた影響」などブログで公開中。

 

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