【後編】『バーチャファイター』『シェンムー』を生み出した伝説のゲームクリエイター・鈴木裕氏へインタビュー!

●若い人は突き抜けるまでとことんやる

 

――今後、鈴木裕さんがやりたいことについて教えてください。

 

たくさんあります。

『シェンムーⅢ』はファンに対する責任感でやったという面が大きかったのですが、本来は毎回違うものを作りたいんです。

 

ひとつは、ちょっと柄じゃないように見えるけど、ファンタジーを作ってみたい。

 

これはいまに始まったことじゃなくて、25年前くらいから、最終的にはファンタジーをやりたいと思っていました。

1995年くらいには、一番やりたいのはファンタジーだったんですよ。

 

でもファンタジーって逃げ道が多い。

例えば乗り物が滅茶苦茶な挙動してても、そういうものだからって逃げられちゃう。

技術的に逃げ場が多いから、自分を鍛えるという意味ではあまり良くない。

 

逃げ場のない舞台で技術訓練をして、そのノウハウをベースに、ちゃんとしたファンタジーを作ってみたいと考えて、まず最初に逃げ場のない『シェンムー』を作ったんですが……。

第一作は現実路線で~と考えていたら、20年経ってしまいました(笑)。

 

 

――ゲーム業界自体について、今後どうあるべきだと考えていらっしゃいますか?

 

「失敗したくない」ばっかりだと先がなくなるので、ゲームを作るなかでもチャレンジを2~3割入れてみるとか。

 

リスクを犯したくないからシリーズ物にするとしても、全部守りに入ると面白くないと思います。

 

――業界全体で、そのチャレンジがあまり許されなくなっているなと感じます。

 

それは残念です。

成功失敗と別に、チャレンジに対して褒めてあげる文化がないと。

 

失敗は成功のプロセスだという考え方にならないと、チャレンジできなくなってしまう。

100の失敗の上に1の成功がある訳だから。

この辺はアメリカの文化を見習ったほうがいいですね。

 

ただバランス感覚は大事です。

チャレンジ100%だとリスクしかない。

だから硬くいくところと、チャレンジするところのバランスです。

 

大体ざっくり3割くらいはチャレンジする。

全体予算のなかで3割くらいはもう、チャレンジに使う予算だと決めちゃうといいかもしれませんね。

 

――次にいまゲーム開発を頑張っている人、これから開発をしたい若い人に向けてのお話を伺いたいと思います。どういう人にゲーム業界に入ってもらいたい、という希望はありますか?

 

頭でっかちにならないほうがいいかな、とは思っています。

いまは情報の時代でいろんな情報が入って来る。

 

知識はつくけど、自分がなくなっちゃうんですね。

だからある程度、情報を遮断するなりなんなり、自分でコントロールしないといけない。

少し乱暴ですが、自分の好きなことをやったほうが良いし、結果も悪くないと思います。

 

好きな事にむかって突き進んでみると個性が出て、人と違う部分が武器になって、尖ったことが成功につながる。

 

何にせよ、中途半端でやめると何者にもなれない。

だからとりあえず一回、突き抜けちゃうことです。

 

若いってことは何回でもやり直せるってことです。

もし失敗したらとか、この会社で給料どこまで伸びるかなとか、そんな風に考えてると全力が出ないですから。

 

「自分のやりたいこと」って言われても、やりたい事が明解でない人もいます。

誰かのために何かをやるでもいいし、誰かを喜ばせようとしてもいいし、自分がやりたいならそれでいい。

 

原動力はなんでもいいけど、突き抜けるまでとことんやることです。

そうすれば何か見えて来ます。

 

――ありがとうございました。

 

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