Steamの同接(同時接続)数とは?確認方法とタイトルの人気指数になる理由
「Steam」は世界最大のゲームプラットフォームであるため、同接(同時接続)数はゲームタイトルの人気を示す指数と考えられがちです。しかし、Steamの同接数をすべての事例に当てはまる指標とするのは適切とは言えません。
このコラムでは、Steamの同接数の確認方法や歴代の同接数ランキング上位タイトルを確認したうえで、同接数をどのように扱うべきかを解説します。
1. Steamの同接(同時接続)数とは
Steamの同接数とは、ある瞬間に同時にSteamへログインし、ゲームを起動しているユーザーの数を指します。
これは特定のタイトルごと、または全体の利用者規模を示す重要な指標であり、人気度や話題性を客観的に把握する手段となります。時間帯やイベント、セールによって大きく変動するため、ゲーム業界やユーザーにとって市場動向を知るうえで有効なデータです。
1-1. 【補足】Steamとは
Steamとは、アメリカのValve社が運営する世界最大級のPCゲーム配信プラットフォームです。
ダウンロード販売、マルチプレイヤーゲーム、ストリーミング、ソーシャルネットワーキングなどの機能を提供しています。世界中のデベロッパーやパブリッシャーが開発した数万タイトルものゲームが配信されており、PCでゲームを楽しむユーザーにとって欠かせない存在となっています。
Steamについて詳しく書いたコラムがありますので、ぜひご参照ください。
「「Steam」とは?特徴や利用方法、代表作などをわかりやすく解説」
1-2. Steamの同接数を確認する方法
Steamの同接数は、主に公式サイトや外部サイトで確認できます。
・公式サイトでの確認方法
Steamを起動し、検索バーに目的のゲーム名を入力、そのゲームのストアページを開きます。そこで「統計」ページにアクセスすると、「現在のプレイヤー数」が表示されます。この数値が同接数です。
・外部サイトでの確認方法
SteamDBのような外部サイトは、より詳細なデータを提供しています。ここでは、ゲームごとの同接数の推移をグラフで確認できますし、過去の同接数の最高記録を調べることも可能です。
まず「steamdb.info」にアクセスすると、同接数上位のプレイヤー数や24時間内のピーク数が表示されるので、最新の人気タイトルを見たい場合はこれだけで済むこともあります。
特定タイトルについて知りたい場合は、画面上部の検索バーにゲーム名を入力し、ゲームページを開いて「charts」タブをクリックして数値を確認してください。
2. Steamの歴代同接数ランキング
この項目ではSteamでの歴代同接数ランキングの上位5位を紹介します。なお、ランキングは2025年9月時点のものです。
2-1. 1位:PUBG: BATTLEGROUNDS
『PUBG: BATTLEGROUNDS』はPUBG Corporationが開発、KRAFTONが2017年にリリース しています。
最大100人のプレイヤーが生き残りをかけて戦うバトルロイヤルゲームです。プレイヤーは無人島に降下し、武器・装備を収集しながら最後の一人または最後のチームになるまで生き残ることを目指します。自由度の高い戦闘、装備の運用、戦術的判断などを深く楽しめるタイトル として高い人気を獲得しました。
Steamの史上最高同接数3,257,248人を記録しています。
2-2. 2位:黒神話:悟空
『黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)』は中国のゲーム会社Game Scienceが開発・パブリッシングしたタイトルで、リリースは2024年です。
西遊記を題材とするアクションRPGであり、主人公は「天命人」となって、孫悟空を復活させるために必要な6つの霊宝を探す旅に出ます。武器を使った物理戦闘、魔法や特殊能力、ファンタジー要素や個性的な妖怪など魅力が豊富です。
そもそも西遊記や孫悟空は中国ではもっとも有名なエンターテインメントであり、世界的にも知られています。それをベースとして新たなストーリーを構築したことや、最新技術を用いて完成度の高いグラフィックで表現したことが人気の理由と考えられています。
Steamの史上最高同接数2,415,714人を記録しています。
2-3. 3位:パルワールド
『パルワールド』はポケットペアが開発・パブリッシングしたタイトルで、リリースは2024年です。
不思議な生き物「パル」と共に広大な世界を冒険するゲームで、マルチプレイヤー対応のオープンワールドサバイバルクラフトゲームとジャンル付けされています。プレイヤーはパルを捕獲し、戦闘や建築、農業、時には工場での労働にも従事させることができます。サバイバル要素に加えて、パルの繁殖や育成など幅広い楽しみ方が可能です。
『パルワールド』を開発・パブリッシングしたポケットペアは決して大手とは言えない規模の会社ですが、親しみやすいキャラクターを選択したこと、広報に力を入れたことなどで世界的ヒットタイトルとなりました。
Steamの史上最高同接数2,101,867人を記録しています。
2-4. 4位:カウンターストライク2
『カウンターストライク2』はValveが開発・パブリッシングしたFPSで、リリースは2023年 (元になった『カウンターストライク:グローバルオフェンシブ』は2012年配信開始 )です。
名作FPSとして長期的人気をもつ『カウンターストライク』シリーズの1作であり、テロリストとカウンターテロリストの対立を基本とします。高い戦術性、チーム戦の面白さ、多様な武器の使い分けなどが魅力です。ゲームエンジンSource 2を使ってグラフィックの強化をしている点でも大きな話題となりました。
Steamの史上最高同接数1,862,531人を記録しています。
2-5. 5位:モンスターハンターワイルズ
『モンスターハンターワイルズ』はカプコンが開発・パブリッシングしたアクションアドベンチャーで、リリースは2025年です。
カプコンの代表作のひとつである『モンスターハンター』シリーズの一作で、プレイヤーはハンターとなって過酷な環境下で多様なモンスターとのバトルを繰り広げます。
過去作と比較してグラフィックに注力されており、豪華でリアルな映像がゲームへの没入感を高めています。難易度調整の自由さや、ソロプレイでも楽しめる工夫を盛り込んだことで、多くの人が楽しめるよう配慮された点もヒットの理由と考えられています。
Steamの史上最高同接数1,384,608人を記録しています。
3. Steamの同接数はタイトルの人気指数になりえる?
この項目では、Steamの同接数は各タイトルの人気を示す数値として扱ってよいかを解説します。
3-1. オンラインでのゲームプレイが当たり前になった現代の新しい人気指数
パッケージ版の販売が中心だった時代には、販売本数がゲームの人気を測る主な指標として活用されていました。しかし、デジタル配信が主流となった現代では、単純な販売数だけでなく、実際にプレイしているユーザー数が重視されるようになっています。
ソーシャルゲームであればDL(ダウンロード数)もひとつの目安ですが、DL数は今現在どの程度の人がプレイしているかを判別できません。
オンラインマルチプレイが中心のゲームでは、アクティブなプレイヤー数、すなわち同接数がゲームの活気を示す重要な指標です。同接数が多いゲームは、マッチングがスムーズで、プレイヤーコミュニティも活発な傾向にあります。これにより、ゲームの魅力が持続し、新しいユーザーが参入しやすい環境が生まれます。
これらを踏まえると、Steamの同接数は、ゲームの「今」の勢いをリアルタイムに示し、開発者やユーザーがそのタイトルがどれだけ支持されているかを判断するための新しい指数と言えるでしょう。
3-2. Steamのクライアント上でしか計測できない点に注意
Steamの同接数はゲームの人気指数として有効ではありますが、あくまでSteamクライアントを経由してプレイしているユーザー数を見る数値でしかありません。
例えば、世界的に人気のオンラインゲーム『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』は、Riot Gamesが提供する独自のクライアントを通じてプレイされるため、Steamの同接数にはカウントされません。同社が2021年に発表したデータによると、全世界の月間アクティブユーザー数は1億8000万人を超えており、そのうち中国では約7000万人のアクティブユーザーがいるとされています。
このように、Steamの統計には反映されないゲームでも世界的にヒットしているものはあるため、Steamの同接数だけではゲーム全体の人気を正確に測ることはできません。Steamの同接数はあくまで一つの指標であり、特にゲームの規模やプラットフォームの展開状況を考慮した上で評価することが重要です。
3-3. 「同接数が多いタイトル=あなたにとっても面白いゲーム」ではない
同接数はゲームの人気を示すひとつの指標ですが、その数字だけでゲームの面白さを判断することはできません。同接数が多いゲームは、多くの人に支持されていることを示唆しますが、そのジャンルやプレイスタイルがあなたに合うとは限らないからです。
例えば、同接数が非常に多いFPSゲームがあったとしても、FPSを好まない人にとっては面白いゲームになり得ません。また、Steamの統計は世界的なものなので海外で開発されたゲームが多数ランク入りしますから、日本国産のゲームにこだわりをもつ人にはあまり意味を成しません。
ゲームに求めるものは人それぞれであり、リアルタイムで熱いバトルを楽しみたい人がいる一方、素早さとは無縁なじっくり考えるゲームを愛する人もいます。つまり、あなた自身が「面白い」と感じるゲームを見つけることが、充実したゲーム体験に繋がります。
これらを踏まえて、同接数は人気を示す指標ですが、あくまで参考情報のひとつとして活用することをおすすめします。
4. まとめ
Steamの同接数はゲームの人気を示すひとつの指標として有効です。販売数が人気を示していた時代とは異なり、オンラインゲームが主流化した現在では、どれだけの人が接続しているかが重視されるようになったからです。
とはいえ、Steamの同接数に表示されない人気タイトルも多数あるので、Steamの同接数が絶対的とは言えません。また、現状の人気タイトルが誰にでも面白いとは限らないことも踏まえて、Steamの同接数は、あくまでも指標のひとつとしてとらえることをおすすめします。
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