~2020年、日本で最もダウンロードされたアプリは「COCOA」~過去最高のダウンロード数と最大3年分の急成長を記録 App Annieが『モバイル市場年鑑2021』を発表
モバイル市場データプラットフォームを提供するApp Annie Japan 株式会社(アップアニー社、本社:サンフランシスコ市、代表:Ted Krantz)は、2020年のモバイル市場に関する包括的なレポート『モバイル市場年鑑 2021』を発表したことをお知らせいたします。
モバイル市場年鑑は、アプリ市場データプラットフォーム「App Annie Intelligence」のデータを基に、各業界の動向をまとめたレポートです。ゲームや金融、ソーシャルカテゴリの動向に加え、コロナ禍によって伸長したアプリに関するレポートも含まれています。
2020年のモバイル市場サマリー
2020年、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ロックダウンや緊急事態宣言発出による外出自粛など、日常生活のあり方が大きな転換を迎えた年となりました。
あらゆるジャンルにおいてオンラインへの急速な移行が進み、2020年、世界におけるモバイルアプリダウンロード数は、過去最高となる約2,180億件を記録。
消費支出額は約1,430億ドルにのぼり、2~3年かけて到達すると予測されていた市場の成長を12ヶ月で達成しました。
さらに、世界的なパンデミック期における一人あたりの一日の平均モバイル利用時間は42時間を超え、2019年の同期間から20%増加しています。
また、米国では、2020年に初めて、一人あたりの一日のモバイル利用時間(4時間)がテレビの視聴時間(3.7時間)を逆転するなど、モバイルの存在感が増していることがわかります。
日本においては、モバイルアプリのダウンロード数が年間約26億件、消費支出額は約200億ドルと、世界のモバイル市場を牽引するアジア太平洋地域の主要国の一つとして日常生活におけるモバイル利用の浸透が伺える数字となりました。
消費支出額が大幅に増加した背景には、コロナ禍を受け、世界的に消費者の物理的欲求、購買行動がオンラインの場に移行したことが要因の一つと考えられます。
一人あたりの一日の平均モバイル利用時間も、2019年の3.3時間から3.7時間へと増加。
年間を通して、さらにモバイルへのタッチポイントが加速した一年となったことがわかります。
日本における総合ランキング(ダウンロード数、MAU、消費支出額)
非ゲームアプリの年間ダウンロード数ランキングにおいて、2020年から新たに「COCOA」、「ZOOM」、「UberEATS」がランクイン。
新型コロナウイルス感染拡大を受けた新しい生活様式への移行を色濃く反映したアプリが躍進を遂げました。
また、ゲームアプリランキングにおいても、カジュアルゲーム、ハイパーカジュアルゲームといった比較的簡易的なジャンルのもの主流になりつつあります。
アプリパブリッシャー別の動向を見ても、ハイパーカジュアルゲームの人気タイトルを出している海外パブリッシャーの台頭が目立っています。
MAU(月間アクティブユーザー数)のランキングにおいては、日常的に使われているコミュニケーションアプリやSNSが上位にランクインしています。
これらは昨今、生活インフラとも言えるほど消費者のライフスタイルに浸透しており、2020年に限らず継続的に上位にランクインしていますが、特に2020年はその利用が増加した年と言えます。
また、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、非接触の決済、ショッピングアプリが例年と比べ台頭しています。
これらは、一時的な流行ではなく、消費行動のあり方自体が非接触化、オンライン化していることから、今後も高い数字を維持していく可能性が考えられます。
消費支出額のランキングにおいては、マンガアプリ、音楽・動画ストリーミングアプリ、ライブ配信アプリが台頭し、2020年は消費者が在宅時間をモバイルに費やしていることが明らかになりました。
突発的に増加した在宅時間を主にモバイルを通した活動に費やしたということは、近年モバイル自体が消費者にとっても企業にとっても欠かせないチャネルとなっていることを表しているように見受けられます。
Top10のうち、マンガアプリが4つランクインするなど、コロナ禍での巣ごもり需要や国民的ヒットとなっている「鬼滅の刃」の影響が伺えます。
ゲームにおいては、例年と同様日本のパブリッシャー優勢の状況が続くものの、中国のNetEase社が昨年9位から6位に順位を上げ、日本のユーザーが中国発ゲームへの消費を続けていることが顕著になってきています。
カテゴリ別トピック
「ファイナンス」カテゴリーの投資アプリにおける消費時間の前年比成長率を見ると、世界平均で55%の大幅な増加となり、新型コロナウイルスによって特に大きな影響を受けた金融市場において、株式市場への参加をはじめとするモバイルの積極利用が専門家だけでなく一般消費者にまで広がっていることが見受けられます。
これはお金への考え方の大きな変化を示している可能性が高く、インドネシアでは個人間送金アプリが、米国やオーストラリアではZ世代やミレニアル世代において後払いサービスが人気となるなど、クレジットの領域でも同様の変化が起こっています。
ファイナンスにおけるブレイクアプリを見ると、コロナ禍で非接触の決済方法が好まれるようになったこともあり、昨年に引き続きQRコード決済アプリの台頭が目立ちます。
また2020年は、世界的に株に関するアプリを使った投資需要が高まり、日本においてもアプリで始める株投資やトレーディングが普及し始めたと言えるでしょう。
「ソーシャル」におけるユーザーあたりの消費時間では、2019年からの成長率で「TikTok」がトップのソーシャルアプリを上回る結果となり、最も成長した国はロシアで、前年比325%の増加となりました。
消費時間は、ユーザーに対するリーチとエンゲージメントの深さを示しており、ほぼすべての市場のトップアプリ群でユーザーあたりの平均消費時間の増加が見られるなど、日常におけるソーシャルのさらなる浸透が伺えます。
「TikTok」は消費時間でトップ5にランクインし、ユーザーあたりの月間消費時間は、米国では65%増、英国では80%増と、調査対象となったほぼすべてのアプリを上回る速度で成長しています。
これはFacebookを上回る速さで、このまま行けばTikTokは2021年には12億アクティブユーザーに達する勢いです。
2020年、モバイル接触の増加や5Gをはじめとする通信環境の進化の影響もあり、モバイルにおける動画ストリーミングの利用時間は2019年に比べ50%以上増加しました。
消費者は、外出自粛期間に加え、ロックダウン解除後の期間においても、テレビだけでなく、どこでも視聴可能なモバイルの利用を増やし、動画ストリーミングの消費時間を大幅に上昇させました。
また、主な動画ストリーミングアプリの一人あたりの平均月間消費時間を見ると、対象国では中国を除くすべての国で「YouTube」がトップとなりました。
最も多い国は韓国で、月間約38時間もの利用時間を記録するなど、動画ストリーミングの躍進が明確に見受けられます。
動画ストリーミングサービスは継続して成長曲線にありますが、コロナ禍で巣ごもり需要の恩恵を受け、成長がさらに加速したと言っても過言ではありません。
全世界的に見ると、「Netflix」に多く時間を割いていますが、日本とカナダでは「Amazon Prime Video」の利用が目立ちます。
中国では、他のサービスと同様に独自のサービスが使われる傾向にあり、中国発の動画サービス「bilibili」が首位となっています。
日本において、緊急事態宣言前後の2020年3月~5月にかけて特に「Uber Eats」などフードデリバリーサービスが伸長しました。
また、在宅時間が増え、人との接触や外出を控えたことから「COOKPAD」、「クラシル」といったレシピアプリの利用が拡大。
また、テイクアウト需要が高まったこともあり、「くら寿司公式アプリ」が5位にランクインしています。
App Annieについて
App Annie(アップアニー)は、全世界の生活者理解、またモバイル戦略の高度化に役他立つモバイル市場データと分析プラットフォームを提供しています。
2010年、業界で初のモバイル市場データプラットフォームを提供する企業として設立、「モバイルの力をすべての企業に」をミッションとし、あらゆる業界の経営戦略、マーケティング、新規事業開発などにおいて、1,100社を超える著名企業が活躍しています。
米・サンフランシスコに本社を置き、日本を含む世界12都市で事業を展開しています。
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提供元:PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000151.000011276.html