ゲーム業界におけるマーケティングとは?仕事内容・施策・キャリアまで徹底解説


 
ゲーム業界ではタイトル間の競争が激化しているため、利益を上げるためのマーケティング戦略が注目されています。しかし、「マーケティング」というと宣伝・広報の量が重要と思っている人も多く、効果的なマーケティングを行うには、まず適切な知識を持つことが欠かせません。
 
そこでこのコラムでは、ゲーム業界におけるマーケティングの重要性や具体的方法などを解説していきます。
 

目次

1. ゲーム業界におけるマーケティングの役割とは

この項目では、まずゲーム業界におけるマーケティングの必要性と、ゲーム業界ならではのマーケティングの特徴を解説します。
 

1-1. なぜゲームにマーケティングが必要なのか

世界のゲーム市場は年々拡大を続けており、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会が2024年12月に公表した「CESA ゲーム産業レポート2024」によれば、2023年には29.5兆円にも達しています。
 
しかし、市場拡大はリリース数増加もあってのことですし、インディーズゲームも台頭している昨今、大手ゲーム会社がリリースするAAAタイトルでも、「出せば売れる」とは言えない状況となっています。また、基本無料のオンラインゲームが増えた今日では、プレイしてもらうだけで利益が出るわけではありません。
 
これらの事情から、自社タイトルの情報や魅力を適切にターゲットに届け、ダウンロードや課金を促し、継続的に利益を得ていくためのマーケティングが欠かせないものとなっています。
 

1-2. ゲーム業界ならではのマーケティングの特徴

ゲーム業界のマーケティングは、一般的な商品やサービスとは異なる特徴を持っています。
 
多くの商品は客が入手・利用する時点で売り上げとなりますが、近年の主戦場であるモバイルゲームは基本無料制が多いため、ユーザーが入手し、プレイするだけでは売り上げも利益も発生しません。そのため手に取ってもらうだけでなく、継続的にプレイしてもらい、さらに課金に誘導する仕組みが必要です。そして継続的にプレイするには楽しみを提供する必要があります。
 
「マーケティング」という言葉から宣伝・広報を想像する人が多いと思います。しかし実際のゲーム業界のマーケティングは、宣伝・広報だけでなく、継続的アップデートやイベントによるユーザーエンゲージメント戦略など複合的視点が不可欠です。
 

2. ゲームマーケティングの主な仕事内容

この項目では、ゲームマーケティングに携わる人の仕事内容を解説します。
 

2-1. 市場調査・分析

ゲーム開発には市場の動向やトレンドの分析が欠かせません。特に近年はSNSやビッグデータを活用してデータを得ること、それによって得られた分析結果を戦略的に成果につなげていくことが重要視されています。
 

2-2. 販売(新規ユーザー獲得)促進

市場調査や分析に基づく検討でゲーム開発が決定したら、次に行うのは販売促進です。ターゲットに向けて適切に情報が届く方法を選別する工程を含めて、新規ユーザーの獲得に向けた戦略作りが重要です。
 

2-3. リリース後の運営と改善

売りきりのゲームが少なくなった昨今、リリース後は運営や改善を継続する必要があります。ユーザーの声を汲み取って改善を続けること、SNSやイベントなどで戦略的にコミュニティを育成していくことなど、マーケティング担当者の業務は多様化しています。
 

3. ゲーム業界におけるマーケターの具体的な業務例

ここからは、ゲーム業界で活躍するマーケターが行っている業務を、段階ごとに解説していきます。
 

3-1. プロジェクト企画段階

まずプロジェクトの企画段階、ゲーム開発の最初期から解説します。
 

3-1-1. 市場調査と分析で開発するタイトルの方向性とターゲットユーザーを決める

誰も望まないゲームは、利益を生まないだけでなく赤字を残します。そのため、ゲーム開発の第一歩は明確に顕在するニーズの確認や潜在ニーズの掘り起こしから始まります。
 
具体的には、特定ジャンルのユーザー数や収益見込みを踏まえて世界観や方向性を決定し、ターゲットユーザーを絞り込む作業が必要です。
 

3-1-2. KGI・KPIを設定する

ここで、KGI(最終目標)とKPI(中間目標)を設定する必要も出てきます。
 
KGIは最終的に目指す数値であり、売上高や利益、ユーザー獲得数など明確に数値化できるものでなければなりません。会社としてのKGIなら年間の最終利益◯億円、前年度利益比◯%などが設定されるでしょうが、ここでは単体のゲームが達成すべき数値目標を明確に定めます。
 
KPIとは設定したKGIを成し遂げるための中間目標です。基本無料のオンラインゲームであれば、以下のような項目が設定されることが多いです。
 
・顧客数×顧客単価から導く売上
・課金者数×1課金者あたりの顧客単価から導く売上
 
ただし、KPIはあくまでも算出した時点の数値なので、時々刻々と変わるトレンドや業界の環境にも目を向けることがKGI達成をより確実なものにしていきます。
 

3-1-3. プロジェクト発足からリリース(運用)までの販売戦略の流れを決める

ゲーム開発が具体化する際には、プロジェクト発足からリリース、またその後の運用などの各時点での販売戦略の流れを決めておくことをおすすめします。
 

3-2. タイトル開発段階

開発プロジェクトが実際に動き出す時期には、マーケティングも具体的な動きに突入します。ここでは開発段階で見られるマーケティング戦略を紹介します。
 

3-2-1. クロスメディアなどIP育成を考える場合は開発段階から考案する

ゲームのマーケティングでは、マンガやアニメ、小説などのクロスメディア戦略でIP育成を図るのも重要です。クロスメディア戦略はタイトルの認知を上げるだけでなく、新規ユーザー獲得、ファン層の拡大、収益機会の多様化、ブランディングの促進、多層的な視点の付与などでIP価値の最大化に役立ちます。
 
また、別のゲーム以外のメディアの利用だけではなく、ゲームに声優を起用することでマーケティング効果を上げる方法もあります。ゲームに声優を起用することで演出がリッチになりますし、声優のファンをゲームに呼び込むこともできるからです。
 
これらの点を詳しく語ったコラムがあるので、ぜひ以下もご一読ください。
「ゲームに声優を起用する意味とは?マーケティングや世界観などを考える」
 

3-2-2. 必要であればクラウドファンディングを企画する

マーケティングの一環として、クラウドファンディングを利用する手もあります。クラウドファンディングは資金調達の手段として知られており、実際に多額の開発費調達に成功した例も多数あります。
 
ただしここではマーケティング上のメリットに着目します。クラウドファンディングを行うこと自体がメディア露出を増やす機会になりますし、熱心なコミュニティや初期ファンの育成に役立ちます。
 
ただし、クラウドファンディングが失敗すると、人気のないコンテンツとみなされてマーケティング上のマイナスになるリスクもあります。そのため、実現可能な目標額を設定することや、魅力的な返礼を用意するなどの配慮が必要です。
 

3-2-3. 事前登録キャンペーンなどを企画する

ゲームのリリース前には事前登録キャンペーンの実施も必須となっています。事前登録キャンペーンは、リリース前の話題作りになりますし、ポイントやキャラクター、アイテムの提供などでお得感を出すこともできます。
 
また、熱心なゲームファンの注目を集める効果があるほか、事前登録者数を開示することで新規ユーザーも集めやすくなります。
 

3-3. リリース・運営段階

ここからは、いよいよリリースに至ったときや、運営段階に移行してからのマーケティング戦略を記載します。
 

3-3-1. 各種SNS広告・Web広告・アプリストア対策を打つ

リリース直後にプレイしてくれるユーザーは平均的に熱心な層なので、この時期を生かせるかどうかはマーケティング上非常に重要です。そのためゲーム会社はリリースのタイミングを生かす複合的なマーケティングを展開することが一般的となっています。
 
SNSは比較的低価格でタイムリーな告知ができますし、拡散される効果を考えると外せないものとなっています。一方のWeb広告はターゲットを設定しやすく、効果測定しやすいなどのメリットがあります。
 

3-3-2. ストリーマー・インフルエンサーによる認知拡大を企画する

近年はゲーム実況やインフルエンサーの発信が、情報拡散やユーザー拡大に及ぼす影響が大きくなっています。そのため、ゲーム会社が有名ストリーマーやインフルエンサーにアプローチする動きも見られます。
 
なお、ゲーム実況の延長線上にあるeスポーツがマーケティングに大きな影響を与えることを解説したコラムがあるので以下に紹介します。
「eスポーツが及ぼすマーケティング面の影響とは?企業がアプローチする理由」
 

3-3-3. ◯周年企画や定期的なユーザー感謝イベントを行う

配信で継続していくゲームは周年記念イベントを行うことが常態化しており、その時期には通常よりレアなキャラクターやアイテムが入手できるゲームも少なくありません。そのため、周年記念にはあらかじめある程度の課金を考えるユーザーも多く、無視できないイベントとなっています。
 
またユーザー数が一定値に達したときなどの感謝イベントや、アニメ化記念イベントなども、既存ユーザーの維持や、新規ユーザー、復帰ユーザーの獲得契機になります。
 

3-3-4. 企画段階で設定したKPI・KGIの進捗に応じて対策を打つ

リリース以降は、本コラムの「3-1-2. KGI・KPIを設定する」で解説したKGI(最終目標)とKPI(中間目標)の進捗を管理分析し、状況に応じた策を打っていく必要があります。
 
またオンラインゲームの場合、日ごと、月ごとのKPI分析が欠かせません。KPIが好ましくなければ新たな手を打つことが重要です。一方、KPIが順調でもその先も順調に推移するとは限らないので、タイトルそのものの状況やゲーム業界の環境などを総合的に監視し、数値の低下を防ぐよう心がけましょう。
 

4. ゲーム業界でマーケターとして働くには?

ここでは、ゲーム業界でマーケターとして働くための方法を解説します。
 

4-1. 新卒採用の場合

マーケターを目指す人であれば、各企業の公式サイトで新卒採用情報を見ることをおすすめします。「マーケター」という名称でなくても、宣伝、広報などの名称でマーケターを募集していることもあるため、ぜひ確認してみてください。
 

4-2. 中途採用の場合

中途採用も前述の新卒採用と同様の方法でエントリーすることが多いです。マーケターは比較的異業種からでも転職しやすいので、マーケターとしての知識や関心があれば、より内定も得やすくなります。チャンスがあれば活かせるように、しっかり準備を進めましょう。
 

4-3. 転職するなら転職エージェントの利用がおすすめ

ひとりで転職活動を進めようと思うと、情報収集、企業分析、提出書類の作成、エントリー先とのやり取りなどをすべて自力で処理しなければなりません。さらに、現在仕事をしている人は時間のやりくりも大変でしょう。
 
そこでおすすめしたいのが、ゲーム業界の転職サポートに特化した「G-JOBエージェント」です。G-JOBエージェントは多数のゲーム会社に太いパイプをもっているので、一般の転職サイトが扱わない非公開情報を多数有していますし、ゲーム業界での転職に役立つアドバイスも行います。企業との待遇交渉などもできますから、ゲーム業界の転職ならぜひG-JOBエージェントにご相談ください。
 

まとめ

ゲーム業界におけるマーケティングの重要性や方法などをまとめました。ゲームをリリースして利益を上げるには、開発開始以前からマーケティング戦略を踏まえ、各段階で適切な対応をしていく必要があります。ゲーム業界に携わる人はぜひこのコラムを参考にして、局面ごとに必要な動きを見直してください。
 

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