レベルデザイナーとは?仕事内容や必要スキル、なり方などを解説


 
近年、ゲーム業界でレベルデザイナーという職種が注目されています。しかし、その仕事内容や関連職種との違いはまだ十分に認識されていないのが実情です。
 
そこでこのコラムでは、レベルデザイナーの仕事内容や関連職種との違い、求められるスキル、向いている人の特徴などを解説します。レベルデザイナーを目指す人はぜひ参考にしてください。
 

1. レベルデザイナーとは

レベルデザイナーとは、ゲーム内のステージやマップを設計し、プレイヤーがどのような体験をするかを形にする職種です。
 
職種名に「レベル」という言葉が含まれていることから、ゲームの難易度を決める職種と思われがちですが、難易度設定はレベルデザイナーの仕事の一部でしかありません。
 
レベルデザイナーは、ゲームの進行ルートやマップの決定、敵やアイテムの配置、ギミックの設置、難易度調整など幅広い分野で活躍します。
 

1-1. ゲームデザイナー・ゲームプランナーとの違い

ゲームデザイナーやゲームプランナーは、ゲーム全体の企画やコンセプト、ルール、システム、仕様書の作成などを担当することが一般的です。さらに、作品全体の方向性を決める役割を担うケースも少なくありません。
 
一方、レベルデザイナーは、その中でもステージや空間設計、プレイ体験の流れに特化した専門職です。レベルデザインはゲームデザインの中に含まれるので、ゲームデザイナーはレベルデザイナーより広い概念と考えるとわかりやすいでしょう。
 
ただし、ゲーム業界内でゲームプランナーやゲームデザイナーの役割や仕事内容は必ずしも統一されているわけではありません。ゲームデザイナーとゲームプランナーは同じ仕事で呼び方が違うだけ、という解釈がある一方、ゲームデザイナーはゲームのビジュアル面や遊び方の部分を担当し、ゲームプランナーは全体の企画やコンセプト、世界観構築など先行する部分の役割を担う、とする考え方もあります。
 
この点を踏まえて、これらの仕事を目指す人は、名称だけにこだわらず、採用情報で仕事内容をよく確認してからエントリーすることをおすすめします。
 

2. レベルデザイナーの主な仕事内容

この項目では、レベルデザイナーの主な仕事内容を解説します。
 

2-1. ステージ・マップの構成を考える

レベルデザイナーの代表的な仕事のひとつに、ステージやマップの構成があります。
 
プレイヤーが通るルートや探索範囲、地形、障害物、チェックポイントの位置などはゲームの面白さを決める重要な要素です。
 
これらの要素は、アクション、RPG、FPS、ホラーなどゲームジャンルによって考え方が異なりますから、ゲーム性に応じたデザインが求められます。
 

2-2. 敵・アイテム・ギミックを配置する

敵やアイテム、ギミックの配置もレベルデザイナーの重要な仕事です。敵の出現位置や数、能力を調整することで戦闘の難易度が変わります。また、回復アイテムや装備品などの配置は、プレイへの意欲や達成感を左右する要素です。
 
ギミックとしては、罠や仕掛け扉などが代表的で、これらはゲームプレイに変化を与える契機となります。
 
アイテムやギミックの役割は、ジャンルごとに異なります。ホラーゲームであれば不安や恐怖を高めることに役立ちますし、RPGであればプレイヤーの成長を実感できる要素として有効です。
 

2-3. 難易度とプレイテンポを調整する

レベルデザイナーは挑戦と報酬のバランスを考えながら、ゲームの難易度とプレイテンポの調整も行います。
 
ゲームは簡単すぎると物足りなく感じ、難しすぎると途中で離脱する人が増えてしまいます。難易度は単に敵の強弱だけでなく、テンポやリズムにも左右されます。たとえば1分でクリアするのが簡単な内容でも30秒でクリアするとなると難易度が一気に上がります。また、敵が襲ってくる間隔が短いと緊張感が増すため、この面でのテンポ調整も重要です。
 
これらを踏まえて、多くのゲームでは序盤はスムーズに進行できるよう設計することで心地よさを提供します。しかし、慣れてくると簡単さが飽きに繋がるため、徐々に難易度が高いステージやコンテンツを増やしていく工夫が必要です。
 

2-4. 世界観やストーリー体験を空間で表現する

レベルデザイナーは、ゲームの世界観を表現する役割も担います。たとえば荒廃した世界を舞台とするサバイバルホラーであれば、暗雲が覆う背景や崩れた建物を描くことで言葉を使わなくても世界観を伝えられます。一方、キッズ向けの明るいタイトルであればポップな色合いが中心となるでしょう。
 
世界観の作り込みはゲーム開発の大きな割合を占めるので、ナラティブや演出を担当するスタッフとの連携も欠かせません。
 

3. レベルデザイナーに必要なスキル

ここでは、レベルデザイナーとして活躍するうえで必要とされるスキルを紹介します。
 

3-1. プレイヤー目線で考える分析力

レベルデザイナーには、プレイヤーがどう感じるかを読み取る分析力が求められます。
 
ゲームの中では、プレイヤーに迷いやストレスを生じさせる演出と、快感や楽しさをもたらす演出が意図的に盛り込まれます。その効果は高すぎても低すぎても、ゲームとしては好ましくありません。そのため、プレイヤーが迷ったり行き詰まったり、飽きたりするポイントを予想できるスキルは非常に重要です。
 
このスキルは初期の開発時点でも重視されますが、テストプレイ時やプレイログの確認時にも有効です。開発のあらゆるタイミングで、ユーザーの感覚を読み取る力があると、レベルデザイナーとして活躍しやすいでしょう。
 

3-2. 空間構成力・導線設計力

オープンワールドや3Dアクションゲームなど移動を伴うジャンルでは、プレイヤーを無理なく目的地へ導く演出や導線設計も重要です。
 
たとえば目立つ建物や光、音、高低差による誘導や敵の配置による誘導などを設計できるスキルがあると、プレイしやすい環境を用意できます。
 

3-3. ゲームエンジンの基礎理解

レベルデザインの仕事を進めるうえでは、UnityやUnreal Engineなどのゲームエンジンを理解していると有利です。ゲームエンジンを扱っていると、レベルデザインをイメージしやすくなるので、未経験者はまず小規模なステージ制作などからゲームエンジンを扱うスキルを身につけましょう。
 
ゲームエンジンの理解が進むと、プログラマーとの会話もしやすくなるメリットもあります。
 

3-4. コミュニケーション能力

レベルデザイナーは、ゲームプランナーやプログラマー、背景アーティスト、サウンド担当、QAなど多数の職種と連携する必要があります。そのため、自分の意図を資料や図でわかりやすく伝えるスキルがあると便利です。
 
また、テストプレイで抽出された課題を受け止め、改善に落とし込む姿勢も重視されます。この工程においても他部署との連携が欠かせないので、コミュニケーション能力を磨いておきましょう。
 

4. レベルデザイナーに向いている人

この項目では、レベルデザイナーに向いている人の特徴を解説します。
 

4-1. ゲームを分析しながら遊ぶのが好きな人

ゲーム開発に関わるのであれば、ゲームが好きなことは前提となりますが、「なぜそのタイトルが面白いのか」、「不満を感じる場合の原因はなにか」と考えながらゲームを遊べる人は、レベルデザインに向いています。上記のような分析が好きな人ほど、攻略方法や要素の配置、テンポ、報酬設計などを効率的に検討できるからです。
 

4-2. 試行錯誤を続けられる人

レベルデザインは一度の設計や検討で終わる仕事ではなく、テストと修正を繰り返してブラッシュアップしていくという特徴を持っています。そのため、試行錯誤を継続できる人に向いた仕事です。
 
たとえばプレイヤーが予想外の行動をしたとき、まず原因を探り、改善につなげる際にもトライ&エラーが欠かせません。試行錯誤を前向きに続けられる素養は、粘り強さと言い換えても良いでしょう。
 

4-3. 人に体験を届けることが好きな人

プレイヤーを驚かせたい、楽しませたい、達成感を味わってほしいという思いが強い人もレベルデザイナーに向いています。ゲームクリエイターの中にはかっこよさや美しさを絵や音など、ダイレクトな表現で伝える職種もあります。
 
一方レベルデザイナーは、体験を演出する職種だからこそ、自分の表現よりもゲームを完成させてプレイしてもらうことにやりがいを感じる人が向いています。
 

5. レベルデザイナーになるには?未経験から目指す方法

ここではレベルデザイナーを目指す人に向けて、未経験から目指す方法を解説します。
 

5-1. ゲーム制作の基礎を学ぶ

レベルデザイナーはゲームデザイナー(ゲームプランナー)の一種です。そのため、ゲーム企画書や仕様書の作り方など、まずゲーム制作の基本を学ぶことをおすすめします。また、ゲームエンジンの基本操作、プログラミングの基礎知識、3D空間の考え方なども必要です。
 
これらを学ぶ方法は、専門学校や大学、オンライン講座や書籍、個人制作などさまざまですから、自分の素養や状況を踏まえて計画的に学びましょう。
 
その際、知識を身につけるだけで満足するのではなく、小規模でも良いのでゲームのステージを作ってみてください。実際の開発に触れることで、机上の知識だけでなく現場で役立つスキルを磨くことができるからです。
 

5-2. ポートフォリオを作る

ゲーム開発に関わる仕事であれば、制作物をまとめたポートフォリオの提出を求められます。そのため、自分の経験やスキルをアピールするためのポートフォリオを用意しましょう。
 
レベルデザイナーであれば、ステージの設計資料やマップ案、テストプレイ前後の比較などが評価対象になります。ゲーム全体は完成していなくても構わないので、レベルデザイナーの仕事を踏まえた内容にまとめてください。
 
また、スクリーンショットや動画を添えながら設計意図などを明確にすると、レベルデザイナーとしてのスキルを伝えやすいです。
 

5-3. 求人では「プランナー」「ゲームデザイナー」名義も確認する

レベルデザイナーという職種は日本ではまだ認知が低いため、ゲームプランナーやゲームデザイナーとしての募集にレベルデザイナーの仕事が含まれていることがあります。そのため、採用情報を見る際は、「ステージ設計」「マップ設計」「ギミック設計」「バランス調整」などの仕事を含むかどうかを確認しましょう。
 
また、未経験者でも応募可能な求人であっても、ゲームエンジンの使用経験や自主制作の実績があると評価されやすいため、事前の準備が重要です。
 

6. まとめ

レベルデザイナーは、ステージやマップ、敵配置、ギミック、難易度などを設計し、プレイヤーの体験そのものを作り上げる重要な職種です。ゲームの面白さに直結する役割だからこそ、空間構成力や分析力、ゲームエンジンへの理解、チームで協力する姿勢が求められます。
 
未経験から目指す場合は、基礎知識を学ぶだけでなく、自らステージを制作し、改善を繰り返した経験をアピールすることが重要です。
 

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