「UNDERTALE」の作者トビー・フォックスの成功から学ぶゲーム・クリエイティブに必要な事

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誰かの人生に影響を与えるゲームクリエイターにはどういった才能、適正が必要なのか。

弱冠22歳にしてゲームを通じて世界中に熱狂的とも言えるファンを創り出したトビー・フォックス氏の代表作、アンダーテールを知る事で、その一端をかいま見る事ができる。

 

ゲームのクリエイティブを構成するこだわりと世界観

UNDERTALE(アンダーテール)は、アメリカのインディーゲーム作者トビー・フォックス が制作したマルチプラッットフォームRPG。

人間がモンスターを封じ込めた山で、うっかり足をすべらせた主人公が、モンスター達の暮らす地下世界へ落っこちてしまう。

右も左もわからない地下世界から、人間の世界へ帰る為に進んでいく、というのが大まかなストーリーだ。

2015年の販売当初はPC向け、かつ英語対応のみであったが、世界中で大ヒットし、2017年に日本語翻訳されたものがPS4/PSvitaに移植され、その後Nintendo Switchへも移植されたことで、さらにファンを広げることとなった。

 

基本的なゲームの流れ

1本道のマップを突き進んでいく過程で様々なキャラクター・出来事・多様な価値観と触れながら謎をとき人間世界に帰っていくのだが、このゲームの最大の特徴、マップはほぼ1本道であるのに対し、プレイヤーの選択した決断によってストーリーが全然ちがうものになっていくのだ。

しかもその結果は現実世界でもありふれている結果という点もただのゲームと侮れないポイントである。

このストーリーの分岐は従来のゲームの様なわかりやすい選択肢を選んで分岐するのではなく、「プレイヤー自身のゲームへの向き合い方・行動」によって分岐する為、選択肢を選ばされるよりも本能的・直感的な選択が求められる。

これにより、自分の決断に納得のいくストーリーが展開していくのだ。

 

世界を彩る唯一無二の住人達

このゲームに登場するモンスターはまさに「へんてこ」という言葉が合う、どこか抜けている憎めないキャラクターばかりだ。

プレイヤーはモンスターと接するたびにだんだんと倒す対象のはずが好きになってしまう。

 

 UNDERTALE(アンダーテール)には「誰も殺さなくてもいいRPG(翻訳)」という副題があり、プレイヤーは選択次第でモンスターを殺さずに逃がすことができる。

戦闘画面では「たたかう,行動,アイテム,みのがす」とコマンドがあり、「行動」を選択するとモンスターに応じた特殊コマンドが複数表示される。

これの組み合わせによりモンスターを時に機嫌良くしたり、萎えさせたり、仲良くなって戦意喪失させたりして殺し合いを回避するのだ。

 

この多様性があるからこそ、出会ってすぐに殺し合う戦闘ではなく、コミュニケーションを続けることでモンスターの人となりが如実に表現され、時に人よりも人間臭い内面を見てしまう事で魅力的に見えていき、気付いたら仲良くなりたいと思っている事だろう。

 

これについてはトビー・フォックスが2018.9.14の任天堂公式サイトのインタビュー内で

「どのキャラクターにもちゃんと“筋が通っている”、ということ。

架空の世界を舞台にしていても、キャラクターたちの考えや行動は、リアルでウソのないものにしたかったんです。

彼らには“人格”があって、ちょっと変なところがあったり、欠点があったり、好きなものや嫌いなものもある。」※1

と回答しており、没入感・共感性を強めるギミックとしてそこに住まうリアリティに重点を置いたことは間違いない。

 

余談だが筆者はポケモン直撃世代で、新しいシリーズが出るたびに購入していたが、2013年にリリースされたポケットモンスターX・Yの途中でプレイをやめてしまい、今もまだ続きができないでいる。

理由は恥ずかしくてあまり話せないのだが、シンプルに「ポケモンがかわいそう」と思ってしまったからだ。

3DSというハードでこれまでほぼアニメーションのなかったポケモンがどんどんリアルになっていき、攻撃されるたびに辛くてたまらなくなったのだ。

「うちの子になんてことするんだ!」という気持ちと、「こんな可愛い生き物に体当たりできないし、させられるか!」という気持ちが強くなってしまい、プレイから遠のいてしまったというわけだ。

そんな中でこのアンダーテールはへんてこで魅力的なモンスターと、殺し合いをせずにすむという特性があるので、どうか似た様な問題を抱えているゲーマーは是非プレイして頂きたい。

 

アンダーテールのゲームクリエイター トビー・フォックスが与えた影響

2013年、トビー・フォックス氏は当時22歳という若さでシナリオライティング、戦闘システムの構築、作曲といったほぼすべてを一人で行い、このゲームを作っている。

その際クラウドファンディングのプラットフォームである「Kickstarter」を使い、目標出資額5,000ドルの出資を募ったのだが、 実際には51,124ドルというおよそ10倍の出資金が集まったという逸話がある。

 

これらの事実はトビー氏のもたらす世界観と価値観で遊びたいと思う人の数、アンダーテールが存在することで実現する未来のゲーム業界へのインパクトという点への期待値の現れだろう。

尚、二次創作も活発に行われており、本ゲームの某戦闘曲はゲーム業界でもっとも再生された動画であるという逸話もあるほど、発売後およそ4年にも関わらず熱がさめることなく今もなおカルト的人気の有り様が伺い知れる。

 

ゲーム全体を通して体験できる、クセになる独特のUXはトビー氏がほぼ一人でプロデュースしたからこそ実現できた、ゲーム内の印象的なシナリオ・音楽、キャラクターデザイン同士のシンクロ率が高いことによる高レベルな世界観構築の結果であることは疑い様がない。

 

ゲーム・クリエイティブで本当に必要な事

ではどういったモチベーション、バックグラウンドでこのクリエイティブは世に生まれたのか。

それをひも解く事がこれからゲームのクリエイティブディレクターを志す方への福音となることだろう。

 

以前、2018.9.14に任天堂公式サイトで掲載された対談コラムにて、トビー氏は次の内容を述べている。

・もともとこのゲームは、自分と友だちだけのために作っていたので、一部のキャラクターは僕の知り合いからインスピレーションを受けています。

(中略)嫌がらせのつもりで、スケルトンのキャラクターをふたり作って、“Comic Sans”と“Papyrus”という、米国ではすごくダサいと評判のフォントにちなんだ名前をつけました。

(中略)でも、どういうわけかジョーンズはこのふたりを気に入ってくれて……。す

ごくうれしいことですね。

 

・ゲームを作っているときに「自分なんてダメダメだ」と感じても、大丈夫だよ、ということ。

大事なのは、それでもそのゲームを完成させることです。

ちゃんと達成できる現実的な目標を設定して、自分に優しくしてあげましょう。

あなたの人生は、ゲームを作ることより大切なんですから。※2

 

また、2017.07.12のファミ通.comにて以下の内容を語っている。

・ 大きな挑戦をすることも大事ですけど、ひとりでバベルの塔を完成させることを目標にしたら、とても達成できませんよね。

これは、自分でプロジェクトを立ち上げる人が、陥りがちな落とし穴だと思います。※3

 

ここから見えてくるのは、

・身近にいる誰かを楽しませたいというワクワク感

・マーケットという言い訳をせず、自分の楽しいと思うことを全力で突き通す

・自分自身のクリエイティビティに希望的観測となってしまう様な高望みはせず、KPIを設定してモチベーション管理する

といった、一見すると矛盾していそうな「ゲーム・クリエイティブへの自信・期待」と、それを俯瞰する「自分の中に管理者目線」、それらを根底から支える「圧倒的な自己肯定感」が、ゲームのクリエイティブ制作に必要なファクターということである。

 

これまでのロールプレイングゲームを大胆な”フリに使った”、懐かしいのに新しい、UNDERTALE[アンダーテール]をプレイして、ゲームクリエイターに必要なファクターを体験するのはいかがだろうか。

 

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出典
※1 https://topics.nintendo.co.jp/c/article/e3db9051-ab54-11e8-b123-063b7ac45a6d.html
※2 https://topics.nintendo.co.jp/c/article/e3db9051-ab54-11e8-b123-063b7ac45a6d.html
※3 https://www.famitsu.com/news/201707/12137087.html

 

ライター情報
ライター名:ビットリズム
プロフィール:国産ゲームで産湯を使ったロムネイティブなゲームエバンジェリスト。QOL向上に必要なのはワーク・ライフ・ゲームバランスだと信じている。

 

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