
ゲーム人口はどれくらい?国内外の推移や現在の人数、今後の業界予測を解説
スマートフォンの普及が進んでいることもあり、ビデオゲームが世界的な娯楽となっていることは疑いのない事実です。そこで当コラムでは、国内外における最新のゲーム人口の推移と、それを取り巻く市場環境の変化を、信頼性の高いデータをもとに詳しく解説します。
このコラムを読み進めることで、日本国内の課題や、世界レベルでのゲーム業界の現在地と未来予測を把握できます。
目次
1. 「ゲーム人口」の定義について
「ゲーム人口」とは、言葉の通りゲームをプレイしている人を示す数値です。
しかし、日本や世界のすべての人にゲームをプレイしているかどうかを問うことは、現実的に不可能です。それを踏まえて、なんらかの調査をもとに、ゲーム人口は推定で算出されます。そのため適切な調査を行い、根拠ある推定を経た数値でなければ、信頼に値しません。
そこでこのコラムでは、国内情報についてはCESA(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)が行った調査や報告をベースとして解説します。
CESAは1995年に設立されているので30年以上の歴史がありますし、東京ゲームショウや日本ゲーム大賞の開催、CESAゲーム白書の刊行などで日本のゲームの発展に寄与しているので、その報告も信頼性が高いと考えられます。
一方、世界の動向についてはさまざまな調査機関がレポートを出していますが、ここでは世界規模でゲームとeスポーツの市場調査を行っているNewzooの調査を参考に記述していきます。
1-1. 現在のゲーム人口の数
「CESAゲーム産業レポート2025」によれば、2024年の日本のゲーム人口は5,475万人と報告されています。
プラットフォーム別では、最も多いのはモバイルゲームの4,278万人、次いで家庭用ゲーム(コンソール)2,951万人、PCでゲームをプレイする人は1,452万人という数値が明らかになっています(プラットフォーム別の合計がゲーム人口より多いのは、複数のプラットフォームでゲームを楽しむ人がいるからです)。
一方世界の2025年のゲーム人口は、「Newzoo 2025 Game Market Report」で予測されています。総ゲーム人口は35億7,800万人、モバイルゲームは29億8,500万人、家庭用ゲーム(コンソール)6億4,500万人、PCゲームは9億3,600万人だそうです。
上記を見ると、モバイルゲームが強いのは世界と日本に共通していますが、日本ではPCゲームより家庭用ゲームのシェアが大きいことに対して、世界ではPCでゲームをプレイする人の方が多いことがわかります。
2. ゲーム人口の推移とその理由
ここでは、近年のゲーム人口の推移に注目します。
まず、「CESAゲーム産業レポート2024」、「CESAゲーム産業レポート2025」によると、日本のゲーム人口は2019年までは5,000万人を超えませんでしたが、2020年に5,000万人を突破しました。さらにその後は微増・微減を繰り返しながら2023年に5,500万人を突破しています。ただし、2023年から2024年は微減しているため、今後の推移には注目が必要です。
この期間中、社会的にはさまざまな出来事がありましたが、2020年から2021年にかけての新型コロナウイルス感染拡大に起因する巣ごもり需要でゲーム業界が追い風を受けたことはゲーム人口増加に寄与しているでしょう。
しかし、Newzooの「Three Billion Players by 2023: Engagement and Revenues Continue to Thrive Across the Global Games Market」を見ると、世界のゲーム人口は右肩上がりの増加を続けているため、微増・微減を繰り返す日本とは異なることがわかります。
この原因については次項で詳しく解説します。
2-1. 日本の人口動態から見るゲーム人口への影響
ゲームをプレイする年齢は広がっていますが、10代、20代の若い層が大きな比率を占めていることは確かな事実です。少子化に悩む先進国は多いですが、日本はその傾向が特に強いため、ゲーム人口の伸び悩みに関係していることが考えられます。
また、日本は総人口自体が減少しており、全体が減っている以上ゲーム人口が大きく増えることは考えにくいのも実情です。
さらに、近年「タイパ(タイム パフォーマンス)を意識する人が増えていることもあり、ある程度の時間を使って楽しみを得るゲームから、数分、数十秒で結果が出る動画などで楽しむ若者が増えていることも原因のひとつと考えられます。
2-2. プラットフォーム別に見る変化のポイント
「CESAゲーム産業レポート2025」では、2023年に比べると2024年の日本のゲーム人口がわずかながら減っていることが報告されています。人口の増減をプラットフォーム別にみると、モバイルゲームは前年比1.8%減、家庭用ゲームは0.7%減とどちらも減っていることに対して、PCでゲームをプレイする人だけは0.5%ながら増えています。
そもそも海外では、家庭用ゲーム機でゲームをプレイする人よりPCでゲームをする人が多いのですが、動画配信などで海外との垣根が低くなっていることや、Steamなどの海外発のプラットフォームの利用が一般化していることなどから、日本でもPCでゲームをプレイする人が増えていると考えられます。
この傾向を見ると、2023年から2024年にかけてのPCゲーマーの増加率は微増ではありますが、ゲーム市場へのプラス効果を含めて、今後も注目すべきでしょう。
3. 今後のゲーム業界とユーザー数の予想
この項目では、ここまでの事実認識を踏まえて今後のゲーム業界のユーザー数を国内市場と海外市場について、それぞれ予想していきます。
3-1. 国内市場は人数の増加より遊び方の変化がカギになる
国内市場においては、「CESAゲーム産業レポート2024」、「CESAゲーム産業レポート2025」から、今後も緩やかながらゲーム人口の増加は期待できます。今後も大型タイトルは次々とリリースされますし、新型ハードの登場などの業界的出来事があればゲーム人口増加を後押しするでしょう。
しかし、ボリューム層である若者の減少や、国家としての人口自体が減っているため大きな伸びは期待できませんし、明確な減少方向に転じる未来も予想できます。
一方、インドを拠点として市場調査を行っているIMARCグループが2026年3月に出した「日本のゲーム市場は2034年までに659億米ドルに達すると予測|年平均成長率9.31%で成長」というコラムでは、日本のゲーム市場は2026年から2034年にかけて、成長率9.31%で向上していくと予想されています。
これはあくまでも予測ではありますが、ゲームプレイ人口は減っても、市場自体は拡大していくことは十分にあり得ますから、ゲーム会社にとっては必ずしも悲観的な状態ではありません。
このような状況を踏まえて、1人あたりのプレイ本数、継続率、クロスプレイ、動画視聴との接触など多数の要素を考慮しながら戦略を練っていくことが、ゲーム会社が生き残るための重要な条件となります。
また、日本市場だけでなく海外市場に目を向ける必要もあるでしょう。海外のゲーム市場の動向については、次の項目で詳しく解説します。
3-2. 世界市場はユーザー数が増えても競争はさらに激しくなる
「Newzoo 2025 Game Market Report」によると、世界のゲーム人口は右肩上がりで増え続けており、2025年の35億7,800万人が、2028年には39億4,800万人に達すると予想されています。プラットフォーム別に見ても、モバイル、家庭用ゲーム、PCのいずれも増加しており、伸び率が最も高いのはモバイルの4.5%です。
市場規模として最も大きいのはアジア太平洋地域で、次いで北アメリカ、ヨーロッパという順位です。一方、プレイヤー人口の増加率を見ると、MENA(中東と北アフリカ)が前年比8.6%の増加を遂げている点で注目です。
ただし注意すべき点もあります。Newzooの「Gen Z engages with games for 12 hours per week on average – How much time do consumers spend on media platforms?」という報告を見ると、Z世代に日々12時間前後もゲームをプレイしている人が多いとされています。つまり、すでに可処分時間の範囲を超えてゲームをしている人が多く、このようなプレイスタイルが長く続くかどうかは疑問です。
また、同じくNewzooの「Into the data: PC & Console Gaming Report 2025」を見ると、ゲームプレイ時間の多くは既存の有名タイトルに集中しており、それ以外のタイトルがどの程度プレイしてもらえるかは厳しい状況にあります。
3-3. 今後ユーザー数を左右すると考えられる3つの要因
これからのユーザー増減に直結する要素は、大きく分けて①ハードやソフトの革新、②プラットフォーム関連、③人の考え方や動きの変化の3点に集約されます。
過去にも新型のゲーム機が出たときには新たなユーザーの流入が起こってきましたから、今後も革新的なハードが登場して市場に影響を与える可能性は大きいでしょう。また、世界を席巻するようなタイトルやジャンルが生まれる可能性もあり得ます。
さらに、スマートフォンやPCの性能も日進月歩で上がっているので、新たな環境を利用したゲームが生み出される未来もあるでしょう。
その一方で、ゲームをプレイする人間自体にはハードやソフトが革新するような急激な変化はありません。むしろ多忙化が進む中で、タイパの意識が高まるなど、ゲームに多くの時間を割きにくくなる未来も予想されます。
これらの要素は経済、技術、文化など多数のファクターで変化していくので、ゲーム会社も広い視野をもって先行きを見ていくことが求められています。
4. まとめ
ゲーム人口の推移を見ると、日本国内は成熟期に入り、人口減少という構造的な課題に直面しています。しかしゲーム市場自体は伸びていますし、PCゲームの伸びもあり、一概に悲観的な状況ではありません。
一方、世界ではゲーム人口は増え続けており、これまでの主たる市場だったアジアや欧米だけでなく、中東やアフリカ圏での拡大も見られます。
ゲーム業界で活躍する人は、日本と世界の動向を注視しつつ、技術革新や人の動きの変化にも目を向けることが求められています。変化が早い時代になっているので、新しい情報にアンテナを張り、時代の流れに遅れないようにすることが重要です。
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