ピザ屋からゲームデザイナーに!?DCG「ハースストーン」のゲームデザイナー、ベン・ブロード氏が「ヒーロー」になるまでの道のり
アメリカのブリザード社が発売し、世界中で大人気のデジタルカードゲーム「ハースストーン」。
そのハースストーンを創世期から支えたのが、ゲームデザイナーのベン・ブロード氏です。
ベン・ブロード氏、実はブリザード社に入社する直前まで、ピザ屋のアルバイトとして働いていました。
そんな彼がどのようにしてブリザード社のゲームデザイナーとなり、また「ハースストーン」を成功させる「ヒーロー」となったのかを書いていきます!
目次
・1:すべてはピザから始まった…ベン・ブロード氏がブリザード社に入るまで
ブリザード社のゲームデザイナーであったベン・ブロード氏は、いったいどのようなサクセスストーリーを歩んだのでしょうか。
もともと、ベン・ブロード氏はブリザード社にピザを配達するアルバイトでした。
ですが、ベン・ブロード氏の友人がブリザード社で働いており、その友人は彼の勤務する店からピザを注文し、彼がブリザード社をたびたび訪れるチャンスを作ってくれたのです。
まさしく、「持つべきものは友」というわけですね!
・1-1:晴れてブリザード社に入社し、着実にキャリアを積んだベン・ブロード氏
そのような尽力のかいがあり、最終的にベン・ブロード氏はゲームテスターとしてブリザード社に入社することになります。
担当したのはブリザード社の大人気オンラインゲーム「World of Warcraft」であり、テストプレイだけでなくマップ作成なども行いました。
ベン・ブロード氏は無我夢中で仕事に取り組み、やがて「World of Warcraft」のチームリーダーとなりました。
そして、「World of Warcraft」のトレーディングカードゲームのデザインも担当したのです。
実は、ハースストーンのキャラクターは、この「World of Warcraft」から出演しているのです!
(日本でいうと「ドラゴンクエストライバルズ」に近いイメージですね)
このときはまだデジタルではありませんでしたが、まさしくハースストーンの前身とも言えるカードゲームを手がけていたことになりますね!
・2:ハースストーンのゲームデザイナーとして活躍し、たちまち「ヒーロー」に!
そんなベン・ブロード氏が、いよいよハースストーンに関わり始めることとなります。
2008年にはハースストーンの開発チーム「チーム5」に参加し、それ以降ハースストーンの発表に向けて開発を進めていきます。
2014年のハースストーン発表時には、ベン・ブロード氏はシニアディレクターとしてゲームデザインに参加しました。
ハースストーンは「ヒーロー」が力を駆使して互いに戦うゲームであり、そのシンプルでありながら奥深いゲーム性から、またたく間に大人気となりました。
2015年にはリードデザイナーに昇進し、より深くハースストーンに関与していくようになります。
そして、2016年にはゲームディレクターとなり、名実ともにハースストーンを取り仕切る「ヒーロー」となったのです!
…ですが、ここで疑問に思った方もいるかもしれません。
いくらゲームディレクターとはいえ、本当に「ヒーロー」と呼べるようなことがあったのだろうかと。
それについては心配無用です!
私はハースストーンをリアルタイムで追い続けていますが、当時のベン・ブロード氏のコミュニティからの人気は絶大で、まさしく「ヒーロー」と呼ぶにふさわしいものでした。
では、いったい何が彼を「ヒーロー」にしたのでしょうか?
・2-1:自らコミュニティを活性化させることで「ヒーロー」となった
特筆すべきは、ベン・ブロード氏はただのゲームデザイナーではなく、自ら積極的に表に出てプレイヤーと交流し、おおいにコミュニティを盛り上げたことです。
例えば、ハースストーンの拡張版「大魔境ウンゴロ」発売直後に、コミュニティの呼びかけに応えてラップ調のPRソングを作り、自ら動画で歌ったのです!(※)
※参考URL:Legends 特別編:「Team 5」のレジェンド – ベン・ブロード
https://hs-exp.jp/2018-04-24/legends-team5-ben-brode/2/
そのコミカルかつ頼もしい姿は、当時にプレイヤーたちにとても強い印象を残すこととなりました。
往々にして、人は地位を得ると尊大になり、現場からも距離を置きがちになります。
にもかかわらず、ベン・ブロード氏はハースストーンを統括する立場になっても非常にフランクな姿勢を見せ、プレイヤーたちとの交流をとても大切にしてきたのです。
その姿は、まさにハースストーンにとっての「ヒーロー」そのものでした。
・3:2018年にブリザード社を退社…その後も「ヒーロー」を作る!?
こうして、ハースストーンのゲームデザイナーとして圧倒的な人気を得たベン・ブロード氏ですが、2018年4月に突然ブリザード社を退社します。
当時のコミュニティの困惑と悲しみを、私ははっきりと覚えています。
誇張でなく、ベン・ブロード氏がいなくなった後のハースストーンの形がまったく想像できないぐらいでした。
それこそ、まるでヒーローがやられてしまった後のアニメの結末のように。
そんな中、ベン・ブロード氏がハースストーンの公式フォーラムに退社時の挨拶としてコメントを残したのです。
※参考URL:ベン・ブロード氏退社時の挨拶(日本語訳)
https://us.battle.net/forums/ja/hearthstone/topic/20762197736
その挨拶は、ところどころに彼らしいユーモアをちりばめつつも、ハースストーン・所属チーム・コミュニティに対する感謝の念に満ち溢れたものでした。
まさしく、ベン・ブロード氏が最後までハースストーンの「ヒーロー」であり続けたことを証明する一件であったと思います。
・3-1: ベン・ブロード氏の新たな挑戦…マーベル社の「ヒーロー」のゲームを作成中!
ベン・ブロード氏は退社後にゲームスタジオ「Second Dinner(セカンドディナー)」を立ち上げ、CCOに就任しました。
CCOとは、チーフ・クリエイティブ・オフィサーのことで、デザインやブランドマネジメント、宣伝などを行う責任者です。
新たなゲームスタジオでは、なんとマーベル社のモバイルゲームを開発しているというのです!
マーベル社と言えば、スパイダーマンやX-MENなどの「ヒーロー」作品で知られる、いわゆる「アメコミ」の大手です。
ゲームの詳細はまだ明らかになっていませんが、ベン・ブロード氏の今までのキャリアから、マーベル社のキャラクターが総出演するデジタルカードゲームになるのではないかと推測されています。
ハースストーンで「ヒーロー」をデザインし、自らも「ヒーロー」となり、今度は「ヒーロー」のゲームを制作中という…なんとも不思議な縁ではないでしょうか!
・まとめ
私たちは、「どうせ自分にはできない」と自らの可能性を限定しがちです。
ですが、今をときめくベン・ブロード氏も、元をたどればピザ屋のいちアルバイトだったわけです。
今の姿とは関係なく誰でも「ヒーロー」になれる…ベン・ブロード氏はそのことを証明してくれたのではないでしょうか。
そのためには、明るく生きること、人そのものを見ること、感謝の気持ちを忘れないこと…基本的なことですが、大切なことはすべてベン・ブロード氏が行動で示してくれたように思います。
あとは動き出すだけだ、さあ行こうぜ…今も挑戦を続けるベン・ブロード氏の背中が、私たちにそう語りかけているように見えて仕方ないのです。
もう、そのときは来ています。
さあ、みなさんも「ヒーロー」になってみませんか!
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ライター名:レイニーデイ
プロフィール:ブログメディア「レイニーラボ」運営者。DCG「ハースストーン」の競技プレイヤーを目指しつつ、自身のメディアでeスポーツ・ゲームについて人生哲学の観点から発信している。
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