ゲームプログラマーに役立つ資格“Javaプログラミング能力認定試験”について徹底解説!
ゲームプログラマーは“ゲームに携わるプログラマー”であり、現代のゲームはさまざまな技術によって動いていることから、この肩書には数え切れないほどの職種が当てはまることは、以前掲載した“ゲームプログラマーに役立つ資格“C言語プログラミング能力認定試験”について徹底解説!”で紹介した通りです。
本記事では、C言語と同じく人気のプログラミング言語“Java”に関連する試験である“Javaプログラミング能力認定試験”を紹介します。
目次
Javaプログラミング能力認定試験とは?
運営団体について
Javaプログラミング能力認定試験は、株式会社サーティファイが運営を行っています。
同社には“日本情報処理教育普及協会”や“日本ソフトウェア教育協会”をはじめとした7つの認定委員会が加わっており、代表的な活動として認定試験の開発、主催、実施をはじめ、試験対策問題集の開発、販売が挙げられます。
認定試験は7分野26種と非常に幅広く、以前GAME CREATORSで紹介したC言語プログラミング能力認定試験、Illustratorクリエイター能力認定試験、Photoshopクリエイター能力認定試験などが実施されています。
試験の概要及び目的
Javaプログラミング能力認定試験は、Javaの基本知識やオブジェクト指向に基づくアプレットやアプリケーションプログラムの作成能力を認定します。
3級ではJavaとオブジェクト指向概念に関する基本的な知識と簡単なプログラム作成能力、2級ではJavaとオブジェクト指向概念に対する一般知識と小規模プログラムの作成能力、1級ではオブジェクト指向に基づく分析・設計による業務システムの流れの把握やプログラムの保守能力を測ります。
合格によるメリット
Javaプログラミング能力認定試験の合格によるメリットは、C言語プログラミング能力認定試験と同じく“勉強過程で能力を習得できる”という点が大きいです。
Javaは、ソフトウェア開発のプラットフォーム“GitHub”が発表した年次レポート“Octoverse(オクトバース)”の人気プログラミング言語ランキング(2019年版)で3位を獲得するほどの人気を誇るプログラミング言語となっているため、その資格を獲得する過程で学習を行うメリットは大きいです。
必要となる職種
Javaプログラミング能力認定試験の資格が必要となる職種も、やはりC言語プログラミング能力認定試験と同じく、基本的にはゲームプログラマーがメインとなります。
3級と2級では高い能力の証明と言うには難しいレベルとなっているため、ゲームプログラマー志望で本試験に挑戦するならば、十分に効力を発揮する1級目指したいという点も同様です。
幸い、この試験が必須となる職業は基本的に存在しないため、プログラミングにかかわらない職種であれば、挑戦する必要はありません。
試験について
試験日程・時間
サーティファイが行う認定試験には、サーティファイ認定試験事務局が定めた日程(年間1~3回)に行われる“公開試験”と各認定委員会が認めた試験会場で随時実施される“随時試験”の受験方法が存在しています。
Javaプログラミング能力認定試験は、C言語プログラミング能力認定試験と同じく公開試験に分類されており、本記事の執筆時点(2021年5月)では第56回までの試験日程が公開されています。
試験時間は難易度ごとに異なり、3級が60分、2級が90分、1級が150分で、試験時間が重なっていなければ同日に複数の級を受験することも可能です。
公開試験は年間1~3回と挑戦するチャンスが少ないので、合格を目指す資格が複数ある場合は併願受験も視野に入るかもしれません。
■Javaプログラミング能力認定試験 試験日程
●第54回
試験日:2021年6月20日
申込開始:2021年2月16日
申込締切:2021年5月30日
試験時間(3級):9:40~11:00
試験時間(2級):12:50~14:40
試験時間(1級):12:50~14:40
●第55回
試験日:2021年9月12日
申込開始:2021年6月21日
申込締切:2021年8月22日
試験時間(3級):9:40~11:00
●第56回
試験日:2022年1月30日
申込開始:2021年9月13日
申込締切:2022年1月9日
試験時間(3級):9:40~11:00
試験時間(2級):12:50~14:40
受験料
受験料はC言語プログラミング能力認定試験と同じく、3級が5,200円(税込)、2級が6,400円(税込)、1級が7,800円(税込)となっています。
また、試験申込締切前に受験をキャンセルした場合や申込締切後であってもやむを得ない理由により受験ができない場合には受験料が返金される点も同様です。
申し込み日程・受験資格
個人で受験する場合は、ユーザー情報を登録する必要があり(未登録の場合)、申込は試験の3~4カ月から開始され1カ月前に締切となります。
ユーザー登録を行うとマイページが作成され、受験申込、受験票の印刷、否速報の確認、申込履歴の確認が可能になります。
マイページが作成されたら、受験申込に必要な入力と支払い方法の選択を行い、選択した方法(クレジットカード、銀行振込、コンビニエンスストア)で料金を支払うことで申し込みが完了します。
受験票の受け取り方法は“オンライン表示”と“郵送”の2つで、後者の場合は試験日1週間前までに郵送されますが、前者は1週間前にメールが届いたのを確認してから自分で印字する必要があるので忘れないように注意が必要です。
なお、試験について受験資格は定められておらず、学歴や年齢に制限はありません。
合格発表日
結果は、試験終了後から1カ月を目処に直接本人宛に送付されます。また、合格者には認定証が発行されます。少し期間が空いているので、忘れないようにしましょう。
試験難易度について
出題形式及び出題範囲
3級
Javaプログラミング能力認定試験3級の出題形式は、多肢選択解答とマークシートとなっています。
問題数はテーマ別大問6問で、プログラムの空欄補完問題を含む、Javaによるプログラミングに必要な知識や技能を問う問題が出題範囲に従って出題されます。
範囲となる科目は“Javaの基礎”、“Javaの扱うデータ”、“演算子”、“制御文”、“クラスとメソッド”の5つとあまり広くなく基本的なものとなっています。
しかし、C言語プログラミング能力認定試験と同じく“対象となるプログラミング言語の習得難度が高い”という理由から決して油断できない難易度となっています。
■Javaプログラミング能力認定試験3級の出題内容
Javaの基礎
Javaの扱うデータ
演算子
制御文
クラスとメソッド
2級
Javaプログラミング能力認定試験2級は、3級と同じ多肢選択解答とマークシートによる筆記試験で、問題数はテーマ別大問7問と、1問増えています。
範囲となる科目は“演算子”、“制御文”、“クラスと継承”、“変数とメソッド”、“総称”、“パッケージ”、“例外処理”、“スレッド”、“クラスライブラリ”の9つと倍近くまで増えているので、
3級と同程度の学習時間では合格は難しいと考えたほうがよいでしょう。
■Javaプログラミング能力認定試験3級の出題内容
演算子
制御文
クラスと継承
変数とメソッド
総称
パッケージ
例外処理
スレッド
クラスライブラリ
1級
Javaプログラミング能力認定試験1級はパソコンを使用する実技試験で、事前に公開されているテーマプログラムの仕様変更や仕様追加に対応したプログラムおよび変更仕様書の作成を行います。
公式サイトではテーマプログラムの他、実技試験で使用可能な演算子や関数などを確認できる“受験者リファレンス”が公開されているので、必ずチェックしておきましょう。
とりあえず空欄を埋めておくという方法は取れないので、しっかりと学習して曖昧に理解している部分をなくしていく必要があります。
また、問題数が2問となっているので、時間配分もしっかり行えるようにしておく必要があります。
■Javaプログラミング能力認定試験1級で使用する環境
コンパイラ:Java SE8
エディタ:TeraPadまたはメモ帳(文字コード SHIFT-JIS、改行コード CR+LF)
合格率
Javaプログラミング能力認定試験の合格基準は、C言語プログラミング能力認定試験と同様に全難易度共通・得点率60%以上となっています。
公式サイトで公開されている受験実績によると、累計受験者数は56,427名(2020年3月31日)、合格率は64.7%(2019年度平均)となっています。
過去問
C言語プログラミング能力認定試験の公式サイトでサンプル問題が公開されている他、サーティファイから級種別の問題集や教材が発売されています。
問題集は1級には4回分、2級と3級には6回分の過去問が収録されており、教材は『やさしいJava 第3版』、『わかりやすいJava入門編』、『わかりやすいJava オブジェクト指向編』、『スッキリわかるJava入門 第2版』の4種類となっています。
『やさしいJava 第3版』はプログラミング入門書のベストセラーとなっている『やさしい』シリーズの1冊で、初心者がつまずきやすいポイントをサポートしつつ、Javaの最新情報も盛り込んだ内容となっています。
『わかりやすいJava入門編』はプログラミング言語の初学者に向けた独習書で、独学でも理解できる平易な説明と十分な練習問題で構成されています。
『わかりやすいJava オブジェクト指向編』Java言語の基本を学習した人やC言語を学んできた人が対象のテキストで、Javaのオブジェクト指向全般について詳しく解説する内容となっています。
『スッキリわかるJava入門 第2版』は、丁寧な解説と豊富なイラストにより初心者でも安心して学習できる1冊で、仮想開発環境“dokojava”と“虎の巻”も用意されています。
まとめ
Javaが非常に人気の高いプログラミング言語であることから、Javaプログラミング能力認定試験は、民間試験でありながらも、ゲームプログラマーの分野において役立てることができます。
“ゲームの分野ならどんな人にも役立つ!”ということではありませんが、得るものの多い資格となっているので、キャリアプランを見据えたうえで意義があると感じた際には積極的に挑戦することをオススメします。
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