エンジニアに役立つ資格“JSTQB認定テスト技術者資格”について徹底解説!

 

ゲーム開発において、不具合を検出するデバッグ業務はユーザーが安心して遊べる環境づくりには欠かせない、非常に重要な業務です。
そのため、ゲームデバッガーやゲームエンジニア(特にテストエンジニアに属する人材)のスキルは、不具合が発生しないゲーム開発に直結すると言ってもよいでしょう。
本記事では、テストエンジニアに役立つテスト技術の評価試験“JSTQB認定テスト技術者資格”について解説します。

JSTQB認定テスト技術者資格とは?

JSTQB認定テスト技術者資格の概要

JSTQB認定テスト技術者資格とは、JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)という団体が行う、ソフトウェア技術者のテスト技術に関する評価資格です。
JSTQBは、ソフトウェアテスト技術者の国際的な資格認定団体“ISTQB(International Software Testing Qualifications Board)”の加盟組織で、資格および教育・訓練組織認証について相互認証を行っています。
そのため、本資格は海外でも有効な資格となっています。

ISTQBについて

ISTQBは前述のとおり国際的な資格認定団体であり、JSTQBをはじめとした各国の加盟委員会との相互認証を行っています。
また、ISTQB自身も直接認定する資格を有しており、こちらの資格を獲得することもできます。
JSTQBや各国の加盟委員会が認定する資格との違いは試験問題です。
これは各委員会がそれぞれの試験の問題を作成していることによるものですが、試験問題作成規程は厳密に決まっているため、難易度に差はありません。
なお、相互承認によりいずれの資格も同等に扱われるため、もっとも受験しやすいものを選択して問題ありません。

運営団体について

JSTQBは、日本におけるソフトウェアテスト技術者資格認定の運営組織で、“ISTQB”の加盟組織として2005年4月に認定されました。
方向性を議論し意志決定を行う“運営委員会”、試験問題を作成する“技術委員会”、産学からの意見をまとめて提案を行う“諮問委員会”の3つの委員会から構成されています。
試験実施を受託する組織とパートナーシップを結んでおり、現在は一般財団法人日本科学技術連盟(日科技連)が試験を行っています。
その他、教育に関してもJSTQBが教科書および教育組織を認証しています。

試験の概要

Foundation Level

本試験は、ソフトウェアテストに関与していたり、関心を抱いていたりするすべての人を対象としたもので、具体的にはテスト担当者、テストアナリスト、テストエンジニアなどが含まれています。
また、プロジェクトマネージャーやソフトウェア開発マネージャー、経営コンサルタントといったソフトウェアテストに関する基本的な理解力を必要とする人にも向いた試験となっています。

Advanced Level

Test Manager(テストマネージャ/TM)、Test Analyst(テストアナリスト/TA)、Technical Test Analyst(テクニカルテストアナリスト/TTA)の3つの資格種別が存在する試験です。
本資格によりFoundation Levelで学習した知識を拡張し、テストマネージャやテストアナリストの役割を担ったり、テストアナリストのスキルをテクニカルテストアナリストの役割へと拡張したりすることを想定しています。
対象者はFoundation Levelと変わりませんが、ソフトウェアテストのキャリアにおいて上級に位置する人材に向けた内容となっています。
なお、JSTQB認定テスト技術者資格では、TMとTAの2種のみが実施されています。

合格によるメリット

必要となる職種

本資格については、対象となる職種がシラバスにおいて示されているためわかりやすいという点がメリットです。
テスト担当者やテストエンジニアが含まれる他、テストを行わない職種でもプロジェクトマネージャー、品質管理マネージャー、ソフトウェア開発マネージャー、ビジネスアナリストといった職種において活用の機会があります。
ゲームクリエイターのポジションとしてはゲームプログラマーやゲームデザインの他、ディレクターでも取得の意義があるといえるかもしれません。

試験について

試験日程・時間

Foundation Levelは約半年に1回(2月中旬、8月下旬)のペースで、Advanced Levelは不定期に実施されています。
スケジュールが決まり次第公式サイトに掲載される他、試験実施パートナーの日本科学技術連盟が配信する“SQiPメールニュース”に登録(無償)すると、開催が決まり次第メールによる案内が届きます。
また、資格試験説明会や過去問題解説セミナーなども積極的に行われているため、公式サイトはこまめにチェックしておくことをオススメします。

受験料

受験料は難易度や種別にかかわらず22,000円(税込)です。
WEBで申し込む場合の例としては、WEBページから申し込みを行うと受験可能な人に振込案内メールが届くので、このタイミングで受験料を支払います。
なお、Advanced Levelの場合は必要提出書類の送付などが必要であるため、受験料以外の出費が発生する点に注意が必要です。

申し込み日程

試験への申し込みは試験日の3カ月ほど前から開始されます。
申込期間はFoundation Levelが2カ月弱、Advanced Levelが1カ月程度となっています。
どちらもWEB申し込みが可能となっているので即日の申し込みが可能ですが、申込期間の延長は存在せず、全地域会場定員に達した場合は申し込み期間中でも締め切りとなってしまうため、早めの行動を心がけましょう。
また、Advanced Levelは書類の提出期限も存在しているので、忘れないようにしましょう。

受験資格

Foundation Level

申し込みの基準は“志願者がソフトウェアテストに興味を持っている”となっており、受験資格などは存在しません。
しかし、JSTQBはシラバスにおいて“システムテストやユーザー受け入れテストなどのテスト担当、もしくはソフトウェア開発担当など、最低6カ月程度技術者としての経歴がある”、“ISTQBRに加盟している各国の委員会(日本ではJSTQBが該当する)によって認定された教育コースを受けている”の2点を満たすことを求めています。
後者に関しては試験対策としても有効となるため、自信がなければ受講しておくのがよいかもしれません。

Advanced Level

Advanced Levelには2つの受験資格が設定されており、“Foundation LevelまたはJSTQB以外のBoardのFoundation Levelの合格”、“申し込み時点で業務経験3年以上(業務経歴申請書の提出が必要)”の2点を満たしている必要があります。
特に、後者に関しては一朝一夕で満たせる条件ではないため、受験を考えている人はこの条件を満たすキャリアを構築できるかという点についても考えておきましょう。

合格発表日

JSTQBは、合格発表日の日程を“作業が完了次第公開する”としています。
本件に関しては、採点以外の作業により試験実施日から3カ月程度を所要期間として見通しているものの、一刻も早く結果を知りたい受験者のことを考慮して現在の形にしているとのことです。
なお、何らかの事情で発表に3カ月以上の期間を要する場合は公式サイトでその旨が掲載されます。

出題形式及び出題範囲

Foundation Level

Foundation Levelの試験形式は多肢選択式で、問題数は40問、試験時間は60分、合格ラインは65%以上正解となっています。
出題範囲は“ISTQBテスト技術者資格制度Foundation Levelシラバス”に準拠しており、大きく分けると“テストの基礎”、“ソフトウェア開発ライフサイクル全体を通してのテスト”、“静的テスト”、“テスト技法”、“テストマネジメント”、“テスト支援ツール”の6つとなります。

 

なお、シラバスでは、知識の認知レベルとして“K1(記憶)”、“K2(理解)”、“K3(適用)”、“K4(分析)”という4つの指標が設定されています。
Foundation Levelの出題範囲に対応するレベルは大半がK1とK2で、K3が数える程度となっているため、初学者でも躓きにくい内容となっています。

Advanced Level(TM)

Advanced Levelのテストマネージャ試験は、多肢選択式で合格ラインは65%以上の正解、出題範囲はシラバス(ISTQBテスト技術者資格制度Advanced Levelシラバス)に準拠という点はFoundation Levelと同様です。
ひと目でわかる変更点としては問題数が65問、試験時間が180分に増えているという点です。
試験時間に関しては、出題範囲が非常に広いことが要因と考えられるため“時間が伸びた分楽になった”とは考えないほうがよいでしょう。

 

大きく分けた出題範囲は“テストプロセス”、“テストマネジメント”、“レビュー”、“欠陥マネジメント”、“テストプロセスの改善”、“テストツールおよび自動化”、“スタッフのスキル”の7つです。
知識の認知レベルの分布は、K2をメインにK3とK4の内容も一定量存在する形で、理解を深めるには実際の業務経験も必要となる内容となっています。

Advanced Level(TA)

Advanced Levelのテストアナリスト試験は、問題数が60問である以外は基本的な試験内容はテストマネージャ試験と同様です。
大きく分けた出題範囲は“テストプロセス”、“テストマネジメント:テストアナリストの責任”、“テスト技法”、“ソフトウェア品質特性のテスト”、“レビュー”、“欠陥マネジメント”、“テストツール”の7つです。
知識の認知レベルの分布は、テストマネージャ試験と同じくK2をメインとした形ですが、K3とK4の内容がK2と同程度の割合となっているため、テストマネージャ試験よりも業務経験の必要性を高く感じるかもしれません。

合格率

公式サイトでは各試験の実施データが公開されています。
Foundation Levelの合格率は40~60%の間を推移する形となっており、簡単ではないものの合格はそこまで難しくない内容であることがうかがえます。
Advanced Levelは、TMとTAどちらの合格率も非常に低く、最大でも25%付近となっています。
また、受験資格の都合上、受験者全員がFoundation Levelを合格する実力があるということになるため、難易度はFoundation Levelと比較してかなり高くなっていることがわかります。

 

■JSTQB認定テスト技術者資格試験実施データ(受験者数/合格者数/合格率)

●JSTQB認定テスト技術者資格 Foundation Level
トライアル試験(2006年1年31日):48名/25名/52.1%
第1回(2006年8月28日):264名/128名/48.5%
第2回(2007年3月2日):518名/317名/61.2%
第3回(2007年8月25日):783名/587名/75.0%
第4回(2008年2月09日):1302名/771名/59.2%
第5回(2008年8月30日):1458名/657名/45.1%
第6回(2009年2月07日):1411名/706名/50.0%
第7回(2009年8月29日):1869名/962名/51.5%
第8回(2010年2月13日):1250名/738名/59.0%
第9回(2010年8月28日):1470名/803名/54.63%
第10回(2011年2月19日):1139名/686名/60.2%
第11回(2011年8月27日):1134名/502名/44.2%
第12回(2012年2月18日):996名/425名/43.0%
第13回(2012年8月25日):1135名/406名/35.8%
第14回(2013年2月16日):958名/514名/53.7%
第15回(2013年8月24日):1119名/773名/69.1%
第16回(2014年2月15日):222名/96名/43.24%
第17回(2014年8月30日):1534名/859名/56.0%
第18回(2015年2月14日):909名/581名/63.9%
第19回(2015年8月29日):1054名/786名/74.6%
第20回(2016年2月13日):975名/636名/65.23%
第21回(2016年8月27日):1334名/647名/48.5%
第22回(2017年2月11日):1257名/619名/49.24%
第23回(2017年8月26日):1333名/773名/58.0%
第24回(2018年2月10日):1100名/818名/74.36%
第25回(2018年8月25日):2274名/1440名/63.3%
第26回(2019年2月9日):1324名/645名/48.8%
第27回(2019年8月24日):1848名/1162名/62.9%
第28回(2020年2月8日):1516名/789名/52.0%
第30回(2021年2月13日):923名/603名/65.3%

 

●JSTQB認定テスト技術者資格 Advanced Level(TM)
トライアル試験(2010/8月28日):189名/19名/10.05%
第1回(2011年8月27日):278名/240名/83.6%
第2回(2013年2月16日):277名/19名/6.86%
第3回(2014年2月15日):91名/14名/15.38%
第4回(2014年8月30日):357名/34名/9.52%
第5回(2015年8月29日):294名/35名/11.9%
第6回(2016年8月27日):315名/19名/6.03%
第7回(2017年8月26日):293名/61名/20.8%
第8回(2018年8月25日):339名/91名/26.8%
第9回(2019年8月24日):484名/78名/16.12%

 

●JSTQB認定テスト技術者資格 Advanced Level(TA)
第1回(2016年2月13日):351名/43名/12.25%
第2回(2017年2月11日):269名/17名/6.32%
第3回(2018年2月10日):283名/64名/22.61%
第4回(2019年2月09日):504名/128名/25.4%
第5回(2020年2月08日):453名/94名/20.8%
第6回(2020年2月13日):288名/39名/13.5%

過去問

公式サイトで各試験のサンプル問題が公開されている他、YouTubeにはAdvanced Levelにおける過去出題問題の解説セミナーの動画が配信されています。
また、公認書籍として『ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation』も出版されています。
その他の参考書籍はシラバス内に参考・引用書籍やサイトのURLが表記されています。
基本的には海外の書籍やサイトとなっていますが、一部は日本語版も存在しているので、しっかりと確認しておきましょう。

まとめ

JSTQBは、JSTQB認定テスト技術者資格について他の資格試験と難易度の比較を行ってはいませんが、ISTQBとの相互認証により海外でも有効な資格となっている他、その難易度から一定の信頼性を持っています。
Advanced Levelは気軽に挑戦できない内容となってきますが、現在学生でテストエンジニアの進路を考えている人や、現在テストエンジニアである程度このままキャリアを積んでいくことを考えている人は受験を考えてみてよいかもしれません。

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