昨今のライブストリーミングサービスの隆盛もあり、ゲーム実況配信はより盛り上がりを見せています。今回紹介するGenvid SDKは、これまで一方的だったゲーム配信に更なる進化を加え、今まで以上にユーザーと配信者が楽しめる機能を組み込んだソフトウェアです。本記事にて、Genvid SDKの概要と特徴について解説していきます！
目次
Genvidとは
Genvidは、YouTubeやVtuberによる配信、その他ライブ配信アプリにおいて、プレーヤーと視聴者がよりインタラクティブに交流できる機能を組み込む「Genvid SDK」というミドルウェアを提供する会社です。
インタラクティブとは、日本語で”双方向的”、”対話型”等の意味を持っており、Genvid SDKがあることで、例えばゲーム実況動画などにおけるユーザーと配信者間のコミュニケーションを活発にさせるための仕組みを構築することが出来ます。
2021年3月18日には、同社のSDKを組み込んだインディーデベロッパーによる新作5タイトルが発表され、中国でライブストリーミングサービスを提供するHuya、NTTドコモ・ベンチャーズ、サムソン・ベンチャーズからの資金調達総額は5,000万ドル以上の額に到達しています。
Genvid SDK
Genvid SDKとは、Genvidが開発するインタラクティブ・ストリーミングSDKの名称を指します。
現在YouTube動画などでもみられるゲーム実況では、プレイ画面を共有しながら配信者が解説やリアクションを加える事で動画が配信されます。そして視聴者はそれを見ながらコメントしたり、投げ銭、スパチャをするといった一方的な行動にとどまり、プレイ動画に直接操作を加える様な行動は出来ません。
Genvid SDKはこれに対しユーザーが操作できる領域を増やす事を可能にしており、画面を1人称画面に切り替える、参加プレイヤー全員の画面をマルチ表示に並べる、応援機能としてEffectの投稿が可能になるなど様々な挙動を可能にしています。
GenvidSDKの機能
以下ではGenvid SDKで出来る事をピックアップしてまとめていきます。
視聴者の熱気を可視化出来る
これまでのゲーム配信での応援機能は、投げ銭やスーパーチャット、コメントによる応援などがほとんど。しかしこれらは閲覧ユーザーが多ければ多いほど流動性も高く、配信者の目に留まる事はありません。加えてあくまでゲーム画面に集中している以上、いわゆる推しの配信者に自分の応援が届かないというもどかしさが発生する事もあるでしょう。
Genvid SDKでは、視聴者の熱気を可視化するための応援方法として、画面上にエフェクトを実装する事を可能にしています。また配信側のゲーム画面を阻害しない様なUI設計により、オーバーレイで表示するといった動きが可能になります。
ゲームの理解が深まるデータ提示
例えばサッカーのスポーツ中継を見ていると、現在のボール支配率やシュート数、攻撃エリアなどの戦術的データがリアルタイムで更新され、適切なタイミングでユーザーに届ける事で試合をより面白く見れる様な番組構成になっていると思います。
Genvid SDKを組み込んだゲームもこれと同じ様に、ゲーム内の現在のデータを可視化してくれる機能が搭載され、ゲームに対するユーザー理解を深めることができます。
例えば複数ユーザーが参加するMMORPG、オンラインFPSゲームの場合、各プレイヤーの残機状況やマップ、試合を有利に運んでいる要素を都度提示してくれるため、状況が分からない場合でも存分にゲーム実況を楽しむことが出来ます。
Genvid SDKの活用事例
アクションゲーム「Space Sweeper」
Space Sweeperでは、Amazonが提供するライブストリーミング配信プラットフォーム「Twitc」において配信されるゲーム実況に対して、視聴者側がプレイに影響を与えることが出来ます。
配信プレイヤーが敵を倒した際に現れるポイントを集めて、実際のゲーム内にアイテムやキャラクターを登場させることができ、インディーズゲームイベントのBitSummitへの出展により会場で人気を博しました。
Nintendo Switch「ドンさわぎ」
ドンさわぎは、世界で初めてNintendo SwitchでGenvid SDKが活用されたゲームです。本作は、大量に降ってくる“ドンぐり”を、様々なアイテムで相手フィールドに打ち込んでいくアクションゲームとなっており、応援するプレイヤーに声援を送ったり、スペシャルアイテムを渡したりすることが出来ます。
まとめ
インタラクティブストリーミングサービスのGenvid SDKについて解説してきました。
Genvidの登場により、今後ゲーム実況市場も大きく変化していく事が予想され、その動向に世界から注目が集まっています。実際の開発知識だけでなく、今回ご紹介したGenvid SDKの様に、ゲーム業界における新技術にアンテナを張る様にしておきましょう。
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