ゲーミフィケーションとは?特徴と事例について解説!


昨今ゲームの原理原則を活用した新しい概念、「ゲーミフィケーション」が話題になっています。これはゲームデザインや法則、ゲームを通して得られるユーザー体験をサービスや社内制度に適応させることで様々な効果を得る手法で、現在日本や世界でも様々な場所で活用され始めています。
本記事においてゲーミフィケーションに関する概要や歴史、実際にどのようにゲーミフィケーションが活用されているのかという事例紹介していきますので、よりゲーミフィケーションへの理解を深めて頂ければと思います!

ゲーミフィケーションとは?

ゲーミフィケーションの概要

ゲーミフィケーションとは、ゲームデザインやゲームシステム、仕組みや原則という要素を、ゲーム以外の分野に活用する事を意味します。日本語でゲーム化を意味する”Gamify”という言葉が語源になっていると言われていますが、ゲーム化自体は目的ではなく、売り上げアップやサービス認知度拡大といった目的達成の手段として使われる言葉です。

 

企業内でいえば、組織構造/研修や教育の効果を、ゲームの仕組みを応用する事で向上したり、サービスであればユーザーの行動原理をゲームと同じ要素で組み立てながら、”ユーザーが夢中になるサービス”を展開するための施策を検討していくといった活用方法があります。

 

例えばゲームでは、与えられた課題を解決した際に、コインやポイントといった報酬が与えられます。これは人間の承認欲求を刺激するためのゲーム内施策ですが、その原理を人事制度に応用する事で、給与体系をインセンティブ制にするといった活用も例として挙げられます。

 

これまでに多くの機関・学者によってゲーミフィケーションに関する研究がおこなわれていますが、個人差はあれど人間に良い効果を与えると示されており昨今注目されている用語です。

ゲーミフィケーションの歴史

2008年に、コンピューター・ソフトウェア界隈で登場した“ゲーミフィケーション”という言葉ですが、一般的に広く普及したのは、2011年。アメリカのガートナー社による「テクノロジーハイプサイクル」という発表の中で取り上げたことにより日本においても話題になりました。
2000年代から急速に普及したインターネットの影響も大きく、2011年の日本ではGREE,DeNA,mixiといったソーシャルゲームが発展していた時代。ゲームが人々の日常により深くなっている時代だったからこそ、ガードナーが提唱したゲーミフィケーションに、個人法人問わず注目が集まったと言われています。

ゲーミフィケーションの活用方法

ゲーミフィケーションの活用方法は企業や研究によって様々ですが、ゲーミフィケーションにおける有名な6要素と、ゲーミフィケーションの導入手法であるバートルテストについてご説明します。

ゲーミフィケーションの6要素

ゲーミフィケーションの6要素とは、ゲームデザイナーの岸本 好弘氏によって定義されたゲーミフィケーションの構成要素であり、
①能動的参加
②称賛演出
③成長の可視化
④達成可能な目標設定
⑤即時フィードバック
⑥自己実現
の6つから成り立っています。下記ではそれぞれの要素を、実際のゲームと業務に絡めながら説明します。

 

①能動的参加
→ゲームは初級/中級/上級と、「自分が最も楽しめる」状態のゲームを楽しむことが出来ますが、仕事においてもこの原理を活用し、社員が最も楽しめて能動的に仕事をすることが出来るための仕掛けが必要であるとされています。

 

②称賛演出
→実際のゲームでは何かしらの課題をクリアすると、盛大な効果音と共に花火が上がったりキャラクターが喜んでくれたりする事で、目的達成を讃えてくれます。業務においても同じで、成果を出した社員/定性的な目的に取り組んだ社員など一定の成果を上げた社員には、十分称賛を与えるという手法です。

 

③成長の可視化
→ゲームはレベルを上げればキャラの見た目が変わったり、使えるアイテムが増えるなど、変化が明確に現れ、モチベーションに繋がります。
業務でいえば営業成績や目標PVといった目に見える成果を常に数値化しておくことで、自分自身の成長度合いを把握しておく事で、成長意欲を刺激することが出来ます。

 

④達成可能な目標設定
→例えばRPGの様なゲームは、序盤/中盤/終盤とレベルや戦い方に変化があります。自分のレベルが低い場合は強敵を倒せませんが、HPやMP、攻撃力や魔力といったステータスを上げる事で必ず強敵を倒せる様に設計されています。
業務でも同じ様に、直近目標/中間目標/最終目標を常に可視化しておくことで、自分の今のレベルを把握したり、最終目標到達までのモチベーションを保ち続けることが出来るという理論です。

 

⑤即時フィードバック
→ゲームは決められたコマンドで必殺技を発動する等、操作に対する反応がすぐに返って来ることが快感に繋がります。仕事においても、自分の仕事や取組みに対する反応がすぐに返ってくる事で、仕事に対する爽快感や安心感を助長することが出来ます。

 

⑥独自性の歓迎
→ゲームには王道と呼ばれる戦術や進め方もありますが、裏技や誰も知らなかった攻略等の工夫を通して、独自の達成感に繋げる事が出来ます。
仕事でも、自分で考えて工夫した仕事が評価されたり売上に繋がる事で、快感や満足感を味わうことが出来ます。

ゲーマータイプを分類するバートルテスト

ゲーミフィケーションを企業に取り入れる際、社員を画一的ではなくそれぞれのタイプに分類して対策を練る必要があります。そのための手法として、オンラインゲーム研究者のリチャード・バートル氏は、「バートルテスト」という手法を提唱しました。
生産性の向上や売り上げの拡大のために実際に企業がこのゲーミフィケーションを導入する際は、社員を4つのゲーマータイプに分類し、社員がどの分類に属しているかを踏まえたうえで導入するべきであるとしており、リチャード・バートル氏によれば、

 

1物事の「達成」に満足感を覚えるアチーバー
2物事の「探検」に満足感を覚えるエクスプローラー
3「社会とのつながり」に満足感を覚えるソーシャライザー
4「他の人よりも優位に立つ事」に満足感を覚えるキラー
の4つに分類する事で、各個人にスムーズにゲーミフィケーションを導入することが出来るとしています。下記ではそれぞれのタイプの概要について説明します。

 

1.物事の「達成」に満足感を覚えるアチーバー
アチーバータイプの人は、物事の”達成”に喜びを感じます。ゲームでは、レベル上げやクエストをクリアする事に快感を覚えるタイプで、難易度の高い敵やステージ好む挑戦心のある性格です。そのため、成果報酬型の給与体系や、目的達成に対する特典等を与える手法が有効です。

 

2物事の「探検」に満足感を覚えるエクスプローラー
エクスプローラータイプは、ゲームにおいて隠しステージやレアアイテムの入手等、探検を通した想定外の報酬を得る事に満足感を得るタイプです。
そのため分かりやすい報酬を与えるのではなく、新しい役割や業務を与えてみるといった、自分だけの特殊な設定をする事でモチベーションを上げることが出来ます。

 

3「社会とのつながり」に満足感を覚えるソーシャライザー
ソーシャライザーは、人や社会という横のつながりに満足感を得るタイプです。ゲームでいえば、オンラインゲーム等の協力プレイや、通信対戦/交流により他のプレーヤーから頼られることに喜びを見出します。このようなタイプの場合は、人々の交流を図るイベントの担当や、社内研修担当等の役割を与える事で、ゲーミフィケーションの効果を発揮することが出来ます。

 

4「他の人よりも優位に立つ事」に満足感を覚えるキラー
キラータイプは、他者との競争を好み、自分が一番になる事に喜びを見出すタイプです。ゲームセンターやオンラインゲームではプレイヤーごとのランキングが表示される場合がありますが、そこで自分が一番になる事を好みます。
そのため仕事においては、営業成績ランキングを発表する、成果を上げた社員は表彰するといった制度を設ける事で、業務への参加意欲を刺激する事ができます。

ゲーミフィケーションの事例

下記では様々な業界におけるゲーミフィケーションの活用事例をご紹介します。

マクドナルドにおける事例

大手ハンバーガーチェーンのマクドナルドでは、社内教育システム「ハンバーガー大学」を設けています。講座ではマネジメントスキルやチームビルディングなどを学ぶ事が出来ますが、アルバイトのトレーニングにはニンテンドーDSと「e-SMART」というツールを利用することで学習効率を高めています。また社員モチベーション向上施策としてAJCCというアルバイト向けオペレーションコンテストも実施。海外視察や特別ユニフォームといった特典を設け、業務への積極的参加意欲を促しました。

Facebookにおける事例

世界的なIT企業であるFacebookでは、セールスフォースのRyppleという社内システムを導入しています。このシステムは、「上司からのコーチング」「目標までの進捗状況」「同僚との情報交流」「同僚からの感謝メッセージ」という4種類のフィードバックを社員間で送りあうシステムになっており、業務内容の可視化や、感謝という即時フィードバックを通した評価システムで業務効率化を推進しています。

まとめ

ここまでゲーミフィケーションの概要と歴史、導入方法や事例について解説して来ました。
ゲーム開発とは違う切り口の記事でしたが、ゲーム要素を様々な用途で活用するゲーミフィケーションは今後ますます導入が増えていきます。ゲーム開発に携わる方々も、本記事の様なゲーム関連ニュースにアンテナを張る事で、業界知識やスキルの習得に努めると良いでしょう。

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