桃太郎シリーズの監督を務める、さくまあきらとはどんな人?


『桃太郎伝説シリーズ』、『桃太郎電鉄シリーズ』の監督として有名なシナリオライター、さくまあきら氏。本記事ではさくまあきら氏のこれまでの略歴や代表作について紹介していきます!

さくまあきらとは?

さくまあきら氏は、『桃太郎伝説シリーズ』、『桃太郎電鉄シリーズ』の総監督を務めたゲームシナリオライターです。1952年に東京で生まれ、自身が影響を受けた音楽家、すぎやまこういち氏にあやかり、ペンネームを平仮名のさくまあきらとしています。
ちなみに、『ドラゴンクエスト』シリーズの生みの親として知られる堀井雄二氏とは学生時代の友人でもあります。

 

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生い立ち~大学卒業

1952年、東京都杉並区で生まれたさくまあきら氏。実家は玩具店を営んでおり、幼少のころから漫画が好きな少年だったそうです。
学生時代はバンドや漫画にハマり一時成績が落ちてしまった事もありましたが、その後奮起し一浪の末立教大学に進学。漫画研究会に所属し、後にさくま氏に影響を与えた堀井雄二氏、土居孝幸氏とも交流を持つようになります。

 

大学卒業後はライターとして、週刊少年ジャンプの『ジャンプ放送局』の読者投稿コーナーや、漫画評論家としても活動。堀井雄二氏と出版会社を立ち上げるなどの活動を行いましたが、業績不振の影響もあり2年程で出版社の活動を終了します。

ゲーム業界へ

あるとき、堀井雄二氏と土居孝幸氏で話をしている際、「ドラゴンクエストのボスを倒すのが桃太郎っぽい」という話で盛り上がった事で、ゲーム制作に興味を持つことになります。
当時出版社時代の借金を抱えていたさくま氏ですが、堀井氏から「ゲームは儲かるし借金も返せる」という言葉を受け、ハドソンを制作元に選びゲーム制作を始めます。
原稿用紙4,000枚にも及ぶシナリオを書き、約3ヶ月ほどの制作期間を経て、1987年にファミコン用ゲームソフトの『桃太郎伝説』をリリース。100万本以上のヒットを記録し、以降シリーズ化するなど大人気作品に発展していきます。

闘病生活

『ジャンプ放送局』での仕事やゲーム制作などで多忙を極めていたさくま氏。一時は連載と並行しつつ4本以上のゲーム制作、イラスト投稿雑誌『チョコバナナ』の編集長等も兼務していたそうです。
1995年に高血圧による眼精疲労や頚椎椎間板ヘルニアで体調を崩し、あるとき突然倒れ診察を受けると、脳内出血と糖尿病を併発していたことが発覚します。多忙ゆえに周りからの心配にも目もくれず働いてきましたが、この時ばかりは入院を余儀なくされました。

 

1年半のリハビリ生活から退院した1997年、初代『桃太郎伝説』からゲーム制作10周年を迎え、記念に制作された作品内では、堀井雄二らがゲーム内に登場するモンスターのデザインを担当しています。

 

2000年代以降は、ゲームクリエイターの講師、大学の客員教授等を務め精力的に活動していましたが、2012年には脳内出血、2019年には亜急性心筋梗塞により緊急搬送され、一時は集中治療室で療養していました。しかしその間にも、『桃太郎電鉄2017 たちあがれ日本!!』、『桃太郎電鉄 〜昭和 平成 令和も定番!〜』の監督を務めており、現在はSNSにて自身の生活を積極的に発信するなど、元気な姿を見せてくれています。

 

さくまあきらが手掛けた桃太郎シリーズとは?

桃太郎伝説シリーズ

『桃太郎伝説』シリーズは、1987年にファミコン用ソフトとして発売されたゲームです。総監督はさくまあきら氏、イラストは土居孝幸氏、楽曲はサザンオールスターズの関口和之氏が務めています。

 

昔話の「桃太郎」に倣い、主人公の桃太郎がイヌ、サル、キジを引き連れて鬼を退治するゲームですが、途中に『金太郎』『浦島太郎』など他の昔話に登場するキャラクターが出てくるなど、独特な世界観が展開されています。
また、通常のRPGでは命を奪う事で敵を倒す事がよくありますが、桃太郎伝説シリーズでは、「こらしめる」と表現しており、生死の表現を明確にしていない事も特徴の一つです。

 

その後、正式な続編である『新桃太郎伝説』、1990年には『桃太郎伝説ターボ』、2011年には『桃太郎伝説モバイル』が登場しており、グラフィックの刷新、カード収集機能の追加などのアップデートが行われました。

桃太郎電鉄シリーズ

『桃太郎電鉄シリーズ』は、ハドソンからリリースされたゲームで、『桃太郎伝説』シリーズの派生作品としてリリースされました。
鉄道会社の運営をモチーフにしたボードゲーム形式で展開され、東京駅をスタート地点として全国各地の駅を回りつつ、ホテル、デパート、農園などの物件を購入しながら進めていきます。勝敗の基準は、①収益が一定の金額に達した場合②決められた年数での金額が多い順③特定の土地の購入者、の種類から選択可能になっています。

 

第1作目はファミリーコンピュータ用ソフトで、1988年にハドソンから発売され、桃太郎伝説シリーズと同じく、さくまあきら氏、土居孝幸氏、関口和之氏によって開発されています。
しかし、ハドソンのコナミへの完全子会社化、既存社員の退職やトラブルなどの様々な要因が重なり、2012年にリリースされた『桃太郎電鉄TOKAI』をもって新作の開発が終了。23年余りのシリーズが一旦幕を下ろす事になります。
2012年7月26日に桃太郎電鉄ボードゲーム『大どんでん返しの巻』がさくま監修のもと制作されましたが、2015年にさくま氏がTwitterで正式にシリーズの終了を一旦宣言します。

 

しかしその後、2016年9月1日に配信された「Nintendo Direct」において、3DS用ソフト『桃太郎電鉄2017 たちあがれ日本!!』が発売予定であることが発表されます。

 

そして2019年9月5日に同じく配信された「Nintendo Direct」内で、Nintendo Switch用ソフト『桃太郎電鉄 〜昭和 平成 令和も定番!〜』が2020年に発売予定であることを発表。
当時コナミの統括プロデューサーを務めていた岡村憲明氏が、「僕の責任できちんと作れるスタッフや環境を整えますので、もう1回チャンスをいただけませんか」とさくま氏に打診したことで、もう一度、悔いのない『桃鉄』を作りたいという思いがあり一旦様子を見る形で始動。現在『桃太郎電鉄 〜昭和 平成 令和も定番!〜』は累計販売本数300万本を突破する大ヒット作品にまで成長しました。

まとめ

桃太郎シリーズのさくまあきら氏について解説しました。
出版社時代の失敗や闘病など、数々の苦難を乗り越えてきたさくまあきら氏。これからのクリエイターとしての活動にも注目していきたいところです。

 

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