放置にも技あり。育成ゲーム『モンスタートレーダー』の巧みな設計


王道スマホゲームといえば、1つには放置系ゲームの存在が挙げられるでしょう。

 

スマホをポケットに入れている間もゲームは進み、勝手にプレイヤーが成長していくような作品はいくつも見られましたが、放置ゲームとしてはやりこみがいのある仕上がりとなっているようです。

 

放置育成ゲームの『モンスタートレーダー』

『モンスタートレーダー』はいわゆる育成RPGの一種と言えますが、主役はモンスター、そして勇者が敵という設定の放置ゲームです。

http://www.gamecast-blog.com/archives/65954775.html

 

モンスターを育てて勇者を撃退

いつもなら敵キャラクターとして登場するモンスターを倒していくのが王道ですが、『モンスタートレーダー』は勇者を倒すためのモンスターを育てるのがメインのシステムとなっています。

 

ゲームスタート時にお小遣い程度のお金を渡され、そのお金で買ったモンスターを勇者と戦わせることでゲームは進行します。

戦闘自体は完全にオートで行われるので、時間が進むにつれて戦闘も進み、戦うことで得たお金をうまくやりくりしながらモンスターを強化していきます。

長年育て上げてきたモンスターのレベルアップに費やすもよし、貯まったお金で強力なモンスターを購入するもよしと、選択肢は豊富です。

 

プレイヤーは勇者に討伐される、いわゆる雑魚クラスのモンスターを購入したり使役することになるため、育てていたモンスターが勇者に倒されてしまうことも日常茶飯事です。

育成ゲームといえば一匹の生物を大事に育て上げるものがポピュラーですが、『モンスタートレーダー』の場合は次から次へと飼育するモンスターが入れ替わっていく点もユニークであると言えるでしょう。

 

プレイヤーが勇者を困らせる側に立つゲームは、「勇者のくせになまいきだ」シリーズをはじめとした多くの作品が見られますが、『モンスタートレーダー』もまたその一つと言えるでしょう。

 

エンディングありのコンパクト性

『モンスタートレーダー』は育成ゲームとはいえ、ゲームの進行がステージ制となっているだけでなく、最終面とエンディングが用意されている点も特徴です。

 

通常の育成ゲームの場合、モンスターの寿命が尽きるまで、あるいは無限になど、ステージの概念がなく、半永久的に育成を続けることが難しくないことも多いものです。

あるいは放置ゲームであっても、永遠に戦い続けたり、数字が大きくなっていくだけでやっていることはずっと同じというシステムの場合も多いため、いつかどこかで飽きてしまうこともあるものです。

 

そういったマンネリを防ぐ意味もあってか、『モンスタートレーダー』はステージ制を採用しており、一定の勇者を倒すことで次のステージへと進み、最終的にはエンディングを迎えることができるようになっています。

後半にかけてその難易度は難しくなっていき、何度も同じステージを周回して、モンスターを強化してから挑まなければならないケースもあります。

 

「放置」によってステージをクリアしていく感覚は、『モンスタートレーダー』ならではの面白さということができそうです。

 

「放置」に潜む戦略性

放置ゲームは、プレイヤーが何もしてなくとも勝手にゲームが進行するところに注目が集まりがちですが、『モンスタートレーダー』は思わず先を見届けたくなるような設計になっているところがポイントです。

 

周回プレイで真価を発揮

『モンスタートレーダー』は放置することでゲームを進行させるため、実際に自らプレイすることはないものの、それゆえに新しい楽しみ方も見いだすことができるようになっています。

 

ゲーム中では様々なモンスターが登場し、徐々に強力な個体だけでなく、個性豊かなモンスターたちがショップに陳列されます。

これらを効率よくコレクションしようと思えばある程度の戦略性がプレイヤーに求められ、最も効率よく集めるためにはどうすれば良いか、といった遊び方を開拓していくこともできるのです*1。

 

戦闘そのものにはプレイヤーが加担することはありませんが、プレイヤーは購入するモンスターやその組み合わせについて頭を悩ませることができる。

戦略ゲームとしての側面が出てくるというわけです。

 

いかにして効率よく倒していくかがポイントに

モンスターにも単純にパワーの強さだけでなく、各々で特殊能力を持っていることもあります。

これらをうまく組み合わせることで、単に高いお金を払ってパワーで勇者を殴るだけのプレイよりもはるかに強力な力を生み出すことも可能なため、そのバランスの取り方、自分なりの最強パターンの構築を考えるところにこのゲームの面白さがあると言えるでしょう。

 

もはや強力な勇者をなんとか倒すのではなく、いかに効率よく勇者を排除していき、エンディングまで駆け抜けるかという面白さをも持っていると言えます。

 

主体性の高い新たな放置ゲームのあり方

『モンスタートレーダー』が提案する放置ゲームは、これまでにない、戦略性を追求した放置ゲームのあり方です。

 

放置ゲームにしては珍しい、頭脳プレーの要求

通常の放置ゲームや育成ゲームの場合、生き物に餌などを与えたり、バトルの間をただひたすら待っているだけという、まさに暇つぶしのためのゲームという毛色が強い作品がほとんどです。

 

一方の『モンスタートレーダー』は、突き詰めるとパズルゲームや戦略ゲームのような頭脳プレーを要求されることとなるため、むしろ相当な頭の回転が要求されることになる、主体性の高いゲームになっていると言えます。

ただイベントを消化するのではなく、一つ一つの作戦にトライアンドエラーが発生し、自分なりに最も素早くエンディングを目指せる組み合わせを開拓していかなければなりません。

 

放置ゲームをここまでエキサイティングにした作品は、『モンスタートレーダー』を除けばそう多いものではないでしょう。

 

放置ゲームとはいわば「ムダ」の削減

『モンスタートレーダー』は効率の良いプレイを目指す作品の側面を持っていますが、そもそも放置ゲームは効率よくプレイすることを前提としたジャンルでもあります。

 

例えば放置しておけば育成中の生物や兵士が育っていくシステムは、RPGで言う、雑魚キャラクターをひたすらに討伐して経験値を上げるルーティンの簡素化です。

あの作業が面白いと言う人もいるかもしれませんが、ゲームとしては盛り上がらない部分の代名詞的存在とも言えます。

 

放置ゲームではそういった作業を全て自動化し、時間経過によって達成されるように設計されているのです。

『モンスタートレーダー』もまた、モンスターのレベル上げの作業を全て廃し、モンスターの組み合わせで生まれる戦略性や、ゲームクリアの快感のみに特化した作品となっています。

 

このような合理的な仕組みを有しているからこそ、『モンスタートレーダー』は高度な頭脳プレーを楽しむことができるゲームとして完成していると言えるのです。

 

おわりに

手抜きの代名詞として評されることもある放置ゲームですが、『モンスタートレーダー』のように、見方を変えれば100倍は楽しめる作品もまだまだ眠っています。

 

簡素に見えるゲームでも、遊び方や面白い部分の捉え方をひねってみることで、ユニークで病みつきになる作品へと変化を遂げることがあるかもしれません。

 

出典:

*1 ゲームキャスト「インフレしない、エンディングのある放置”戦術”ゲーム『モンスタートレーダー』レビュー。」

http://www.gamecast-blog.com/archives/65954775.html

 

ライター名:Satoru Yoshimura

プロフィール:ライター。20年以上の付き合いがあるビデオゲームとアメリカ音楽をテーマとした活動が中心。「日本のゲーム音楽がヒップホップに与えた影響」などブログで公開中。

 

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