「日本をモット アソぼう。」をテーマに地域活性化へ取り組むバンダイナムコエンターテインメントの『BNJ PROJECT』をご紹介!


株式会社バンダイナムコエンターテインメントは、日本各地の地域と共に新しいエンターテインメントを創出し、皆さんと一緒に日本を元気づけたいという思いから、BNJ PROJECTを始めました。

テーマは「日本をモット アソぼう。」。

今回はBNJ PROJECTの坂本純一氏に、これまでに行った地域活性化のための取り組みや、これから始まる新しい取り組み「地元 アソビつくり隊!」について、お話をうかがっていきます。

 

ゲームセンターの店長から地域活性化まで

 

――BNJ PROJECTの話をする前に、まずは坂本さんの来歴について教えて下さい。

 

元々はナムコ(現:バンダイナムコアミューズメント)のアミューズメント施設管理者、つまりゲームセンターの店長をしていました。

自分の興味がある分野は人を楽しませることだったので、大学時代にアミューズメント系か、出版のなかでもエンターテイメント系に絞って、就職活動をしました。

そのなかで縁があったのがナムコだったんです。

 

当時ナムコ(現:バンダイナムコアミューズメント)は家庭用ゲームの開発・販売とアミューズメント施設運営に大きくわかれていました。

施設運営側に決めたのは、学生時代に行ったナンジャタウンが決め手です。

限られた空間を演出して楽しませようとする工夫が衝撃的でした。

そこで施設運営に興味を持って、そちらに希望を出した形です。

 

――その後、店舗から家庭用ゲームの部署に移られたのですね。

 

せっかくナムコ(現:バンダイナムコアミューズメント)に入ったのだから家庭用ゲームのことも知っておきたいな、という風に考えて異動願いを出しました。

アミューズメント施設でお客さんと向き合っていた時間が長かったので、まず顧客対応の部署に移ったのですが、1年経たないうちにバンダイと合併が発表されました。(笑)

 

もといたアミューズメント施設はナムコ(現:バンダイナムコアミューズメント)が運営することになったので、気軽には戻れないなと思いました。

個人的には家庭用ゲームを担当しつつ、また施設運営に戻ってもいいかなと考えていた時期なので……まぁこれもタイミングだろうと思っています。

 

合併したあとのバンダイナムコゲームス(現:バンダイナムコエンターテインメント)で顧客対応を何年かやっているうちに、会社の売上が落ちた時期がありました。

その時に自分自身でも売上を作って、少しでも会社に貢献したいと思い立ちました。

 

ちょうどバンダイネットワークスというモバイルコンテンツ事業行っていた会社がバンダイナムコゲームスに合流するタイミングで、新たに通販のララビットマーケット(現アソビストア)の運営者を募集していました。

そこで、形は違うけどまた店長をやってみようかなと異動希望を出し、通販に携わることになりました。

 

当時はバンダイネットワークスという名前の通り、バンダイ系のキャラクターと、他社様からお借りしているキャラクターが中心だったんですが、ナムコ系の商品開発もやろうという時期でした。

そこで当時、顧客対応でお客様の声をよく知っていた『テイルズ オブ』シリーズから入らせてもらいました。

 

当時はリアルタイムで注文がメールで届いていたので、売れているか売れていないかがすぐわかったんですよ。

リアルタイムで状況がわかるので恐怖もありましたが、その分やりがいはありましたね。

 

――ララビットマーケットから、現在のBNJ PROJECTにどう繋がるのでしょうか?

 

僕はそうやって長らくファンの方と向き合って来たのですが、そういったファンと向き合う感覚って若い人のほうが敏感なんです。

だから年寄りがずっと座ってああだこうだ言っているより、若い人に任せちゃったほうがいい。

 

あとは自分の性質として何かに固執しちゃうところがあるので、今度はなるべく自由にやってみようと。

次はまだお客さんじゃない人に目を向けてみよう、社内の人間がやっていないことをやろうと考えました。

 

あとは店長時代に四国にいたこともあり、地方について活動してみるのもいいかなと思って、BNJ PROJECTに移動しました。

 


 

面白そう、楽しそうで人を集める!

 

――BNJ PROJECTでは日本各地の自治体・企業と一緒に「地域協働」をテーマに取り組んでいらっしゃいますね。

 

BNJ PROJECTは社内の新規事業として立ち上がったものですが、最初は「地域協働」というキーワードしかありませんでした。

 

担当の役員の方から話を聞いた時には、都内にはいろいろと弊社の看板があるけど地方には看板があまりない。

当時は地方でのTVCMもあまり流れていない。

まだ手を出せていない地方に眠っているものがあるんじゃないか、掘り起こしてみようという話が始まりでした。

 

――社内ベンチャー的な動きで、そこに参加したのが現在BNJ PROJECTを運営している3名だったんですね。

 

そうですね。

コンテストみたいな形式で新規事業を考えて、それを実際に動かしましょうという仕事でした。

ただ地方について調べた時に、掘れば掘るほど可能性も問題もわんさか出て来た。

 

地方ってまとめて言っていますが、場所によって三者三様、十人十色で、まったく違うんです。

それに対して何ができるかというのは、もっともっと時間を掛けて深堀りしなきゃいけない。

だからその事業が終わった時に、事業単位ではなくチームとして残して下さいとお願いして、いまのBNJ PROJECTという形で残してもらいました。

 

最初に活動し始めた時に地方の方から言われたのが、「会社のPRだけして終わりが一番困る」という話だったんです。

ちゃんと向き合ってほしいというのが先方からの要望としてあって、そこに向き合い続けるためにもチームを残す必要がありました。

 

――メンバーは3人いらっしゃるという話ですが、地方ごとに担当がわかれている感じでしょうか?

 

地域わけのイメージが近いですね。

人と向き合う仕事なので、極論すると馬が合う、水が合うところを担当するのですが……僕は基本的に西日本を中心に回っています。

 

メールとか電話ができるとはいえ、膝を突き合わせないと本気度が伝わらないし、先方のニュアンスもわかりづらい。

なるべく出向くようにしています。

 

――BNJ PROJECTの実例を教えて下さい。

 

最初にやり始めたのが、三重県の木曽岬町。

ここで『木曽岬ファミリーマラソン with 太鼓の達人』というイベントをやって以来、様々な取り組みに関わらせていただき、2年後の今年には夏の大きな取り組みに関わらせていただきました。

参加者100人規模から3000人規模になりました。

 

木曽岬では最初の取り組みということもあり、いろいろ手探りだったんですが、問い合わせをいただいた方がキーマンとしてすごくやる気のある方で助かりました。

 

我々もいくつか自治体の方々とお話したのですが、「これ誰の担当?」という話を発端に、結局ごちゃごちゃあやふやなまま「で何の話でしたっけ?」となることが度々ありました。

そうするとこちらとしても「必要とされてないんだな」、と判断して手を引くこともありました。

 

でも木曽岬町の担当者は、危機管理課、防災担当の方だったんです。

なぜかというと、小さい町なので役所も少人数で、いろんな課の人が委員会みたいな形でやっているんですね。

 

この人と話をすれば大丈夫、という人がいるのは我々もすごくありがたかった。

違う課の人たちが集まっているので、これやりたいあれやりたいと言った時に、その場ですぐ問題点や確認事項が出て来るのもやりやすかったですね。

 

木曽岬町の新しく開設された防災ステーションで、ドリフトトライクという三輪バイクのレースをやったことがありました。

最初は知り合いだけでひっそりやるつもりでしたが、木曽岬町の担当者が声をかけているうちに少しずつ人が集まって、国交省の人も参加するようになった。

その方から、今年の夏の取り組みにはバンナムさんに声をかけなよって言ってもらって、うちに話が来ました。

 

木曽岬町でのイベント風景

 

――面白そうなことをやっていますね!

 

我々のキーワードもまさにそれで、面白そう、楽しそうなことには人が集まるんです。

例えば「地域活性したい人!」って言ってもみんなシーンってなる。

でも「これ遊びたい人!」って呼びかけると、子どもだけでなく大人もたくさん集まって来る。

 

地域の方もいろんなメッセージを持っているんですが、人を集めないことにはどうしようもない。

役所が真面目なイベントをやっても限られた人しか集まらないので、そこは我々が楽しさを中心に人を集めることで、協力できることがあると思っています。

 

――2例目は、山口県の周南市ですね。

 

こちらは2日間で2000名規模のイベントでした。

ここで我々がチャレンジして形を作りたいと思っていたのが、様々な遊びを集めた祭り、アソビ祭りという形式です。

 

しかも遊びをそのまま持って来るだけじゃなくて、オリジナルを混ぜながらやろうということで、マイクロソフト社様のHoloLens、や本田技研工業社様のUni-Cubを活用させていただき、MRアトラクションの『PAC IN TOWN』をやりました。

 

あとはドッチビーというウレタン製のフリスビーを使ったドッヂボールですね。

これも既存のルールをそのままやるんじゃなくて、太鼓の達人のキャラクターであるどんちゃんの顔のコートを作って、サークル状の特殊ルールでやりました。

 

なぜならドッチビーをそのままやろうとすると、10対10と人数が多くチームを作るのが大変なんです。

そこで3~4人くらいでできるルールがないかなと、日本ドッチビー協会の方といろいろ考えて、オリジナルルールを作っていきました。

これも盛り上がりましたね。

 

周南市にはボートレース場があるのですが、新しく建物を作ったので使われなくなった旧券売所がありました。

そこを丸ごとお借りして、遊びを入れたお祭りを展開させていただいた。

もしこれができれば、他の地域でも廃校になった小学校なんかを使って同じことができるんじゃないか、という目論見もありました。

 

新ルールを加えたドッチビー!

 

――お話を聞いていると、坂本さんのアミューズメント施設運営のノウハウが活きている気がします。

 

誰もが気軽に遊べる場を提供したいとは思っています。

これはあくまで個人的な考えですが、ゲームのユーザーの枠を広げる、業界の枠を広げることに繋がる活動だと思っています。

みんなで遊ぶ、みんなでゲームをするってやっぱり面白いな、と感じてもらって、ゲームから一度離れた人にも戻って来てくれたらいいなと思っています。

 

だから個人的に頭で描いているアソビ祭りの本当の理想は、いろんな企業や人が出店することです。

お祭りに焼きそばの屋台しかないということはないように、いろんな企業の出店があって欲しい。

もちろん、実現させるのはすごく難しい話ですけどね(苦笑)。

 

そういう意味では、同業者が参加するのもありだと考えています。

そういった場所にゲームのプロトタイプを持って行って、遊んでもらえばいいんです。

ゲームに興味ないような人から感想をもらえる場所ってほとんどない。

だから作りかけのゲームでもいいんで、感想をもらってブラッシュアップして製品につなげればいいんじゃないかな。
 

遊びのアイデアを聞くなら小学生

 

――直近の活動として、『地元アソビつくり隊!』という名前で遊びのアイデアを募集されていますね。

 

正直、我々がこれは楽しいだろうと思ってやって来たことって、本当に地元の人が希望したことだったのかどうかわからない。

だから地元の人が本当は何で遊びたかったのか、どういうことがしたかったのか、一度聞く必要があると思いました。

 

我々も同じですが、自治体とか企業とかの大人は、ゆくゆくは経済効果があることを望んでいる。

そうなると、アイデアが商売の話に寄っていってしまうんです。

 

でも我々が本当にやりたいことは、人を楽しませることです。

その際にどういう遊びがいいのかを、商売抜きで地元の方からアイデアを出して欲しい。

 

そこで誰にアイデアを聞くか考えて出た結論が、小学生でした。

中学生とか高校生は勉強も部活も忙しくて、与えられた遊びで精一杯です。

でも小学生はボールをひとつで新しい遊びを発明することができます。

 

それがボールじゃなくて「地元のもの」という条件になった時にどんな遊びが出て来るんだろう。

それを募集してみよう!という流れでスタートしました。

 

 

――狙いとして地元の特産物と結びついたほうがいいのか、それとも御社のIPや製品を意識したほうがいいのか、どちらでしょう。

 

色々考えたのですが、今はとりあえず制限をかけずに募集しています。

ただ理想としては地元のものを使っていただくのが良いと考えています。

それは特産品かもしれないし、場所かもしれない。

そういうのを使って何かしたいことを考えてくれると地域性が出てオリジナル性が出ると思います。

 

――募集期間はいつまででしょう?

 

1回目は、2019年10月1日~31日。

あとは11月1日~30日に2回目の募集を行います。

そのなかのアイデアを選考して、ひとつずつ選ぶ。

10月募集分は、11月末には発表予定です。

 

11月募集分は年内に発表して、年末年始、遅くても今期中にできるものは実現してしまいます。

今回は小学生への募集なので、大変ですけど6年生が卒業する前になんとか実施までやりたいですね。

 

『地元アソビつくり隊』応募先はこちら!

https://bnj.bandainamcoent.co.jp/tsukuritai/

 

 

――プロジェクトの今後の展望について教えて下さい。

 

これまで通り、地方でもいろいろ遊べるんだという可能性を掘り起こしていければいいですね。

貴方たちの地域は実は外から見ると面白いんだよ!ということを伝えて行きたいです。

 

――ゲームを作るだけじゃなくて、ゲームを届ける先を自分たちで耕しているのですね。

 

開墾と種蒔きです。

僕たちは集まった方々の思い出を作ればいいんだと思っています。

 

友達と一緒にゲームをやった、っていう思い出はずっと残っていたりしますよね。

そういう思い出を持っている人たちがゲームの楽しさを思い出して、またお客さんになってくれれば、こんなに嬉しいことはありません。

 

――最後に、ゲーム業界への就職を希望する読者へのメッセージをお願いします。

 

人を楽しませることは、目の前のお客さんを楽しませるというだけではありません。

楽しみがどういう効果に繋がって行くのか、というところまで考えると仕事の幅が広がります。

 

作品に全力を投入する、というのはもちろんとして作品を楽しんだ人がその後どうなるのか。

そもそものゲーム開発を誰のために、何のためにやるのかを考えながらやるといい。

 

楽しむ、という行為にはいろんな可能性があることを知っていただけると嬉しいです。

 

――ありがとうございました。

 

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