『ブライト:サムライソウル』をはじめ、幅広いCG制作を手掛ける株式会社アレクト。CGデザイナー職種の皆様に業務内容と求める人物像について聞いてみました!

北海道発!3DCGに特化した映像制作会社「株式会社アレクト」

株式会社アレクトは、2013年に北海道札幌市に設立されたCG制作会社です。
これまでにゲーム、アニメ、映画、遊技機など幅広いプラットフォームにおけるCG制作を手掛けており、Netflixオリジナルのアニメ「ブライト:サムライソウル」の制作全般も担当しています。

〇Netflix映画『ブライト:サムライソウル』:Netflixにて、全世界独占配信

 

またアレクトは自社オリジナルのモーションキャプチャスタジオを構えており、奥行き20m・幅10m・高さ6.9mの国内最大規模の専有面積と高精度なトラッキングを可能にする第8世代VICON Vantage24台のカメラで、大規模かつ精度の高い収録を行っています。

〇モーションキャプチャスタジオ

〇第8世代VICON Vantage

 

今回はそんなアレクトで働く皆様へインタビューを実施!各工程ごとのやりがいや、今後CG業界を目指すユーザーへのアドバイスなど幅広くお聞かせ頂きました!

-物体のストーリーを作り出す-モデリングディレクター:猪俣 剛氏

・初めに業務内容について教えて下さい
アレクトでモデリングディレクターを務めている猪俣です。
Maya、ZBrush、3ds Maxといった3Dソフトウェアを使用して3Dモデルを制作する事がモデラーの仕事です。現在はアニメやゲームに登場するキャラクター、アイテムのモデリングを担当しており、モデリングのクオリティチェックも同時に行っています。

 

元はコンシューマーゲームの会社に勤めており新人の頃はイラスト制作業務がほとんどでしたが、2年目位からモーション制作やキャラクターモデリングをする様になりました。
しかし、ある時期から会社の方針でガラケーゲームが主流になり3Dを扱わなくなってしまったので、遊技機やCM、映像において3Dを中心に扱っていきたいと思いアレクトに入社しました。現在はディレクターとしての業務も担当しています。

 

・モデリングのクオリティチェックは、具体的にどのような部分を見ているのですか?
作品によって様々ですが、例えば形状やシルエットの部分。それからリアルテイストな作品のキャラクターモデルであれば、人体構造とか解剖学的な観点で正しい動きが出来ているか?という部分をチェックしていきます。

 

例えば携帯電話のモデリングをする場合でも、画面を開いたときの形状がおかしくなっていないか?動かしたときを想定したトポロジーになっているか??という構造的な観点を大切にしています。
また同じ携帯電話でも、使い古された携帯であれば傷はついているか?なぜその傷がついているのか?なぜこの部分が汚れるのか、きちんと意味のある汚れになっているか?という細かい部分まで意識して制作されているかをチェックします。

 

モデラーとして、物体やキャラクターをただ3D化するのではなく、そのモデリングのストーリーを表現出来ているか?という点に気を付けて制作を行っています。

 

・アレクトで働くうえでのやりがいはどんな部分が挙げられますか?
有名タイトルに多く携わることが出来るので、良くも悪くもユーザーからの反響をダイレクトに知る事が出来るのは自分としてはやりがいに感じています。評判が良ければモチベーションにも繋がりますし、悪い場合はすぐに改善することが出来る点が面白い部分ですね。

 

また以前手掛けた案件ではロボットアニメのモデリングを行ったのですが、体の中に入っている細かく作られた内部オブジェクトやギミックを体格の違うキャラクターにモデルを壊さずに移植する作業が必要でして、かなり苦労しました。
ただアレクトでは部署内の連携も多く、リガーやアニメーターと頻繫にコミュニケーションを取りながら進めることが出来ます。風通しの良さも弊社のやりがいに繋がっていると感じています。

 

・モデラーを目指す方々に向けてアドバイスがあればお願いします
これからモデラー、CG業界を目指す人、それから新人の方に向けてですが、是非有料のセミナーに行ってもらいたいです。
今だと無料セミナーやYouTubeといった動画サイトでも、モデリングのコツや作り方という基本的な事は学べるかもしれません。しかしCG業界を第1線で走るクリエイターによる有料セミナーに参加してみると、また違う知識や技術を学ぶことが出来ます。
モデリングする上での物体の観察方法、傷のつけ方や汚し方といった細かい内容を学べますし、自分の方向性に悩んでいる方にとっては、何を学べばいいのかという指針を学ぶことが出来ます。

 

クリエイターによって語る内容も違うとは思いますが、自分に合った方法を見つける意味でも是非参加してみて欲しいですね。

-エンドユーザーだけがクライアントではない-リギングリード:野中 稜也氏

・まずは業務内容について教えて下さい
アレクトでリギングリードを務めている野中です。
モデラーが制作したキャラクターに対して、アニメーターが動かしやすくするための骨組みを組む工程を担当しており、骨組みの設定→スキニング→リギングといった作業を通して、物体を動かす仕組み作りを行います。
現在はリギングリードとして現場をまとめていますが、一緒に作業している人たちとのコミュニケーションを大事にしつつ、部下への教育なども行っています。

 

・元々リガーとしてアレクトに入社されたんですか?
東京で4年程仕事をしたのちに札幌に戻るタイミングで、知り合いの紹介でアレクトに入社しました。
実は最初はアニメーション志望だったのですが、リガーとしての仕事が楽しく自分にも合っていると感じて現在に至ります。

 

・どの様な部分が面白いと感じましたか?
自分は元々工業系高校を出ているので、ロボットや機械などのモノづくりについて興味がありました。リギングの魅力は、モデルに設定した挙動がしっかり表現されたときの達成感。そしてアニメーターから使いやすいリギングだと評価される達成感がこの仕事の醍醐味だと思っています。

 

・逆に難しい作業はどのような作業がありますか?
直近ですとNetflixオリジナルのアニメ「ブライト:サムライソウル」に登場する和服のリギングでしたね。
和服は形状がゆったりしていて、腕を動かす起点と服の起点が、通常の服と違って少し遠いんです。身体の方にウエイトを付けすぎると動きが変になったり伸びたりしてしまうので、そこを解消するために、和服用の骨組みを用意してふくらみもすべて調整しました。和服特有の着崩れ感を表現する様にしたのはかなり大変でしたね。

 

・制作ツールについても教えて下さい
現在は3ds Max、MotionBuilder、Maya以外は使わない様にしています。
僕のこだわりですが、制作環境が変わってスクリプトに依存してしまうと、そのスクリプトが無いと仕事が出来なくなり、環境構築にも時間が掛かる。極力制作環境に左右されない仕事を心掛ける事で制作の効率化を目指しています。

 

・リガーの重要性について教えて下さい
リガーという仕事はあまり表に出る事が無い仕事です。そのためモデラーやアニメーターとは違って、クライアントはエンドユーザーだけではありません。
モデリングやアニメーションはエンドユーザーが見ることが出来、そのキャラクターやアニメーションの動きを見て評価されます。しかしリギングはエンドユーザーから直接見られるものではありません。どんなに特殊で臨場感のある動きを作ったとしても、それを使うのはアニメーター。ですので、アニメーターがいかに作りやすい様にリギング出来るかが僕らの仕事で求められます。そのため部署間連携においても、アニメーターとの連携は意識しながら行っています。

 

・アレクトだからこそのやりがいについても教えて下さい
先ほどリガーは表に出る事が少ない仕事だと説明しました。実際作品のクレジット表記にもリガーの名前が出ることはそこまで多くありませんが、アレクトではリガーも実績としてクレジット表記されます。案件に携わる実感を得ることが出来る事もやりがいに繋がっています。

 

・リガーを目指す方へのアドバイスや、一緒に働きたい人物像について教えて下さい
何事にも興味を持ってくれる方と一緒に働きたいですし、業界を目指す上でも3Dの知識は基礎に留めて、幅広い知的好奇心を持った方が良いと思います。
リギングにおいて重要となるのは、この物体をどう動かすか?この構造はなぜこうなっているのか?を観察できる力が最終的には重要になります。

 

アニメやゲームが好きでこの業界を目指す方は多いですが、それだけでなく、車や機械でも何でもいいので、3D制作に活かせる引き出しを沢山持っている方は業界でも活躍できると思いますし、一緒に働きたいと思います。

-作り手によって変化するアニメーションの魅力-アニメーションディレクター:梶田 正樹氏

・今の業務内容について教えて下さい
アレクトでアニメーションディレクターをしております梶田です。
以前はゲーム業界でゲーム開発に携わっていましたが、今後さらに成長する分野であるアニメーションを学びたいと思い、ステップアップの意味もあってアレクトに入社しました。
主にはMaya、3ds Max、MotionBuilderといったツールを使いますが、特にMotionBuilderの場合は挙動が軽く使いやすいので重宝しています。

 

・元々CG制作に関する知識はありましたか?
学生時代からCGについては学んでおり、会社入社時はモデリングを担当していました。アニメーションという職種がある事を当時知らなかったんですよね(笑)
その後モデリングのスキルを買われて会社の研修でアニメーション制作の研修を任される事になり、それをきっかけに自分でもアニメーションを制作するようになりました。

 

・アニメーターとしての楽しさはどんな点ですか?
モデリングやリギングはある程度イメージは決まってきますが、アニメーションは作り手によってイメージが変化します。制作工程の中でも一番個性が出しやすい職種でそこが面白い点ですね。

 

逆に難しい点でいうと、表現方法が多様なため教えるときに言語化が難しいという点。
現在はディレクターという事で現場をまとめたり部下に教えたりしているのですが、どうしても擬音やキャラの動き方という部分は、「こんな感じで!」という教え方になる事が多いです。表現の自由度が高い分どうすればいいか分からないというメンバーもいるので、作り方がしっかり伝わる様に丁寧に教えています。

 

・他部署との連携面についても教えて下さい
基本的にはリガーの方と連携する事が多いですね。リギングデータを基に、パーツの動かし方やスケール値を調整するなど、作りたいアニメーションに合わせて要望をすり合わせていきます。
自分もモデリングやリギングの経験はあるため、多少難しめの要望でも伝える様にしています。そのうえで納期等と照らし合わせて実施可否も判断しています。

 

特に多い要望としては挙動の部分。リギングの挙動が多いとアニメーションは作りづらくなるので、いかに軽くできるか?そのために削るべき機能はどこか?という調整が多いですね。

 

・アレクトで働くうえでのやりがいについても教えて下さい
アレクトにはアニメーター、モデラー、リガー、2Dアーティストと、映像制作に関わる様々な職種が混ざっているので仕事はしやすいです。自分は会社立ち上げ時から在籍していますが、元請け案件が増えてくる等徐々に知名度が上がって大きくなってきているのは実感として楽しいなと思います。

 

・今後アニメーターになりたいと思っている人へのアドバイスがあれば教えて下さい
アニメーションに関しては、ユーザーが見た時に感動したり驚いてくれる等、作り手として気持ちを込めて作っていきたいと思っています。
またアニメーション制作に向いている人は、自分だったらこの表現をする!という強い思いと発想力がある人が望ましいです。

 

自分の場合は色々なアニメ作品をとにかく観察し構図などの引き出しを増やしています。良い構図は多くのアニメーションで使われるので、最初はそれを真似できるようにして、そこから自分なりにアレンジする。その繰り返しの中で発想力も鍛えられると思います。

-効率的な映像制作の流れを作る-テクニカルディレクター:難波 雄一氏

・まずは現在の仕事内容について教えて下さい。
社内でのスクリプト開発やムービークオリティチェックをメインに行っています。テクニカルディレクターは各部署の橋渡しの役割を持っているので、リガー、モデラ―、アニメーターと連携を取りながら業務を進めています。

 

継続的に案件を生産していくには、そのための体制を構築する必要があり、効率的なスクリプト開発を通して社内のパイプラインを整備する事が必要になります。Houdini、3ds Max、Mayaといったツールを案件に合わせて使用しながら、制作が効率的に進むような流れを作る事が主な役割です。

 

・元々映像制作についての知見はありましたか?
大学時代はプログラミングを専攻しており、在学時に当時流行りであったCG制作を仕事にしたいと思って、独学で勉強し業界に入りました。つい2~3年前まではテクニカルディレクターではなくモデリング、リギング、アニメーションの制作を行っていましたが、「ブライト:サムライソウル」を受託したタイミングで社内のパイプラインをより強固にする必要があったため、現在のテクニカルディレクターに移行しています。

 

・初めてのテクニカルディレクターとして大変では無かったですか?
とにかく初めての経験ばかりだったので苦労しましたね。とはいえ、これまでに映像制作の工程については経験があり、手掛けてきた実績も多いので、各部署がどんなスクリプトがあれば効率的に進めることが出来るかはイメージ出来ていました。部署間でなるべく情報共有しつつ、自分のアーティストとしての経験を生かせたことは良かったと思います。

 

・他部署との連携はどのように発生するんですか?
モデリングであればエラー発生時のチェックと調整、リガ―、アニメーターであれば、実作業以外にポップアップ制作などの面倒な作業があるので、それぞれが効率よく制作できるスクリプトを都度作っています。

 

各部署から相談を受ける事が一番多い職種で、各工程に対する知識が大前提として必要になるため大変な場合も多いですが、なるべく多くの意見を聞く様にはしています。
全てを対応するのには限界がありますが、アレクト内のアーティストからも今後テクニカルディレクターが増えてくると思うので、他部署ともうまく連携していきたいと思っています。

 

・アレクトで働いていて魅力的だと思う部分はどんな点ですか?
基本的に都度要望に応じたパイプラインの整備を行うため、似た作業が無く新しい事に挑戦できることが魅力だと思います。自分のスキルアップにつながるのはもちろんですが、会社が対応できる幅もどんどん増えていく実感があります。

 

まだスクリプト開発、パイプラインの整備といった業務は社内でも発展途上の領域だと思うので、今後もより効率的な開発体制を構築できる様に心掛けていきたい。
また自分は元々アーティストなので、エフェクトやアニメーションの制作等のクリエイティブ業務もレベルアップしていきたいと思っています。

 

・映像業界を目指す方にアドバイスがあれば教えて下さい
業界の情報や映像の作り方、ツールの操作方法等は調べれば出てくる世の中なので、まずは興味を持つことが大事だと思います。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、1つの領域に興味を持って勉強していくと、制作工程の全体像を把握することが出来る。そして流れを知る事で提案にも繋がり、効率的な作業を行う事が出来ます。
興味を持ったら調べる、調べたら実践する、実践したら変えてみるといった繰り返しが良い仕事にも繋がるので、まずは興味を持つことが一番大事です。

-アレクトで働く人たち-開発本部プロデューサー:成田 穣氏

・改めて、アレクトが求める人物像について教えて下さい
新卒と中途で違いがありますが、新卒の場合はCG制作の知識はあまり求めていません。入社時はMaya、MotionBuilder、3ds Maxなどソフトウェアについては研修を行いますし、ある程度トレーニングを受けてから実際の作業に入ります。

 

また中途に関しては、希望職種、ポートフォリオ、人柄を見て判断しており、こちらからキャリアの提案をする事もあります。本人の希望が最優先ですが、適性を見てモデラー、アニメーター、リガーと提案する事が多いです。

 

〇実際の制作フロア

 

・アレクトにはどんな人が多いですか?
映像制作に関するすべての職種が社内に在籍しており、扱うツールも幅広い。またCGデザインについてはアニメ、ゲーム、遊技機とプラットフォーム問わず制作しているので、モノづくりへの意識や幅広い知識を持っている人が多いです。
あとはCGプロダクションなので、納期やスケジュール感をしっかりまとめることが出来る人は信頼されますし、社内で活躍できる特徴としても共通しています。限られたスケジュールと予算から逆算して業務を行う事が出来るか、自分が良いと思った方法をしっかり提案出来る人が中核メンバーになっています。

 

・これまでに手掛けた実績もかなり多いですね
アニメ、ゲーム、遊技機等幅広い実績があるので、その分ノウハウも蓄積されています。従来はモデリングのみ、アニメーションのみというケースが多かったですが、今年の10月からNetflixで配信されている「ブライト:サムライソウル」は、Netflixから直で受託しプリプロダクションから納品まで弊社で完結しています。
大手タイトルも多くなってきており、企画~開発までを出来る様になってきているので、今後も形態問わず開発していきたいです。

 

・ありがとうございました!

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