Play to Earnを基本としたブロックチェーンゲーム『SKY FRONTIER Fantasy Battle』開発会社、株式会社BIGBANGに潜入取材!プロデューサーの村上様に、作品の魅力を聞いてみました!
目次
株式会社BIGBANGとは?
・まずは、株式会社BIGBANGが展開する事業について教えて下さい
北川
弊社は、大きく分けて、ゲーム事業、プラットフォーム事業、新規タイトル『SKY FRONTIER Fantasy Battle(以下、文章内SKY FRONTIER)』を含むNFTゲーム事業の3つの柱で行っております。
1つ目のゲーム事業では、受託でのゲーム開発や運営を行っており、2つ目のプラットフォーム事業では、ゲームポータル「55bb.jp」の運営を行っています。
今回取り上げる『SKY FRONTIER』は3つ目の事業であり、 “NFT”、“ブロックチェーン”といった新しい暗号技術の事業となります。
・続いて北川様、村上様のご経歴について教えて下さい
北川
株式会社BIGBANG代表取締役の北川です。
BIGBANG設立前は、コナミ、インターネットレボリューション、DeNAにおいてプランナーやプロデューサーとして様々な事業創出、ゲーム制作に携わってきました。
特にDeNA時代には、『モバゲー』のゲーム責任者を務めさせてもらい、ソシャゲ黎明期におけるプラットフォームビジネスの優位性も学ぶことが出来ました。
その後、バタフライの取締役副社長を経て、2014年に株式会社BIGBANGを設立しています。
写真左:株式会社BIGBANG代表取締役:北川様
写真右:株式会社BIGBANG『SKY FRONTIER』プロデューサー兼ディレクター:村上様
村上
『SKY FRONTIER』のプロデューサー兼ディレクターの村上です。
キャリアスタートはアソビモ株式会社のプランナーとして入社し、当時のソシャゲ界隈が盛り上がっていたタイミングでユビキタスエンターテインメントに転職しましたが、当時の上司で現BIGBANGの副社長である相原から誘われ、ゲーム事業部立ち上げメンバーとしてBIGBANGに入社する運びとなりました。
現在は『SKY FRONTIER』制作に必要な費用周りの調達、管理や制作の方針決定などを行っており、システム周りの細かい仕様策定やデザインのクオリティチェック、世界観原案の作成、シナリオの方向性など幅広く全体を見ています。
・『SKY FRONTIER』のプロデューサー兼ディレクターとしてどのような部分を意識していますか?
村上
予算とクオリティの天秤に悩まされないように決断することを意識しています。
プロデューサーは予算とスケジュールを、ディレクターはクオリティを求めなければいけません。ただ、どれだけこだわりのある成果物でも、設定や世界観がそもそもズレていれば作品は評価されない。その中で締め切りは必ずあって、その期日で完成させるのがプロの仕事です。
今回リリースする『SKY FRONTIER』では、グラフィックからシナリオ、ゲームシステムまで最高のものに仕上がるよう、会社全体でもこだわって作っています。
ブロックチェーン、NFT、Play to Earnとは?
・ゲームの話に入る前に、まずは本作の要素であるブロックチェーン、NFT、Play to Earnとはどんな技術か教えて下さい。
村上
ブロックチェーンとは、データの改ざんや破壊を極めて難しくした技術のことで、仮想通貨では、取引履歴を第三者でも見られるようにしてユーザー全体で管理が行われる、いわゆる中央集権からの脱却を図っている技術です。
ゲームにおいては、NFTの管理やPlay to Earnで稼いだ仮想通貨の管理に使用されます。
ブロックチェーンを用いることで、第三者からも取引履歴が見られるため、他人のアイテムを盗んで転売するといったユーザー側の不正行為やNFTや仮想通貨の発行が正しく行われているかといった運営側の透明性の確認も行うことができるため、参加者全員で管理するコミュニティを作っていくことができると言えます。
NFTは、ざっくり言えば、それがユニークであるということを証明するための技術です。
例えば量販品をAさん、Bさんが両方買ったとします。
量販品なのでAさんとBさんの持っているものは同じですが、保有しているのは、それぞれAさんとBさんで異なっています。
またAさんが何かしらのカスタマイズをしたかもしれませんし、Bさんのにはヒビが入っているかもしれません。
そのようなユニーク性の情報をデータとして保存できて、その信頼性が担保されるのがNFTとなります。
そのNFTを入手し、ゲーム内外のマーケットを通して売買することができ、希少性の高いもので需要があれば、高値で取引されていきます。
Play to Earnは、その名前の通り“遊んで稼げる”という意味であり、定義と言うよりは概念的なものです。
最近ではゲームの動画配信でも収益を得るなど、ゲームで遊んで稼げることがユーザーにも浸透してきています。自分も学生時代はかなりのゲーマーだったので、当時Play to Earnの概念があったら今頃大金持ちになっていたかもしれませんね(笑)
自分のかけた時間がお金になるというのは、ゲーマーにおいては熱くなれるものだと思うので、ゲームとの組み合わせは非常に親和性が高いと思います。
マルチハンティングRPG『SKY FRONTIER Fantasy Battle』の開発秘話
・『SKY FRONTIER Fantasy Battle』開発のきっかけ、経緯について教えて下さい
村上
2年前にブロックチェーン系の会社さんと、ブロックチェーン技術を使ったサービスを作れないか?という事で企画した所から『SKY FRONTIER』はスタートしています。
その中で、ゲームジャンルをどうしようか考えていた際、長寿タイトルかつ競合が少ないジャンルとして、釣りゲームが良いのではないかという事で話が進んでいました。
雲海や火山、消滅した都市群といったワードを元に、実際じゃ釣れないファンタジーの生物を釣るゲームを作ろうといった企画が元になっています。先日公開されたPVで主人公が釣りをしているのはその時の名残です。
当時企画自体は頓挫してしまったのですが、NFTサービスを提供するPancake gamesさんからオファーをいただき、今のマルチハンティングゲームとして少し姿を残しつつも別の企画として立ち上がったのがきっかけです。
・『SKY FRONTIER Fantasy Battle』のゲーム内容について教えて下さい
村上
対応プラットフォームはPCとスマートフォンを予定しており、ゲームジャンルはマルチハンティングRPGになっています。
人類を救うために巨大な主と戦う、これまでになかった迫力満点のマルチハンティングRPGとなっており、1人で遊ぶフィールドモードと、最大4~8人で巨大生物に挑むレイド戦の討伐モードで遊び方が選べるゲームになっています。フィールドモードを1人で遊んでいて危機になった場合は、救難依頼を出すことで最大4人までがフィールドに入って共闘できます。
・本作の世界観、ストーリーの内容について教えて下さい。また、どの様にシナリオを考案されたか教えて下さい
村上
先述の通り、釣りゲーが元々の土台になっていたため、普通はつれない空想上の生き物がいたら面白い。という視点で世界観を考案していきました。雲海や火山、廃墟の都市などで空想上のものを釣る、火山ならドラゴンみたいな分かりやすいものですね。
この時に、一番分かりやすくて、わくわくする世界は何だろうと考えたときに雲海がビジュアル的にも分かりやすいだろうという事になり、雲海スタートとなっているのが世界観の基礎となっています。
ストーリーは、記憶喪失になった主人公の周りにいる幼馴染や姫、飛空艇技師などが偶然出会って事件に巻き込まれるボーイミーツガールをメインに、世界の謎や事件に迫っていくストーリーとなります。
巨大な生物が各所で絡んできますし、始まりから自由にフィールドを動けるまでの間に起こる事件とテンポ感、ドラマは、是非、見ていただきたいと思います。
〇2022年2月には、『SKY FRONTIER』ゲーム内NFTプレセールが行われ、アリス、キャロル等の登場キャラクターや、武器のビジュアルが解禁となった。
・ゲームシステムとして、フィールドモード、討伐モード、ポイント戦と分かれているかと思いますが、どの様なシステムか。またなぜそのシステムを採用したのか教えて下さい
村上
当初、この企画は普通には釣れないものを釣るというところから始まっています。
企画を再編するにあたって、マルチ要素を入れるには、“みんなで普通には釣れない敵を共闘して釣るのがいい“という話から本筋が決まり、それが主戦となりました。
ただ、マルチ一辺倒だと周りの人に左右されてしまいます。また、時間が拘束されることや、プレイヤー同士の交流に抵抗のあるユーザーも存在します。
本作は、“気軽に遊べるゲーム”を一番のコンセプトにしているため、フィールド、討伐、ポイント戦と分けており、ユーザーの目的に合わせたゲームシステムを導入しています。
・一人で気軽にと言う意味では、シングルモードも実装されているんですか?
村上
シングルモードもシステム構築時には提案されました。
ただ、せっかくオンラインなのに、一人でプレイし続けていると飽きてしまいます。
だからといって、マルチ要素を押し出してしまうと、人によっては他のユーザーに迷惑をかけそうという不安もあり、初心者にはハードルが高かったりします。
そこを徐々に改善するために、フィールドモードには、勝手に人が助けに来て、挨拶してもしなくても良いというちょっとしたマルチ要素も含もうということで、救難を出すという仕様を設けています。
・ポイント戦システムについても詳しく教えて下さい
村上
ポイント戦については、PVPと名をうっているだけあって、プレイヤー同士で戦うコンテンツにはなります。
これはeスポーツを見据えたシステムではあるのですが、本作は、プレイヤー同士が直接プレイヤーに攻撃を加えることはご法度としています。
これは、色々な側面があるのですが、これがメインになってしまうと殺伐とした環境になり、プレイヤースキルを多く求められてしまうことで、先細りになっていくことが懸念されたからです。
本ゲームは、戦略性とプレイヤースキルの両方が求められますが、ある程度の操作で完結するため、戦略的なデッキを組んで、それを実現できる腕があるかどうかが求められます。
その時に、殺伐とした世界というよりは、多くの稼ぎを出来るものというところにフィーチャーした方が、世界観にもマッチしていますし、もう少し優しい世界になるのかなと思って設計しています。
・現在開発中かと思いますが、ユーザーに長く遊んで貰うために、こだわった点はありますか?
村上
続きが気になるようなシナリオ。そして主戦に尽きますね。
ユーザーが飽きない設計にするには、シナリオの続きが気になるよう設計していく必要があると思っています。
そのための演出やドラマといったところをどう表現していこうかというのは大分重きを置いており、グラフィック面もハイポリゴンで制作する事で質も上げています。
また巨大な主を倒すという迫力ある空中戦は、協力するという点、遊び方、倒したときの喜びなどどう楽しんでいただくかを考えながら開発を行っています。
今後の展望
・ゲーム業界、ブロックチェーン業界の今後について、お二方が考えられる展望などはありますか?
村上
ブロックチェーン技術はまだ認知が少なく、新しい会社がどんどん参入してくる領域です。一方で法整備はまだしっかり整っておらず、コンプライアンス的に大手が中々参入できないため、ここ2、3年は中小/ベンチャー企業が参入してくると思います。ただ法整備が整った瞬間、資金を持った大手にとって代われる可能性もある。この流れはソシャゲ黎明期とかなり似ている状況です。
そのため我々が先駆者として新しい仕組みを整える事で、業界全体を盛り上げていきたいと思っています。
また一部にはなりますが仮想通貨やブロックチェーンゲームの界隈は、不透明な運営形式が多くあることも事実だと思います。
その反面、ブロックチェーンによってユーザーにもやりとりが可視化できるようになる事で、経済の透明性とユーザー主体の運営に代われる可能性にあるのがブロックチェーンの強みです。
まだまだ認知が薄く未完成なシステムであるからこそ、今後ブロックチェーンの問題がどんどん露出されていき、法整備などが進んでいくことで、本当に信じられる技術として広がっていくことを望んでいます。
北川
昔と違って現代はコンテンツもボーダレスになっており、ソシャゲ黎明期と似てはいるものの、それ以上に速い動きになっています。日本だけでなく世界各地のゲーム会社がブロックチェーン技術に興味を持ち、その全員が競合になりえます。
Facebookの社名が「Meta」になったり、Microsoftが数兆円の買収を行ったりと、今の時代はWeb2.0から3.0への転換期でもあります。
その上で我々が今やるべきことは、いち早く良いものを世に出す事。
法整備の話もありましたが、早々にその辺は解決していかないと、日本の有望な人たちも海外に出ていってしまい、ひいては日本のモノ作り産業も廃れてしまうかもしれません。
法律に関する事はしっかり固めつつ、いつでもリリース出来る様な体制を構築していきたいです。
・ちなみにSKY FRONTIERにメタバース的な要素はありますか?
村上
『SKY FRONTIER』は、メタバースかと問われると、そうであり、そうじゃないと答えます。メタバースの定義は、本当に人それぞれです。
ここの定義でいえば、『SKY FRONTIER』もメタバースの1つであると思いますが、私たちはメタバースを、“自身の生活をバーチャル空間に置ける環境”と定義したいと思っています。
「空島プロジェクト」が『SKY FRONTIER』にリリースされれば、自身の生活をバーチャル空間に置ける環境になる=メタバースの環境を有すると自信を持って言えることになるでしょう。
・空島プロジェクトとは?
『SKY FRONTIER』の世界に住んで経済活動をする場、さきほどいった通り自身の生活をバーチャル空間に置ける環境を作るプロジェクトが空島プロジェクトです。
ゲームをしている人だったら、一度くらいは、ゲームの中の世界に住みたいって思ったことありませんか?けれど、現実的に人が生きていく上では衣食住のためにお金を稼ぐ必要が出てきて、ほとんどが仕事として外に出なければならない状態です。Play to Earnの機能があるからこそ、外に出なくてもゲームの世界に本当の意味で入り込むことができるようになる人も出てくるのです。
こちらは、『SKY FRONTIER』の中に多数ある浮島と土地を購入して、その浮島や土地に好きなものを建てられる建築要素、またそれに付随するジョブやショップのようなものを実装します。
例えば、鍛冶師として拠点を作れば、『SKY FRONTIER』の中で装備を提供していく仕事として仮想通貨を稼ぐことができたり、農家であれば、食べるものなどを提供できたりと実際の世界のように需要と供給で経済圏が成り立つことで、ゲームの中で生活が出来る世界を作ろうとしています。
実際にあるブランドからゲーム内でアイテムを販売する、ユーザーが飛空艇自体を作ってユーザーへ販売するといった事も可能になるかもしれませんし、現実の世界との連動も考えられるかもしれません。
空島プロジェクトと『SKY FRONTIER』は2軸で走らせたいと思っており、ゲームの中に住んで経済圏を回すという夢をかなえたいと思っています。そのためにはゲームの経済圏が発展しないといけないので、ユーザー様はもちろん、Pancake Gamesさんともしっかり連携していこうと思います。
〇2月にビジュアルが解禁された中型快速飛行艇『ゼピュロス』
・『SKY FRONTIER Fantasy Battle』について、今後の展開や意気込みについて教えて下さい
村上
まず必要なのは認知を広げる事です。そのためには色んな方面に向けてPRをする必要があり、プロジェクトの進捗を細かに発信していく事で海外ユーザーも取り込んでいきたいと考えています。
PR面でも現実世界と『SKY FRONTIER』を紐づけた世界が作れればと思っており、コスプレイヤーさんとのコラボ企画は進んでいますし、主題歌の制作なども進んでいます。他にも出来る事は沢山ありますね。
日本のアニメライクな絵姿が、海外でどこまで通用するのかという話はあるかとは思いますが、原神やポケモンなど海外に根付いたものがありますので、『SKY FRONTIER』もその一つとして成功させるようプロモーションをかけていきます。
北川
やはりユーザー層の拡大ですね。
ブロックチェーンゲームはライトユーザーには参入ハードルが高いと思っていて、現段階だと暗号資産や最新技術に感度の高い方々が注目している状況です。そのため、Free To Playでリリースする事でユーザーの門戸を広げる事が必要になってきます。
『SKY FRONTIER』は業界的にも意味があるゲームだと思っていて、ブロックチェーンという技術を用いることで、これからのゲーム業界は変わっていくんだという事を認知してもらいたいですし、その魅力を発信したいと思います。
NFT、メタバース、GameFiと色んな概念が登場する昨今ですが、シンプルにゲームとして面白い作品を目指すのが大前提なので、ゲームとしての面白さを積極的に発信したいです。
・最後に一言お願いします
村上
日本から発信するブロックチェーンゲーム界では、世界初のマルチハンティングRPGとして『SKY FRONTIER』を開発・運営していきます。SNSでも応援してくれているコメントが多く、ゲーム作りへのモチベーションも上がります。ユーザー様からの期待に精一杯応えていきたいです。
北川
左に同じくですね(笑)会社としても新しい挑戦で、世の中に無いものを作り出すのはかなり労力がかかります。
ただ、これまでのゲーム制作の経験を活かして、ゲーム自体を面白くする。それをPlay to Earnとどう絡めていけるかは、Pancake Gamesさんが専門になるので、しっかりタッグを組んで皆様に新しい体験を与えたいと思います。
皆様の力あっての『SKY FRONTIER』なので、沢山ご意見を頂ければと思います。
・ありがとうございました!
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