人気ゲーム会社の就職倍率は?主要企業の就職情報や内定を勝ち取るためのポイントも説明
ゲーム業界は求人倍率が非常に高いことで知られています。
業界そのものが成長を続けていること、クリエイティビティを発揮できる環境があること、自由な気風、そして何より多くの人にとっての憧れの仕事であることなどが大きな理由です。
このコラムでは、ゲーム業界の現状の採用状況を紹介しつつ、高倍率のゲーム会社に内定を勝ち取る方法や、ゲーム業界に入っていくためのキャリアパスなどを紹介していきます。
目次
1.ゲーム会社大手パブリッシャーの採用人数
ここではまず、ゲーム業界大手のパブリッシャー企業における2019年の採用実績を見ていきましょう。
※パブリッシャー企業とは、ゲーム開発の中心をデベロッパー企業に委託して販売やリリースに軸足を置く企業です。
ただし単純にデベロッパー企業に丸投げしているわけではなく、自社で開発自社する能力も持っています。
ゲーム業界における大企業、パブリッシャー企業については、以下の記事もあわせてご覧ください。
「大手ゲーム会社をご紹介!大手と中小の会社の違いについても解説」
「ゲーム業界における「パブリッシャー」とは?業務内容などを解説」
以下は、就職四季報2020年度版を参照したデータです。
・任天堂…2019年80名採用
https://www.nintendo.co.jp/jobs/recruit/index.html
・ソニー・インタラクティブエンタテインメント…2019年26名採用
https://www.sie.com/saiyo/newgrad.html
・バンダイナムコエンターテインメント…2019年52名採用
https://www.bandainamcoent.co.jp/job/grad/
・スクウェア・エニックス…2019年43名採用
https://www.jp.square-enix.com/recruit/fresh/
・コナミデジタルエンタテインメント…2019年155名採用
https://www.konami.com/jobs/ja/rec/
・カプコン…2019年80名採用
http://www.capcom.co.jp/recruit/index.html
以下は、各リクルートサイトによる情報です。
・セガグループ…2020年募集人数51~100名
https://job.mynavi.jp/20/pc/search/corp1557/employment.html
・レベルファイブ…2019年31~35名採用(見込)
https://www.level5.co.jp/recruit/newgraduates/
https://job.rikunabi.com/2020/company/r166010008/employ/
2.ゲーム会社人気デベロッパーの採用人数
パブリッシャー企業に続いて、人気の高いデベロッパー企業の2019年採用人数を紹介しましょう。
記載する採用人数は各リクルートサイトから引用しています。
※デベロッパー企業はパブリッシャー企業の依頼によってゲーム開発を行っている会社です。
ただし、デベロッパー企業がオリジナルの企画でゲーム開発を行うこともありますし、パブリッシャーの業界に参入していくケースもあります。
デベロッパー企業については、以下の記事もあわせてご覧ください。
「ゲーム業界における「デベロッパー」とは?業務内容などを解説」
・フロム・ソフトウェア…11~15名
https://careers.fromsoftware.jp/jp/newgraduates.html
https://job.rikunabi.com/2020/company/r927800043/employ/
・ゲームフリーク…若干名
https://recruit.gamefreak.co.jp/new2020
https://job.mynavi.jp/20/pc/search/corp100216/employment.html
・モノリスソフト…6~10名
https://www.monolithsoft.co.jp/recruit/fresh/
https://job.rikunabi.com/2020/company/r866471069/employ/
・サイバーコネクトツー…16~20名
http://www.cc2.co.jp/recruit/?page_id=3284
https://job.mynavi.jp/20/pc/search/corp225992/employment.html
・プラチナゲームズ…16~20名
https://www.platinumgames.co.jp/jobs/new-recruits/
https://job.rikunabi.com/2020/company/r347110021/employ/
・インテリジェントシステムズ…21~25名
https://www.intsys.co.jp/recruit/
https://job.mynavi.jp/20/pc/search/corp80932/employment.html
・ヘキサドライブ…6~10名
https://job.rikunabi.com/2020/company/r928110073/employ/
3.人気企業の倍率と、エントリー数から類推するゲーム会社の倍率について
各人気ゲーム企業の求人倍率は公表情報ではないため明確ではありませんが、ある程度根拠のある数値を持って推定してみましょう。
完全に同じ業界とは言い切れませんが、比較的親和性が高い企業で、アニメや映画、書籍などを発信することから高いメディア性やエンターテインメント性を持つ「KADOKAWA」への事務系求人総数が4204人だったというデータにまず着目します。
KADOKAWAの数値を参考に、任天堂への求人数を5000人と仮定すれば、採用人数が80人であった2019年の求人倍率は5000/80=62.5倍となります。
同じ要領で、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの求人を4000人と仮定、バンダイナムコエンターテインメント、スクウェア・エニックス、コナミデジタルエンタテインメント、カプコンを3000人と仮定して推定倍率を列挙します。
・任天堂…約62.5倍(5000/80)
・ソニー・インタラクティブエンタテインメント…約153.8倍(4000/26)
・バンダイナムコエンターテインメント…約57.6倍(3000/52)
・スクウェア・エニックス…約69.7倍(3000/43)
・コナミデジタルエンタテインメント…約19.3倍(3000/155)
・カプコン…約37.5倍(3000/80)
(数値はあくまでも当記事による独自推定によるものです)
4.人気ゲーム会社で採用を勝ち取るために大切なポイント
この項目では、ゲーム業界の内定を勝ち取るための重要なポイントを、参考になる記事を紹介しながら解説していきます。
4-1. 履歴書(ポートフォリオ)や面接などの対策は完璧に
ここまで書いてきたように、ゲーム業界は非常に就職希望者が多いので、一社にこだわらず多くの会社にトライすることも考えましょう。
また、うまく面接にこぎつけた場合、志望動機を相手の心をつかむようなものに整理したり、ポートフォリオなどのアピール素材を作り込み、しっかり対策していくことが重要です。
以下にゲーム会社での採用に関するポートフォリオの作り方について詳しく記述した記事がありますので、ぜひ参照してください。
以下の記事では新卒でゲーム業界に入りたい人に向けて、押さえておくべきポイント、面接に臨むコツなどを紹介しています。
「ゲーム業界に新卒で入るために気を付けておきたいポイントとは?」
4-2. 大企業での採用は学歴と何ができるかが非常に大切
ゲーム業界で働くにあたって「学歴はそれほど重要ではない」という見方をする人もいます。
それに対する答えは、「ゲーム業界」という大きな枠では表しにくいとしか言えません。
例えば大手パブリッシャー企業に入るには、一定程度以上のスキルを持っている上に、有名大学を出ていなければ足切りに合うケースもあります。
一方、デベロッパー企業であれば即戦力が重要視される傾向にあるため、学歴よりも「何ができるのか」という点に重点が置かれます。
専門学校卒業生が優遇されるケースがあるのもその理屈によるものです。
以下に企業が求める学歴、スキルの関係を詳しく書いているので参照してください。
4-3. インターンシップには積極的に参加しよう
インターンシップに参加することは、実際にゲームを作る現場を間近で見ることができるので就業経験がない学生にとって貴重な体験になります。
また、気になっている会社の実際の働きぶりを内部から見ることができますから、入社後に「自分が考えていたものと違う」というミスマッチを防ぐことができるチャンスでもあります。
さらに、インターンの経験をプラス評価してくれる会社もありますし、インターンに参加していることがエントリーの条件になっている企業もありますから、積極的に情報を入手して前向きに取り組みましょう。
インターンシップに参加するに際し、その企業ごとに時期が異なる場合が多いです。
気になっている企業の採用情報をこまめにチェックしたり、就活サイトをうまく活用したりするなどして、時期を逃さないように気を付けましょう。
以下にゲーム会社でのインターンシップについて詳しく記述した記事がありますので、ぜひ参照してください。
→「ゲーム会社でインターンシップをするには?応募方法や重視されるポイントについて」
5.新卒で大企業に入れなかった場合のキャリアパス
ゲーム業界は成長を続けているうえに、多くの人が憧れ、自由な気風などから人気が高いので、目指せば入れる、というものでもありません。
この記事で説明したように、知名度が高いパブリッシャーは新卒で採用する人数は数十人と発表していますが、採用倍率については決して甘いものではありません。
そのため、無理に大手パブリッシャーへの就職を望むよりも、いったん中小企業やデベロッパーに入って実績を積んでから、中途採用の枠に応募して大手パブリッシャーを目指すという手もあるので考えてみましょう。
ただし、ゲーム業界全体で競争率が高いこともあって、中小企業やデベロッパーだから楽に入ることができる、ということではありません。
むしろ小さな企業では採用人数が少ないですから、倍率的に見れば難易度はあまり変わらない可能性もあります。
しかし、中小やデベロッパーであれば、学歴という後からではどうにもならない条件は緩めであることが予想できますから、やはりハードルは下がると考えて良いでしょう。
また、クリエイターとしてのスキルや経験をアピールできる人なら、デベロッパーへのエントリーでは優位性があります。
その分多数の業種を募集していない可能性もありますから、募集要項などを見て自分のスキルと募集している人材が合っているかはしっかり見極めましょう。
さらに、クリエイターに限らず、企業のホームページの採用情報には求める人材像などについて語っている記事があることは珍しくありません。
しっかり採用情報を読み込んで、自分が求める職種で、相手からも歓迎される相思相愛の関係を探しましょう。
6.主要企業の倍率と、採用ポイントについて
バンダイナムコホールディングス
■企業概要
バンダイナムコホールディングスは、1950年に設立された玩具メーカーで、本社は東京都港区に位置しています。設立当時は、「萬台屋」という名前のおもちゃ屋さんとして誕生しました。様々な企業との合併や再編を繰り返し、今では日本における老舗玩具メーカーにまで成長しています。
特に株式会社バンダイは、「たまごっち」シリーズや、「機動戦士ガンダム」のプラモデル等の開発会社として、多くの人に知られています。
また、バンダイナムコエンターテインメント、バンダイナムコスタジオ、株式会社バンダイナムコ研究所、バンダイナムコスタジオ等多くの子会社を持ち、玩具の開発だけでなくゲーム制作、映像音楽、アニメーション、ライブイベント等のエンタメ事業を手掛けています。
今回は主に家庭用ゲーム開発を手掛ける、バンダイナムコエンターテインメントについて採用情報をまとめていきます。
■福利厚生
バンダイナムコエンターテインメントは、新卒、中途問わず入社者には同様の福利厚生があります。健康保険や厚生年金保険といった各社会保険は完備されており、在宅勤務手当が月に7,000円支給されるなど、時勢に合わせて社員の健康管理や福利厚生を還元している会社と言えます。また会社全体で東京ドームを貸し切った運動会を行う等社内イベントも積極的に行っており、アニバーサリー休暇、リフレッシュ休暇といった休暇制度も充実しています。
■採用大学
新卒採用におけるバンダイナムコエンターテインメントの採用校は下記が主な学校になります。募集要項には、「高専・専門学校・短大・大学・大学院を卒業予定の方」が対象になっています。
学校名では、青山学院大学、関西大学 、関西外国語大学、應義塾大学大学院、甲南大学神戸市外国語大学等、その他50校以上から採用されています。
また中途採用においては学歴に関しての応募条件は特段記載が無く、その代わりに求めるスキルが各職種ごとに記載されているため、学歴よりもこれまでの経験が問われると思われます。
■平均年収
公式サイトからは発表されていませんが、2021年3月期のバンダイナムコホールディングス発表の有価証券報告書によると、従業員の平均年収は1,121万円となっています。
もちろんあくまで平均値であり、役職や職種、勤続年数によって違いはあるものの、上場企業の中でも高い水準の平均給与と言えます。
新卒採用情報によれば、短大卒の初任給は月204,000円、大卒の初任給は月222,000円、博士了の場合の初任給は月252,000円となっています。
■求める人物像
新卒採用の情報によると、求める人物像としてはチャレンジ精神がある人、好奇心旺盛な人、グローバルな視野を持って動ける人が求める人物像として記載されています。
またキャリア採用の場合は上記の人間性だけでなくスキルが求められています。
〇実際の募集例
職種:プロジェクトマネージャー
勤務形態:正社員
必要な経験・能力:大規模ゲーム開発(50名以上のプロジェクト)におけるプロジェクトマネージャーとしての実務経験
※コンシューマ、モバイルは問いません
■採用倍率
採用倍率については企業側からの情報はありませんが、比較的類似性があって、求人総数が明瞭になっている2014年のKADOKAWAの4204人エントリーを参考に、バンダイナムコエンターテインメントの求人倍率を推定算出すると、採用52名に対して応募した人が3000名とすると、求人倍率=3000/52=約57.7倍となります。
人気企業という事で倍率も非常に高いので、入念に準備したうえで就職活動に臨みましょう。
関連記事
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コナミデジタルエンタテインメント
■企業概要
コナミデジタルエンタテインメントは、コナミホールディングスの子会社として主にゲーム開発やキャラクターグッズの開発・販売、書籍の出版事業を行う会社です。
東京都港区に本社をおいており、「ウイニングイレブン」シリーズ、「桃太郎電鉄」シリーズ、「パワフルプロ野球」シリーズ等の有名ゲームを開発している会社です。
その他にも「遊戯王カード」シリーズ等のカードゲームやアーケードゲームを手掛ける等、ゲーム分野のあらゆるジャンルを網羅している会社です。
2021年8月には欧州最大級のゲームショー「gamescom 2021」デジタルイベントへの参加が決定しており、『遊戯王マスターデュエル』『eFootball』の最新機能を発表する予定です。
■福利厚生
基本的な各種社会保険制度、社員持株会制度等、大手企業に多く導入されている基本的な福利厚生は完備されていますが、同社の特徴的な福利厚生は「研修制度」にあります。新入社員、若手、マネジメント層など階層別に各種研修制度を設けており、クリエイター・エンジニアなど制作系社員を対象とした技術系研修にも力を入れています。開発事例共有、制作スキルセミナーといった技術系研修や、海外特別研修を設ける事で、社員の成長を全力でバックアップする体制に強みを持っています。
「創造と革新」をテーマに事業展開しているコナミデジタルエンタテインメントだからこそ、社員の情熱やモチベーション管理のための福利厚生を充実させています。
■採用大学
コナミデジタルエンタテインメントは、短大・高専・2年制大学卒から大学院卒までの募集条件を設けています。これまで採用されている学校は東京大学、京都大学、専門学校HAL、新潟コンピュータ専門学校等、その他100校以上の学校から採用されています。
■平均年収
コナミホールディングス株式会社が有価証券報告書で公表している2021年度の平均年収は684万円となっています。役職などによって差異はありますが、ゲーム業界の中でも給与水準の高い会社です。
また新卒採用情報によると、短大・高専・2年制大学生は22万円、4年制大学卒は24万円、大学院卒(博士課程)は26.1万円となっています。
■求める人物像
コナミデジタルエンタテインメントは公式HP内において、「世界中の人々を魅了するコンテンツの制作や、市場の常識を変えるようなビジネスに挑戦出来る姿勢」を掲げていますが、具体的な人物像については明記していません。しかし会社の価値基準である「カスタマーイン/チャレンジ/チェンジ/コンプライアンス」の4つへの共感と理解は必須ですので、企業研究の際は注意する様にしてください。
また中途採用の場合は各職種ごとに求められるスキルがあります。自身が希望する職種に合ったスキルセットを目指しましょう。
〇実際の募集例
職種:デザイナー(家庭用・モバイル)
求めるスキル
・ Maya、ZBrush等を使用したゲームキャラクターのモデリングスキル
・Photoshop等を使用したテクスチャー制作スキル
等
■採用倍率
公式から具体的な採用倍率は発表されていませんが、ゲームやアニメなどで多数のコンテンツを取り扱っている2014年における「KADOKAWA」の事務系求人のエントリー総数が約4200人だったという数値から、コナミデジタルエンタテインメントへの応募者数を3000人と仮定します。
3000人の応募に対して155人の採用ということは、3000/155=約19.3倍となります。
年度により採用人数や募集職種も変わる為この限りではありませんが、いずれにせよ非常に倍率の高い企業であることが伺えます。十分に準備して、就職情報に臨みましょう。
関連記事
https://game-creators.jp/media/career/149
6.まとめ
ゲーム業界に就職することに向けて、求人数を紹介し、倍率の推定、内定を勝ち取るための方法などをまとめました。
ここまでも紹介してきた通り、ゲーム業界は非常に競争が激しい社会で、大手企業に新卒入社するというのは非常にハードルが高い目標です。
そこに入っていくためには正攻法だけでは難しい面もあります。
インターンやアルバイトで内部の人に接触してコネクションづくりに励む、大手にこだわらずとにかくゲーム業界に入ってから実力をつけてステップアップしていくなども方法のひとつです。
さらに、ゲームの製作に関わりたいということであれば、ハードルが高い大手企業を目指す必要はなく、デベロッパー企業を第一志望にする手もあります。
まずは自分自身が望む未来をしっかり整理し、目標に向かっていくことをおススメします。
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