「ゲームプランナー」とは?基本的な仕事内容や必要な技術を説明


「ゲームプランナーになりたい」と考えている人に向けて、ゲームプランナーの基本的な仕事内容や、仕事をしていくうえで大切となるスキルなどについて説明していきます。

今の自分にはどういう能力が必要になるのか、足りないものはどういったものなのか、夢の実現のために、一つの参考にしてみてください。

 

1.ゲームプランナーとはどういう仕事なのか

ゲームプランナー

1-1.ゲームプランナーとは

ざっくり一言でいうと、ゲームの内容を考えたり、リリースまでスムーズに開発が進むように進行管理などを行うことがゲームプランナーの仕事になります。
ゲーム制作にはプログラマーやデザイナーなどたくさんの人が関わることになりますが、他の職種の人よりも担当する範囲が幅広くなるため、プロジェクト全体を見る力も必要になります。

 

1-2.ゲームプランナーの仕事内容

ゲームプランナーの仕事は、大きくこちらの4つに分けられます。
① 企画立案:
まずはどんなゲームをつくるのか、ゲームの内容を企画するところからプロジェクトがスタートします。
圧倒されるグラフィックがウリのRPGゲームをつくるのか、ゆるく楽しめる育成ゲームをつくるのかなど、まずはゲームの大枠やコンセプトを考えていきます。
プロデューサーから依頼を受けて企画がスタートするなど、プロジェクトの始まり方は様々ですが、面白いゲームにするのはもちろん、ビジネスとして成功するかどうかも考慮しながら企画を詰めていくことになります。

 

② 制作準備:
企画にOKが出て、実際に開発をスタートさせることが決まったら、仕様書の作成に取り掛かります。
仕様書は、プログラマーやデザイナーが実際に開発や制作を行う際に必要となるドキュメントのことで、ゲームの細かい仕様などについて分かりやすく整理されたものになります。
また、加えてその仕様書の内容をもとにゲームをリリースするまでのスケジュールも一緒に作成します。

 

③ 制作:
仕様書の内容をもとに実際の制作を進めていきますが、レベルデザインやマスターデータなどのデータは、つくりながら微調整を行うケースもあります。
エンジニアやデザイナーとコミュニケーションをとりながら、大事な意見は柔軟に取り入れつつ進めていきます。
上記のやり取りをベースに制作を進めていきつつ、エンジニアやデザイナーなどの進捗状況を管理したり、不具合を確認するデバッグ作業やリリース前のお知らせ対応なども並行して行っていきます。

 

④ 運用(集計・分析・改善):
ソーシャルゲームなどの場合は、リリースしてからの運用も大切な仕事になります。
定期的にイベントを企画し、毎回KPIを分析して次のイベントに活かしたり、仕様のアップデートを行ったりするなど、地道な運用を継続して行っていくことになります。
毎回新しいイベントを企画して回していくことになるので、その都度デバッグが必要になりますし、不具合などがあった場合はお知らせを掲載したり、カスタマーサポート対応を行うことも必要になります。

 

2. ゲームプランナーの役割

ゲームプランナーの役割
ゲームプランナーを役割という視点で整理すると、次の3つに分けることができます。

 

2-1 ゲームデザイン

一つめの役割は「ゲームデザイン」を行うことです。
ちなみにゲームプランナーは、会社によってはゲームデザイナーと呼ばれることもあります。

 

「ゲームデザイン」を簡潔に説明すると、ゲームの面白さの根幹となるアイディア出しからはじまり、そのアイディアをどうやって形にして、ゲームとして機能させるか設計することです。
ゲームはユーザーの意思や選択によって進行していくインタラクティブなコンテンツなので、ストーリー性やユーザーの行動など、様々な要素を考慮しながら、コンテンツをゲームシステムに落とし込んでいくことが必要になります。

 

2-2 プランニング

2つ目の役割は「プランニング」を行うことです。
ゲームの企画立案とリリースするまでのスケジュールの計画、それぞれ大きな絵を描き、舵をとっていくこともゲームプランナーの役割です。

 

ゲーム開発の仕事は、デザイナー、プログラマー、デバッガー、そして外部会社など、様々な部門と連携を取りながら開発を進行させていく仕事になるため、事前にトラブルなくスムーズに開発を進められるように進め方をプランニングすることも、プランナーの大事な仕事になります。

 

2-3 開発プランナーと運営プランナー

ソーシャルゲームなどの場合、ゲームプランナーは大きく「開発プランナー」「運営プランナー」に分けることができます。
ちなみにゲームデザインの中でも、ゲームそのものの面白みを作ることに特化しているのが開発プランナー、長くユーザーが楽しめるためのイベント施策や課金施策を担当しているのが運営プランナーとなります。

 

特にオンラインゲームのプランナーの場合は、ゲームリリース後のイベント運営や課金施策なども考慮してゲームデザインを行う必要があるため、コンシューマーゲームやアーケードゲームのプランナーとは求められることが少し変わってくることになります。

 

3.ゲームプランナーになるために必要なスキル・資格

ゲームプランナーのスキル・資格

3-1.物事を冷静に分析する力

「物事を冷静に分析する力」は、ゲームプランナーになるために必要なスキルの一つです。
自分が面白いと思ったゲームや、世間で流行っているゲームがなぜヒットしているのか、その要因や理由を特定して、自分の企画に活かすことがプランナーに求められます。
そういった面白さの核を発見するためには、冷静にコンテンツの魅力を判断する分析力が必要になります。

 

3-2.マーケティング能力

どういったゲームが流行っているかなどのトレンドを調査するマーケティング能力も、必要なスキルの一つです。
マーケティングだけでゲームを企画することはできませんが、大きなトレンドを踏まえ、その流れの中でゲームを企画するほうが、ヒットする確率は高くなると言えるでしょう。

 

3-3.コミュニケーション能力

コミュニケーション能力も必要なスキルの一つです。
ゲーム開発の仕事は、デザイナーやプログラマーなど、たくさんの人の協力があって進んでいく仕事になります。
関わるメンバーと円滑なコミュニケーションが取れるかどうかは、プロジェクトをスムーズにリリースまで進行させることに大きく変わってくる能力となります。

 

3-4.持っておくべき資格

ゲームプランナーになるために必要な資格はありませんが、指示書や仕様書など、PCをつかって資料を作成することが多くなるため、パソコンスキルはあったほうが無難です。
ちなみにオフィス系のソフトにはそれぞれ資格が用意されていますので、そういった資格を勉強のきっかけとして利用するのも一つの手です。

 

4.ゲームプランナーに向いている人

ゲームプランナーになるには

4-1.とにかくゲームが好きという人

「好きこそのものの上手なれ」という言葉もあるように、好きだと、努力なしでどんどん自然に勉強を進めていくことができます
細部までこだわることが、熱狂的なファンからの支持にもつながりますし、他のゲームとはかぶらないオリジナリティにもつながっていきます。

 

4-2.発想力と企画力なら誰にも負けない、という人

ゲームプランナーの仕事は、他の職種と比較して多岐にわたりますが、その中でも一番の醍醐味や面白さ、そして生命線となる特徴は、自分で考えたものをゲームとして形にできるというところです。
発想力や企画力がないと、そもそも自分もゲームプランナーの仕事を楽しむことが難しいので、発想力や企画力なら絶対負けない!という自信は、とても大切なポイントになります。

 

4-3.細かな作業が得意な人

細かな作業が得意な人も、ゲームプランナーに向いています。
ゲームは大枠のコンセプトやテーマはもちろんですが、細かい部分のこだわりなどもゲームの魅力につながる大事なポイントになるため、そういった細かなポイントを見逃さない丁寧さも大切な能力の一つになります。

 

5.ゲームプランナーの年収やキャリアパスについて

5-1. ゲームプランナーの年収について

ゲームプランナーの年収は、初年度は240万~300万円程度が相場のようです。
キャリアを重ねていくと600万円くらいまでいく場合もあるそうですが、そのレベルになるとディレクターとして仕事をすることが求められるようです。

 

5-2. ゲームプランナーからのキャリアパス

プランナーからディレクター、そして最終的にはプロデューサーという流れで、ステップアップしていくのが一般的です。
いきなりプロデューサーを目指そうと焦らずに、まずはプランナーやディレクターとして、しっかりとした実績を残せるように努力することが大切です。

 

6.ゲームプランナーの求人や就職先は?

ゲームプランナーの就職先は基本的にゲームメーカーやゲーム制作会社となります。
ゲームにかかわる他の業種と比べると極端に狭いと感じられますが、ゲームプラットフォームはコンシューマーだけでなく、PCやスマートフォンなどに広がっているため、需要そのものは小さくないといえるでしょう。

 

職務上、ゲーム制作における幅広い知識と経験が必須となるため、求人には経験者限定という条件が付くこともあります。
なお、未経験者の場合でも求人ないというわけではなく、アシスタント的な仕事からキャリアをスタートするケースもあるようです。
その他、プログラマーやグラフィックデザイナーなどの他業種でキャリアを積んでからプランナーキャリアチェンジするケースも存在します。

 

7.未経験からゲームプランナーへ転職する方法

ゲームプランナーになるために必要な資格はありませんが、前述の通りゲーム制作における幅広い知識と経験が必須であるため、未経験の状態でゲームプランナーへ転職するのは至難です。
そのため、まずはアシスタントやサポート業務に就いたり、専門学校で知識を養ったりすることが必要となります。

 

アシスタントやサポート業務で経験を養う
アルバイトや派遣社員、契約社員といった契約形態でゲームプランナーのアシスタント職に就き、プランナーのサポート業務を通して経験を養う方法です。
さまざまな職種のスタッフと協力しながら業務を進めていくことになるので、高いコミュニケーション能力も身に着けることができます。

 

また、アシスタントとして能力や活躍が認められれば、勤務先の人員に空きが出た際にゲームプランナーとして採用されるケースもあります。
現職でのキャリアアップが難しい場合でも、アシスタントの実務経験をアピールしできるので、未経験で転職活動を行うよりもゲームプランナーになれる確率は上がります。

 

専門学校のゲーム専攻科に通う
ゲームプランナーは、企画立案やマーケティング能力、ゲームの分析など、企画立案から制作後まで作品に携わります。
そのため、仕事に必要な資格はありませんが、必要なスキルは多数存在しており、それを学ぶために専門学校のゲーム専攻科に通うというのは十分に有効な手段です。

 

ゲームプランナーが入るべきなのは、ゲーム制作チームの統括やプロジェクト管理、企画立案などに関する学科です。
ゲーム制作の実習時に、他の学科をまとめる授業や企画制作・発表などもあるので、実践的な技術を身に付けられます。
また、専門学校にはゲームメーカーなどの就職実績が豊富なものもあるという点も魅力的です。

 

8.まとめ

ゲームプランナーの仕事が思ったより幅広いと感じた人も多いかと思いますが、それでもメインの仕事は、ゲームの土台ともいえる「企画」を考えることです。
自分の考えたものが実際のゲームとして形にできるのは、とてもやりがいのあることです。
もちろんプログラマーやデザイナー、そしてサウンドクリエイターなど、たくさんの人の協力があって実現できることも忘れてはいけません。

 

面白いゲームを考える「企画力」だけではなく、そういった企画を実際に形にできる「実現力」も、プランナーにとって大切なスキルになります。

 

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