ドラゴンクエストタクトに学ぶライフタイムバリュー向上に必要なゲーム創り


2020年7月スクウェア・エニックスよりリリースされた「ドラゴンクエストタクト」。

リリース直後にはAppstore売り上げランキングで2位を記録し、さらにおよそ1ヶ月で1000万ダウンロードを突破しました。

既にリリースし2020年9月には1周年を迎えるドラゴンクエストウォークの成功事例もあって、各方面からの注目が集まっています。

本稿ではドラゴンクエストタクトに見られるゲーム創りに必要な競合優位性を紐解き、これからのゲーム創りに役立てる要素を紹介します。

 

ドラゴンクエストタクトはターン制の戦略シミュレーションゲームです。

モンスターが駒として盤面に存在し、プレイヤーはモンスターに指示を出して相手チームを殲滅するゲーム。

スライムはもちろん、キラーマシンやグレイトドラゴンといったこれまでのシリーズで人気だったキャラクターをリリース時から出し惜しみなく実装し話題となっていました。

 

ゲームジャンルで既存タイトルとの差別化を

これまでスクウェア・エニックスが版権を持っているドラクエブランドのスマートフォンアプリを数多くリリースしてきました。

過去作の移植版となるナンバリングタイトルのスマホアプリはもちろん、派生シリーズのドラゴンクエストモンスターズスーパーライト。

また、カードバトルゲームをモチーフとした「ドラゴンクエストライバルズ エース」や、スマホオリジナルRPGの「星のドラゴンクエスト」など。

中でも2019年にリリースされた位置情報連動型RPG「ドラゴンクエストウォーク」の快進撃で、様々なスマートフォンユーザーの分野を開拓しています。

 

さて、こうした中で戦略シミュレーションゲームという新機軸によるドラゴンクエストタクトはこれまでのドラクエスマホゲームとは一線を画した存在感を放っています。

 

そもそも戦略シミュレーションゲームは古くは「信長の野望」や「三国志」といったタイトルでおなじみの、比較的高年齢層のプレイヤーが楽しむジャンルのゲームです。

 

ドラゴンクエストタクト以前のドラクエスマホゲームでは伝統的なRPGを主体としたゲームがほとんどで、これらは別のゲームタイトルでありながら、ユーザ層は近しい所にあります。

レベリング要素とゲーム内ガチャ、ドラクエの世界観、旧来シリーズのキャラ、といった要素により一定のファンを獲得していました。

 

しかし、ドラゴンクエストタクトのゲームシステムは戦略シミュレーションの為、ただ強い武器を獲得し、レベルをあげて闘うだけでは楽しむことができません。

「戦略」と名のつく様に盤面上にいるCPUキャラを先読みし、2手、3手先を考えて行動していく将棋に近い思考が求められます。

 

この点が同じドラクエをモチーフとしながらも差別化し、新しいファンを獲得している競合優位性になります。

一見取っ付き難い戦略シミュレーションゲームにドラクエのガワを被せる事でドラクエスマホゲームに飽きたユーザも、戦略シミュレーションゲームファンも射程距離に入ります。

 

似た様な事例では駒をスーパーロボットにした「スーパーロボット大戦」や「ファイヤーエムブレム」で低年齢層に訴求した事例も存在しています。

この様にスマートフォン市場で既にリリースしているタイトルでも、切り口を変える事で新たな顧客を創出することができます。

 

あえてスキを残したオート戦闘機能

戦略を楽しむシミュレーションゲームは、その難易度がゆえに玄人しかプレイしない状況に陥り、ひいてはサービス終了の憂き目にあってしまいます。

ドラゴンクエストタクトでは”オート戦闘機能”を実装することで、戦略シミュレーションでありながら、広く間口を広げた難易度設定がされています。

このオート戦闘機能により、ゲームに馴染むまではCPUに任せて盤面の展開を目で追いながら、徐々にルールを学んでいき、やがて本質的な楽しみを知ることができます。

 

また、このCPUも万能ということではなく、フィールド上のアイテムを自動では取りにいかなかったり、時に燃費の悪い攻撃方法をするといった非効率な行動をします。

 

実はこの非効率性自体が結果的にプレイヤーの能動的な参加を促すトリガーとなります。

CPUに任せてプレイしている最中に明らかに自分が指示した方が効率的というシチュエーションが発生することで、オートをやめて手動で操作する様になるからです。

 

もしオート戦闘機能のCPUが効率を最重要視し、人間よりも確実に優れた采配を行っていたら、ひいてはプレイヤーがゲームをする意味さえなくなるかもしれません。

オート戦闘機能はこうした楽な一方でゲームの本質的な面白さには触れない体験を提供することになります。

したがって、非効率性というきっかけ提供は結果としてプレイヤーをもう一段階深く定着させることに寄与します。

こうしたプレイヤーレベルに応じた快適さ提供と同時に、楽しさに触れさせる為のストレスを狙って実装することは、専門性が高いゲームを広く遊んでもらう際に必要な手段です。

 

スタミナ無しモード実装によるライフタイムバリュー向上

ソーシャルゲームにはスタミナという概念があります。

これは買切型のコンシューマーゲームとは異なり、無料で遊んでもらう為に、意図的に設定された休み時間を与えることで、それをなくす為の課金ポイントとして存在します。

つまり、休みたくなかったら課金してね、といういわば時間を買わせるというものです。

既にソーシャルゲーム黎明期から存在する、市民権を得たマネタイズ手法です。

 

御多分にもれずドラゴンクエストタクトにもこのスタミナという概念は存在し、時にプレイヤーの歯止めとして、また課金アイテムの使用きっかけとして活用されます。

 

しかし、ドラゴンクエストタクトではこのスタミナを使用せずとも戦闘を楽しめる機能が実装されています。

これは通常の戦闘モードとは別で、特定のモンスターでしか参加できない、戦闘に制約を設けた”バトルロード”という機能です。

 

このバトルロードでは通常戦闘で活躍する強力なキャラではなく、ガチャではハズレ扱いとなるキャラクターなどがプレイアブルキャラの中心となっています。

これにより、力でゴリ押しするだけでは勝てない状況が作られ、プレイヤーが頭を使って戦略を練るシチュエーションへ強制的に陥ります。

また、ハズレキャラの有効運用という活かし方も作れる為、ガチャのモチベーションをあげるという副次効果も期待できます。

つまりスタミナが切れたらバトルロードを楽しみ、スタミナがたまったら通常戦闘を楽しむ、というプレイ時間を増やす巧妙なサイクル設計がなされています。

 

こうした、ただ慣習に沿った制約だけでなく、そこにエッセンスを加えることでゲームへの滞在時間、ライフタイムバリューを増やす工夫はゲーム開発には欠かせません。

 

まとめ

ドラゴンクエストタクトでは既存タイトルとの差別化による新規顧客の開拓や、ゲームの面白さの本質に触れてもらう為にあえて実装されている非効率性。

スタミナという概念を逆手にとったスタミナレスな機能実装によるプレイ時間の創出でライフタイムバリューを増やす施策がなされていました。

こうした要素はこれからのゲーム体験を創る上で示唆に富んだ事例です。

 

飽和した市場で差別化し、サスティナブルに選ばれていくゲーム創りを目指すのであれば、この様な実例から成功要素を取り入れてみましょう。

 

ライター名:ビットリズム

 

プロフィール:国産ゲームで産湯を使ったロムネイティブなゲームエバンジェリスト。QOL向上に必要なのはワーク・ライフ・ゲームバランスだと信じている。

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ドラゴンクエストタクト公式サイト

https://www.dragonquest.jp/tact/

 

GooglePlay

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.square_enix.android_googleplay.dqtactj

 

Appstore

https://apps.apple.com/jp/app/id1516559313?mt=8

 

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