ゲーム会社における契約社員とは?雇用形態や正社員・派遣社員との違いを説明
そこでこのコラムでは、ゲーム会社でも多く採用されている「契約社員」という雇用形態についての概要や、正社員・派遣社員との違いを解説します。メリット・デメリットなども紹介しますので参考にしてください。
目次
1. 「契約社員」という雇用形態
まずはゲーム会社に限定せず、一般的な「契約社員」の概要について解説していきましょう。
1-1. 契約社員と派遣社員の違い
契約社員と派遣社員の最大の違いは、実際に仕事をしている場所で直接雇用されているかどうかです。契約社員は勤め先に直接雇用されていますが、派遣社員の雇用主は派遣会社です。他にも契約社員と派遣社員の違いはいくつかあるので、箇条書きで書き出します。
・交通費について
契約社員の場合は契約時の月給と別に交通費が支給されることが多いですが、派遣社員の場合は交通費は別設定ではなく最初から含まれているケースが多い傾向にあります。
・正社員への移行
契約社員は勤務先に直接雇用されているので、正社員に移行できるケースもあります。派遣の場合も正社員雇用を前提としたケースがありますが、契約社員の方が一般的に雇用への確度は高めとされています。
1-2. 契約社員と正社員の違い
契約社員と正社員の最大の違いは、雇用される期間を契約によって決められているかどうかです。正社員の場合は期間を定めることは一般的にはありません。
なお、契約社員は会社の業績が悪い時などに急に解雇されるのではないかと心配する人も多いでしょうが、契約期間内に正当な理由なく解雇することは法的に禁じられています。
以下に契約社員と正社員で異なる点を箇条書きにしましょう。
・雇用の契約期間
正社員は定年以外の雇用期間を限定しませんが、契約社員の場合は契約時に期間を定められます。
・就労時間
正社員は全員共通の就労時間に沿って働きますが、契約社員の場合は個々に異なる場合があります。
・複数の企業での雇用契約
正社員の場合、一般的に複数の会社に同時に雇用されることはできません。一方、契約社員は複数の企業と同時に雇用契約を結ぶことができます。
・転勤の有無
正社員の場合は転勤を言い渡されることはあり得ますが、契約社員の場合は契約時に明記されていない限り転勤はありません。
1-3. 会社が「契約社員」という雇用形態を採用する理由
企業側が契約社員を雇用するメリットは、大きく言うと人件費を抑えられること、繁忙期に人員を多く確保しやすい雇用形態であることの2点でしょう。
同一労働なら同一賃金であることが定められているので、契約社員を雇うことで経費を抑えようとする場合、正社員と同一の責任や業務内容を任せることはできません。しかし直接雇用していない派遣社員や、アルバイトの人よりは契約社員の方が成果を求めやすいと言えます。
また、一時的に忙しいとしてもその状態がどの程度続くかわからない局面で正社員を多く抱えるのは、企業にとってリスクになります。そのため、期間を限定できる契約社員を雇うことは大きなメリットです。もし、契約期間が近づいた時にまだ人員を必要としていれば再契約する方法もあるので、企業にとってはありがたい面が多いのです。
さらに、転勤や社内部署の移動の可能性があることを前提とした正社員に比べて、転勤や部署移動が無いことで働きやすいという位置づけで契約社員を雇用する会社もあります。この場合、雇用される側としてのメリットもあるかのように見えますが、場合によっては社員なら何を命じても良いという感覚に陥っているブラック企業もあるので注意は必要です。
2. ゲーム業界における契約社員のメリット・デメリット
ゲーム会社では、ある程度以上の規模の会社で就職時に「契約社員からスタート」という形式を採用しているところが見られます。この項目では、ゲーム会社での契約社員のメリット・デメリットを解説しましょう。
2-1. 契約社員のメリット
契約社員は正社員とは異なり、複数の会社と同時に雇用契約を結ぶことができるメリットがあります。そのため、異なる職場環境で、同時期にスキルを積み重ねたいクリエイターやエンジニアにとって有利な働き方が可能です。
また、副業を禁止している会社でも、契約社員に対してまでは副業に関与しない傾向があります。そのため、今大きな話題になっているインディーゲームを作って販売したいと思っている人には契約社員という雇用形態には魅力があります。
さらに正社員より就労時間が不規則になることが少ないとされているので、就業内容以外のスキルアップに時間をかけたい人や、趣味としてゲームプレイする時間をしっかり確保したい人、家庭生活を重視する人にはメリットが多い就労形態と言えるでしょう。
ほかには、正社員として登用されるのは難しくても、契約社員であれば希望するゲーム会社で働ける可能性が広がるのも利点の一つです。「あこがれのタイトルの新作開発に関わることができる」、「以前からリスペクトしているクリエイターと仕事ができる」となれば、収入面が落ちるとしても働く価値があると考える人もいるでしょう。
また、あまり語られていないメリットがもう一つあります。それは会社の業績が急激に悪化して、正社員すら解雇されるような事態になっても、一定期間の雇用を約束している契約期間中であれば、契約社員の方が解雇されにくいという点です。
2-2. 契約社員のデメリット
契約社員の最大のデメリットは正社員に比べると収入が低くなりがちなことでしょう。給与形態は会社ごとに違うので一概には言えませんが、契約社員の場合はボーナスが無いことがほとんどで、支給されるとしても正社員より少なく設定されているケースが多いのが実情です。とは言え、正社員とほとんど変わりない金額を支給している会社もあるので、収入については契約を結ぶ前にしっかり確認しておくことをおすすめします。
もう一点契約社員の大きなデメリットが、雇用の契約期間が定められていることです。先行きの仕事が確保できないことに不安を感じる人は多いですから、雇用の安定を重視する人にとってはこの点は大きな要素となるでしょう。
3. ゲーム業界で契約社員から正社員になるためのポイント
この項目では、ゲーム会社で契約社員から正社員を目指す人が気を付けるべきポイントを紹介しましょう。
ただし、契約社員にもメリットはあるので一概に正社員になることが良いとは限りません。あくまで契約社員のメリットよりも、正社員でいることに魅力を感じる人に向けての項目と理解してください。
ゲーム業界内で契約社員から正社員になる方法は、大きく言うと2つあります。
一つは今勤めている会社で契約社員から正社員になりたいという希望を強く打診してみることです。この場合、ある程度以上のスキルがあることや、業績に貢献できているほど交渉は成功しやすいです。ただし、会社として契約社員から正社員に移行した前例がない会社では難しいですから、契約社員として働く前に条件や前例を確認したうえで就労を始めることをおすすめします。
正社員になる二つ目の方法は転職です。正社員になることが務めている会社では叶わない場合、正社員として雇ってくれるゲーム会社を探してみましょう。この場合にもスキルや実績があるほど有利ですから、仮に待遇が気に入らないとしても在籍中の会社でしっかり経験を積むことは必須だと認識しておきましょう。
4. まとめ
契約社員という雇用形態について、派遣社員や正社員とどのように違うのかをまとめ、ゲーム会社で契約社員として働くことのメリット・デメリットを解説しました。
契約社員は正社員に比べると安定性で劣る面もありますが、複数の会社に在籍できる(副業できる)、ワークライフバランスが充実できるなどの自由もあるので、一概にネガティブに感じる必要はありません。
なお、本コラムで紹介した契約社員のあり方はあくまで一般的なものであり、会社によって違いがあることはご注意下さい。契約時に収入や就労時間、契約期間などの条件は提示されるはずなので、納得できる内容かどうかをしっかり確認することをおすすめします。
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