パズルゲームの楽しさを再認識させてくれる『MOAI』の設計


パズルゲームは誰にでも楽しめる不朽のジャンルですが、ゲームが多様化したことで、その遊び方も様々です。

 

スマホゲームの『MOAI – My Own Ark Island』はそんな新しいパズルジャンルを開拓する作品でもありますが、楽しみ方としてはクラシックな仕上がりになっているのも特徴です。

 

『MOAI – My Own Ark Island』の遊び方

『MOAI – My Own Ark Island』は、出現する孤島に建物を上手に配置し、規定のスコアをクリアすることが目標となるパズルゲームです。

 

集落を作りハイスコアを目指せ

今作は、シングルプレイに特化したパズルゲームとなっています。

プレイをスタートすると、様々な形状に生成された孤島が画面上に表示されます。

 

プレイヤーはランダムで提供される手札をもとに、この無人島を豊かな建物で溢れる島へと開拓していくことが求められます。

 

建てられる建造物は与えられる手札によって決まるため、常に同じ建物を建てられるとは限りません。

 

与えられる選択肢を考慮しながら、ベストな建築を繰り返すことでハイスコアを目指します。

 

また、建物を上手に建て、ハイスコアを獲得するためには、その配置にもこだわる必要があります。

 

例えば、木々が多くみられる場所に製材所を建てた方がスコアは高く、こう言った施設の近くに住居を設置すると騒音問題でスコアが低くなるなど、ミニチュアサイズながらよく設計されているシステムです。

 

小さな島の中で、環境を生かしながらうまく集落としての機能性と住みやすさを考慮することが、ハイスコアの鍵となるゲームです。

 

作り上げた島は鑑賞可能

建物の配置や島との相性を加味しながら構築した島の集落は、完成後にその姿をじっくりと鑑賞することもできます。

 

いわゆる「シムシティ」シリーズの様な街づくりシミュレーションでは、自分が作った街の様子をじっくりと眺められるのが楽しみの一つでもあります。

 

『MOAI』においてもこの要素を備えており、パズルゲームとしての要素が強いものの、完成した後はじっくりと楽しめるところが魅力の一つでもあります。

 

このゲームにおいてハイスコアを目指すためには、必然的に集落に機能性や景観との親和性を考慮しながら建物を配置していかなければなりません。

 

そのため、正しいアプローチでハイスコアを目指せば、自然と鑑賞に耐えうる機能美と孤島の環境の美しさが際立つ島へと昇華している、という仕組みを備えています。

 

『シムシティ』ほどエンドレスに、そして大規模に街づくりを行う必要はなく、小さな島の開拓に始終するシステムを採用しているため、スマホサイズで気軽に遊べるのが特徴です。

 

パズルゲーム本来の魅力とは?

パズルゲームの醍醐味は、その問題に隠された謎を解き明かし、正解にたどり着くというところにあります。

しかし、必ずしもパズルゲームの魅力はそれだけにとどまるものではありません。

 

「謎を解く」だけがパズルじゃない

昨今のパズルゲームにおいて、特に重要視されているのが「どんな謎を提供するか」という点です。

 

パズルゲームというジャンルは非常に幅が広く、様々なバリエーションのパズルがすでに登場しているため、新しいパズルを提供するというのは困難を伴う作業です。

 

それゆえ、ゲームクリエイターはパズルゲームの謎作りに注視しすぎてしまい、その他のシステムの構築が疎かになってしまうケースも見られます。

 

スマホゲームはカジュアルにゲームをリリースできることもあり、謎の提案だけにとどまるゲームは少なくありません。

 

無料や数百円であればこの様なゲームでも満足度の高い作品は提供できますが、それ以上の満足度を求めるためには、そこで終始してしまうと達成が困難になります。

 

パズルゲームはプレイヤーが解くための謎を前提としつつも、それに付随する要素を用意することが重要になるのです。

 

完成の達成感と美しさに身を任せられるパズル

謎の提供だけにとどまらないパズルゲームとは、どういうものが挙げられるでしょうか。

一見すると新しいアプローチの様にも思えますが、実は古典的な手法であるとも言えます。

 

例えば、ジグソーパズルの例を考えてみましょう。

ビデオゲームの登場以前から、パズルゲームの王道として君臨してきたジグソーパズルですが、謎を解くと一つの絵が完成するのは誰もが知るところです。

 

絵の完成は、単に謎を解いたという達成感だけでなく、美しい絵画や景色が謎の解明によってもたらされ、そこに身を委ねることが可能になります。

 

つまり、美術的な欲求を満たすために、パズルを完成させるということです。

 

見たい景色と謎の解明という共通項があることで、実はパズルの解決にも前向きな効果をもたらします。

 

ジグソーパズルでは、「真ん中の部分はおそらく山の景色があるのだろう」という予測をもとに、数百・数千にのぼるピースから妥当なものを検討しますが、『MOAI』においても同じアプローチがみられます。

 

「ここに住居を設置すれば住みやすいだろう」「倉庫を並べてシンメトリーな景色を作ろう」など、「こうあるべき」という方向性をもとにパズルを組み立てていくことで、完成時には満足のいく、作品ともいうべき孤島が出来上がっているのです。

 

面白いパズルゲームに求められる設計とは

パズルゲームの良し悪しは、謎のほど良い難易度によって決めることができます。

しかしそれ以外にも様々な軸を持つことで、より深みのあるパズルゲームを設計することが可能です。

 

「解き明かした」ことで得られる報酬の多層化

一つは、謎を解いたことで得られる報酬の多層化です。

 

脱出ゲームの典型的な流れは、部屋の中の謎を解き、部屋から脱出するというものです。

しかし、ただ脱出するだけでは今や報酬として物足りなさを覚えるほど短調に感じてしまうのも事実です。

 

『MOAI』の様に、ゲームをクリアすることで得られる報酬に大きな比重を置き、パズルを鑑賞したり、より世界観に浸れる設計を用意したりすることが求められます。

 

謎を解いて終わりの知恵の輪ではなく、ジグソーパズルの様に解明後も所有欲や美的欲求を満たせる仕組みの方が、マルチメディアなビデオゲームに最適のアプローチです。

 

創造性を刺激される瞬間

パズルゲームの醍醐味は、自身のクリエイティブな感性とロジカルシンキングの楽しさの両方を刺激されるところにあります。

 

今までは考え付かなかった、ユニークなアイデアで謎解明の糸口を掴み、論理的思考で紐を辿っていく感覚はパズルゲームにしか提供できない感覚です。

 

正解にたどりついた瞬間、自分の完成とロジックが間違っていなかったことを体験できる難易度こそ、パズルゲームに求められる歯応えです。

 

『MOAI』はハイスコアを目指すパズルゲームですが、どうすれば美しい集落を作りつつ、ハイスコアを目指せるのかを考えられるという意味では、質の高いパズルゲームと言えます。

 

おわりに

パズルゲーム作りは奥深い謎作りに終始してしまいがちですが、別の視点からもパズルを検討することで、優れたクオリティの作品を創作できます。

 

時には様々なアプローチでパズルゲーム作りに臨み、新しい体験を届けられるよう務めるのもいいかもしれません。

 

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ライター名:Satoru Yoshimura

 

プロフィール:ライター。20年以上の付き合いがあるビデオゲームとアメリカ音楽をテーマとした活動が中心。「日本のゲーム音楽がヒップホップに与えた影響」などブログで公開中。

 

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『MOAI – My Own Ark Island』開発公式サイト:https://www.fatlinegames.com/

 

『MOAI – My Own Ark Island』

App Store:https://apps.apple.com/tr/app/moai-my-own-ark-island/id1542463148#?platform=iphone

 

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