Pay to Win(ペイトゥウィン)とは?ゲーマーが忌避する課金とバランス
このコラムは、ゲームを語る中で問題視されることが多い「Pay to Win(ペイトゥウィン)」について、言葉の意味や問題点、炎上した実例などを紹介します。
ゲーム開発は営利目的である以上、何らかの方法で収益を上げることは当然でありながらも、Pay to Win(ペイトゥウィン)がなぜ問題視されるのかを徹底解説していきます。
目次
1. Pay to Win(ペイトゥウィン)とは
そもそもPay to Winとは、多くの課金をすることでオンラインゲーム内での勝利が得やすくなるシステムにつけられた名称です。P2Wと短縮して書かれることもありますが、ここではPay to Winで統一します。
課金の方法にはいくつかありますが、日本ではガチャと呼ばれるくじ引きシステムが代表的で、英語圏では同様のシステムをルートボックスと呼びます。
1-1. Free to Play(フリートゥプレイ)との違い
Pay to Winの対照的な存在としてFree to Play(フリートゥプレイ)と呼ばれるゲームも存在します。
Pay to Win のゲームが課金するほどゲーム内での勝利を得やすくなるのに対して、Free to Playはゲーム内で課金システムはあっても、ゲーム内の勝利には影響しないものを指します。
2. Pay to Winはなぜゲーマーに嫌われる?
Pay to Win のゲームはゲーマーに嫌われがちです。その理由は明確で、課金するほど勝利しやすくなるシステム上では、プレイヤーの努力や工夫、テクニックなどが活かされないからです。そのため、ゲームバランスが課金の度合いによって大きく左右されるタイトルはゲーマーには避けられる傾向にあります。
また課金して勝つことが普通になると、ゲーム内で課金競争が起こるため、勝つために無限に課金し続けるプレイヤーも増えます。そのため、使用する金額が増え続けて生活を圧迫することも問題視されています。
Pay to Winの世界では課金を少なめにしてプレイしようとしても難しいことが多く、常に課金に誘導するような仕組みも盛り込まれがちです。さらに、多くのゲーマーがプレイする動機としている感動や達成感が得にくい点もPay to Win のゲームが嫌われる理由となっています。
2-1. Pay to Winの風潮が生まれた背景
Pay to Winのゲームが増えてきた背景には、売る側と買う側の双方の事情があります。
基本的にゲームは営利目的で作られるので、制作する側は大きな収益を上げたいと望みます。そのような流れで「ガチャ」が誕生しました。ガチャの多くは、強力なキャラクターやアイテムなどが手に入る可能性があるものの、必ずほしいものが入手できるとは限らないので何度も課金してしまうといったビジネススタイルです。近年は課金ガチャを煽るばかりのゲームは不人気ですが、勝利のために有利になる有料のスキンやアイテムは今も多数存在します。
一方、ユーザー側にもPay to Winのゲームをプレイする理由はあります。例えば工夫やプレイの積み重ねで勝利を得るタイプのゲームは、短時間しかプレイしない人や不器用な人にとって勝利の快感が得にくい特徴があります。苦労して強化や攻略を楽しむゲーマーも多数存在しますが、お金を出して快感を得られ、時短ができるならそれでよいというユーザーも存在するのは事実です。そんな背景もあってPay to Winのゲームはいくつも誕生しています。
次の項目では、Pay to Winの度合いが高すぎて大炎上した実例を紹介しましょう。
2-2. Pay to Winが炎上につながった例
Pay to Winのゲームが社会的に問題視された代表例として、「Star Wars バトルフロント II」があります。
「Star Wars バトルフロント II」は2017年に、アメリカのエレクトロニック・アーツがリリースしたタイトルです。「Star Wars」の世界観を忠実に再現しているという高評価もありますが、ここで問題とするのは課金性の高さです。
「Star Wars バトルフロント II」にはスターカード、クリスタルなどの言葉が存在します。これらのシステムがキャラクター強化や、人気キャラクターでプレイを楽しむために、強力に課金をあおる手段として利用されたのです。このためPay to Winの度合いが高すぎるとして大炎上し、アメリカの議員がルートボックス(日本でいうガチャ)を規制する法律を出すほどの騒動に発展しています。
その後、「Star Wars バトルフロント II」はゲーム内の課金を一時停止する措置を取り、炎上を鎮静化します。課金要素が停止されて以降は一定のユーザーを獲得しながら継続しているので、ゲーム自体に魅力がなかったのではなく、Pay to Winの傾向が過剰であったことが証明されています。
3.まとめ
オンラインゲームで問題視される「Pay to Win」について、言葉の意味や嫌われる理由などをまとめました。
ゲーム会社が営利目的であることや、プレイ時間やテクニックに左右されずにゲームを楽しみたい人がいることなどでPay to Winのゲームは多数存在してきました。とはいえ、課金をあおる要素ばかりが強すぎると、ファンが離れる理由になりますし、新たな法的規制が生まれて自由度が下がる要因になります。
ゲーム業界の将来や個人に与える悪影響を考えれば、Pay to Winの要素は歓迎できるものではないと言えるでしょう。
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