RMT(リアルマネートレード)とは?違法性や規約違反としている理由などを解説


 
このコラムは、ゲーム業界に見られるRMT(リアルマネートレード)=ゲーム内通貨やアイテム、アカウントなどが金銭で売買される行為について解説します。
 
「RMTは違法ではないので、リスクに気を付ければ行っても良い」といった方向の記事やコラムも見られますが、RMTは個人のリスクを伴う上に、ゲーム業界にとってプラスな面はありません。
 
このコラムでは、RMTの問題点やリスクなどを具体的に解説していきますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
 

1. RMT(リアルマネートレード)とは

この項目では、RMT(リアルマネートレード)の意味を解説します。
 
RMTとは、わかりやすく言うとゲーム内で使用される通貨やアイテム、またはアカウント自体をリアル社会のお金で売買する行為です。
 
ゲームをする中では、「もっとゲーム内通貨が欲しい」、「強力なアイテムがあったら勝てるのに」、「どうしても欲しいキャラがあるのでかなり課金ガチャをしたのに出ない」といった経験を持つ人は多いでしょう。RMTは、そのような点をお金を払って簡単に解決しようとする行為なのです。
 

2. 【結論】RMTは現状取り締まる法律こそないものの、ゲームの規約に違反する可能性がある

結論を先に言えば、RMTを取り締まる法律は、2022年の日本にはありません。
 
しかし、現在は多くのゲームが、利用規約の中でゲーム内通貨やアイテム、キャラクター、アカウントなどの金銭による売買を禁じています。RMTが好ましくない理由は複数あり、詳しくはこのコラム内で書いていきますが、大まかにいうと以下のような問題があります。
 
・ゲーム内通貨やレアアイテム、強いアカウントなどがお金で売り買いされていれば、お金を持っている人だけが有利になり、ゲーム内のバランスが崩れてしまう
・不正なデータ改ざんやアカウントのハッキングなどの温床となり、犯罪行為が横行する環境が形成される。
・不正をしてでも利益を得ようとする人やグループは、販売する相手の個人情報を悪用する可能性もあり、個人のリスクがつきまとう。
・サーバーへの負荷がかかることや、運営会社が取り締まりにパワーを使うこと、ゲーム本来の楽しみが失われることなどで、ゲームの未来が閉ざされてしまう可能性がある。
 
このような問題を以下で細かく説明していきますが、次の項目ではまずRMTサイトで取引されるものの種類を解説します。
 

3. RMTサイトで取引されているもの

残念なことですが、RMTを堂々と行っているサイトは存在しています。この項目では、RMTサイトで取引されるものについて解説しましょう。
 

3-1. ゲーム内通貨

ゲームをプレイするうえでゲーム内通貨は重要な役割を持っていますから、売買の対象になります。そもそも数値的なものなので、単価を決めてしまえば売る側も買う側も価値や利益を考えやすいという見方もあります。
 

3-2. ゲーム内アイテム

ゲーム内でなかなか得られないレアアイテムやレアキャラクターも、売買の対象として扱われます。買う側としても「どうしても欲しい」、「〇〇があったらもっと楽しめるのに」といった気持ちはありますから、売買が成立しやすいと言えるでしょう。
 
また買うときに「ものを買っている」という感覚を持ちやすいことや、「課金ガチャより確実」といった気持ちも売る側が付け入るスキになります。
 

3-3. ゲームのキャラクターデータ(アカウント)

アカウント自体を売買する行為は、アルファベットや数字を教えるだけなので非常に簡単ではあります。入手する側としては、育成の苦労が無く、ゲームを有利に進められるわけですから魅力を感じる人もいるでしょう。売る側としては、「課金して強化したけど、引退するので売ることにした」という人もいれば、最初から販売目的でアカウント強化に励む人もいます。
 
また、RMTを目的とする業者が組織的に関与すれば、BOTプログラムなどを使って大量のアカウントが発生することが予想されますから、運営側にも一般ユーザーにも大きな迷惑がかかります。
 

4. RMTを利用することで個人に降りかかるリスク

この項目では、軽い気持ちでRMTを利用してしまうと、個人にさまざまなリスクが降りかかるということを記載していきます。
 

4-1. ゲームの規約違反によるアカウント停止・剥奪

RMTに相当する行為(ゲーム内通貨やアイテム、アカウントの売買)自体を禁じる法律は現在まだありませんが、ゲーム会社が定める利用規約で禁じられていることがほとんどです。そのため、運営会社にRMTが行われたことが発覚した場合、利用規約違反でアカウントの停止や剥奪処分を受けることがあります。
 
バレないと思うかもしれませんが、近年のゲームはオンラインプレイが多いので一緒にプレイする人が通報することもあります。もちろん運営側でトレードの履歴などを洗い出すこともあるでしょう。
 
運営側はRMTを警戒していますから、実際にRMTの疑いがあるアカウントを停止する例は少なからず存在します。また、運営側の警戒が強まった結果として、RMTに関係しない人が疑いをかけられてアカウント停止されてしまうということもありえるので、多くの人が楽しくゲームをできる環境を守るためにも、RMTに関わらないようにしましょう。
 

4-2. RMT業者(個人間取引)による詐欺被害・ハッキング

RMTを仲介する業者は、「RMTは違法ではないから逮捕されることはない」、「やり方さえ注意すれば危険はない」といった甘い言葉を使って、売買を促進しようとする例が多く見られます。
 
まずRMT自体が好ましくない行為ですが、中にはRMT利用者に詐欺行為を働くものや、ハッキングをかけるものもありますから、大きなリスクが伴う行為であることを認識してください。
 
詐欺の手段として多く見られるのは、「購入したアカウントが約束した内容のものではない」、「お金を振り込んだのにアカウント情報が届かない」、「購入したアカウントでプレイを始めたが、乗っ取られてしまった」などのケースがあります。
 
また、RMTを利用しようとする人を不正なサイトに誘導してハッキングしたり、ウイルスに感染させたりする手口もあるので、売る側としても買う側としてもRMTには近づかないことをおすすめします。
 

5. RMTが規約違反とされる理由

この項目では、多くのゲーム会社がなぜRMTを利用規約違反としているのかを解説します。
 

5-1. 公平性に欠けるため

RMTが横行すれば、ゲーム内の公平性が大きく損なわれます。ゲームに課金要素があることはごく一般的ですが、多くのゲームはお金ですべてを解決しているわけではなく、掛けた時間や工夫などの対価として強化や育成を果たしていきます。
 
そのため、強力なアイテムやアカウントが、金銭を払うことで一瞬にして手に入るとなると、ゲーム内の公平性やバランスが崩れてしまい、ユーザー離れにつながってしまうのです。
 

5-2. RMTが横行することにより業者アカウントが増え、ゲームプレイを阻害されるため

RMTでの販売を目的とする業者が増えると、BOTプログラムなどを使って大量にアカウントを作る可能性があり、運営側のサーバーに大きな負担をかける事態に陥ってしまうことが想定されます。また、オンラインを利用した多人数参加のゲームで、人気アイテムを得るためのバトルにRMT目的のアカウントが殺到して、普通にプレイしたい人が迷惑をこうむることもあり得ます。
 
さらに、金銭目的のプレイヤーが増えれば、オンラインゲームに見られるプレイヤー同士の楽しい交流が阻害される可能性もあります。プレイヤーの交流には個人差がありますから、RMTに関連しなくても結果だけにこだわる人もいるでしょう。とはいえ、金銭を目的とする人が増えれば、現在平均的に行われている交流が損なわれることは予想できます。
 
これらの点を踏まえると、RMTが横行することによって、ゲームの楽しさが失われる可能性が高いと言えるでしょう。
 

5-3. そもそもゲームデータは運営会社の著作物にあたり、RMT自体が著作権法違反に該当する可能性があるため

ゲーム内のデータは、法的にはゲームを運営している会社の著作物として扱われます。そのため、データを売買するRMTは著作権法違反に当たる可能性があります。
 
2001年の判例ですが、「ときめきメモリアル事件」と呼ばれるものがあり、これはチート行為でゲームのストーリーに影響を与えることが著作権を侵害するとしたものです。つまり、「強いアイテム」「強いアカウント」を手に入れたいという気持ちにつけこんで、チート行為を含むデータの売買が行われれば、犯罪を構成する可能性があるわけです。
 

5-4. RMTを認可すると換金を目的としたゲームの利用になり、賭博罪に該当する恐れがあるため

課金ガチャは過去に「コンプガチャ」という手法が多く利用された際に、「賭博に当たるのではないか」と問題提起されたことがあり、排出率を開示することなどで合法とされてきた歴史があります。
 
しかし、RMTを目的とするゲーム利用は金銭的利益を得ようとする行為であり、この場合は賭博罪に当たる可能性もあります。
 

6.まとめ

ゲーム業界で見られるRMT(リアルマネートレード)について、内容や違法性の有無を解説したうえで、利用することによるリスクやゲーム会社が規約違反としている理由をまとめました。
 
ゲーム内通貨やアイテム、アカウントなどを売買しようとする人は少なからず存在しますが、利用すべきものではありません。多くの人がゲームを楽しめなくなるという倫理的な部分もありますが、売る側にも買う側にもリスクが発生するので、さまざまなダメージを受ける可能性があります。
 
また、多くの人が気軽にRMTを利用するようになると、結果的にゲームや業界自体が衰退する可能性もあります。今後も楽しいゲームが作られ続けていくように、RMTには、売る側としても買う側としても関わらないようにしましょう。
 

ゲーム業界経験者が転職するなら

GAME CREATORSを運営しているリンクトブレインでは、ゲーム業界に特化した転職エージェントサービスを提供しています。

ゲーム業界に精通したコンサルタントが、非公開求人を含む3,400件以上の求人の中から、あなたの希望や適正にあった最適な求人をご紹介します。

あなたの転職活動を成功に導くためにサポートいたしますのでお気軽に登録してください!

 

    登録フォーム

    下記フォームにご入力の上、「エージェントサービスへ登録する(無料)」ボタンをクリックしてください。

    必須

    氏名必須

    必須

    生年月日必須

    必須

    都道府県必須

    必須

    電話番号必須

    必須

    メールアドレス必須

    必須

    ゲーム業界での業務経験必須

    経験あり経験なし

    必須

    経験職種1必須

    任意

    経験職種2任意

    任意

    経験職種3任意