
『三国志大戦』や『ボーダーブレイク』などを生んだセガ・インタラクティブ。アーケードゲーム開発の魅力と、ここでしか得られないやりがいに迫る!!
『Wonderland Wars』『三国志大戦』『バベルのメダルタワー』『UFOキャッチャー』などのアーケードゲーム開発だけでなく、『けものフレンズ3』や『ボーダーブレイク』といったスマホアプリや家庭用ゲームの開発も手掛ける株式会社セガ・インタラクティブ。
主軸となるアーケードゲーム開発ならではの面白さや、セガ・インタラクティブでしか得られない業務のやりがいについて、役員でありクリエイティブオフィサーでもある片岡洋氏(写真右)と大原徹氏(写真左)にお話を伺いました。
■なんでもありの「セガ流」を継ぐセガ・インタラクティブ
――セガ・インタラクティブという会社はどんな会社なのか教えてください。
片岡
セガはアーケードで始まった会社なので、その原点、大昔のセガの形を一番残している会社だと思います。
アーケードって昔からなんでもありなんですよ。
ネットワークを引きたかったら引いちゃう。カードを印刷したければしちゃう。
なんでもありなところが一番色濃く残っている会社です。
アーケードだけじゃなくてスマホのゲームも作るし、PSのゲームも作る。
一番貪欲にいろんなところに手を出しているのがセガ・インタラクティブだと思います。
――初めの頃の「セガ」の形が、一番残っている会社なんですね。お二方は、セガ・インタラクティブでどのような経歴を積まれたのでしょうか。
大原
私は93年にセガに入社し、最初はコンシューマの部門に配属されました。
皆さんが知っているようなタイトルだと、『サクラ大戦』の開発に携わり、『サクラ大戦2』まで関わったあと『あつまれ!ぐるぐる温泉』というドリームキャストのネットワークゲームの開発を手がけました。
早期にネットワークに関わることができたのはいい経験になりましたね。
その後、分社に伴ってコンシューマの開発だけに縛られなくなったタイミングで、『ドラゴントレジャー』というアーケードのメダルゲームを作りました。
その後再び組織変更でアーケードの開発部門になり、『三国志大戦』や『戦国大戦』を開発する流れになります。
いまは『Wonderland Wars』『maimai』『CHUNITHM』『オンゲキ』『WCCF』などに、管理側として携わっているというのが現状です。
片岡
私は鈴木裕さんや名越さんがいたAM2研というところにプログラマとして入社しました。
プログラマのはずだったんですが、入社後に部長の裕さんから「お前企画やれ」って言われ、企画職になりました。
当時は『バーチャファイター』や『バーチャレーシング』などの最先端の3D技術を取り入れたビッグタイトルが登場した時期で、そんな中で私は、何か新しいことをやろうという製品の開発を任せていただいていたという状況でした。
最初に占いのゲームを作ったり、海外の企業と一緒に戦車のゲームを作ったり、バーチャファイターブームのころに『ファイティンバイパーズ』という格闘ゲームを作ったりしていました。
そこまでは企画職をやっていたんですが、そのあとはディレクターという肩書ではあるけど、全体を広く見る管理職になって、本当にいろんなゲームに関わっています。
RPGも、麻雀も、女の子がいっぱい出るゲームも作ったし、PS2の『バーチャファイター』を作ったりもしました。
アーケードではじめてネットワークを使ったのは『バーチャファイター4』ですが、その時もネットワークを引くところから、本当に思いつく限りいろんなことをやって来た感じです。
――お二方とも、セガタイトルの中で有名タイトルに携わられて来たのですね!特に、思い出深いタイトルはありますか?
片岡
最初に作った占いのゲームは思い出深いと言えば深いですけど(笑)。
セガってすごいと思ったのは、『バーチャファイター4』ですね。
アーケードゲームをオンライン化するということを誰もやったことがなくて、どうやったらお店に回線を引いてもらえるのかから、何もかも手探りで始めました。
でも気が付くと会社中の普段付き合いがないような部署からもたくさんの人たちが手伝いに来てくれて、結果的に実現できた。
その時に、あぁセガで良かったな、と思いましたね。
大原
ゲームを作るんじゃなくて、新しい事業を作るみたいなノリですよね。
片岡
あれはセガっぽい、非常にいい仕事でしたね。
――さすがセガさん、ひとつのタイトルを実現させるために新しい事業を作る…規模が大きいですね。大原さんはいかがでしょうか。
大原
『三国志大戦』が大きかったと思います。
片岡の話と逆で、私はまったく新しいことを立ち上げる必要がなく、周りに最初から全部あった状況でした。
当時、『三国志大戦』って、「新しいことをしている」って評価されたんですが、実は新しいことは何ひとつやってないんですよ。
例えばフラットリーダー(平面に置いた実際のカードをリアルタイムで読み取る装置)はすでに『WCCF』でやっていたし、カードの封入は『Quest of D』でも『アヴァロンの鍵』でもやっていた。
それこそネットワークは、『バーチャファイター4』のころからやっていましたしね。
だから『三国志大戦』は新しいことを生んだゲームというより、上に乗せるものを変えて新しい遊び方を提案したゲームなんです。
各部署でイノベーションを生み出しているので、ちょっと横のブースや隣の部署に行けば新しいことをやっている人がいるというのが、セガのいいところだと思います。
先人の力を借りて、あまり努力しなくても新しいものができたなと。
片岡
いや、努力はしてたじゃないですか(笑)。
――各部署にある技術を組み合わせて、新しい遊び方を提案すること自体すごいことですよ!セガ・インタラクティブは、様々な「新しい」が生まれている会社なんですね。