「ポケコロ」「猫のニャッホ」のココネに聞く“暮らすような会社”が生み出す効果

充実した社員による会社を作る。良いサービスを生み出し、世の中に貢献していくための新オフィスへの思い

 

――設備が非常に充実していると感じます。どのような意図によるものなのでしょうか?

 

ココネでは、いい会社を作り、働く人ができる限り幸せな状態でナンバーワンになることを目標としています。
働く人が幸せか? という点が利益率よりも先に来るので、キッチンやジム、休む場所などの気持ちよくいられる環境づくりを一番大事にしています。
今回の移転でも、オフィス内に火を使えるキッチンを設置できることが物件を探す条件でした。

 

――設備の充実に対する社員の反響はいかがですか? また、設備の活用度合いなどにつきましてもお答えいただければと思います。

 

今は社員が全員出社している状態ではないですが、ビールサーバーの使用率が高いです(笑)。
その他ですと、オンラインジム(オンラインレッスン)は1~3月の平均が約250人で、4月は利用者が減少したのですが、5月は延べ500人くらいと始まって以来の参加率になりました。
移動の必要がなく、ビデオをオフにすれば運動する姿を見られたくない人でも参加でき、家族と一緒に出るといったこともできます。
結果として、女性の参加率が上昇しました。
これはオフィスの移転によるものというよりは、新型コロナウイルスの影響によるものだと思います。

 

さまざまな器具を購入し、専属のスタッフを用意してはいるものの、それでは集客できない社員がたくさんいたということと、オンラインで人の目に触れずにヨガっぽいストレッチができるというのがニーズだったという気づきがありました。
オフラインジムにこだわってしまうと、どうやって社員をジムに連れてくるかということしか考えられなかったので、目が覚めたような気持ちでした。
オフィス移転による効能ということではないですが、新しくさまざまなことができたかなと思います。

 

似たような例ですが、宅配デリも人気が高いです。
リモートワークを行った際に食事に関するアンケートを取ったら、食事が偏っているというデータが出て“これは、まずいな”と思った時に“宅配すればいい!”と考えたことから始まりました(笑)。
その一環でカレーのレトルトパウチ化を進めていてパッケージも作成しています。
新型コロナウイルスの流行を受けて、“バーを使用する場合は2人まで”などの禁止・制限も多いですが、先ほどお話しした集中ブースなどの新しく設置した設備は気分転換でみんな使ってくれています。

 

デリに関しては、今までの食事も温かい料理は出せていたのですが、今ではオフィス内にキッチンがあることにより、ここで作った熱々の料理を出せるようになりました!
リモートワークを実施した際に、改めてデリのありがたみがわかったというアンケート結果も出ました。
当たり前になった環境が改めて認識してもらえたかなと思っています。

 

インタビュー時にいただいたランチ。栄養バランスはもちろん、美味しさへのこだわりも伺えるレストラン顔負けの逸品でした。

 

やはり場所などが変化することが好きな人が多いわけではないので、「また引っ越しですか?」という雰囲気があったのですが、リモートワークが功を奏してか“会社に行きたい!”という意見も出てくるようになりました。
我々が先に引っ越して準備を行って、社員たちを待っている中、テラスや近所のコーヒーショップの写真を社内SNSに上げると「行きたい!」とスタンプを付けてくれました。
そういう意味では、リモートワークの期間があったおかげで新しいオフィスに集まれているという幸せを認識できたというところはあります。

 

――社員への健康ケアの充実が生かされた実例などがあればお聞かせください。

 

やせた人が結構います(笑)。
2年くらい前ですが、ジムに行くのが当たり前のような文化にシフトした瞬間を感じていて、“シュッとしたな”と感じた人は大体ジムに行っていたり、健康士と一緒にファスティングダイエット始めていたりしていました。
以前のインタビューでも話題があったと思うのですが、そもそもファスティングダイエットは社内で自然発生した習慣でして、そういったタイミングでジムが一般化したと感じました。

 

その他には、マーケティングチームが火曜日の14時から全員でストレッチを行うなど、ジムを使った習慣が業務に組み込まれ始めている例がありました。
業務だけのコミュニケーションでは雰囲気が張りつめてしまいますが、チームで一緒に何かをすることで気分転換以外にも無駄な会話ができて、信頼関係の土台ではないですが、心理的に社員同士が話しかけやすくなると思います。
そういう場にするためのさまざまな施設でもあります。
デリの食事スペースを眺めることがよくあるのですが、意外な組み合わせの人たちの交流や、元気そう、疲れているといったみんなの様子を見ることができます。
実際に痩せたり、バランスのいい食事をしたりする以上に、関係の潤滑さや良好な雰囲気のチームになるような作用など、さまざまな部分で効果が出ていると思います。

 

その他、5年働くことで1カ月の休みを取得できる“5年完走休暇”というものがあります。
この取り組みの効果としては、ストレスチェックを行ったところ在籍6年目の人たちの結果がとてもよい内容となっていました。
5年完走休暇を取得した人たちがリフレッシュしたと聞いて、数字に表れることを感じました。
ただ、最近取得できていない人が多いので買取できるようにしようという意見も出ています。
しかし、それでは6年目の人たちは元気になれないでしょうし……なかなか難しいところです。

 

――社内環境の充実によって実現したい効果などはありますか?

 

仕事のパフォーマンスを高めるためにおいしいものを出しているのではなく、まず幸せでいてほしいという思いからやっています。
ココネの仕事はクリエイティブな分野のものなので、健康でいい気持ちでいてくれたら、結果としてよい仕事ができるのではないかとは、考えています。
怠けてもよいということではないですが、気が乗らない時はダメでもいい、気が乗っている時にバリバリ仕事してくれればいいのです。
この考え方は、ココネを創業した千良鉉会長がずっと言っていることでもあります。

 

ちなみに、「記事などに書かれていることは本当ですか?」と聞かれることはあります(笑)。
何年か口説いた末に入ってくれたデザイントップの人も「最初はきな臭いなって思ったけど、実際に見ると本気でやっていたことに感動して入っちゃいました」と言っておりまして(笑)。
一見きれいごとのようなイメージはありますが、本気でやっています!

 

会長の創業に対する気持ちが強くて、ジムやデリも、採算としては赤字になるので、みんな反対して、会長の強い思いで、少しワンマン気味に始めたのですが、今ではみんなよかったと思っています。
ジムやデリなど取り組みに対して関心を持ち、現状をこまめに確認しようとする部分は昔からブレないです。
ワンマンな部分もありますが、社員からの声に対して聞いたフリじゃなくてちゃんと耳を傾けてくれます。