DONUTS GAMESが目指す”No.1を獲得するゲーム作り”とは?執行役員の安藤様に、今後のビジョンと併せてお伺いしました!
『PRODUCT FIRST』というビジョンを掲げ、ジョブカン、ミクチャ等様々なビジネスを展開する株式会社DONUTS。今回はDONUTSのゲーム事業部を牽引するゲームクリエイター安藤武博様に、DONUTS GAMESのビジョン、これから目指す未来についてお話をお伺いしました!
〇安藤武博 様
1998年、同志社大学卒業後、エニックス(現スクウェア・エニックス)に入社。数々のゲーム制作に携わり、これまでに「ソングサマナー」「拡散性ミリオンアーサー」「ブラックスター -Theater Starless-」などを手掛ける。最新作は「ユアマジェスティ」と、プロジェクト「DRAGON」。いずれもDONUTS GAMESで鋭意開発中。
ゲームを「つくる」「つたえる」「まぜる」、『ゲームDJ』として、ゲーム&総合エンタメサイト「シシララTV」を立ち上げ、株式会社シシララの代表取締役社長をつとめる。
2019年1月10日、DONUTS社外取締役に就任。その後2019年12月9日、DONUTS執行役員及びゲーム事業部長に就任。
目次
“オリジナルタイトルでNo.1を獲得する” DONUTS GAMESが目指す未来
・まずはゲーム事業部“DONUTS GAMES”の成り立ちについて教えて下さい
DONUTS GAMESは、株式会社DONUTSの事業の1つとして誕生しました。DONUTSは、ゲーム事業の他にもバックオフィス支援クラウドサービス「ジョブカン」や、ライブ配信アプリ「ミクチャ」など多事業を展開しています。
〇「DONUTS GAMES」
立ち上げ当時はソーシャルゲーム全盛の時代で、ガチャと相性のいいマネタイズを見つけて、サービス改善を都度行っていれば売上を上げる事が出来る時代でした。DONUTS GAMESとしても『暴走列伝 単車の虎』をリリースしたらこれが大ヒット。現在のDONUTS GAMESを支えるロングセラーになっており、ゲーム事業の始まりでもありました。
当時のゲーム事業部の立ち位置としては、“儲かるネットビジネスの1つ”でした。
ご存じのように、ゲームを出せばヒットする時代は肌感でも25年に1回程度です。インベーダーゲームブーム、ファミコンブーム、そしてソシャゲブームといった具合に時代は変わりましたが、現代はリリースすれば必ず売れるような時代ではありません。儲かるネットビジネスの1つとして立ち上がりましたが、お客様に継続的に喜んでいただいて売り上げるには、その観点だけではこの先厳しくなってしまいます。
当時私はスクウェア・エニックスでゲーム開発をしており、ゲームをネットビジネスとして考えたことがありませんでした。
ネットビジネスの延長でゲームを考えるのに限界があると考えていた株式会社DONUTSと、ゲームをゲームだと思って開発していた私が出会い、DONUTSゲーム事業部をゲーム会社そのものにするために2019年1月に社外取締役に就任し、現在はDONUTSの執行役員及びゲーム事業部長を担当しています。
・DONUTS GAMESのビジョンとして、”オリジナルタイトルでNo.1を獲得する”と掲げられていますね。
現在運営中のタイトルは、『暴走列伝 単車の虎』、『Tokyo 7th シスターズ』など6タイトルあります。加えて先日プロジェクトを発表した『ユアマジェスティ』、ゲームデザイナーの森山尋氏と進めているプロジェクト『DRAGON』も含めると8タイトルですが、そのすべてがオリジナルタイトルです。
〇新規ゲームプロジェクト『ユアマジェスティ』
ゲーム事業部が始まった時から“オリジナルタイトルでNo.1を取る”という方針は変わらず、これからも変わりません。ヒットタイトルは生み出してきましたが、誰もが知っているメガヒットゲームがまだ無いので、今までやってきたものを続ける事でナンバーワンを取ろうという考え方です。
・IP作品ではなくオリジナルタイトルにこだわっている理由について教えて下さい
チャレンジするなら、ヒットした時により大きな実りがあるオリジナルタイトルで勝負するというのが理由です。
自分自身、IP戦略は価値がある事だと思っていますが、DONUTSは戦略的にIPタイトルを手掛けておらず、0からオリジナルタイトルを開発しています。ゲーム開発に楽な事は一つも無く、原作があるから楽な事も無ければ、オリジナルタイトルの方が簡単という事も全く無いです。
ただ売上という観点でいうと、IPタイトルは売り上げをロイヤリティとして版元にお返しする必要があります。せっかく大きな売上を出しても、割合によっては自社に還元される額も小さくなります。先日中国のテンセント社の売上が発表されましたが、7〜9月期の売上は約2兆5300億円。ゲームはメガヒットすれば億にも兆にもなる。その売り上げを自分達のサービス改善や新規プロジェクト、働く環境整備に使う事に注力するべき、というのが、株式会社DONUTSの考え方でもあります。
またDONUTSのビジョンである「PRODUCT FIRST」の考えは全社員に浸透しており、ゲーム事業部が目指すビジョンとの親和性も高いです。「0から作り出す」という姿勢を体現できるという点はDONUTS GAMESの強みでもあると思います。
・開発における方針はどのように定めていますか?
部内のスローガンとして「0→1を究めよ」、「1→100を極めよ」というものがあり、その2つ揃って究極のゲーム開発を目指すという考えがあります。
0から1については、先述したオリジナルタイトルにこだわるという部分です。
1から100は何かというと、我々は一度始めたゲームサービスは早晩撤退する事が無く、長く運営していく事を目指しています。
1作目の『暴走列伝 単車の虎』は11年目に入り、携帯ゲームで10年を超えるゲームは業界でも珍しい例です。また『Tokyo 7th シスターズ』はまもなく8周年を迎えますが、新しいストーリー展開のほかライブやイベントも精力的に行っています。その他にも、『戦国の虎Z』は8年目、『ブラックスター -Theater Starless-』、『艦つく -Warship Craft-』は3年目を迎えており、一度始めたら中長期で運営する事を心掛けています。
また、ゲームで始まったものをゲームに留めずに積極的にメディアミックス展開を行っています。
『ブラックスター -Theater Starless-』『Tokyo 7th シスターズ』等は音楽をテーマにしたゲームですが、Tokyo 7th シスターズはライブイベントで武道館、横浜アリーナ、幕張メッセを満員にしました。
ブラックスターはこれまでにアルバムを2枚、ミニアルバムを1枚、ライブブルーレイを1枚出していますが、すべてオリコンのランキングで1位を獲得しました。
ゲーム以外のユーザーとの接触面積を増やして色んな所を楽しんでもらえるのはDONUTSの強みでもあります。DONUTS GAMESとして“オーディオビジュアルに強いゲーム会社になる”という事も決めており、DONUTS GAMES=音楽と映像がかっこいい会社という認識で、沢山のユーザーに知ってほしいと思っています。
「PRODUCT FIRST」だからこそ出来る、DONUTSならではのゲーム作り
・先ほど教えて下さったDONUTS GAMESの方向性や方針は就任時に決められたんですか?
そうですね。そもそもオファーを受けた時に確認したのが、「DONUTSはゲームを作り続ける覚悟があるのか?」という点でした。ゲーム事業を買収、撤退する会社が多い中、自分はずっとゲームの仕事をやっていくと決めていますから、創業者にここのポイントを確認してから入社しました。オリジナルタイトルでNo.1のゲーム会社になるということも社員に共鳴して貰っています。
・数百名の規模ですべてオリジナルタイトルというのはかなり珍しいですよね。
イメージでいうと、現在は4人くらいで野球をやっている感じですね。(笑)でも4人でも完封すれば野球は勝てます。しかし少人数で勝つには、ポジション関係なく全員で戦わなければいけません。DONUTS GAMESには、足りないものが多い中でも努力を怠らないメンバーが集まっているので、一緒に働く人もそういう部分に情熱を持っている人であれば良いと思っています。
・安藤様が考える、DONUTS GAMESだからこそのやりがいは何でしょうか?
新規企画でも何でも、面白いモノづくりへの挑戦を推進している所がやりがいだと思います。我々が新規企画を立ち上げるときには、これまでのキャリアや年齢を理由にアサインしたりすることは無く、何か思いついたら必ず僕の所に見せに来ることを社員の皆にも約束しています。目的に向かって切り開ける人には、経験、ポジション、キャリア不問でチャンスをあげているので、その部分はやりがいにも繋がっているかなと思います。
また「ジョブカン」や「ミクチャ」といった自社サービス、女性誌「Ray」とうまく連動させることで、ゲームを広める・ヒットさせるための施策を複数打ち出すことが出来ます。実際に「Ray」の特集に「ブラックスター -Theater Starless-」のキャラを登場させたり、「ミクチャ」のライブ配信を使ってマーケティングを行う事が出来るので、他のゲーム会社よりも選択肢が広く自由度が高い事もやりがいだと思います。
〇女性誌「Ray」より、「ブラックスター -Theater Starless-」とのコラボページ
・現在進行中の、プロジェクト『DRAGON』について簡単に教えて頂けますか?
プロジェクト『DRAGON』は、アソビズム株式会社でゲームデザイナーを務められていた森山尋さんと一緒に最新ゲームを開発しています。日本のスマホゲームの中で、森山さんほど複数のオリジナルタイトルでヒットを飛ばした人はいないです。ドラゴンリーグ、ドラゴンポーカー、城とドラゴンと、遊び方は違えどもしっかりと人気を獲得してきています。
自分自身、当時スクエニにいた頃から数えると10年位彼のゲームファンだったので、是非一緒に仕事をしてみたいという思いがありました。森山さんがアソビズムを卒業したタイミングでお声掛けして、今までとは違うアソビを発明していこうという事でプロジェクトがスタートしています。
・プロジェクト『DRAGON』における開発スタイルについて教えて下さい
通常ゲームを作るときは、まずテーマから入ります。その後ターゲット、プラットフォーム、そして遊びの部分であるゲームシステムを決めていく。意外にゲーム作りって遊びの部分が最後に来るんですよ。お客さんは絵が可愛い、かっこいいという理由でゲームを決める方が多いですし、このゲームシステムが斬新!といった理由でプレイする人は実は少ないです。そのため極端ではありますが、“テーマが卓越していれば同じ様なゲームシステムでも売れる”という考え方もできると思います。
ただプロジェクト『DRAGON』ではそれを否定していて、遊び(ゲームシステム)から企画がスタートしています。なぜかというと、森山尋という才能が、ヒットする遊びの部分を発明できる凄く稀有な存在だからです。森山さんから、こういう遊びがあるけどどう?と提案を貰って作り始めており、スマホゲームの中でも唯一無二の作品だという事はお約束できると思います。
このプロジェクト自体、DONUTS GAMESの0→1を究めるという点で相性もいいので、全く新しいゲーム体験を楽しんでもらえる様に作りこんでいます。
最近似たゲームばかりだなと思う人は絶対面白いと思いますよ。今の世の中に存在しない遊びであることは間違いないです。自分達もこんな新しいゲームは無い!と言いながら開発しているので、是非期待してほしいです。
DONUTS GAMESのこれから
・DONUTS GAMESで活躍する人はどんな人ですか?
先ほどお伝えした、4人で野球をやる様な環境を嫌がらない人です。自分のポジション以外の事には興味がないとか、これは本来自分の仕事じゃないという考えだと厳しいと思います。俺がボールを取る!とすぐ走っていける人や、4人野球じゃなくて5,6人ともっと人を集めましょうよ!と周りを巻き込む求心力がある人がDONUTSでは活躍しています。
「オリジナルタイトルでNo.1を獲得する」という超絶難易度の目標を掲げているので、自分から率先して何かをやる、提案する、求心力がある人を求めています。
あとは仕事として100%ゲームに捧げる事が出来るかはすごく大事な部分です。自社サービスであるミクチャ、eスポーツチーム、最近だとラジオ大阪の株主にもなりましたし、Rayという女性誌も発行しています。色々出来る会社で、ゲームに捧げるという思いを軸足にして横との連動もしっかり行っているので、自分の仕事はゲームしかないという人の方がのめりこめるし活躍しやすいかなと思います。
・改めて、今後の想いについてお聞かせください
No.1のゲーム会社になりますから、そのために徹底的にやる事をやるだけです。
そして今日アピールしたいのは、今4人で野球しているけれども、まだまだ足りないものが多いという事。やりたい事も目的地も決まっているけれども、ヒト、モノ、カネがまだ足りておらず、その中でも最優先項目であるヒトの部分を特に募集しています。
ヒト、モノ、カネの3つが、この順番に一番高次元に成立しているのが世界一のゲーム会社だと思うので、唯一無二の体験をゲーム・音源・ライブ・グッズで価値を感じて貰う→価値を感じてくださったお客様がお金と時間を使ってくださる→結果売り上げが上がっている。というのが理想の形であり、目指すべき姿です。
この記事を見て、DONUTSでの働き方を面白いと思ってくれる人は向いている人だと思うし、長く一緒に働く事が出来る人材です。「オリジナルタイトルでNo.1を取る」という目標はかなり難しい事ですし、僕自身20年間100%でやってきたのにまだ達成できていない目標です。基本的に面接に関しては自分で会おうと決めているので、勝つまで粘れる人や気になった人がいたら是非連絡してほしいですね。
・ありがとうございました。
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