ソーシャルゲーム業界の現状や今後は?求められる人材も説明
この記事ではソーシャルゲーム業界の現状や課題、そして将来性などについて紹介していきます。
ソーシャルゲーム業界に就職・転職することを検討している人は、知らないことで不利になってしまう情報がないか、逆に自分の将来性を決定づける出来事がないかぜひチェックしてみてください。
1.ソーシャルゲーム業界の現状
1-1. アプリランキング上位は月商が億を越えるなど、ヒットすればしばらくは安泰という高いギャンブル性
アプリランキングで上位にランクインするようなソーシャルゲームは、月商が億を超えるとも言われています。
ちなみにメジャーなタイトルのそれぞれの課金売上ですが、『ファミ通モバイルゲーム白書2020』のデータでは、2019年1月1日~12月31日の期間で、「Fate/Grand Order」が711億円、「モンスターストライク」が709 億円、「パズル&ドラゴンズ」は522億円と発表されています。
(参考データ:https://www.famitsu.com/news/202001/29191590.html)
なお、参考としてコンビニ1店舗あたりの1日の平均売上金額は約50万円前後と言われており、そのため月間では約1500万円の売り上げが予想できます。
よってこれらのようなモンスタータイトルでなく、仮に月商3億円のソーシャルゲームであっても、一つのゲームタイトルがコンビニ20店舗程度の売上をたたき出しているのが現状です。
また、ゲームの場合はコンビニの小売り販売と比較すれば、製造原価が小さいことは容易に想像できます。
そのため、粗利益ベースでみれば、ゲーム開発はコンビニ業界より比較にならないほどの金額を上げていると言えるでしょう。
1-2. スマホゲームのユーザーが遊ぶゲームアプリは平均3~4個
上記の通り、スマホゲームはヒットすれば確かに稼げるジャンルですが、一方でヒットさせることがとても難しく、運の要素が大きいのも事実です。
スマホユーザーが所持しているゲームアプリは平均で5.5個というデータがありますが、実際に遊んでいるゲームの数は平均3~4個なのだそうです。
無限と言われるほど生み出されているゲームアプリの中で、この3~4個に選ばれるようなものをつくることは簡単ではありません。
また、日々楽しまれるゲームに選ばれたとしても、ずっと継続して遊んでもらえるかどうかは別の問題で、ユーザーを飽きさせないように工夫し続けることが必要になります。
ちなみに約4割の人は半年以内に今遊んでいるゲームをやめてしまうというデータや、スマホゲームユーザーが一ヶ月にダウンロードするアプリの数は平均2.4個というデータもあります。
1-3. 日本はアプリ支出額世界3位と、課金するユーザーが多め
日本はデジタルコンテンツに課金することに対して比較的抵抗が少ない国となっており、アプリ支出額は世界で3位となっています。
そもそもゲームそのものの人気が高い国というのも相まって、熱心なゲームファンを獲得できれば、1ユーザーあたりの課金額を充実させることができるでしょう。
(参考データ:https://www.appannie.com/jp/insights/market-data/app-annie-2017-2022-forecast/)
2.ソーシャルゲーム業界の課題
2-1. 求められるクオリティが高まり、開発費が増大傾向にある
これまでのソーシャルゲームは半年~1年のサイクルで新作を開発できていましたが、今ではコンシューマーレベルの開発費と時間が必要なものも出てきています。
同業種のゲームはもちろんですが、そのほかの動画やSNSなどのサービスもユーザーを奪い合うライバルのコンテンツになるため、クオリティにはとことんこだわる必要があり、それによって開発費も大きくなってしまいます。
2-2. 人気上位アプリは定番化が進み、影で多数の新規タイトルがサービス終了している
先ほど売り上げランキング上位のタイトルをいくつか紹介しましたが、「モンスターストライク」や「パズル&ドラゴンズ」は、既にある程度の年数を超えてヒットし続けているモンスタータイトルです。
そして2019年にはその二つを押さえてトップに立った「Fate/Grand Order」が大きな注目を集めています。
また、「グランブルーファンタジー」も、もはや無視できない定番タイトルとして一定のユーザーを獲得しています。
約6割の人が半年以上継続して同じタイトルを遊ぶというデータもあるため、一度ヒットさせることができればある程度は安定した人気を見込むことができるのがこの業界の特色です。
ただしその一方で、しっかりとした売り上げをつくれないままひっそりとサービスを終了してしまう新規タイトルの方が多いことも事実です。
それだけゲームの世界でヒットタイトルを生み出すことは難しく、2020年現在、この傾向はさらに加速していると言ってよいでしょう。
3.ソーシャルゲーム業界の将来性
3-1. スマホの普及率は伸び続けており、それに比例して需要も増え続ける
スマホの普及率が伸びれば、比例してソーシャルゲームのユーザー数も増えることになります。
NTTドコモ モバイル社会研究所のデータによると、2020年1月の時点で、日本国内でスマホやケータイを所持している人の中で、スマホの所持率は88.9%にも達しています。
同社の調査では2010年には4.4%でしたから、この10年でほとんどの人がケータイからスマホに移行したことが分かります。
(参考データ:https://www.moba-ken.jp/project/others/ownership20200317.html)
ちなみにニールセン デジタル株式会社のデータによると、2018年の国内のスマホ利用者は約7009万人、ファミ通ゲーム白書2019によれば2018年のアプリゲームユーザーは3656万人ですから、スマホ利用者のおよそ半数が何らかのゲームアプリをダウンロードしていると言えます。
2013年にはスマホ人口約4,000万人に対してスマホゲーム人口は2861万人、2014年には4500万人に対して3376万人と比率の違いはあるものの、スマホ人口が増えればアプリゲームユーザーも増える傾向は明らかです。
(参照データ:
https://www.netratings.co.jp/news_release/2019/05/Newsrelease20190521.html
https://www.famitsu.com/news/201906/07177561.html
3-2. 大企業はハイクオリティ路線、中小企業はアイデア勝負に
ソーシャルゲームの方向性に関しては、大企業はハイクオリティ路線、そうでない中小企業はアイディア重視の路線と明確に分かれてきています。
大企業の場合は資金が豊富なので、ハイクオリティなゲームをつくりやすい環境にありますが、資金がそこまで豊富ではない中小企業はアイデアでその差を埋める必要があるわけです。
もちろんハイクオリティ路線の方が、安定した人気を獲得できる可能性が高いというのは言うまでもありません。
しかし斬新なアイデアやユーザーの心を掴んだタイトルというのは、熱狂的なファンや爆発的なヒットを生み出す可能性を秘めています。
SNSが浸透した今の時勢も、タイトルをバズらせるという点で有利に働くでしょう。
3-3. e-Sportsの対象になるタイトルも台頭
ここ数年でe-Sportsの分野は急速な伸びを見せており、今後もゲームの楽しみ方に大きな影響を与えていくことは確実視されています。
日本のゲーム会社が作っているもので大会の対象となっているタイトルには「パズルアンドドラゴンズ」、「モンスターストライク」、「シャドウバース」などがあります。
また、海外のゲーム会社が作っているものでは「荒野行動」、「伝説対決Arena of Valor」なども台頭してきています。
4.ソーシャルゲーム業界に就職を考えている人へ
4-1. 需要が多く、他の業界に比べ受け入れ口が多いが、年々厳しくなってきている面も
コンシューマーやアーケードなどに比べると、ソーシャルゲームは、技術よりもまだまだアイデアにウェイトを置いている部分が大きくなっています。
とはいえ、ソーシャルゲームの開発規模や開発要求技術が年々向上しているのも事実で、要求水準は高くなっている傾向にあることも認識しておく必要があります。
4-2. 望ましいキャリアが積めるかをしっかりと調査する
今はソーシャルゲームが流行していますが、10年後にはまったく新しい種類のゲームが出てきている可能性もあります。
ソーシャルゲームしか作れない、という人材になってしまわないように、自分の興味や関心をうまくコントロールすることも大切ですし、自分のキャリアプランをしっかりと整理したうえで仕事をしていくことが大切になります。
5.まとめ
ソーシャルゲーム業界の現状は、売り上げ規模だけでみるとかなり大きい市場です。
しかしヒットしているタイトルはごく一部で、ユーザーに選ばれるゲームをつくることは、とても難しいことだともいえます。
売り上げの大きいタイトルを持つ企業に入社できれば、資金力もあるため、通常よりもやりたいことができる可能性は増えると言えるでしょう。
しかし中小企業であっても、ユニークなタイトルの開発にすぐに参加できる可能性があるなど、それぞれスケール別にチャンスがあります。
なおソーシャルゲームはリリースの機会も多く、基本的にはスケジュール面がストイックな傾向にある業界だということも忘れてはいけません。
就職や転職を考えている場合は、こういった側面もしっかりと認識したうえで判断するように注意しましょう。
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