ゲーム業界=ブラック?実態と転職する上で注意したいポイントを解説
ゲーム業界に転職したいと思っているけど、「長時間残業などのイメージがあり、かなりブラックな業界なのでは?」と不安を感じている人も多いようです。
そこでこのコラムでは、ゲーム業界=ブラックという印象の理由や、実際の雰囲気などを解説していきます。
ゲーム業界への就職・転職を考えている人はぜひ参考にしてください。
目次
1.いわゆるブラック企業の特徴とは
1-1. 長時間労働が基本
一般に、「ブラック企業」といえば、「長時間残業が当たり前」、「休日出勤も当たり前」など、生産効率や労働環境を良くする取り組みをせずに、時間や根性論で業績を上げようという特徴がみられます。
これらは、働き方改革が叫ばれている社会の風潮を理解できない、古いタイプの経営者や管理職が生み出しやすい状況です。
1-2. 社員に対する思いやりがなく、ハラスメントが横行
社員を「貴重な人材」と捉えることができず、「雇ってやっている」という主従関係のような意識を持つ組織では、パワハラ、セクハラが横行しやすいのも特徴です。
また、部下への指導がきちんとできないのに偉そうにしている上司や、部下に責任を押し付ける上司、部下の人間性を全否定するようなことを平気で言ってしまう上司なども「ブラック企業」に生息しやすい傾向があります。
1-3. 残業代が出ない、もしくはみなし残業の金額が異常に少ない
残業代がきちんと出ない企業も世の中にはまだまだあるようです。
雇用側と労働者の関係は対等であり、主従関係ではないということが理解できていない組織でみられます。
上記の3つは、一部の日本企業にまだ残り続けている特徴ですが、従業員の平均年齢が低いゲーム系の会社では、上記のような古いタイプの経営者は比較的少ない傾向にあります。
ゲーム業界の全体がブラックであるわけではなく、一部にはそんな企業もあるという程度に認識しておけば問題ありません。
2.「ゲーム会社=ブラック」という印象がある理由
2-1. タイトルのリリース直前はどうしても残業がかさみがちになる
ゲーム業界では、タイトルのリリース直前に残業が増える傾向にあります。
なぜなら、タイトルを決められた期日に約束通りリリースすることは、ゲーム会社にとって非常に重要な意味を持っているからです。
ゲーム会社は、タイトルをリリースする何ヶ月も前から販売数やダウンロード数を上げるために告知しているので、ユーザーやマスコミ、関係企業に対して大きな責任を負っています。
しかし、納期に間に合わせるために、仕上がりが中途半端なタイトルを送り出してしまえば、信用を失う結果につながりかねません。
完璧に仕上がった状態までもっていくため、主にタイトルリリースの直前は残業が増えやすいのです。
これはどれほどホワイトな企業でも傾向的には存在することですから、ゲーム業界に入る以上はタイトなスケジュールになる時期があることを覚悟しておきましょう。
2-2. タイトルがヒットするかしないかで利益が大きく変わるため、給料にブレがある
ゲーム業界では、ヒットタイトルに恵まれなければ、昇級なども難しくなり、悪い場合は賞与などを含めて年収ダウンという可能性も考えられます。
比較的安定した会社はありますが、不安定な会社もあることを理解しておきましょう。
しかし、ゲーム業界には、優れたタイトルを送り出せば小さな企業が一気に成長できるという夢が存在します。
利益が上がれば給与も上がり、福利厚生が充実し、社員にとってもプラスなことが増えるでしょう。
2-3. 要求されるクオリティに仕上げるのに手間がかかり、作業時間が多く必要になる
ゲームのクオリティをユーザーが満足できるレベルまで到達させるため、作業時間が長くなることもあります。
家庭用ゲーム、ソーシャルゲームのどの領域でも、グラフィックや音質、ゲーム全体のギミックなどへの要求は年々上がり続けています。
ゲーム開発は毎回挑戦の連続となるため、着手前に見込んだ時間で、望まれるクオリティに到達するには大変な努力が必要です。そのため、結果を出すまでに費やす作業時間が長くなり、担当する工程によっては残業が続く週や月が発生します。
3. ゲーム会社に転職する際に認識しておくべきポイント
3-1. 好きなゲームに携わるとしても、一つの仕事として成り立っていることを忘れないようにする
好きなことに携わっていたとしても、楽しめることだけではなく、辛いことや思い通りにいかないこともあります。
自分なりに目標を立て、業務の改善を行い、作業と時間のバランスをとる工夫をしながら仕事として成り立たせていく努力が必要になります。
ゲーム業界での仕事は、納期が存在する業務であるため、時間との闘いになることもあります。
また、作業内容によっては集中力を持続させる努力や体力的な負荷だけでなく、ストレスやプレッシャーも伴います。
疲弊してしまいそうなときには、好きな業界で仕事しているということや、日々目標に向かっていることを常に認識してモチベーションを高く持ちましょう。
チーム全員で頑張って送り出したタイトルが思うほど評価されないということもあります。
努力が膨大なだけに、評価や収益アップにつながらないときは「辛い」と感じてしまうかもしれません。
「辛い」状態を「我慢する」ことで乗り越えようとすると、あなた自身が「ブラック」な状態に向かっていく恐れがあるので、注意が必要です。
ときには、マンパワーを使った「努力」や、精神的な「我慢」も必要ですが、それを日常化するのではなく、クリエイターとしての創意工夫を忘れないようにしましょう。
なぜなら、ゲームを生み出すのと同様に、業務内容の改善などを考えるのもクリエイターの大切な仕事だからです。
3-2. 流動的な業界であることを認識する
ゲーム業界は非常に流動性が高く、ユーザーは常に新しいものを求めています。
トレンドの変化や技術革新は突然やってきますから、それに対応できない会社や人材は生き残れない可能性もあることを認識しましょう。
個人としてゲーム業界で生き残っていくには、状況に応じて必要なスキルを見極めるセンスと、スキルを身に付ける対応力が必須です。常にアンテナを張り、時代の流れや新しい情報をキャッチできるネットワークづくりを心がけましょう。
3-3. 疲弊しきってしまう前に、見切りをつけるラインを定めておく
業務に追われ、疲弊しきってしまう前に、仕事に見切りをつけるラインを定めておきましょう。
上記のようなことを心がけていても、残業ばかりが続き、精神が疲弊しきってしまえば、クリエイターとしての寿命を縮めてしまいます。
また、身体的に追いつめられると、本来持っているパフォーマンスを発揮することが難しくなり、負のスパイラルにハマってしまうこともあります。
プロジェクトのために、チームのために、と責任感を持って頑張ることも重要ですが、努力が空回りしてあなた自身が「ブラックな習慣」を生み出してしまうこともあります。
心身の耐性は個々によって違うため、自分自身のストレス度合いや体調の変化を察知して、無理が続くようなら「辞める」、「転職する」という方法も視野に入れましょう。
心身のバランスを保てないほど追いつめられるまで頑張ったのであれば、それまでに身に付けたスキルや経験も多くあるはずです。
転職はそれを自分自身と社会のために活かす機会と捉えて、前向きに取り組みましょう。
4. ブラックなゲーム会社を見極めるポイント
4-1. 給与情報が不明瞭
ブラック企業の募集要項でよく見られるのは、ある程度の残業代をコミにした固定残業制度です。
例えば月に30時間分の残業代が固定で払われるとして、実際の残業時間がその近辺で平均しているのなら問題はありません。
しかし、毎月のように50時間、100時間と残業を命じられる、というケースは注意が必要です。
そもそも残業代をアバウトに管理している会社は、人的リソースを管理しきれていない可能性が高いですから、ブラックとは言えないまでも、根性論で業務をこなそうとするようなところもありますので気を付けましょう。
4-2. 会社の規模に対して給与が高すぎる
募集要項を見て、給与が高い会社は良い会社と思うかもしれませんが、必ずしもそうとは言い切れません。
募集の際に高い給与で興味を持たせて、実は不可能なノルマを果たした時だけにもらえる給与が記載されている、といったこともあるからです。
また、仮にその給与を本当にくれるとしても、想像できないような激務や、非常に高いプレッシャーを課せられる可能性もあります。
そのため極端に相場より高い給与が提示されている場合は注意しましょう。
4-3. 実績や会社の長所が漠然としている
まず会社の実績をしっかり確認しましょう。
新しい会社であれば実績が少ないのは仕方がないことですが、ゲーム会社であれば会社自体は新しいとしても経営者の実績はあるはずですから、その点を確認しましょう。
何の実績も出てこないようなら注意した方が良いでしょう。
また、会社の特徴が不明瞭な割に、やたらと「夢」や「やりがい」などの精神的な言葉を使っていたり、「アットホーム」などのふわっとした言葉しかなかったりする場合も要注意です。
具体性が無い言葉が並んでいる場合、その会社には「長所が無い」ということの裏返しということもありますので、用心した方が良いでしょう。
4-4. 会社の規模に対して求人数が多い
会社規模の割に採用人数が多い会社は、入った人の多数が辞めることを前提にしている可能性があります。
離職率が高い会社は、待遇が悪いなどの何らかのマイナス要素が目立っていることが多いですから注意しましょう。
4-5. 面接で質問に対して面接官が言葉を濁すことがある
面接の際に面接官の答えに具体性が無い場合や、ぼんやりした言葉でお茶を濁されるような場合も注意が必要です。
質問に明確に答えてくれないのは、募集要項やそれまでの話にウソや誇大な部分があったり、法や倫理の上で言いにくいことがあったりするかもしれません。
4-6. 転職エージェントやサイトを通して情報を集める
ここまで上げたようなブラック企業を見分けるには、どうしたら良いのでしょうか?
個人で情報を集める方法もありますが、正確な情報を集めることが難しいですし、そもそもの就職活動も大変なのにそんなことまでできるか?という問題もあります。
そこでお勧めしたいのは、信頼できる転職エージェントやサイトからしっかり情報を集めることです。
転職のプロなら過去の情報にも精通していますから、離職率が高い会社などを把握していることが期待できます。
5. まとめ
このコラムでは、ゲーム業界とブラック企業について解説しました。
若い経営者や管理職が多いゲーム業界では、一般的な企業よりも自由な雰囲気を大切にする会社もあり、世間が思っているほどブラックな企業が多数存在するわけではありません。
しかし、ブラック企業に属していなくても、ゲームクリエイターは納期やクオリティの維持と常に闘い続け、ストレスにさらされることは事実です。
そのため、自分のモチベーションを保ち続けるために、自分なりの目標を立て、業務内容の改善などの工夫が大切になります。
また、ゲーム業界に限らず、転職するのは決して恥じることではありません。
無理をし続けて自分の心身のバランスを崩してしまう前に、見切りをつけて転職などを考えることも重要です。
自らブラックな習慣を取り入れてしまうのではなく、自分の心身を大切にして、健康に楽しく働き続けられるような環境づくりを心がけましょう。
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