ゲームプログラマーを目指すなら必読!「ゲームを動かす技術と発想R」レビュー
皆さんはゲームを遊んでいて、「コントローラーでスティックを右に倒せば(十字キーの右を押せば)キャラクターが右に動く」「キャラクターがボタンを押せば攻撃し、敵のHPを削る」といった当たり前の挙動が、どういった原理で行われているのかと疑問に思ったことはありますか?
本書籍「ゲームを動かす技術と発想R」は、こういった「ゲーム機でゲームが動く原理」の基本をわかりやすく紹介してくれます。
ゲームプログラマーを目指す人ならもちろん、読むことでゲームに対する見方がより一層興味深くなるので、ただ純粋にゲームが好きな人にとってもおすすめの一冊です。
目次
1.CEDECお墨付き!本書籍の概要
本書籍は、2012年に発行された「ゲームを動かす技術と発想」のリマスター版となっています。
原本は日本国内で最大のゲーム開発者向け技術交流会CEDECにおいて、「CEDEC AWARDS 2013 著述賞」に選ばれており、スクール・現場問わず広くゲームプログラマーの卵に愛読されている一冊です。
日進月歩のゲーム業界に合わせ、2019年の技術に合わせて再編集された本書籍は、原本のわかりやすさはそのままに、現在でも色褪せることない知識を提供してくれます。
1-1.特徴と強みは「圧倒的な網羅性」と「分かりやすさ」!
ゲームは数え切れないほどの技術と要素から成り立っています。
メモリとストレージの関係性やCPU・GPU、数値表現と演算やグラフィックの扱いなど、すべてを完全に理解するには途方も無い時間が必要になりますし、そもそも現実的ではありません。
それでも、それぞれの要素がゲームを動かす上でどういった役割を果たしていて、どういった点がポイントなのかを簡単に理解することはそれほど大変なことではありません。
例えばRPGにおいて、全ての職業をLv100にすることはしんどくても、Lv5ずつ上げてみるだけならばそれほど苦ではありませんよね。
そして全ての職業に触れておくことで、それぞれのだいたいの役割やスキル・アビリティを理解することができ、強敵と遭遇しても対応策が取りやすくなったり、自分のやりたい職業を見定めるきっかけになったりします。
本書籍は、一冊でゲーム開発に必要とされる技術の多くをLv5まで引き上げてくれる網羅性とパフォーマンスを備えています。
さらに、プログラミングにあまり触れてこなかった人でも理解できるようなわかりやすい解説をベースにしているので、理解が追いつかず読みきれない、ということもありません。
2.本書籍を読むべき人
ゲーム業界に携わる全ての人に読む価値のある本書籍ですが、その中でも特に読むのをおすすめしたい人を紹介していきましょう。
2-1.ゲームプログラマーを目指す人
本書籍はこれまで紹介してきた通り、ゲームを動かす技術と知識が分かりやすく網羅されています。
自分がどの技術を学んでいきたいかを知り、進むべき進路・キャリアパスを見定めるきっかけとなるでしょう。
2-2.既にゲーム開発の経験がある人
本書籍で紹介されていることは、どれも初歩的なことではありますが、同時に普遍的価値を持つ知識でもあります。
ある程度の経験を積んだ人であっても、定期的に読み直す意味がある一冊です。
特に、昨今のゲーム開発の多くはゲームエンジンを活用しています。
ゲームエンジンは開発上のさまざまな技術・処理を、それほど専門的な知識を必要とせずに利用することができます。
しかし、ゲームエンジン自体をブラックボックス的に利用するよりも、多少なりとも原理を理解した上で利用するほうがゲーム開発において圧倒的に有利なのは言うまでもありません。
2-3.ゲーム会社のプログラマー以外の部署に所属している人
ゲームは実際には複数の人間と協力しながら作り上げていくものです。
実際にゲーム会社に就職し、開発の一環で他部署と連携をはかる際、技術の概要だけでも理解しているのとしていないのとでは円滑さに大きな差が出ます。
3.まとめ
本書籍の著者である堂前 嘉樹さんは、20年以上にわたって複数のゲーム会社とタイトルに関わり続けた確かな実績を持つゲームプログラマーです。
具体的な開発ソフトや作り方については解説されていないため、本書籍一冊で誰でもゲーム開発ができるようになるというものではありませんが、自身の経験や多くのコネクション・協力に基づいて精査された情報の数々はきっと大きな力となるはずです。
また、ゲーム開発に限らず、どの業界でも目指したり活躍したりする上で共通して大切なことがあります。
それは「その仕事の全体像を把握すること」です。
仕事の全体像を把握することで、どういった業務や技術があるのかという知識や、将来自分がどの分野のプロフェッショナルになりたいかといったビジョンを明確に持つことができます。
学習へのモチベーションにも影響するため、ただ漠然と目指している人と差をつけることもできるでしょう。
「ゲームを動かす技術と発想R」は、ゲームプログラマーを夢見ているのか、すでに一線で活躍しているのかといった点を問わず、ゲーム開発における全体像を把握するきっかけを与えてくれる一冊となるでしょう。
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