ゲーム業界の「サウンドクリエイター」とは?仕事内容や必要な技術を説明
ゲーム業界のサウンドクリエイターという職業に興味がある人へ向けて、サウンドクリエイターの仕事内容や、仕事をする際に大切となるスキルなどについて説明していきたいと思います。
合わせて、サウンドクリエイターとして就職するために大切なポイントや、年収などについても簡単に紹介していますので、参考にしてみてくださいね。
目次
1. サウンドクリエイターとはどういう仕事なのか
1-1. ゲームのメインテーマ、BGM、SEなどの作成
そのタイトルのメインテーマやゲームの進行のために使用されるBGM、そして選択やアクションなどの動作を表すSE(サウンドエフェクト)なども作成するのが、ゲームのサウンドクリエイターの仕事になります。
単純に作成する曲数だけで言ってもかなりの数になるため、ゲームに使用された音源だけを集めたCD(サウンドトラック)が発売されることもあります。
1-2. 作曲家との違いは曲だけでなくSEなども担当する点
映画音楽の作曲家などとの違いは、テーマ曲やBGMに加えて、SEも作成する必要があることです。
音を使って世界観を演出するだけではなく、目的や機能性なども同時に意識して音を作成することが求められます。
1-3. 納期などは存在するが、デスマーチなどは比較的発生しづらい
ゲーム会社というと「深夜残業や徹夜が多い」というイメージがあると思います。
近年は働き方改革も叫ばれているので改善を意識している企業がほとんどですが、基本的に納期がある仕事なので局面によって業務が立て込むことは避けられない業種ではあります。
しかし、サウンドクリエイターは事前に決まった企画に応じたサウンドを手掛ける関係で、比較的想定外のトラブルなどが起こりにくい傾向にあります。
もちろん突如企画の方向性や世界観が変わったため、納期が短い中でサウンドを作らなければならないこともないわけではありませんが、デスマーチと呼ばれるような連続しての徹夜や深夜残業が続く状態は発生しにくいと言えるでしょう。
2. サウンドクリエイターになるために必要なスキル・資格
2-1. PCで作曲する技術と音楽に関する知識
サウンドクリエイターになるためには、PCやDAWソフトを使って作曲する技術と、音楽に関する知識が必要になります。
人によっては楽器がまったく引けなかったり楽譜が読めないという人もいたりしますし、それでもいい音楽をつくることは十分に可能なのですが、仕事として活動していく以上、基礎を学んでおくほうが何かと便利になる可能性が高いと言えるでしょう。
知識やスキルがあれば、アウトプットのスピードもあがりますし、そういったアウトプットのスピードはアイディアの幅にもつながっていきます。
2-2. 他人との協調性
自分のセンスをベースに音を作成することが大切なのは間違いありません。
しかし前提として、作成するサウンドはあくまでもプランナーやディレクターのゲームのイメージを表現し、より魅力的な作品にするために使用されるものということを、忘れてはいけません。
そのため当然、ゲームの企画内容に応じてテイストを変える必要がありますし、表現するイメージを正確に把握するために現場としっかり連携を取ることも重要になります。
自分の感性を押し付けすぎずに、ゲームをさらによくするためにはどういう音が必要なのか、という視点も大切にする必要があります。
2-3. 持っておくべき資格
ゲームのサウンドクリエイターになるために必要な資格というものはありません。
センスとイメージを的確に表現できる技術が大切になる職業のため、普段からたくさんの音楽を聴いて、作曲する能力を身につけておくことが大切になります。
ゲームのサウンドクリエイターになることを意識して技術を身につけるというよりも、楽しみながら自分の好きな音楽をたくさん作る経験をしておくのが一番です。
3. ゲーム会社にサウンドクリエイターとして就職する方法
ゲームのサウンドクリエイターの場合、まずプログラマーに比べると募集人数はそこまで多くありません。
募集があってもアルバイトとしての採用であったり、サウンドだけ別のクリエイターに制作を依頼するというケースもあったりするため、仕事を獲得するためには、他の職種よりも積極的にアピールすることが必要になります。
自分でデモ音源などを作成して送付するなど、自分のテイストや表現できる幅などを積極的にアピールしていくようにしましょう。
なお、前述に加え、ゲーム会社でサウンドクリエイターを採用する求人は年々減っていると言われており、市場としてはかなり狭き門になるため、応募する前にしっかりと準備することが大切です。
ちなみに志望する会社のホームページで採用情報を把握するのはもちろんですが、自分一人で手探りでの就職活動を進めるのに自信がない人は、転職エージェントなどを利用して情報を集めてもらうことをおすすめします。
「志望会社以外に興味はない」という方もいらっしゃるかもしれませんが、どのような会社であっても「実際にゲーム会社でサウンドクリエイターとして勤めていた」という経験は、転職する上で大きな武器となります。
4. サウンドクリエイターとして実際にゲーム会社を受けるときに求められるスキル・経験
ここではサウンド系の業務で実際に募集をかけているゲーム会社(2020年8月30日現在)の採用情報を参照し、どんなスキルや経験が求められるのかを見ていきましょう。
なお、試験内容についても触れていますが、確定的なものではないのであくまでも参考例と考えてください。
・任天堂株式会社
任天堂はHPの採用情報で「サウンド系」の募集を明記しており、内容として作曲・編曲、サウンドデザインと記述しています。
職種紹介のページに要求されるスキルも明記されていて、作曲・編曲ではゲームタイトルごとに合う世界観を作れること、一つのメロディから場面に合わせてアレンジできること、DAW上での製作ができることなどがあげられています。
また、楽器演奏もできれば望ましいという記述も見られます。
過去にはその場で作曲することや、作った曲を譜面に書かせる試験もあったようです。
サウンドデザインはゲームを盛り上げる効果音や、状況を表す環境音、ボタンの操作音などの仕事をしますが、この点については入社後に教育する考えらしく、試験の時点での必須スキルはないようです。
ただし、経験があることはアピール材料になりますから、サウンドデザインに役立つ取り組みをしていれば積極的に提示しましょう。
・コナミホールディングス株式会社
コナミでは株式会社コナミデジタルエンタテインメントと株式会社コナミアミューズメントでサウンドクリエイターを募集しています。
業務内容としては、ミュージックコンポーザー、サウンドデザイナー、サウンドプログラマーを挙げています。
ミュージックコンポーザーはBGMの作曲や編曲、歌唱や楽器のレコーディング、音楽的演出が主な業務です。
サウンドデザイナーは効果音やMA制作、音声のレコーディングや編集、サウンドをゲームに組み込む作業、音声台本の制作などを行います。
サウンドプログラマーはサウンドエンジンの実装や管理、再生制御のプログラム制作、サウンド使用のカスタマイズ、サウンドツールの制作などの業務を担当します。
過去の試験ではクラシック曲のアレンジを課題にしたことがあったそうです。
・多くのゲーム会社で見られる傾向
音楽的に特定のジャンルにこだわるより幅広さが求められるので、引き出しの多さを意識した活動が有利です。
例えば、オーケストラ系の作曲、編曲ができるなどもアピールポイントになります。
もちろん編曲のスキルも問われるので、一つのメロディからいろいろな場面を想定したアレンジができるようなトレーニングをしておきましょう。
また、主旋律だけでなくオブリガードの付け方も多様さを意識しましょう。
5. サウンドクリエイターの年収について
ゲーム業界のサウンドクリエイターの年収は、経験の浅い方や未経験であれば、250万から400万円程度と言われています。
ただし経験値が高く、制作スキルだけではなく他者へ制作をディレクションできる能力もあれば、400万~800万円ほどの年収を狙える会社も中にはあります。
求人情報を紐解いていくと、年収金額だけではなく、採用されるためにはどのようなスキルが必要になるのかも確認できますので、しっかりチェックしましょう。
6. まとめ
ゲームのサウンドクリエイター職は、他のプランナーやプログラマー職に比べると募集人数が極端に少ないため、採用されることはとても難しいと言わざるを得ません。
出来るだけ多くの案件に応募できるようにするためには、自分でサウンドを制作する能力だけでなく、他者をディレクションしたり、制作を管理できる能力も必要になることを覚えておきましょう。
未経験からサウンドクリエイター職を目指す場合は、そういったスキルがあることをアピールできる職歴やアルバイトをしておくといいかもしれません。
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