ゲームの「運営プランナー」として働くには?仕事内容や必要な技術を説明
ソーシャルゲームやオンラインゲームなど、リリース後も継続してサービスを運営する必要があるタイトルには「運営プランナー」という役割が存在します。
このコラムでは運営プランナーがどんなことを業務としており、またどんなスキルや資質が求められるのかも解説していきます。
目次
1. ゲーム会社における運営プランナーの役目
1-1. サービスを維持し、より人気のあるものに育てるためにマネジメントする
ソーシャルゲームやオンラインゲームなどの売り切りではない継続型のタイトルでは、ユーザーの動向やダウンロード数の増減などをマネジメントする「運営プランナー」の存在が欠かせないものになっています。
継続的にゲームを楽しんでもらい、課金し続けるユーザーを育てるには、ユーザーの意識に寄り添うことが重要ですから、優れた作品を生み出そうとするクリエイターよりは「サービス業」としての位置づけが強いポジションと言えるかもしれません。
1-2. DL数などの具体的な数字をKPIとして設定し、改善するために案を出し、実施する
運営プランナーはダウンロード数や新規ユーザーの定着率など、具体的な数値をKPI(中間目標)を設定し、そこに向かってどのような展開を行うかなどを企画したり実施したりする役割を担います。
また、イベントなどを行えばその結果が数値として出ますから、それを踏まえてどんな行動が目標達成に繋がり、どういう展開は好ましくないのか、などを考慮してPDCAサイクルを回していく必要があります。
1-3. 必要に応じて広報や営業と協力し、メディア露出なども行う
運営の役割は多岐にわたります。
既にユーザーとなっている人に継続してゲームを楽しんでもらうためのアプローチを行うことはもちろん、新規ユーザーを取り込むためにタイトルの存在を知ってもらうことも非常に重要な役割です。
また技術部門にユーザーの意向や傾向を伝えることも、タイトルの発展、引いては自社の利益向上には欠かせません。
新規ユーザーの獲得は広報や営業と被る部分がありますから、社内での連携も重要な要素です。
つまり、ユーザーに対する目線と社内での調整を行う意味でも運営プランナーの存在は大きいものです。
2. ゲーム会社の運営プランナーに求められるスキル
2-1. データ分析力
継続しているタイトルでイベントやキャンペーンを行うには、都度明確なKPIを立てながら、新しい戦略と、結果の確認、軌道修正などが必要です。
不必要なイベントはコスト面やブランディング面からそもそも開催しない方が良いですし、どんなに好評だったイベントであっても開催しすぎるとユーザーに飽きられてしまいます。
「どの行動がその結果につながったのか」というデータ分析能力と、それを社内に明確に説明できる論理的思考、そして今後どういったタイミングでイベントを開催するべきかという管理能力が欠かせません。
短期的な結果に一喜一憂するのではなく、小さなイベントで傾向を把握しつつ勝負時期のイベントで最大の利益を得る、といった戦略的分析能力も問われます。
2-2. 運営タイトルに対する理解と技術
自分自身が運営しているタイトルの魅力や欠点を知ることと、そのタイトルを構成する技術面を理解していなければ、ユーザーに対して効果的なアプローチを行うことはできません。
会社によっては複数のタイトルを運営することもありますが、個々のタイトルについて勉強したり、技術力を深めるための取り組みを行う姿勢を大切にしましょう。
2-3. 現状に満足しない「向上心」
時にはユーザー獲得数などの数値が安定しているケース、早い段階で目標達成の気配が見えることもあるかもしれません。
しかし利益やユーザー満足度は高いほど良いのですから、小さな結果に満足せず、さらに高い成果を目指す向上心を持ちましょう。
意識を高く持ち続ければ、KPIを達成してさらに成果を上乗せできるような好循環を生む事ができます。
2-4. ユーザーやタイトルを思いやる気持ち
運営が行う判断はユーザーの満足度に直結しています。
課金を促すイベントを打って成果を上げるビジネス面の意識だけが先行すれば、ユーザーの満足度は低下し、そのタイトルから離れていく結果を生みます。
また新規ユーザーに贔屓すれば古参ユーザーが離れる可能性がありますし、古参ユーザーに贔屓すれば新規ユーザーが寄りつきにくい雰囲気になってしまいます。
このように全ユーザーの満足度を保つには、それぞれの進行度に応じたバランスの良いアプローチ、そして自分自身もそのタイトルに好意や愛着を持つ気持ちが重要です。
3. ゲーム会社の運営プランナーが向いている人
3-1. プロジェクトを発足するよりも育てることが好きな人
運営プランナーはゼロから何かを作り出すクリエイターとは異なり、既にあるものをどのように育て、伸ばしていくかという点に興味や喜びを持つ人が向いています。
継続してそのタイトルを管理していかなければなりませんから、瞬発力だけでなく持続力が問われる仕事でもあります。
3-2. 仕事で携わっていてもゲームが好きでいられる人
ゲーム業界の全てのポジションに言えることですが、業務としてゲームに携わっていても、ゲームそのものを愛する気持ちを失わないことは非常に重要です。
運営はユーザーからの声がダイレクトに届いたり、常に継続して数値的結果にさらされ続けるプレッシャーを伴うポジションです。
それだけにやりがいがある仕事ですが、時にはネガティブな要素が重なることもあり、モチベーションを保ち続けることの大変さを味わうケースもあるでしょう。
しかしそんな時こそ、ゲームそのものや担当しているタイトルを愛する気持ちが状況を支えます。
クリエイターではなくてもゲームが大好き、そんな人こそ運営に向いていると言えます。
4. 好きなタイトルの運営プランナーになるためのキャリアパス
4-1. 開発時点からプランナーとして携わり、そのままそのタイトルの運営プランナーにシフト
運営プランナーへのキャリアパスとしては、ゲームプランナーとしてそのタイトルに開発から関わり、そのまま運営に移行するケースもあります。
初期段階から内容を知っていれば、そのタイトルの魅力や技術面にも精通している可能性が高いですからシフトしやすいケースです。
4-2. カスタマーサポートから運営プランナーに参入するケースも存在
カスタマーサポートでの業務を経て運営プランナーにシフトするケースもあります。
カスタマーサービスは「苦情処理係」と思っている人もいるかもしれませんが、ユーザーの意見に常に触れ続ける重要な役割を持っています。
また対応能力や各タイトルへの理解、ソフト面の技術知識を深く持つ機会にも恵まれます。
所属部門が厳格に管理されている会社でなければ、カスタマーサービスとしての業務の一環として運営や開発部への提案をしたりすることで存在感を高め、運営プランナーにランクアップするケースもあり得ます。
このようなキャリアパスを想定している人は、面接の際にそれが可能かどうか聞いてみても良いでしょう。
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5. まとめ
ゲーム会社の運営プランナーの役割や、求められる資質などをまとめました。
運営プランナーを目指す人は好きなタイトルの運営になることを夢見て入社するかもしれませんが、入社時点での人気タイトルの運営に就くことは難しいかもしれません。
運営はそのタイトルが継続的に愛され続けるための重要な役割を担っており、人気タイトルはその会社の大黒柱であることがほとんどだからです。
まずは与えられるポジションで実績を重ねたり、ベテランの運営プランナーとのコネクションづくりを行ったりして、焦らず、しかし着実に人気タイトルの運営を行えるように経験を積んでいきましょう。
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