ゲーム会社が破産する時とは?状況や危険なサインなどを説明
近年、ゲーム会社が突然倒産したというニュースが流れて、不安を感じている人も多いかもしれません。
しかし、倒産の問題はそれぞれの会社が抱える問題に起因することが多く、ゲーム業界そのものが危ないということではありません。
そのためゲーム会社全体で働くことを不安視する必要はありませんが、これから就職や転職しようと考えている人は注意した方が良いことは間違いありません。
そこでこのコラムでは、なぜゲーム会社が破産または倒産するのかという点や、どんな状態が見られると倒産を疑うべきなのか、などをまとめていきます。
1.ゲーム会社が倒産する主な理由
ここではゲーム会社が破産や倒産する一般的な理由をあげていきましょう。
1-1. リリースするタイトルの不振の連続
ゲーム会社はタイトルが売れてこそ経営を維持していけます。
ヒットタイトルが出なければ利益が出ないだけでなく、開発にかかった費用などを回収することができず赤字になります。
発生する赤字額によっては、会社を維持していけないほどのダメージに繋がるケースもあります。
1-2. 開発費の増加に伴う淘汰
近年はゲームのクオリティが平均的に上がっているため、売れるタイトルを生み出すためにかかる開発費は増加傾向にあります。
ゲームのクオリティをあげるということはマンパワーや外注費、機材などをより多く使うということですから、それに耐えられない会社は別事業に移行することなども視野に入れる必要があります。
以降の時期や方向を誤ったり、以降にかかる費用が捻出できなかったりした場合、倒産もあり得ます。
1-3. 過小資本や信用性低下など、その他一般的な中小企業の倒産理由も含まれる
会社が倒産する理由のひとつに「過小資本」という理由があります。
これは資本金=運転資金が少ないため事業が維持できず倒産するというもので、ゲーム会社に限らず全企業の倒産の5%程度に当たると言われています。
資本が少なければ融資を受ければ良いのでは? と思う方も多いでしょうが、企業としての収益性が低迷し続けている場合や、すでに多額の借り入れがある場合は信用が低下しており、必要な資金を金融機関が融資してくれない可能性があります。
2.倒産しそうなゲーム会社のサイン
ここでは注意喚起のために、倒産あるいは破産しそうな会社はどんな傾向があるかを見ていきましょう。
2-1. 経費削減が過激になる・設備投資の腰が重くなる
運転資金が不十分な場合、どの会社も経費を大きく削減していきます。
経営を健全に維持するためにはどんな会社も無駄な経費を使わないことは重要ですが、細かい備品の購入費などにも気を配るようになる、近距離の交通費などを節約するといった気配が見えると厳しい状況が予想されます。
また、ゲーム会社の命とも言える開発に必要なソフトやPCなどのハードの整備に回るお金がないようであれば、破産の危険信号と考えるべきかもしれません。
2-2. 経理や役員が退職しはじめる
役員や経理を担当する社員は財務的な内情を把握していますから、状況が悪ければいち早く退職するということがありえます。
また、倒産までいかないとしても、経理や会社役員は経営状態が悪化していると、日々の仕事のストレスがたまりやすくなります。
退職していなくても経理を扱う部署の人を観察するだけでも、会社の状況をある程度把握できる可能性もあります。
2-3. プロジェクトのスケジュール・リソースがタイト
経営的に不利な状態にある会社としては、運転資金が厳しいので早くたくさん収入を得たいと思う傾向があります。
そのためスケジュールに余裕がなくなり、無理なリリース予定を組むことがありえます。
また、十分な資金が無い場合に削減の対象になりやすいのはマンパワーです。
プロジェクトにリソースが回されなくなった場合、まさに職場がデスマーチと化して脱落者が出たり、最悪の場合プロジェクトが頓挫したりすることもあり得ます。
以前と比べるとリソースの配分がおかしい、と感じたら経営状態を疑った方が良いかもしれません。
2-4. 評価制度や手当(賞与)などの給与に関連するシステムが厳しくなる・支払いが遅れる
儲かっている会社は人事評価などを使い、社員のアイデアやスキルアップを手当てで後押ししてくれますが、経営状態が悪い場合、まず金銭によるリターンが減っていきます。
ボーナスの支給額が減ってきたと感じたらイエロー状態ですが、毎月の給与が遅れるようならレッド状態と考えて良いでしょう。
2-5. 希望退職者を募る
企業が率先して希望退職者を募集する場合はかなり厳しいサインです。
とはいえ、希望退職者を募るというのは、その時の状況に合わせた社員数に絞って再起を図るという前向きなプランがある場合もあります。
希望退職者を募る=即倒産ということではなく、残って回復に賭けるかどうかしっかり考えて身の振り方を決めましょう。
3.ゲーム会社の倒産に巻き込まれる前に自分ができること
この項目では、自分自身が勤める会社が万一倒産した時に備えるための方法を解説していきましょう。
3-1. SNSやイベントを通して業界のコネクションを作っておく
もし倒産によって失業した場合、まずは収入を確保する必要がありますから、誰もが転職先を探すことになると思います。
その際、貯蓄が十分にあれば、腰を据えて自分に合ったところを探せるでしょうが、金銭的に余裕がない人は慌てて転職して、あまり好ましくない会社に入ってしまうということもあり得ます。
転職するにしても、ブラック企業は避けたいですし、苦労して培ったスキルをしっかり評価してくれるところに行きたいのは、転職希望者全員の願いです。
そのためには、日常から社外のゲーム関係者と積極的に交流して、コネクションを作っておくことは非常に重要です。
もしもの時に雇ってくれる会社や、人材を求めている会社を紹介してもらえる可能性が上がるからです。
近年は、クリエイターズコミュニティやゲームカンファレンスなどが多数存在しますから、ぜひ利用してみてください。
ゲーム業界のクリエイターズコミュニティについて詳しく書いた記事があるので以下に紹介します。
→「ゲーム業界におけるクリエイターコミュニティとは?概要や目的を説明」
ゲームカンファレンスについての記事はこちら
→「ゲーム業界の花形イベント!E3やTGSなどのゲームカンファレンスを紹介」
3-2. どこの会社でも求められる知識をプライベートで勉強しておく
転職に当たっては、コネがあったとしても実力が無いことにはどうにもなりません。
そのため、普段から漫然と仕事をこなすのではなく、自分のスキルを客観視しておく必要があります。
まずは自分自身の特性や、持っているスキルがゲーム業界全体でどの程度普遍性、利用価値があるかを見極めましょう。
その上で特定の技能を高める、あるいは足りないスキルを補充するなど、意識を高めておきましょう。
努力して高めた知識やスキルは、自分の自信や業務の幅を広げますから、倒産や転職の機会がなかったとしてもきっと役に立つでしょう。
3-3. 転職エージェントに登録しておく
普段から転職エージェントに登録しておくのも危機管理の方法の一つです。
職を失ってから転職活動をするよりも、平時の方が冷静に活動できるからです。
また、現状の仕事に不満がある場合、さらにやりたい仕事に就けるメドや収入アップの道があれば積極的に転職することもできます。
もちろん、現在の仕事が気に入っていれば無理に移動する必要はありませんが、自分自身の市場価値を知っておくことがマイナスになることはありません。
また、エージェントは転職のプロですから、多くの企業情報を持っています。
ぜひこの機会に、転職エージェントへの登録を考えてみてください。
3-4. 【注意】労働環境にまで影響が出る前に早め早めに行動する
ここまで紹介した方法は、どれにしても早めにやっておくことが非常に重要です。
倒産する会社は多くの場合、徐々に労働環境が悪化していく傾向があります。
そのため気が付いたら会社がブラック化していて、転職活動をしたり勉強をしたりする時間が取れなくなる、ということもあるからです。
状態が悪くなってから動き出せば焦りも生じますし、最悪の場合準備が間に合わないまま無防備な状態で倒産、失業ということもあり得ます。
そのため、ぜひ労働環境が悪くなる前に、いろいろな対策を立てておきましょう。
4.まとめ
ゲーム会社がなぜ倒産するのかという理由や、倒産する場合の兆候などをまとめました。
ゲーム会社は右肩上がりに成長を続けている会社もありますが、残念ながらそうでない会社も存在します。
日本の企業は起業から1年で6割も倒産するというデータもありますから、破産や倒産そのものが決して珍しいわけではありません。
これから就職や転職を行う人は、しっかり会社事情を見極めましょう。
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