崖っぷちから世界一へ!DCG「ハースストーン」のトッププレイヤーがゲームで見せたドラマとは?
アメリカのブリザード社が発売し、世界中で大人気のデジタルカードゲーム「ハースストーン」。
その実力者としてよく名前が挙がるのが、ノルウェーのハースストーンプロゲーマーであるHunterace(ハンターエース)氏です。
Hunterace氏は弱冠18歳という若さでありながら、大会で常に安定した成績を残し続けてきました。
昨年の2018年度も凄まじい強さを見せ、ハースストーンの世界一を決める世界選手権への出場権を獲得したのです。
そんな中、彼は自分の過去について衝撃の告白を行います。
それは、彼の精神的な悩みと下した決断に関するものでした。
思いを胸に世界選手権の日を迎え、決勝へと進んだHunterace氏。
決勝で彼を待ち受けていたのは、衝撃の告白を彷彿とさせるような、劇的なドラマでした…
目次
・1:世界選手権への切符を獲得!Hunterace氏が見せた圧倒的な強さ
ハースストーンはeスポーツとしても展開されており、毎年世界選手権での優勝をめぐって熱い戦いが繰り広げられます。
2018年度の世界選手権は、2019年4月に台湾の台北で開催されることが決まっていました。
この年は、大会での成績やオンラインでの対戦によって得られる「ポイント」が、世界選手権への出場者を決める基準の一つとなっていました。
4つの地域(ヨーロッパ・南北アメリカ・アジア太平洋・中国)で「ポイント」をもっとも多く稼いだプレイヤー各1名が、世界選手権への出場権を手にすることができたのです。
※参考URL 2018年 ハースストーンポイント制度について
https://playhearthstone.com/ja-jp/blog/21295036/
そんな中、Hunterace氏は大型大会で安定して入賞する実力を見せ、着実にポイントを稼いでいきました。
結果、最高ランクの「三ツ星マスター」に最速で到達し、世界一のポイント数を獲得したのです!
これにより、必然的にヨーロッパ地域の最多ポイント獲得者となったことで、見事世界一選手権への出場権を得ることができました!
・2:トッププレイヤーからの突然の告白…Hunterace氏が世界選手権前に発表した衝撃の過去
世界一のポイントを獲得してからおよそ一ヶ月後の2018年12月、それは突然起こりました。
Hunterace氏が、来年4月の世界選手権を前にして、精神的に悩んでいた過去を自ら告白したのです。
※参考URL Hunterace氏の告白(英語)
http://www.twitlonger.com/show/n_1sqocvu
※翻訳
https://beerbrick.com/2018/12/14/news-2018121401/
・2-1:学校生活に対する不安や絶望で人生の崖っぷちに…
告白によると、Hunterace氏は8年生(注)のときに学校生活に多くのストレスと不安を感じるようになり、10年生(注)のときにはノイローゼになってしまったとのことでした。
注:ノルウェーの義務教育は小学校7年・中学校3年であり、8年生は日本の中学1年生・10年生は日本の中学3年生に相当します
※参考URL 「外務省: 世界の学校を見てみよう! ノルウェー」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/kuni/0502norway.html
高校に進んでからも精神的に苦しい状態は続き、「ゆっくりと、しかし確実に不安や絶望をもたらす周りの世界に対して、どうしても正直になれなかった」とHunterace氏は語りました。
まさしく、崖っぷちに追いやられているような状況だったのです。
・2-2:絶望の中の光!トッププレイヤーを救ったハースストーンと競技専念の決断
そんな苦しい時間の中で、Hunterace氏を救ってくれたのがハースストーンでした。
当時からハースストーンで安定した成績を残しており、トップコミュニティの中でも一目置かれていたHunterace氏。
告白でも「幸せとモチベーションを与えてくれた唯一のものがハースストーンだった」と述べています。
そして、2017年の終わりに、彼は母親とメンタルコーチに相談し、2018年は学校を一旦保留してハースストーンの競技シーンに専念することを選択したのです。
・2-3:学校よりハースストーンを選択したこと――素晴らしいコミュニティにふれた上での大きな決断
Hunterace氏のこの選択に関しては賛否両論あることでしょう。
現に、Hunterace氏自身も告白の中で、「私がしてきた――そして今している――全ての選択が正しいかはわからないし、多くの人にとっては正しい選択ではないかもしれない」と述べています。
ただ、事実として言えるのは、ハースストーンは世界的なeスポーツシーンが確立されたタイトルであり、そこでHunterace氏は世界トップクラスの実力を有しているということです。
そして何より、ハースストーンのトップコミュニティがHunterace氏に良い影響を与え続けていたことが大きかったと思われます。
「ハースストーンがいい意味で人間としての成長の助けになる良いコミュニティと経験を与えてくれることを、私も母もメンタルコーチもわかっていた」と、告白で述べています。
競技活動を通じて様々な人々とふれあう中、そこで得られたもの・感じたことに対して正直に動いた結果であると私は考えます。
誰もがHunterace氏のような行動をすべきだとは思いませんが、自身の信念に基づきよく考えた上で出した結論であるならば、最大限に尊重すべきではないでしょうか。
・3:ライフ1からの大逆転!迫り来る猛攻!2019年世界選手権決勝で繰り広げられた激戦のドラマ
衝撃の告白から時が過ぎ、並々ならぬ思いを持って迎えた2019年世界選手権。
Hunterace氏は、順調に決勝まで駒を進めました。
決勝の対戦相手は、ドイツの強豪プレイヤーViper(バイパー)氏でした。
決勝戦は最大5試合目まで行われ、先に3勝した方が優勝となります。
この決勝戦で、ひいてはハースストーン史上にも残る熱戦が繰り広げられることとなるのです。
・3-1:もうすぐライフ0!崖っぷちの状態で待っていたまさかの展開と結末
世界選手権決勝の第1試合で、Hunterace氏はいきなり残りライフ1まで追い詰められてしまいます。
相手ターンに1回でも攻撃されてライフが0になったら、Hunterace氏の負けが決まります。
まるで、かつての不安と絶望で悩んだ日々を思わせるような崖っぷちの状況でした。
そして迎えたViper氏のターン。
ここでまさかの展開が起こります。
なんと、勝ちを焦ったためか、Viper氏がミスプレイをしてしまったのです!
結果、Viper氏は相手のライフを0にできなかったばかりか、貴重な攻撃手段も失ってしまいました。
次のターンで、Hunterace氏はこの隙を見逃さず一転攻勢に出て、逆にViper氏を追い詰めたのです!
結果、Viper氏はこの攻めに解答を出すことができず降参し、Hunterace氏が逆転勝利を収めました!
・3-2:世界一に立ちはだかる試練! 最終戦でViper氏が見せた凄まじき連続攻撃
その後、決勝戦は互いに2勝2敗となり、最後の第5試合までもつれ込むこととなります。
この最終戦で、Viper氏が怒涛の攻めを見せたのです。
Viper氏はまるで神が味方したかのような豪運を発揮し、強力なカードを次々と引き込んでいきました。
そのたびに会場からは大歓声が湧き上がり、Viper氏も歓声に応えるように激しい攻撃を連続で繰り出してきたのです。
そんな中でも、Hunterace氏は強力なカードの応酬を必死に耐えしのいでいきました。
まるで、自分を大きく成長させてくれた数々の強敵との戦いを思い出すように。
そこには、苦難を超えて世界一の頂へと突き進むHunterace氏の姿が確かにありました。
やがて、粘り強く対処していくうちに、Viper氏のカードも徐々に底をついていきました。
そして、ついにViper氏は打つ手がなくなったことで負けを認め、ここにHunterace氏の世界選手権優勝が決定したのです!
これにより、Hunterace氏は世界一の名誉と優勝賞金25万ドル(約2700万円)を手にしました。
大逆転の初戦に始まり、相手の猛攻という試練に耐え切った最終戦の末につかんだ栄誉。
この一連の勝ち方も、まさに挫折から立ち上がったHunterace氏のこれまでのドラマを象徴するものだったように思います。
※参考URL 「ハースストーン」世界選手権レポート(4Gamer.net)
https://www.4gamer.net/games/209/G020915/20190430012/
・まとめ
「学校に行かずeスポーツへ専念する」。
Hunterace氏の選択に眉をひそめる人もいるかもしれません。
ですが、彼も安易な気持ちで決めたわけではないのです。
大いに悩み、相談もした上で、多くのものが得られると判断したからこそ、そのような決断に至ったのです。
仮にどのような結果に終わっていたとしても、考えに考えて今回の決断をしたことは、Hunterace氏の人生にとってきっとプラスになったことでしょう。
「世界一になったから彼の選択が正しかった」という結果論で語るつもりはありません。
すべては彼の勇気がもたらしたことであり、世界一はその中の最も素晴らしい贈り物の一つであると私は考えます。
極限まで追い込まれても、後へ続く光を探す。
降りかかる苦難を、一つ一つ乗り越えていく。
そして、どんなときも「決意」が道を開く。
Hunterace氏の世界一は、私たちにそのようなことを教えてくれたように思います。
もし、日々無力感に苛まれているのなら、確固たる決意を胸に抱いてみてはどうでしょうか。
一年後、見える景色は劇的に変わっているかもしれません。
それこそが、私たちの人生を彩る本当の「ドラマ」なのではないでしょうか。
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ライター名:レイニーデイ
プロフィール:ブログメディア「レイニーラボ」運営者。DCG「ハースストーン」の競技プレイヤーを目指しつつ、自身のメディアでeスポーツ・ゲームについて人生哲学の観点から発信している。
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