ゲーム会社で副業は許される?副業に興味がある人が注意したい点
近年、ゲーム会社が制作したものとは別に、インディーズとして作ったゲームを発表しやすい環境ができたことで、個人でゲームを作って副業にするという新しいライフスタイルが生まれつつあります。
しかし、ゲーム会社に所属しながら副業で別のゲームを作るというのは時間管理の難しさなどもあるので注意が必要です。
そこでこのコラムでは、ゲーム会社に勤めていながら副業を持てないかと考えている人や、副業も視野に入れた転職活動を行っている人に向けて、ポイントや注意点などを解説していきます。
1.ゲーム会社で副業をする際にまず確認すべきこと
ここでは副業を始める前に確認しておくべき内容を紹介しましょう。
1-1.まずは就業規則で副業がOKかどうかを確認する
近年、日本政府が掲げる働き方改革の中には、副業を推奨する要素も含まれています。
しかし、企業の側は本業に支障が出ることや、情報の漏洩などを恐れてあまり承認していないのが実情です。
他の業種に比べれば比較的自由な気風を持つゲーム会社でも、その部分についてはまだ全面的な容認や推奨というレベルには至っていません。
そのため、副業を行う場合は現在の会社で問題ないのかをまず確認することをお勧めします。
1-2.副業がOKだったとしても、届け出が必要になることもある
副業がOKだった場合でも、会社に届け出を出すことを義務付けられている場合もあるので注意が必要です。
また、副業をすること自体を「後ろめたい」と感じるような人には、自分自身の精神面や体調に悪影響を及ぼす可能性もあるので注意しましょう。
さらに、副業をする人に特殊な目線を向けるような職場や、副業の内容が倫理面で疑問を持たれるような場合では、人間関係が悪くなったり職場での立ち位置が微妙になったりしますので気を付けましょう。
2.副業が会社にバレたときのリスク
ここでは副業がバレる経路や、バレた時のリスクをまとめましょう。
2-1.副業がバレる経路
副業をしていることがバレる原因としては、まず自分自身が同僚に話してしまい、それが噂になって上司まで届いてしまうことがあり得ます。
どれほど信頼できそうな人間でも人に話せばどこから漏れるかはわかりませんから、秘密でやり通すと考えるのであれば、誰にもしゃべらない、一切証拠を見せないなどの気を配りましょう。
バレる原因としてもう一つ考えられるのは、副業の収入がある程度ある場合に、申告をして住民税が上がったことを経理担当者が疑問に思う場合などです。
このようなことを防ぐために、給与から住民税を差し引く特別徴収ではなく、自分で支払う普通徴収にすれば良いと書いた記事を見かけますが、実はこれは適切とは言えません。
住民税徴収の決まりは自治体で異なりますが、特別な例を除いて住民税を給与から引き落とすことを会社に義務付けている自治体が多いからです。
ちなみに東京都は2017年から特別徴収を徹底すると宣言しているので、都内の会社に勤めている場合特殊な例を除いては普通徴収はできません。
また、普通徴収が可能な自治体でも、会社からなぜ特別徴収にしないのかと聞かれた場合、嘘をつかなければなりません。
「言わない」ことと「積極的に嘘をつく」ことには、技術的にも精神的にも大きな差がありますから、不必要にハードルを上げ、ストレスを増やすことにならないよう気をつけましょう。
このように考えると、副業を絶対にバレずに行うには、確定申告が必要ない程度の金額に抑えるしかないということになります。
2-2.副業がバレた時のリスク
会社規則で副業を禁じている場合、バレた時は規則にのっとった処分を申し渡される可能性があります。
とは言え、民間企業に勤めている人に、副業を禁じる法律や憲法は実は存在しません。
また、厚生労働省は本業に支障がないこと、機密漏洩をしないことなどを条件としたうえで、副業や兼業の自由を認めています。
そのため、会社によほどの迷惑をかけていなければ、一度の副業で解雇や賠償を言い渡されるような可能性は高くありません。
また、解雇されそうになった場合は、法的に争えば解雇を取り消せる可能性が高いと言えます。
ただ、経営者や上司、同僚と気まずくなるリスクは存在しますから、円満に勤めたい人は注意が必要です。
一方、ゲーム会社に入る人の多くは、終身雇用にこだわらない傾向があります。
そのため、いずれはステップアップのための転職や独立を考えている人なら、同僚や上司の顔色をうかがって生きる気持ちは無いでしょう。
その点を踏まえて、自分のスキルアップにつながるような副業なら、上司に副業をする相談をしてみてはいかがでしょうか。
ゲーム業界は自由な気風が強いですから、「本業に活かせる知識やスキルが得られそう」といった説得ができれば、上司や会社を味方にできるかもしれません。
また、相談して聞き入れられなければ転職する方法もあります。
わずかな利益のためにリスクを負うのは得策とは言えませんが、スキルアップや経験値の面でメリットがある副業であれば、環境を整備してトライしてみるのも良いのではないかと思われます。
3.副業を視野に入れて就職・転職を考えている時のポイント・注意点
ここでは現在勤めている会社で副業が困難なので、転職しようと考えている人に向けた注意点を記述します。
3-1.求人票に副業可能と書いているかどうか確認しよう
副業を行うことを前提とする転職であれば、まず転職先が副業可能なのかどうかを求人票などで確認しましょう。
求人票には明瞭に書いていない場合もありますから、副業することをオープンにして転職するのであれば、エントリーする前に問い合わせておきましょう。
3-2.就職・転職しようとしている会社がブラックではないかどうか確認しよう
転職先が副業可能だとしても、「入ってみたらブラックだった」という場合、長い労働時間に苦しめられたり、決まった残業代がもらえなかったりして副業どころではなくなってしまう場合もあります。
そのため、事前に平均残業時間などを確認しましょう。
3-3.そもそもしたい副業が「副業」であるべきかどうかを考えよう
副業が単発的なものならともかく、ある程度続けて行く前提であれば、その意味をしっかり考えてから始めましょう。
ゲーム製作に関して副業に取り組む場合の多くは、「組織とは関係なくハンドメイドなゲーム作りをやってみたい」というクリエイターとしての興味か、収入をアップしたいという気持ちのどちらか、あるいは両方ではないでしょうか。
しかし、それは副業であるべきなのか、ということをもう一度考えてみましょう。
クリエイターとしての興味やスキルアップの方法であれば、今いる会社に相談してプロジェクトとして取り組むことはできないでしょうか。
その場合収入は変わりませんが、自社に新しい作風を持ち込むメリットが生まれるかもしれません。
また、収入アップだけ考えるなら、人的パワーを要するゲーム作りでなくても、株式投資や不動産運営などの方法もあるかもしれません。
本業一本の方がスキルアップの度合いや作業効率は良いですから、基本的に仕事は一つの方が望ましいと思われます。
その点を考慮して、新たな挑戦を本業にしない理由はなにか、まず自分の中で整理しましょう。
3-4.発表した作品を同業者から特定される可能性があることを認識しよう
副業で出したタイトルに所属する会社のノウハウが使われていたり、そこに所属しているからこそ知ることができる情報を使ってしまった場合、同業者からそれを特定される可能性もありますから注意が必要です。
また、使った情報によっては、所属している会社や以前いた会社に情報漏洩の責任を問われる可能性もあります。
副業を行う場合は、技術や知識のすみわけをしっかり行い、クリーンに進めていきましょう。
4.まとめ
ゲーム業界にいながら副業を行う際の注意点をまとめました。
副業は新しいチャレンジとしてクリエイターの心を揺さぶる点や、副収入を得られるメリットがあり魅力的に見える側面があります。
しかし、最悪の場合、副業も本業もうまくいかなくなり、ピンチに陥ることがないとは言えません。
本業とのバランスに支障をきたすリスクもあることを知って、コントロールできる範囲で行うことを徹底しましょう。
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