『ExitMan』に学ぶおもしろいゲームを作る発想

 

いわゆる名作とされるゲームの多くは、美麗なCGや作り込まれたシナリオが強調されますが、そういったものがなくともおもしろいゲームと言われる作品は少なくありません。

 

ゲームのおもしろさを決定づけるのは技術力だけではないということを最近証明したのが、『ExitMan – 瞬間回避ゲーム』です。

 

 

 

ユニーク性が光る『ExitMan – 瞬間回避ゲーム』

本作は昔ながらの2Dで展開されるアクションを楽しむ作品ですが、実は見た目のシンプルさ以上にスリリングな作品となっています。

 

非常口の「アレ」を模した2Dアクション

「ExitMan」という名前から気が付く人もいるかもしれませんが、今作の主人公となるのは緑の非常口ランプでお馴染みの「緑色の人」です。

 

いつもの非常口かと思いきや、緑の人が放り込まれたのは、時間制限で上から壁が迫ってくる世界。
潰される前に、急いで非常口へたどり着いて脱出するという、スリリングな仕上がりになっています。

 

 

非常口のランプの人はなぜあそこまで急いでいるのか、という疑問にも答えてくれるような同人作品とも言えますが、非常口ランプの緊急性がうまく表現されたゲームです。

 

操作は左右移動のみで、潰される前に非常口へ逃げろという単純明快なゲームシステムも、普段ゲームをしない人にとっては嬉しい仕上がりと言えます。

 

一瞬の判断力が問われるスリリングな作品

時間内に非常口へ逃げろというのがテーマの今作ですが、ゲームのプレイ時間そのものは非常に短く設定されています。

 

わずか数秒の間に状況を判断し、正確なルートでゴールを目指す必要があるという、適切な判断能力が試される、スリリングな一本です。

 

一度判断を誤れば、ゲームオーバー一直線という非情なシステムは、まさに『ExitMan』の名前にふさわしい作風です。

 

『ExitMan – 瞬間回避ゲーム』はなぜおもしろいのか

考えてみれば、本作は右か左に移動して迫りくる危機を避けるだけのゲームなのですが、なぜ何ともいえない中毒性を生み出せているのでしょうか。

 

少ない操作で誰でも遊べるストレスフリー設計

右か左にしか動けないアクションゲームというのは、様々な3Dアクションゲームが溢れる現代では時代遅れと思われるかもしれません。
しかし、2Dゲームの最大の魅力は、誰でもすぐにルールを理解できて楽しめるという点にあります。

 

多彩なアクションを楽しめる3Dゲームは、その豊かさが魅力である一方、あまりゲームをしない人にとっては操作が複雑であるように感じてしまうこともあるのです。
その点、今作ではシンプルな操作と明快なルールが用意されているだけなので、スマホアプリとして親しみやすい作品となっています。
操作がわからず楽しく遊べない、という心配がないので、わかりやすいマニュアルを用意する手間もかかりません。
また、システムがシンプルな分、そのルールを生かした新しい遊び方の開拓にも力を入れられるため、ゲームの拡張性の面でもメリットが大きい作品です。

 

スピーディな展開とやり直しが容易であることも大きい

ゲームプレイングが容易であるのもさることながら、今作はゲームの進行がスピーディに進む点もポイントです。
始めたての頃は、まるで何が起こったのかわからないといったペースでゲームが進み、いつの間にかゲームオーバーになっていたと感じるほどに素早い展開が繰り広げられるでしょう。
しかし、いつしかそのスピード感にも慣れていき、楽しく、テンポ良く遊べるように変化していく体験を味わえます。

 

また、ゲーム展開が早い分、ゲームオーバーになってしまうテンポも早めに設計されています。
しかしゲームオーバーになってもすぐリトライへとチャレンジできるため、失敗することのストレスが必要以上に大きくなりすぎないのが嬉しいところです。
気が向いた時に何度でも挑戦できる設計は、スマホゲームに求められているお手軽感をしっかりと捉えています。

 

 

技術力以外のアプローチでおもしろいゲームを作るには

『ExitMan – 瞬間回避ゲーム』だけでなく、おもしろいゲームと言われるものにハイエンドな技術が詰め込まれているとは限りません。
それでもそういった作品を「おもしろい」と言わしめているのは、どういった理由からなのでしょうか。

 

おもしろい仕掛けを考えるところから始める

ゲーム作りにおいてまず必要なのが、「おもしろい」と思わせるギミックを中心部分に据えることです。

 

ゲームはプレイヤーが楽しく遊ぶための媒体なので、遊んでいて楽しい、気持ちがいいと思わせる仕掛けがなければ長く遊んでもらうことはできません。
『ExitMan』を参考にすれば、このゲームの核は時間内に左右の操作で危険を回避するスリルにあります。

 

単純な操作とは言え、自分の一瞬の判断がプレイヤーの命運を分けるという遊び心地は、印象的な体験をプレイヤーに提供します。

 

しかし、使用されている技術そのものは、実に単純です。
まず、主人公となる緑の人は非常口でもお馴染みの二次元の棒人間です。

 

グラフィックに力を入れる必要もないため、核の部分の技術を高めることにだけ専念できる設定とも言えるでしょう。

 

むしろシンプルなグラフィックの方が、プレイヤーからしてもわかりやすいインターフェースだと評価してもらえることもあります。

 

単純なゲームを考えている場合は、開き直ったデザインに仕上げた方が良いこともあるものです。

 

必要な技術は作りながら学ぶ

『ExitMan』はただステージをクリアしていくだけではなく、プレイを進めるにつれ、新しいモードも登場します。

 

特徴的なのが、100人で対戦できるというサバイバルモードです。

最後の一人になるまでひたすら非常口を目指し、耐久レースを繰り広げるというものです。

 

 

『フォートナイト』など世間で話題沸騰中のバトルロイヤルモードを採用したものですが、実際に同じフィールドに立つわけではないにしても、誰かと耐久レースを繰り広げる楽しさは独特の体験です。

 

ゲームの核の部分がしっかりしていると、拡張性をもたらすことも可能です。
ゲームのコンセプトをクリエイターが把握しておけば、「どうすればこのゲームをより面白くできるか」という発想を生み出しやすくなります。

 

コンセプトの軸がブレていると、新しいアイデアが浮かんでも既存のゲームに活かす発想が生まれづらく、新しいゲームを作ろうという考えに至ってしまいます。

 

まずはゲームのコンセプトを確立しておけば、後から出てきたアイデアに対して「どのように実装しようか」と試行錯誤できるようになります。

 

試行錯誤の発想ができるようになれば、あとは技術を学び、実装に向けて動くだけです。

やはり肝心なのは、ゲームの核を作り、アイデアを豊かに産める姿勢を整えておくことです。

 

おわりに

『ExitMan』は非常口の男をゲーム化しようというアイデアもさることながら、短時間でスリリングなプレイを提供するという、優れたゲーム性を備えている点が評価できるところです。

 

シンプルで楽しく遊べるゲームを参考にしながら、コンセプトの作り方を学びましょう。

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ライター名:Satoru Yoshimura

 

プロフィール:ライター。20年以上の付き合いがあるビデオゲームとアメリカ音楽をテーマとした活動が中心。「日本のゲーム音楽がヒップホップに与えた影響」などブログで公開中。

 

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『ExitMan – 瞬間回避ゲーム』開発Twitter:https://twitter.com/pann_burukuri

 

『ExitMan – 瞬間回避ゲーム』App Store:https://apps.apple.com/jp/app/exitman/id1534537944

 

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