ゲーム開発に役立つ資格“ITパスポート試験”について徹底解説!

 

“情報処理技術者試験”は、個人や組織のITに対する知識レベルと技術力の評価指標として活用されている国家試験で、能力の証明として高い信頼性を持っています。
ポピュラーな区分は、基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の2つですが、統計情報からわかる難易度の高さから尻込みしてしまう人も多いと思います。
本記事では、そんな両試験の前段階として挑戦するのにオススメな“ITパスポート試験”について解説していきます。

 

なお、ゲームクリエイターズでは基本情報技術者試験と応用情報技術者試験それぞれの解説記事も掲載しているので、あわせてチェックしてみてください。

 

ゲーム開発に役立つ資格“基本情報技術者試験”について徹底解説!

ゲーム開発に役立つ資格“応用情報技術者試験”について徹底解説!

ITパスポート試験とは?

運営団体

ITパスポート試験は、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験と同じく、国家試験である“情報処理技術者試験”の区分の1つです。
日本のIT国家戦略を技術面・人材面から支えることを目的とした独立行政法人“独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)”が実施しています。
IPAは“特別認可法人 情報処理振興事業協会”を前身とした組織で、2004年1月5日に設立しました。
コンピュータウイルスやセキュリティに関する調査・情報提供の他、中小企業に対するソフトウェア開発補助事業、人材発掘を目的とした未踏ソフトウェア創造事業、人材育成事業などを行っています。

試験の概要と目的

ITパスポート試験は、ITを活用する社会人や学生が備えるべき、基礎知識を証明する国家試験です。
具体的には、新しい技術や手法、経営全般、IT、プロジェクトマネジメントの知識など、幅広い分野の総合的知識が問われます。
試験方式としては、コンピュータを利用して実施するCBT(Computer Based Testing)方式が導入されています。

合格によるメリット

ITパスポート試験は、高度なIT人材について人材像、能力、役割の観点から定めた“共通キャリア・スキルフレームワーク”において、レベル1(最低限求められる基礎知識)と位置付けられています。
情報処理技術者試験の区分の中ではもっとも難易度が低く、上位区分となる基本情報技術者試験や応用情報技術者試験と同じ範囲の内容をより基礎的にした内容となっています。
そのため、合格することで上位区分に挑戦するための足掛かりとなることが、一番のメリットといえるでしょう。
一方、資格に対する評価は難易度相応のものとなっているため、ある程度知識や技術に自信がある場合は挑戦を見送ってもよいかもしれません。

必要となる職種

ITパスポート試験が期待する水準は“職業人として、情報機器およびシステムの把握や、担当業務の遂行およびシステム化を推進するための基礎知識”となっています。
ゲームクリエイターならば、どのような職種でもIT機器に触れることになるため、すべての職種において無駄になることはない資格であるといえます。
ただし、“合格によるメリット”で述べた通り、資格に対する評価は難易度相応のものとなっているため、能力のアピールとしては期待すべきではありません。

その他の情報処理系試験

基本情報技術者試験

高度IT人材となるために必要な基本的知識、技能、実践的な活用能力を身に付けた人材が対象で、“共通キャリア・スキルフレームワーク”ではレベル2(基本的知識・技能)と位置付けられている試験です。
プログラマー向けの能力認定試験として重要視されており、基本的にはITパスポート試験の次に挑戦することとなります。
コンピュータの科学基礎やシステム、システム開発および運用、ネットワーク技術、データベース技術、プログラミング言語などに関する問題が出題されます。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、ITエンジニアとして応用的な知識・技能を有することを証明する試験で“共通キャリア・スキルフレームワーク”ではレベル3(応用的知識・技能)に位置付けられています。
前述した“基本情報技術者試験”の次に目指す試験区分として認知されており、すでに社会で活躍しているプログラマーやシステムエンジニアを受験者として想定した内容となっています。
本記事で紹介する中ではもっとも難易度が高い試験で、ITパスポート試験、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験の順に挑戦していくのがキャリアパスとなります。

試験について

試験日程・時間

ITパスポート試験は、CBT方式により全国の試験会場で随時実施されています。
また、公式サイトでは試験会場ごとの3カ月先までの試験開催状況も確認できます。
会場により異なりますが、試験は3つの時間帯(午前・午後・夕方)で実施されており、試験時間は合計で120分となっています。

受験料

受験手数料は5,700円(税込)で、理由にかかわらず返還されません。
また、春期、秋期に行われる情報処理技術者試験(筆記方式)および特別措置試験への充当も不可能となっています。
なお、領収書は支払が確認できた日から1年間ダウンロードできます。
支払い方法はクレジットカード、コンビニ、バウチャーから選択できますが、申込日の翌日から4日後の試験では、コンビニ支払ができないので注意が必要です。

申し込み日程・受験資格

基本情報技術者試験を受験する上で、年齢や国籍などの制限はありません。
また、車椅子対応の会場や時間延長などの特別措置も行われています。
令和3年度の特別措置試験は、春期が2021年4月18日、秋期が2021年10月に実施予定で、申込み期間は春期が2021年1月12日10:00~2月8日18:00、秋期は2021年7月上旬~8月上旬となっています。
申し込みを行う場合は公式サイトにて利用者IDの登録を行い、利用者メニューから希望する試験日時、会場を選択します。

合格発表日

受験終了後は、試験結果をその場で確認できる他、公式サイトの利用者メニューから“試験結果レポート”を1年間ダウンロードできます。
また、経済産業大臣による合格者の決定後、合格者の受験番号が公式サイトに掲載され、合格発表の翌月に合格証書が簡易書留で郵送されます。
その他、合格発表の翌月には合格者の受験番号が官報に公示されます。

試験難易度について

出題形式・合格基準

ITパスポート試験の出題形式は多肢選択式(四肢択一)で、出題数は100問(小問形式)となっています。
合格基準は“総合評価点600点以上かつ分野別評価点がそれぞれ300点以上”です。
採点方式はIRT(Item Response Theory:項目応答理論)にもとづき、解答結果から評価点が算出されます。

 

■ITパスポート試験 試験内容
●出題範囲
・ストラテジ系
企業と法務(企業活動、法務)
経営戦略(経営戦略マネジメント、技術戦略マネジメント、ビジネスインダストリ)
システム戦略(システム戦略、システム企画)
・マネジメント系
開発技術(システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術)
プロジェクトマネジメント
サービスマネジメント(サービスマネジメント、システム監査)
・テクノロジ系
基礎理論(基礎理論、アルゴリズムとプログラミング)
コンピュータシステム(コンピュータ構成要素、システム構成要素、ソフトウェア、ハードウェア)
技術要素(ヒューマンインタフェース、マルチメディア、データベース、ネットワーク、セキュリティ)
●合格基準
総合評価点:600点以上/1,000点(総合評価の満点)
分野別評価点(ストラテジ系):300点以上/1,000点(分野別評価の満点)
分野別評価点(マネジメント系):300点以上/1,000点(分野別評価の満点)
分野別評価点(テクノロジ系):300点以上/1,000点(分野別評価の満点)
●出題分野
ストラテジ系(経営全般):35問程度
マネジメント系(IT管理):20問程度
テクノロジ系(IT技術):45問程度
※総合評価は92問、分野別評価はストラテジ系32問、マネジメント系18問、テクノロジ系42問で行われます。残りの8問は今後出題される問題を評価するために使われます。

合格率

ITパスポート試験の受験者数、合格者数、合格率はいずれも増加傾向にあります。
令和2年度の時点では受験者数が10万人を超えており、合格率も6割に近くなっています。

 

■ITパスポート試験 統計情報(受験者数/合格者数/合格率)
●平成28年度
受験者数:77,765人
合格者数:37,570人
合格率:48.3%
●平成29年度
受験者数:84,235人
合格者数:42,432人
合格率:50.4%
●平成30年度
受験者数:95,187人
合格者数:49,221人
合格率:51.7%
●令和元年度
受験者数:103,812人
合格者数:56,323人
合格率:54.3%
●令和2年度
受験者数:131,788人
合格者数:77,512人
合格率:58.8%

過去問

公式サイトで過去の試験問題と回答例が公開されており、PDF形式でダウンロード可能です。
なお、平成21~23年度のものは筆記方式の試験に出題された試験問題、平成24~令和2年度のものはCBT方式の試験問題のうち、春期および秋期に実施された特別措置試験の試験問題各100問、令和3年度以降のものはCBT方式の試験問題のうち、実際に出題された試験問題100問となっています。

まとめ

ITパスポート試験は、能力の証明としては心もとないですが、最大のウリは情報処理技術者試験の中でもっとも難易度が低く挑戦しやすいという点にあります。
学生のうちから合格を目指すことも十分可能となっているので、ゲーム業界を目指している学生の方は、本試験に挑戦してIT方面からゲームクリエイターになるための適性があるか測ってみてはいかがでしょうか。

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