ゲーム開発者視点で見る、「携帯ゲーム機」の歴史とこれから


 
このコラムでは、「携帯ゲーム機」について解説していきます。
 
携帯ゲーム機というと、ある人にとっては「あこがれ」だったかもしれませんし、また別の人にとっては「必須アイテム」であったかもしれません。携帯ゲーム機は時代によって大きな変化もありましたし、専用のソフトウェアも多数リリースされました。
 
携帯ゲーム機の歴史や今後について、さまざまな視点から考察していきますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
 

1. 携帯ゲーム機の歴史

まずは携帯ゲーム機が世の中に初めて登場した1970年代から、2022年現在までの歴史について、順を追って解説していきます。
 

1-1. 携帯ゲーム機の黎明期

「携帯ゲーム機」という娯楽商品が世の中に登場したのは、1970年代後半のことです。そのため、2022年現在から見ると携帯ゲーム機には40年以上の歴史があります。
 
携帯ゲーム機の歴史の扉を最初に開いたのは、アメリカ合衆国のふたつの企業です。1970年代後半に、カリフォルニアを拠点とするマテル社が「Mattel Auto Race(マテル・オート・レース)」を、マサチューセッツのミルトン・ブラッドリー社が「Microvision(マイクロビジョン)」を、それぞれ発売しています。
 
この当時はまだ液晶の技術が発達途上だったこともあり、前述のふたつのゲーム機はLEDを利用していました。そのため、現在のように画面上にキャラクターが登場して、活動するようなものを作ることはできませんでした。
 
それに続いて、日本の任天堂が1980年に、液晶画面を使った「ゲーム&ウォッチ」を発売し、大ヒットしています。しかし、この高評価を見て、同業他社が類似の商品を多数発売しました。また、任天堂自身が「ファミリーコンピューター(ファミコン)」を1983年に発売したこともあって、ゲーム&ウォッチの人気は1980年代前半で収束していきます。
 

1-2. ゲームボーイの誕生

携帯用ゲーム機の次の流れを作ったのも、やはり任天堂でした。1989年に任天堂がリリースした「ゲームボーイ」は、コンパクトでありながら長時間プレイできることもあって、世界で初めて1億台を超える携帯ゲーム機として大ヒット商品となっていったのです。
 
ゲームボーイは初期には画面の表現力が低かったことから、テトリスやテニスなど比較的キャラクター性が少ないものが中心でした。しかし、画像の表現力が上がるにつれてキャラクター性が高いソフトが出るようになっていきます。
 
また、通信機能が追加されたり、「ポケットモンスター」や「遊戯王デュエルモンスターズ」などのソフトがヒットしたりもして、携帯ゲーム機の一時代を築きました。
 
当時はあくまでも「子ども向け」という視点が強かったこともあって、子どもが少々雑に扱っても壊れないように耐久性を重視した点でも、ゲームボーイシリーズは高い評価を得ています。
 

1-3. 機種が次々とカラー対応に

1990年代にはいると、各社が小型化して携帯しやすいことや、カラー対応にして表現力を高めることに力を注いでいきます。
 
NECが1990年に発売したPCエンジンGTはカラー液晶を搭載しているだけでなく、ケーブルをつないで対戦ができるなど高性能にこだわっていました。その一方で電池の消耗が早かったことや、販売価格が高かったことなどの難点もあり、ゲームボーイの人気に立ち向かえるものではありませんでした。
 
任天堂のゲームボーイ1強に近い状態が続く中で、それに続いたのがカラー液晶を搭載したセガのゲームギアです。日本国内ではゲームボーイ優位でしたが、北米ではゲームギアはかなり善戦しています。
 

1-4. PSPとDSの発売

2000年を過ぎると、各社の携帯用ゲーム機はさらに進化します。2004年に任天堂が発売したニンテンドーDSは、世界で初めて携帯用ゲーム機にタッチスクリーンを搭載しました。これによって、画面に触れることで操作ができる時代が到来したのです。
 
一方、ソニーも2004年にPSP(プレイステーションポータブル)を発売しています。PSPは携帯用ゲーム機でありながら、置き型ゲーム機に匹敵するような3Dグラフィック機能を搭載していました。
 
ここから、家庭用ゲーム機と並んで携帯用ゲーム機の市場でも、任天堂とソニーに双璧時代が始まるのです。
 

1-5. 3DSやPS Vitaの発売

さらに時代が進むと、各社はさらなる高機能の携帯用ゲーム機をリリースします。
 
ソニーはPSPの後継機としてPS Vitaを2011年に発売。通信がWi-Fiだけでなく3G回線でも行えましたし、タッチパネル機能も搭載していました。
 
また任天堂もDSの上位機種として、3DSを2011年に発売しています。3DSは裸眼でも立体視ができるディスプレイを搭載し、時代の最先端を走っていきました。
 

1-6. スマートフォンの隆盛

2000年以前から普及し始めていたガラケーでもゲームはプレイされていましたが、2007年にiPhoneが発売されて以降、ゲームをスマートフォンで楽しむ環境が急激に形成されていきます。
 
それに伴って、ソニーや任天堂などの最大手ですら、携帯用ゲーム機の販売台数の減少を止めることはできませんでした。2011年の発売以来、右肩上がりに販売数を伸ばしたPS Vitaと3DSは、2017年頃から勢いを失い、横ばいを維持するのが精一杯となっていきます。
 
このような結果を受けて、機能的には非常に優秀だったPS Vitaは2019年3月で出荷を終了していますし、任天堂の3DSも2020年9月をもって生産終了を告げました。
 

1-7. Nintendo Switchの発売・ソーシャルゲームの充実

PS Vitaの販売終了をもって、ソニーは携帯ゲーム機の分野から完全撤退しており、その決定は2022年12月の時点で変わっていません。一方、任天堂は家庭用置き型ゲーム機と携帯ゲーム機を兼ねるNintendo Switchをリリースし、携帯のみを用途としたゲーム機は発売していません。
 
そして、スマートフォンの普及と共にソーシャルゲームが充実する時代が到来しました。2011年にはDeNAやグリー、ハンゲームが参入し、「ソーシャルゲーム」が一気に拡散していきます。
 
「ファミ通モバイルゲーム白書2022」の報告を見ると、ソーシャルゲームの市場は、世界各地で順調に伸びています。日本国内では勢いの鈍化はあるとしても、業界としては今後も伸び続けることは確実視されています。一方、任天堂のSwitchおよびソニーのPS5の2大家庭用ゲーム機は発売以来確実に販売台数を伸ばしています。
 
これらを踏まえると、世の中の流れとしては最も勢いがあるのはソーシャルゲームですが、家庭用ゲーム機の未来も、決して暗いものではないと言えるでしょう。一方、携帯ゲーム機の時代は終わったという見方が強いですが、家庭用ゲーム機の流れに統合されたと考えれば、無理がないように思われます。
 

2. ゲーム開発者視点で考える、これからの携帯ゲーム機との付き合い方

この項目では、ゲーム開発者の視点から、「携帯ゲーム機」というジャンルについて検討していきます。
 

2-1. 「携帯ゲーム機」というジャンルは消えつつある

ここまで見てきたように、1990年代から2000年代に隆盛を極めた「携帯ゲーム機」というジャンルそのものは、消えつつある存在と言っても過言ではないでしょう。
 
ところで、2022年12月現在、Steamで取得したゲームをプレイできる携帯型の機体:Steam Deckが登場しています。これは「携帯ゲーム機」の流れを汲むものとも見えますが、基本は「携帯型ゲーミングPC」という位置づけです。
 
またNintendo Switchは携帯できるゲーム機ではあります。しかし、家庭用ゲーム機として使えることや、家庭のモニターを利用するシステムが増えていることを考えれば、純粋な「携帯ゲーム機」と言うことはできません。
 
これらの事実から、携帯に特化したゲーム機が以前のように次々と発売される時代は終わったとみる方が自然でしょう。
 

2-2. 携帯ゲーム機用ソフトとしてリリースするかスマートフォン用アプリとしてリリースするか

ゲーム機は対応するソフトがあってこその存在なので、ソフト開発をどのように行っていくか、という問題もあります。
 
現在は複数のゲーム機やスマホでも使用できるクロスプラットフォームの考え方が主流ですから、任天堂などの大手が出すゲーム機であれば、ソフト、アプリ開発会社は対応せざるを得ないでしょう。一方ほかのメーカーが新規で携帯用ゲーム機を出すとしても、対応するソフトがあるかは明確には言えません。
 
そのためゲームを開発する側としては、携帯ゲーム機用ソフトとしてリリースするか、スマートフォン向けのアプリとして世に出すのかは考えなければなりません。
 

2-2-1. 携帯ゲーム機用タイトルをアプリとして移植するのも手

仮に携帯ゲーム機用タイトルとしてリリースした場合、スマホ向けのアプリとして移植する方法もあります。またその逆に、スマホ向けアプリを携帯ゲーム機用に移植する手もあるでしょう。
 

2-3. 携帯ゲーム機のニーズを知る必要がある

ゲーム業界に限らず、さまざまな分野でグローバル化が進んでいますから、現在は日本国内の市場だけを見ていても生き残れなくなっています。
 
実はそもそも、「携帯ゲーム機」というジャンルのニーズが大きいのは日本特有のもので、海外ではさほど大きな市場はありません。世界的に見れば、PCや置き型ゲーム機でゲームをプレイしているユーザーの方が圧倒的に多いのです。
 
そして、携帯ゲーム機の最大の市場である日本では急激に少子化が進んでいますから、市場としてはさらに不利なのです。
 

3. まとめ

かつて世界各地に普及した「携帯ゲーム機」について、その歴史を解説したうえで、今後の展開も予想しました。
 
1990年代から2000年代には大きな市場を築いた「携帯ゲーム機」というジャンルは、スマートフォンの普及や少子化の影響などで消えつつあると言わざるを得ないのが現状です。一方任天堂のSwitchやSteam Deckなどを見ると、「携帯できるゲーム機」というジャンルは、短期間のうちに消滅するというわけでもないようです。
 
そのように考えれば、家庭用の置き型ゲーム機とPC、携帯ゲーム機などをわざわざ個別に所有していたこと自体が、特殊だったとも言えるのかもしれません。
 
このようなことを頭に入れながら、今後も業界の流れを注視していく必要がありそうです。
 

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