eスポーツに参入しているゲーム会社とは?具体的なチームも紹介
今回は、eスポーツに参入するゲーム会社について解説します。eスポーツとゲーム会社の関係性を深めるためにも、まずeスポーツとはどんなものかを整理し、そのうえで参入のメリットや注意点を紹介していきますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
目次
1.eスポーツとは
この項目では、まず「eスポーツ」とはどんなものなのかを解説します。
eスポーツの「e」はelectronicという英単語の頭文字で、「電子的な」、「電子工学の」という意味を持っています。そのためeスポーツは、コンピューターなどの電子機器を用いて行うスポーツを表す言葉です。
日本は1980年代からゲーム大国として世界に知られてきましたが、eスポーツの分野では後れを取ってしまいました。ゲームをプレイすること自体は各個人に浸透していても、ゲームへのネガティブな印象も存在していたことが関係しているようです。また、多くの日本人が持つ「スポーツ」と「ゲーム」の印象が合致しなかったことも浸透を阻む要因となっていたのでしょう。
個人でゲームをプレイすることとeスポーツが異なるのは、大会の主催者、プレイヤー、観客の3つの立場が存在する点です。また、eスポーツが競技である以上、さまざまなルールがあります。
eスポーツという言葉は2000年頃から使われていますが、コンピューターゲームで対戦する大会は1980年代から存在しています。1990年代になると世界各国で賞金額が上がりはじめ、それに伴ってプロ選手も増えていきました。またインターネットが普及したこともeスポーツの発展に寄与したことは間違いありません。
その後、海外で巨額の賞金が与えられる大会が増えたことで話題になり、日本でもスポーツのひとつとして認知されるようになりました。eスポーツ市場は世界ではすでに10億ドルを超えており、日本でも2025年には180億円程度に成長するという予測もあります。
このように確実な成長を続けている市場なので、そこに活路や利益を見込む企業の参入も年々増えているのです。
2. eスポーツにゲーム会社自体が参入するメリットと注意点
この項目では、ゲーム会社がeスポーツに参入することで得られるメリットと、参入によって発生する注意点を記載します。
2-1. 【メリット】チームとして活躍することで企業も注目される
企業がeスポーツに参入する場合、どのような業種であっても、注目を集めること自体が目的のひとつとなるでしょう。eスポーツは近年特に注目が集まっている分野ですから、チームが活躍すればそれだけ話題に上ることができるわけです。
その効果はどんな企業でも得られるでしょうが、日々ゲームを扱っているゲーム会社にとっては、ユーザーにアピールできる度合いはさらに大きいでしょう。
2-2. 【メリット】ゲーム会社同士の交流・コラボレーションのきっかけになる
競技として扱うゲームもどこかのゲーム会社が作っているわけですから、それを別のゲーム会社がプレイすることでゲーム会社同士の交流が深まります。
例えばA社のチームが、B社のタイトルを競技としてプレイすることで企業同士の接点が増え、ゲーム開発のコラボレーションが生まれるなどの波及効果も期待できます。
2-3. 【注意点】自社eスポーツ向けタイトルのためにチームを結成するのは注意が必要
自社が開発したゲームを競技としてプレイする場合、「自社チームが有利になるように調整しているのではないか?」、「他のチームが知ることができない情報を得ているのではないか?」といった疑いをかけられる可能性はあります。
実際は何の問題もなく、フェアネスに徹しているとしてもネガティブなデマを流す人はいるでしょうから、注意が必要です。
2-4. 【注意点】コンプライアンスやリスペクトに欠けた言動のリスクに留意する
競技としてプレイしていれば、熱くなってしまうこともあり、相手チームに失礼な発言をしたり、コンプライアンス上問題となる行動が出たりすることもあり得ます。
個人であればさほど大きな問題にはならないような言動でも、企業が介在していれば責任を問われることもあるでしょう。そのため、チームとしての言動には注意を払う必要があります。
3. eスポーツに参入し、チームもプロデュースしているゲーム会社
この項目では、eスポーツに参入しているだけでなく、チームのプロデュースも行っているゲーム会社を紹介します。
3-1. 株式会社デジタルハーツ
株式会社デジタルハーツは、ゲームのデバッグやローカライズなどを行っている企業です。
eスポーツに関しても複数の実績を持っており、その一つがDIGITAL HEARTS Gamingというチームを立ち上げたことです。実業団スタイルでチーム運営をしており、選手はプロゲーマーでありながら、ゲーム開発や営業などの業務も行っています。また、eスポーツの選手強化・育成のためのプログラム開発も行うなど、意欲的な取り組みが豊富です。
また、デジタルハーツは格闘ゲームを扱う大会であるEVO Japanの運営を2016年から2018年まで行って、日本のeスポーツシーンを盛り上げてきた実績も持っています。
デジタルハーツの会社情報をまとめたコラムもありますのでぜひ以下もご参照ください。
→「株式会社デジタルハーツホールディングス」
3-2. 株式会社Cygames
株式会社Cygamesは、『ウマ娘 プリティーダービー』や『シャドウバース』、『グランブルーファンタジー』などのヒットタイトルを生み出しているゲーム会社です。
eスポーツの分野では、Team Cygamesという、『マジック:ザ・ギャザリング』のプロプレイヤーチームを立ちあげています。Team Cygamesが立ち上がった時期にはまだプロチームやプロゲーマーが少なかったことから、ゲーム会社がチームを作ることでプレイヤーに貢献したい、と考えたのだそうです。
Team Cygamesはさまざまな大会に参加して活躍しているだけでなく、ホームページやSNSでの情報発信、メディア出演など多彩な活動を続けています。
Cygamesへの就職を目指す人に向けたコラムもありますので、ぜひ以下もご参照ください。
→「Cygames(サイゲームス)に就職したい!会社の概要と就職の際のポイント」
4. eスポーツに積極的な取り組みをしているゲーム会社
この項目では、eスポーツに関連する取り組みを積極的に行っているゲーム会社を紹介していきます。
4-1. 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
コナミデジタルエンタテインメントは、『ウイニングイレブン』シリーズや『実況パワフルプロ野球』シリーズなどを生み出したゲーム会社ですから、もともと「スポーツ」との親和性が強い特徴を持っています。
そんな中で、esports 銀座 schoolという全日制のプロゲーマー教育機関を立ち上げて、日本のeスポーツ人口の底上げやレベルアップに貢献しています。また、自社タイトルである『プロ野球スピリッツA』を使用した「eBASEBALLプロスピAリーグ」というプロ野球eスポーツリーグを、NPB(日本プロ野球機構)と共催しています。
このリーグのオンライン予選には『プロ野球スピリッツA』の全ユーザーが参加可能ですが、本戦の選手に選ばれるには年齢制限やオンライン面接があります。そのうえで、試合報酬やタイトル獲得報酬が支払われるシステムが形成されています。
コナミデジタルエンタテインメントの会社情報をまとめたコラムもありますのでぜひ以下もご参照ください。
→「株式会社コナミデジタルエンタテインメント」
4-2. 株式会社ミクシィ
株式会社ミクシィは、『モンスターストライク』の長期にわたるヒットで、ゲーム業界内に確かな位置を築いています。
そんな中で、ミクシィのエンターテインメント事業ブランドであるXFLAGは、『モンスターストライク』を種目としたeスポーツ大会「モンストグランプリ」を開催。この大会は2015年から2022年まで、途切れることなく続いています。
さらに、18歳未満を対象とする「モンストジュニアグランプリ」や、プロゲーマーを含むチームを対象とする「モンスト プロツアー」など多数のイベントを開催して、eスポーツの発展に貢献しています。
株式会社ミクシィの会社情報をまとめたコラムもありますのでぜひ以下もご参照ください。
→「株式会社ミクシィ」
4-3. 株式会社カプコン
株式会社カプコンは、『モンスターハンター』シリーズや『バイオハザード』シリーズなど、多数のヒットタイトルで知られるゲーム会社です。そんな中でも、eスポーツの種目として多く使用されるのは、格闘ゲームの代表作である『ストリートファイター』シリーズでしょう。
カプコン公式でストリートファイターVのチームリーグ戦を行うストリートファイターリーグ(SFL)が初開催されたのは2018年のことです。以来、毎試合ごとに熱い戦いが繰り広げられ、手に汗握る展開と、プロ同士の技がぶつかり合う感動を生み出しています。また、カプコンは大会開催だけでなく、配信にも力を入れており、リーグ戦の全節をライブ配信しています。
株式会社カプコンの会社情報をまとめたコラムもありますのでぜひ以下もご参照ください。
→「株式会社カプコン」
5. まとめ
そもそも「eスポーツ」とはどんなものか、という解説をしたうえで、eスポーツにゲーム会社が参入するメリットや注意点をまとめました。また、eスポーツに積極的に参加・貢献しているゲーム会社も紹介しています。
eスポーツは、初期には「スポーツ」として認められなかったり、海外の高額賞金ばかりが取り上げられてその本質が理解されなかったりした時期もありました。しかし近年は、日本でも参入する企業や楽しみにしているファンが増えるなど浸透が進んでいます。
ゲーム会社として参入するメリットもありますが、ゲーム会社だからこそ存在する注意点もあります。そのため参入を検討する場合は、ぜひポイントを押さえてトラブルが無いように進めましょう。
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