「フリーゲーム」とは?ゲーム好きなら知っておきたい概要や名作について


 
今回は、「フリーゲーム」について紐解いていきます。言葉は聞いたことはあっても、「どんなものかよくわからない」、「インディーゲームと何が違うの?」という人も少なくないでしょう。「フリーゲーム」の定義やインディーズゲームとの違い、特徴や歴史に残る名作などを解説します。ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
 

1. フリーゲームとは

フリーゲームは、ネット上で無償にて提供されているゲームソフトのことです。フリーとは「無料でプレイできる」という意味を持っていますが、何をしても良い「自由」を意味するものではありません。フリーゲームにも著作権は存在しており、断りなく商業化したり二次創作したりする行為は法律で禁じられています。
 
2000年頃にフリーゲームの流行があったので、その時期の流れからパソコンでプレイするものが多い傾向がありましたが、近年はアプリとしてスマホでプレイできるものも多数あります。
 

1-1. フリーゲームとインディーゲームの違い

そもそも「インディー」とは「independent」の略で、「独立した」「自主的な」といった意味を持っています。音楽や映画の分野でも使われますが、大手の会社に所属せずに自主制作する作品に用いられる言葉です。
 
とはいえ、「インディーゲームを作っている会社」も存在しており、大きく収益を上げてもインディーゲームに分類されていることもあるため、実際の定義はあいまいです。ただし、いわゆる大手ゲーム会社が作るAAAタイトルと違うことは明確です。
 
一方、フリーゲームの定義は無料でプレイできることです。上記の定義でフリーゲームとインディーゲームを区別できるのは、無料でプレイできるかどうかの違いです。フリーゲームのほとんどは大手ゲーム会社が作っているわけではありませんから、インディーゲームの中で無料プレイできるものがフリーゲームという言い方もできるでしょう。
 

1-2. フリーゲームの歴史

無料でプレイできるゲーム自体は2000年以前から存在していましたが、一般の人に広く親しまれるようになったのは、2000年以降です。これは、まず1990年代以降にパソコンとインターネットの普及が始まったことと、2000年に株式会社アスキーが「RPGツクール2000」というツールをリリースしたことに起因しています。パソコンと「RPGツクール2000」があれば、自作でゲームを制作する環境が整うので、ゲーム会社に属しないインディークリエイターが増加したのです。
 
また、ネット上やゲーム雑誌等でフリーソフトが紹介されることも増えて、プレイヤーもどんどん増加した結果、2000年頃に一大フリーゲームブームが沸き起こりました。
 
一時期のブームこそ過ぎ去ったものの、現在ではさらに個人でゲームを作るハードルが下がっており、日々さまざまなフリーゲームがネット上で公開されています。
 

2. フリーゲームの特徴

この項目では、フリーゲームならではの特徴を説明します。
 

2-1. 無料なので気軽に遊ぶことができる

フリーゲームは、名称の通りすべて「無料」でプレイすることができます。そのため、ユーザーにとってはお金をかけずに気軽に楽しめるメリットがあります。
 

2-2. 売上よりも自分の表現したいものを重視した作品が数多くある

商業目的のゲームであれば、ユーザーを意識する必要があります。一方フリーゲームはそもそも利益を目的としていないので、クリエイターが作りたいもの、表現したいことを追求できます。
 
もちろん、商業目的ではないのでクオリティが低いゲームもあり、「面白い」と表現できない作品もあるでしょう。しかし、製作者のこだわりが見えるフリーゲームも多数存在しており、その「こだわり」に触れることもフリーゲームの楽しみ方のひとつと言えるでしょう。
 

2-3. 作者とユーザーの距離が近いことが多い

フリーゲームを作ってネットに上げれば、プレイした人から感想や評価をもらえることがあります。中には厳しい評価や心無い言葉もあるかもしれませんが、ユーザーとの距離が近いことはフリーゲームならではの特徴のひとつです。
 

3. 開発した作品を無料で(フリーゲームとして)公開するメリットとデメリット

この項目では、自力で苦労して開発した作品をあえて無料で公開することのメリット・デメリットを解説します。
 

3-1. フリーゲームとして作品を世間に公開するメリット

形はどうであれ、作ったゲームを公開して人にプレイしてもらうこと自体が大きなメリットです。中には酷評する人もいるかもしれません。
 
しかし、そもそも無料ですから、名も知らぬクリエイターの作品に高い期待を持つ人はほとんどいません。そのため好意的な意見をもらえることも少なくありません。また、フォロワーが多いインフルエンサーなどがSNSなどで高評価してくれれば、一気にプレイヤーも増えます。
 
そのため、まずは手ごたえを見るためにフリーゲームとして公開し、有料に切り替える人もいます。また、ゲーム業界への就職を目指す人なら、ポートフォリオとして使用することもできます。
 

3-2. フリーゲームとして作品を世間に公開するデメリット

残念ながら、無名の人がそっとフリーゲームを公開しても、ほとんど誰もプレイしてくれない、という現実もあります。
 
無料とはいえ、誰にとっても時間は有限なので、大切な時間を使ってまで正体のわからないゲームを試してみる人はほとんどいません。自力でも他力でも良いので、何らかのアピールをしなければ触ってくれる人はいないと考えておくべきでしょう。
 
また、商業的なものではなくても最低限のポリシーに反するようでは批判を受けることはあります。表現などには十分に注意しましょう。
 

4. フリーゲームの代表的な作品

この項目では、フリーゲームの代表的な作品をいくつか紹介します。とはいえ、フリーゲームの中にも名作と呼ばれるものは無数にあるので、あくまでもごく一部に過ぎないことはご理解ください。
 

4-1. ゆめにっき

『ゆめにっき』はRPGツクールで制作され、2004年に公開された作品です。作者はききやま氏です。
 
特にストーリーはなく、夢の中を歩き回りながら「エフェクト」というアイテムを集めるゲームです。独特の世界観で幅広い人気を獲得し、二次創作的にマンガや音楽、派生ゲームも作られています。
 
KADOKAWAツクール開発チームから「RPGツクールで作製された作品の中でも最高傑作」という最大級の評価を得て、作者の了承を得て『YUMENIKKI-DREAM DAIRY』として再構築され、有料販売されています。
 

4-2. Ib

『Ib』と書いてイヴと発音されるゲームです。作者はkouri氏です。個人サイトである「モノクロミュージアム」で2012年に初めて公開されています。
 
美術館を舞台とするアドベンチャーホラーゲームで、製作に使用されたのはRPGツクール2000です。日本国内で評価されただけでなく、英語版や韓国語版のほか、ロシア語版やイタリア語版も出るなど、海外でも非常に高い評価を得た作品です。
 
なお、本作は有料のリメイク版も制作されており、2023年3月にNintendo Switch版が発売されています。
 

4-3. 青鬼

Noprops氏によって2004年に初めて公開されたホラーゲームです。制作ツールにはRPGツクールXPが使用されています。
 
洋館の中で青鬼に追われながら謎を解く、というゲーム性が2009年頃からゲーム実況を中心に話題となり、その後小説、舞台、マンガ、アニメ、映画とあらゆるジャンルで作品化されました。
 
ゲームとしてもブラウザ化、有償化が行われ、シリーズが複数作られる人気タイトルに成長しています。
 

4-4. シルフェイド幻想譚

SmokingWOLF氏が2007年6月に公開したRPGです。製作にはRPGツクール2000が使用されています。
 
15日後に消滅する世界を救うために『災い』の正体をつきとめ、阻止するという冒険物語です。概要だけ見ると王道ファンタジー感がありますが、非常に自由度が高く、主人公の行動が周囲の人々の生死に大きく影響するシビアな作風に仕上げられています。
 
テックウィンコンテストパークで金賞を受賞した実績があるなど、フリーゲーム好きの間では非常に有名な作品です。
 

4-5. Elona

Noa氏がHSPで開発したローグライクゲームで、2007年に初めて公開されています。
 
メインのクエストが存在しますが、プレイヤーは用意された世界の中で自由に行動することができます。ランダム生成されるダンジョンを楽しむ作風は多くのローグライクゲームと同様ですが、いったん死んでもロード可能なので、ゼロからやり直し続けることはありません。
 
2021年4月には、スマートフォン向けのアプリとしてElona Mobileがリリースされました。
 

4-6. Ruina 廃都の物語

枯草章吉氏がRPGツクール2000で開発したRPGです。最初のリリースは2008年で、同年の「ふりーむ!第四回ゲームコンテスト」で最優秀賞を受賞しています。
 
迷い込んだ洞窟でマップ上を調べながら空白を埋めていくゲームで、謎解き要素なども多く盛り込まれています。シナリオの作り込みが膨大で、マルチな展開でも人気を博しました。
 
2018年にはノベライズもされていますし、2022年にはSteam向けにリメイクされるというニュースも流れました。
 

4-7. らんだむダンジョン(ざくざくアクターズ)

らんだむダンジョンは、はむすた氏がRPGツクールVXで開発したRPGで、3人の女子がダンジョンを探索していくゲームです。2009年に発表されており、2010年のベクター人気投票で準グランプリを獲得しています。
 
バトルや探索も楽しめる工夫が凝らされていますが、パロディ的な笑いが随所にちりばめられており、フリーゲームだからこそできる笑いを活かした作風も人気の理由でしょう。
 
ざくざくアクターズは、同氏がRPGツクールVXaceで開発し、2012年に公開した長編RPGです。別世界から召喚されたハグレと呼ばれるキャラクターたちが自分たちの王国を作ることがゲームの目的です。キャラクターが繰り広げる漫才のような会話劇が大きな魅力となっています。
 

4-8. 洞窟物語

開発室Pixelが作成した横スクロール2Dアクションです。2004年に公開されており、マルチエンディングがあることも含めてやりこみ要素が強い点が評価されています。日本国内だけでなく、海外でも幅広い人気を獲得しました。
 
レトロゲーム感やアクションの面白さなどで年数が経っても人気が衰えず、2008年にアメリカでWiiウェア版の配信が行われたうえに、2012年にはタイム誌で「世界で最も偉大なゲーム100」のひとつに選出されています。
 

5. まとめ

「フリーゲーム」がどんなものかを解説し、その特徴をまとめたうえで代表作も紹介しました。2000年代に大きな話題になったフリーゲームですが、インディーズゲームの発掘が盛んになったことや、ダウンロードでゲームを楽しむ環境が整備されたことなどで最近も広く楽しまれています。
 
フリーゲームに馴染みが無いという人も、この機会に有名作品に触れてみてはいかがでしょう。
 

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