日本初!「かるた・将棋体験会&講演会」 イベントレポート
11月4日(月) に品川区立中小企業センターにて、かるた・将棋体験会&講演会が開催されました。
体験会では、第65期かるた名人の粂原圭太郎氏(写真右)と日本将棋連盟女流棋士の香川愛生氏(写真中央)がそれぞれかるたと将棋の指導を行いました。
また、講演会では、お二方に加え、ゲームクリエイターの蛭田 健司氏(写真左)が参加し、異なる業種で活躍する三名による鼎談が行われました。
体験会では、未経験の方も参加して和気あいあいとした雰囲気の中、参加者の皆様は初めて触れるかるたや将棋を楽しんでいました。
また、競技かるたのデモンストレーションには、粂原名人も加わり、熱い戦いを繰り広げられました!
将棋の指導対局では香川愛生氏が同時に五人と対局を行いました。
講演会では、かるた、将棋、ゲームそれぞれの業界の最前線で活躍しているお三方から貴重なお話をたくさんお聞きすることができました。
粂原氏は、現在かるた名人であると共に、株式会社iMotivationsを設立し、粂原学園代表とし教育ビジネスも手掛けておりマルチに活躍されています。
かるたの世界では職業として「プロ」が無く、副業が当たり前の世界。
そんな粂原氏が、かるたに興味を持ったきっかけは、出身地が群馬県だったから。
群馬県では県民が熱愛する「上毛かるた」というご当地かるたがあり、そこからより深いかるたの世界、百人一首にはまっていかれたそうです。
学生時代から、やりたいことがたくさんあった粂原氏に香川氏から、モチベーションについて質問があると、「その瞬間ごとにやりたいことがあってそこにはまった結果、マルチになった。完全衝動タイプです(笑)」と自身を分析されていました。
蛭田氏も粂原氏に共感できる部分があるとおっしゃっていました。
一方、日本将棋連盟女流棋士であり、株式会社AKALIの代表取締役も務める香川氏は、「好きなこと」をベースに何かしら将棋に繋がればという思いがモチベーションになっているとのことでした。
また、かるたや将棋には試合があり、そのための準備を何かしているかという質問では、香川氏は大会に備えて前日に何か準備をするということはなく、日々何をやるかが大切とお話しいただきました。
粂原様はイチローやジョブズに憧れており、大会には決まった服を着て験を担いでいらっしゃるとのことでした。
粂原氏も香川氏も、努力家と言われることが多いようですが、ご本人たちは努力していた自覚は全くなく、寝ても覚めてもかるた・将棋のことを考える時期があり、その時期に力が伸びたと感じられたようです。
また、専門分野で実績を挙げながら他分野でも役に立ったことはないかという質問では、粂原氏は
「かるたをする上で読み札を暗記する必要があったため、覚えることが得意になり、勉強に役に立った。
それ以上にかるたで繋がった人間関係が大切。数年前まで半年間無気力な時期があった。
その時にかるた仲間にかるたに誘ってもらい、運良く優勝できたことで、しがらみからリセットでき、克服することができた。」
と回答されました。
香川氏は
「将棋は勝負の世界。運要素が全くないからこそ、やったら勝てるか分析する力が付く。
だから最善のある世界観、例えばじぶんで目的を作って達成するというのは得意。あとは切り替えが早い。
勝負に負けたとき、反省するポイントは自分の中にしかないので、どうやって自分のなかで次のステップに進めるか決めないと永遠に考えてしまう。だから切り替える。
無限に悩んだ末に実りのない結果を生んでしまった時期があったからこそできる。」
とご自身の経験を振り返りお話しいただきました。
ゲームに携わる蛭田氏は
「元々ゲームが好きだった。ゲームをクリアするのはコツを掴む必要がある。
新しいゲームをするたびに、新しいコツを掴む訓練ができていたからこそ、事業戦略を任されたときに、これから始める新しい事業のどこがキーポイントなのかを把握することができた。
また将棋では、先を読むことを鍛えられたので、高いレベルの仕事に挑戦する際に役立った。」
と、事業のハイレイヤーでも活かせるポイントについてお答えいただきました。
また、ゲーム開発の技術は様々な分野に応用が拡がっており、AIなどが多くの仕事を置き換えても、長く残っていく将来性の大きな業界であることもお話しいただきました。
お三方の赤裸々なお話をじっくり聞かせていただいた講演会は、時々会場からも笑い声があがり、終始和やかな雰囲気でした!
参加者からは、「かるた・将棋・ゲームのより深い魅力に気づけた」「遊びとして面白いだけでなく、勉強や仕事などにも役立てることがあるとは知らなかった」といった声が聞かれました。
香川氏・蛭田氏が代表取締役を務める株式会社AKALIでは、他にも地方創生イベントなどを開催されています。
地方創生の取り組みや今後の業界発展への貢献についての記事は、下記URLよりご覧いただけますので、ぜひご覧ください!
【前編】https://game-creators.jp/column/099/
【後編】https://game-creators.jp/column/100/