高いグラフィック技術を持つ株式会社ニューロン・エイジ。20年の歴史を持つデベロッパーをご紹介!!
『モンスターハンターワールド』や『バイオハザード6』など、グラフィックが注目されるナンバリングタイトル。そのモデルやモーションなどの開発を受託するデベロッパー企業が、株式会社ニューロン・エイジです。
大阪に本社を構え、多くの有名パブリッシャーから熱い信頼を寄せられています。
今回は開発本部長の二階 学氏にニューロン・エイジの強みを、採用担当の井原 順司氏(写真左)、安岡 美江氏(写真右)に働きやすい環境の整備や人材についてお話を伺いました。
20年変化を続ける開発会社
――パブリッシャーの影に隠れてデベロッパー、開発会社は目立たないという現実があります。ニューロン・エイジもそこまでユーザーさんに知られた企業ではないと思うので、まずは二階さん中心に会社の説明をお願いします。
二階
うちの代表がカプコン出身ということもあり、20年近くカプコンさんの有名タイトルの開発支援を行ってきました。
現在は東京にも営業所を置き、カプコンさん以外のタイトルもいろいろと携わらせてもらっています。
――最近ではアニメの背景やCGの仕事もされていますね。
二階
アニメ背景やCGの仕事は東京でだけでやってますね。
井原
二階さんの趣味でしょ(笑)。
二階
僕が東京営業所で働いていた時に、アニメの仕事もやってみたらいいのではと考え、いろんなところに行って「アニメの仕事受けます」とお伝えしていました。
すると親切に繋いでくれて、案件に結びつきましたね。
3Dに関するクリエイティブに幅広く携わりながらも、会社の体制的にはゲームに特化しています。
ゲームは完全オリジナルもありますし、もちろんこれまでの受託開発も拡大していっています。
――二階さんの経歴について教えて下さい。
二階
四年生大学に通っていましたが、就職氷河期というやつで就職に苦労しまして…結局フリーターになりました。
その時期に、親から映画に誘われて観たのが『スター・ウォーズ エピソード1』だったんですね。
その時に見たCGに感動して「これやろう!」と決めてからは、フリーターでお金を貯めて、専門学校に行きCGの勉強を行いました。
――それまでゲームの開発とか、プログラムの経験とかはなかった?
二階
ないですね。
映画が好きでよく見ていたくらいです。
だから僕、ゲーム業界志望じゃなかったんですよ。
ILM(インダストリアル・ライト&マジック)というアメリカの有名VFX会社に入ろうと思ってました。
CG作ったことないのに、舐めまくってたんですね(笑)。
この会社に入ろうと思った理由は一応あって、バイトしてた時代の知り合いの友人が、サンフランシスコでお店をやってたんです。
日本のバラエティ番組の録画をレンタルしているようなお店があって、そこで日本人のCGやれる人を探しているらしいという話を聞いて、遊びに行ってみた。
そうしたらILMのマットペインターの上杉裕世さんが出て来て、「就職したいの?」って、いきなり面接が始まるんですよ。
その時は「いや、これから学校行って勉強するんです」って話しただけだったけど、「よし、ILM入ったろ」という気持ちになった。
ただ実際、学校に入って勉強してみたらまぁ、レベルが高い。
そこで初めて業界のことを知るんですね。
――でも最初に日本人トップの人を引き当てたってことですよね。
二階
たまたまです。たまたま。
僕が行ったのは専門学校って言っても1年しかない学校で、週2回授業受けて、基本だけ学ぶ感じだったんですね。
その時にうちの代表の石塚が学校に講演に来てて、ニューロン・エイジという会社名は初めて聞いたけど、『バイオハザード』とか作ってるということで印象には残っていました。
でも、僕は映像業界目指してたので、映像業界企業の面接を受けていたんですが、これがまったく通らないんですよ。
それで就職も決まらず、引き続きバイトしていたら、ある日、石塚から電話がかかって来ましてね。
「お前、仕事やる気あるか?」って聞かれて「あります」って言ったら「明日から来い」みたいな。
急に決まりましたね(笑)。
――いきなり現場に入られたのですか。
二階
そうですね。
20年前だから、スタッフも20人くらいの時代。
自分は就職できたというより、入り込めたって感じだったんで、意地でも生き残ってやるって思ってました。
ただいきなりカプコンさんの仕事に放り込まれて、「一週間後にチェックやから」って言われて、めちゃめちゃ苦労しましたよ。
――その時のどんなタイトルの開発だったんですか。
二階
『デビルメイクライ3』ですね。
本当に大変で、もう寝てる時もずっと仕事のこと考えてましたよ。
いまでこそ、こう作ってと細かい指示が出ますけど、昔は詳細なデザインは無かったので今よりは大変だった気がします。
先方のイメージに合わないからって、4~5回作って壊しての繰り返しだったので、当時は「こういう業界かぁ~」って愕然としましたね。
最近のゲーム開発は効率重視なので、最初からデザインイメージがある方がほとんどで、こういったことはあまりないですけどね。
――生き残れると思ったきっかけはありましたか。
二階
なんやかんや耐えられたので根性は持っていたのと、「これやらなあかん!」となった時に画面に集中できる力はあった。
だからなのか、出来上がりの品質は置いておいて、結構作業スピードは速かったからだと思いますね。
――その後、どのように社内でキャリアを積まれたのでしょうか。
二階
同じような仕事ばっかりが続くことに飽きて来て、自分で営業したいとずっとアピールしてはいました。
会社が大きくなるタイミングで、マネージャーという役職を作ろうとなった時に、「やってみないか」と声をかけられマネージャー職になりました。
とはいえ、大阪は代表と本部長がある程度取り仕切っていたので、新たな案件開拓のため東京の会社を回って、種を撒いてました。
でも東京の会社からすると、東京に拠点がないというのが不安みたいで…東京に支社があればという話が多かったんですね。
そこで、会社に相談したところ東京営業所を出してみようということになって、そこからは面白かったですね。
――いつ頃のことでしょうか?
二階
6~7年前ですね。
全然開拓されていない場所なので、そのぶん交友関係も新しくできたし、面白かった。
その時に痛感したのが、現場ありきだってことです。
大阪から何人か派遣してもらった東京のメンバーと一緒に、ひとつずつ乗り切って。それを繰り返して、ニューロンならやってくれるという信頼を築いていきました。
楽しくはあったけど、向こうに出たての頃は、大変でしたよ。
頼むから仕事くれって、泣きついたこともありますもん(笑)。
――いまは東京のほうも大きくなりましたね。
二階
最初は5人程だったのが、いまは20人に増えていますよ。
東京がある程度大きくなった3年くらい前に、本部長に任命されて大阪に戻って来ました。
若い世代のためのオリジナル開発スタート
――ニューロン・エイジではグラフィックに定評のあるコンシューマ案件を多く手掛けていますよね。グラフィックを作る上でのこだわりについて教えて下さい。
二階
クオリティは当然こだわりますよ。
まずクライアントが求めているものは、当たり前に出す。
そしてそれにプラスαしよう、というのをいつも意識しています。
プラスαっていうのは絵的なクオリティだけじゃなくて、やり取り含めサービスとしてのクオリティも重要です。
先方に手間をかけさせないような仕事のやり方が常に根本にあります。
データを綺麗に作るのもそうだし、伝えなくちゃいけない内容の伝え方とかもそうです。
「クライアントから完全に一式情報を用意してもらわないと作れません。」みたいな馬鹿なことは言うなって話でもあります。
スタッフによって差があるんで、指導はしていかなきゃいけないですけど。
――指導で何か気にかけていることはありますか?
二階
全体で、というより、各チームリーダーがクオリティを担保するためにそれぞれ指導している感じですね。
井原
僕らが入った時はそれこそ、「できてないのに帰る?」みたいな感じでしたね。
そういう中でずっと引き継がれて来た「クオリティにこだわる」という経験が、いま一番仕事に反映されていると思います。
二階
これは現場とかマネージャーに言っていることですけど、気を使っているのは現場のモチベーションコントロールですね。
僕らの世代はある程度簡単なんだけど、若い世代をいかに気持ちよく仕事をしてもらうか。これが難しいですね。
同期をライバルだと思ってないし、競争って感覚も持っていない。
一方で足を引っ張り合うこともないから、指導する方が上手くできればグッと技術が上がるんですよ。
――モチベーションを維持してもらうためのコツを教えてもらえますでしょうか。
二階
現場レベルだと環境ですね。
開発環境の整備とか、やりたいタイトルをなるべく取ってくるようにというのは意識しています。
希望していたタイトルをどこかでちょっと差し込むだけでも、実際好きだから頑張ってくれますしね。
僕らも若い子から「こういう仕事したいんで取って来て下さい」って言われたらやる気が出るし、結局は同じなんですけどね。
――開発のスタッフとしていまこういう人が欲しい、というのはありますか?
二階
馬力がある子は欲しいですね。
いまは3年目でリーダーになるような、すごく成長していくれている子もいます。
うちの事業の主体である受託開発だけじゃなく、自分たちの新しいコンテンツを作っているチームがあるんですね。
そこにプログラマの若い子がいるんですが、彼は「自社エンジンを作りたい」って、うちに入ってくれたんですよ。
「そんなんすぐは無理やで」って言ったんだけど、メーカーに行ったらそこの開発エンジンを触らなくちゃいけないし、そのうちでもいいからって来てくれた。
いまはコンテンツ開発を担当しててエンジンを開発している訳ではないけど、そういう夢や思いを持っている子は、頼もしいと感じますね。
――ニューロン・エイジには目標がある人が活躍できる場所なんですね。
二階
クライアントがいる受託だと、突き詰めてクオリティを上げたいって人のほうが確実に向いている。
でもオリジナルのコンテンツを作るとなると、もっと幅広くゲーム全体に目を向けないといけない。
そういう人材もこれからは入れていかなくちゃいけませんね。
――受託とオリジナルの割合って、どのくらいでしょうか。
二階
受託が9割ですね。
オリジナルに関しては、いまは3人しか動かしていません。
まずは小さくコンパクトに儲けていこうということで、インディーズ向けに作っています。
20年近く部分受けの受託でやって来ましたが、世代も変わって若い子の働き方の幅を広げてあげたいなということで、開発部署も将来的に作っておきたい。
それで今年からオリジナルもやっています。
社内制度を整えて新人採用を強化
――次に井原さんと安岡さんを中心に、人事・採用関係について伺えればと思います。
井原
我々は人事でも採用に関する業務が多いです。
僕はもともとニューロン・エイジで開発をしていましたが、彼女は最初から新人の採用担当として入ってくれました。
いまは中途採用については僕がメインでやっているけど、ゆくゆくは彼女に中途採用も担ってもらおうと考えています。
安岡
私は人と関わる仕事がいいなと思って、新卒でアパレル業界に就職しました。
5年くらい働いて店長になったんですが、働きながら多くの人と関わるうちに採用とか人事の仕事に興味がわいて、大学生の時に住んでいた大阪で働きたいというのもあって、転職活動を始めたんです。
その活動中に、ニューロン・エイジの面接官同士のフレンドリーな雰囲気に惹かれて、2019年の春、ニューロン・エイジに転職しました。
井原
採用をやっていって感じるのは、ゲーム業界が成熟して来ているということ。
我々が入った頃は、さっきも二階が言っていた通り「明日から」みたいなのが普通にある業界だった。
でもいまは専門学校を出て学生もしっかりしているし、「なんでもいいからゲーム作りたい」ではなく、会社に就職するという感覚の人が多いですね。
それに対して会社側もちゃんとした制度や環境を提供していかなければならないというのは、ずっと思っています。
もともと代表がプライベートをしっかり取るという方針を持っていて、そのために休みをちゃんと取れたりとか、業務時間を圧縮して残業を減らそうということについてしっかり取り組んでいます。
安岡
うちは新卒採用に力を入れていて、毎年10名前後は採っています。
100名弱の会社が10名採用するって結構難しいことだけど、人ありきの仕事なので、彼らを育てれば会社がそれだけ広がって行くのではという考えを持っています。
――働き方の改革は進行中ということですね。
井原
そこは管理部が徹底的に勤怠を管理していますね。
残業が多いと注意されたりとか。
二階
僕が怒られるんですよ(笑)。
井原
有休を取ってないと個別に連絡来たりとか、そういうのはしっかりとやりましょうということで、まずはシステム面から取り組んでいます。
――新卒でこういう人が目立つ、というのはありますか?
井原
手に職の仕事なのでスキル面は見ますが、それ以外だとテンションが高い人が目立ちますね。
受け身のモチベーションではなくて、主体的に「俺はこういうことがしたい」というのを持っている人。
テンション高く自分がやりたいことを語れる人が目立つというのはあります。
安岡
いま社内のプログラマの人達に「パッション」という単語が流行していますが、それも同じことだと思います。
井原
何かあるとすぐ「パッションパッション」言ってる(笑)。
――これからニューロン・エイジが向かう先について教えて下さい。
二階
20年やっている受託の事業は今後も手堅く行いつつ、さらにクオリティを高めていきます。
あとは自社コンテンツもしっかりと確立して、売れたら売れたぶん儲かるという体制も整えたい。これは5年、10年という単位で取り組んでいきます。
実際にProjectPegasusというチームを組んで、インディーゲームの開発をしていて、今年のBitSummitで一応1本ゲームを発表しました。
経験のないことを0からやるプロジェクトだったので、そんなに高いハードルは設定してなくて、最低限BitSummitに出展はしましょう。
最後まで作り切るようにはしましょう。というオーダーでした。
でも意外とTwitterで反響があったので、アーリーアクセスという形でSteamでリリースして、いま正式版を春に予定しています。
『PLAY DOG PLAY TAG』という、犬が飼い主を振り回してビル壊すような、カジュアルゲームです。
『PLAY DOG PLAY TAG』
https://store.steampowered.com/app/1116800/PLAY_DOG_PLAY_TAG/
――話題になりましたね。
二階
ハードルは低かったんですが、やっているといろいろこだわりが出てくるみたいで、いま頑張って作っています。
今後もこちらからは最低限のステップだけ作ってあげる予定です。
細かいオーダー出さなくても、やりたいっていう子にしかやらせないし、そういうチームでありたいですしね。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
二階
いまは会社がチャレンジしている時期で、ベトナム支社なんかも動いています。
業界の流れが早いんで、いろんなことにチャレンジしないとついていけない。
だからチャレンジを楽しんでやりたい人が来てくれるといいなと思います。
井原
会社も20年経って、スタッフもいろいろと人生の転機を迎えました。
結婚したり、子供ができたりしても、長く働いてもらえるような制度をしっかり準備して、今後安心して働ける会社にしていきたいなと思います。
安岡
採用関係で新しくTwitter、Facebook、インスタグラムを始めました。そちらも覗いて頂ければと思います。
今後はデスク回りだったりオフィスの一部を載せて、どういうところで働いているのかということを学生に知ってもらいたいです。
――ありがとうございました。
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