独創的な『学びの環境』でデジタル人材を育成!町田・デザイン専門学校のカリキュラムと特徴に迫る!
町田・デザイン専門学校は、建築・ビジュアルデザイン・コミック分野について学べる総合デザイン専門学校です。
中でもWEB・CGアニメーション科は、動画表現、3DCG、キャラクターデザイン、映像編集といった複数の技術を学習できる環境がそろっており、多くのデジタル人材を業界に輩出しています。
今回はビジュアルデザイン学部の学科長である平井勝人さんに、町田・デザイン専門学校の特徴、WEB・CGアニメーション科のカリキュラム内容、そしてクリエイターに必要な専門技術と経験ついて詳しくお伺いしました!
〇ビジュアルデザイン学部学科長:平井勝人様
〇町田・デザイン専門学校校舎
対人コミュニケーションを重視する町田・デザイン専門学校の教育方針
――まずは、町田・デザイン専門学校の教育方針からご紹介願います。
教育方針は、“時代に適応する確かな専門技術の基礎を育成する”、“個性と創造性を発揮し生涯を通して人間性豊かに生きる人材を育成する”、“育成された技能者の活動を通して地域の産業と文化の発展に寄与する”の3つからなる建学の精神がベースとなっています。
特徴的な部分は少人数制を採用している点で、学生1人1人の顔をみながら教育を行っています。講師と学生、学生同士などの対人コミュニケーションを大事にしていこうという考え方が確立しており、この特徴は全学科に共通しています。
また、2、3年前からアルバイトしながら通う学生などを想定したeラーニングを取り入れています。
建築学科に通信教育の学部があり、スマートフォンやパソコンからいつでも何度でも勉強できる学習法を昼間部にも応用した形です。
本校は、月曜日から金曜日まで密度の高い時間割となっているので、好きなタイミングで学習できるeラーニングで自由度を高めたいという発想からスタートしました。
本校は専門学校であり実技がメインなので、概論をはじめとした座学がeラーニングの対象となっています。
WEB・CGアニメーション科では、“CG映像概論”と“WEB概論”の授業はビデオを見ながら進めて、ペーパーテストやGoogleフォームを使用したテストを行う形で採用しています。
今年2020年は新型コロナウイルス流行の影響が多少ありましたが、ビジュアルデザイン学部は各学生にノートPCを所有してもらった状態で授業を受けてもらっており、Google ClassroomやGoogle Meetの使用にすぐ移行できたので、授業の遅れはあまりありませんでした。2、3年生はある程度基本オペレーションもできたので問題もなかったです。
しかし、本校があまり家庭では使用されていないMacのPCを使用していたことから、新入生への導入は多少てこずりました。
多くの新入生がMacの使い方をまだ知らなかったのですが、ガイダンスや教材配布以外では登校できなかったので直接教えるわけにもいかず、スマートフォンを活用したり、YouTubeで画面収録した動画を見てもらったりと軌道に乗るまでは大変でした(笑)。
6月以降はスムーズになり、現在ではもう新入生も慣れています。
また、後期に入ってからは登校も行いつつ、オンライン授業も残っているという形です。
――オンライン授業への対応は早期に行われた印象があります。実際のところはいかがだったのでしょうか?
ノートPCを教材にしているのはビジュアルデザイン学部だけで、他の学部などはPCルームで授業を行っていたことなど、学部ごとに環境の違いがあったため、学部ごとに多少の差異はありましたが、基本的には早かったと思います。
ノートPCは8年前くらいから導入しているので教員側も慣れていましたし、3年程前にはGoogle Classroomの学校認可も下りていました。
課題としては、学生や非常勤の講師さんに普段使ったことのないGoogle Meetの操作を覚えてもらうことで、この点は専任の先生に協力してもらいました。ビジュアルデザイン学部はPCを一番頻繁に扱うので、まったく問題はありませんでした。
――町田・デザイン専門学校の特徴である“ピア教育”についてもお聞きできればと思います。
講師から学生へものを教えるという流れだけでなく、学生同士の関係による相乗効果も生かして、勉強や気づき、人間的なステップアップに活用していこうという考え方です。
他の学校でも行われるようなグループ制作はもちろん、学生間での情報共有、学年を超えたグループワークなどが行われます。
――平井様のご経歴と現在の職務内容について教えて下さい
現在は、WEB・CGアニメーション科の学科担当を行っており、カリキュラムの決定や学科統括マネジメント、ビジュアルデザイン学部の取りまとめ、WEB・CGアニメーション科のいくつかの授業の受け持ちなどが仕事です。
元々はゲームのグラフィッカーをやっていて、ファミリーコンピュータのドット絵の時代からPS2の3DCGの時代まで幅広く仕事を続けていました。
その経験を生かして、生徒に技術や考え方を伝えられたらと考え、教員になりました。
1年次で習うのは学科で扱う基礎知識の“ほぼすべて”!?
――学科の教育方針やコンセプトについて教えて下さい
専門学校には学習の中で手を動かして物を作ってこそという部分があるので、これを方針としている他、本学科では複数の分野を勉強します。私がゲーム業界で働いてきた中では、何か1つのことができればよいというものではなく、さまざまな技術を要求されました。
また、WEB・CGアニメーション科を担当してきた20年の中で“幅広いことができれば息の長いクリエイターになる”という思いに至りました。
そのような経緯から、現在のカリキュラムとなりました。
学校の在り方としては、入学する人がどの学科に入りたいか、または入るべきかわかるように学科が細かく分かれており、それは本校でもある程度当てはまります。
ですが、クリエイターの現場においては、学校では分かれている分野が思っているよりもつながりを持っており、学生時代に1つのことだけを勉強しても社会に出てから苦労してしまうということがあります。
また、さまざまな分野について勉強すれば、例えば就職の時にゲーム、WEBデザイン以外の道に進めるように選択肢が増えていきます。
本校では、基本的に2年次で行きたい分野を決めつつ、3年の在学期間の中で授業を受けながら自分に向いている、あるいは興味が持てるものを探していきます。
――在学期間における学習の流れはどのようなものになっていますか?
1年次は全科目必修となっており、学科で取り扱う専門分野のベースとなる知識をほぼすべて、プロになれなくてもある程度できるレベルまで教えます。
私以外は現場で働く方々に講師として来てもらい、今現場で必要なことを教えていただく形となっています。1年次から業界について講師に話を聞きます。
1年次の授業はソフトウェアとの連携はそこまで行っておらず、2年次からソフトと連携して作品を作るなど、本格的に連携が行われるようになります。
2年次と3年次はコーチングのような形となっており、作品をどんどん作ってもらって、それに対して講師が感想やアドバイスを返していきます。
どうしても教えるだけでは限界があるので、この過程で新たな発見を得たり、能力を伸ばしたりしてもらいます。
――いわゆる“現場力”や“仕事に取り組む姿勢”という部分は重視されていますか?
専門学校に通う期間は、高校生が社会人になるための期間でもあると考えているので、“現場力”については生徒の入学時から熱心に伝えています。社会においては、礼儀はもちろん現場での考え方や姿勢も非常に大事で、それがなければ信頼を得ることは難しいです。
我々が目標としているのは、最先端技術の習得というよりは、クリエイティブの現場で仕事をする時に“この人なら任せられる”と思われる人材育成です。
例えばイラストならば、“趣味として、自分のために描く”という考えを“仕事として、他人のために描く”という考え方にシフトさせることとなります。社会に出るまでは自分磨きの時間ですから自分のためでも問題ないですが、社会では自分が得たものを他人のために使うこととなります。大変なことではありますが、学生にしっかりとその意識づけができるよう気を付けています。これは現場を経験した講師陣だからこそと自負しています。
――“現場力”の育成について、生徒との付き合い方で苦労したエピソードなどはございますか?
昔は尖った気質の生徒や反抗する生徒が多く、苦労した経験はありましたが、今は真面目で聞き分けのいい学生が多く、あまりありませんね。20年間この仕事を続けてきて、学生の気質が変化してきたのを感じます。
現在では真面目に取り組む生徒が多く、言ったことは素直に聞き入れてくれますが、もう少し尖った気質を持ってもいいかもしれませんね(笑)。
ただ、プライドを持っている学生や真面目な反面繊細な学生はいます。キツいことを言われたり、プライドが折れてしまったりすると2度と立ち直れないということもあります。プライドを持つこと自体は悪いことではないので、そうした学生をうまくサポートするのが我々の役目だと考えています。
時代によって学生の気質に変化はありますが、長く活動を続けられるクリエイターの育成という目的は変わりません。
たまに卒業生と会うことがあるのですが、クリエイターの現場においてさまざまな出身の人と出会う中で、幅広い分野を勉強でき、尚且つそれが現場で役に立つところが本校の魅力に感じたと言ってもらえたことがあり、それはとてもうれしかったですね。
“現場力”の重視という話題に話が戻りますが、幅広い分野を勉強すれば、何か1つの物事を進めるにも効率的な考え方や技術を応用した考え方など、複数の選択肢から選ぶことができます。また、ビジュアルデザインの分野は意外とさまざまな他分野とのつながりがありますし、現在では昔と比べて他の分野との垣根がなくなってきたことで、その傾向はより顕著になっています。
私もキャラクターデザインとしてゲーム会社に入社したのですが、実際のところはキャラクターを動かす必要がありますし、その他にも風景を描く、さまざまな角度からのキャラクターの描画、時代の変化によるPhotoshopへの対応、3DCGでのムービー作成など、幅広い技術が必要でした。ですが、それはクリエイターとして豊かになることにつながりました。1番の気持ちは“モノづくりが楽しい”ということだったのです。
就職するということももちろん大事ですが、さまざまな作品を作って人に見てもらうということがクリエイターとして重要なポイントのはずです。
――町田・デザイン専門学校では、アナログ力も重視しているとのことですが、“アナログ”とはどのような要素を指すのでしょうか?
アナログの作業というと、主にデッサンや画材を使った絵のような、デジタルでないものを指すと思います。
以前は、アナログとデジタルは分けて考えられがちでしたが、現在では上手く融合してきています。そういった意味で、技術面ではデジタルやアナログという分けた考え方はあまりなくなってきているかもしれません。
いま求められるアナログ力というとやはり、ヒトの発想力や持っている環境を上手に工夫する力、でしょうか。それらをデジタルの技術力と併せ持っていることが必要になってきています。
言い換えると “ツールに依存しない、縛られない作品制作ができるようになる”といったところでしょうか。
〇実際のデッサン授業の様子
――学生に人気の授業などはありますか?
入学したばかりの学生は3DCGのスカルプトモデリングに興味を持つことが多いですね。
直感的なところにおもしろみを感じるのか、熱心に取り組みます。それぞれの目標や進路が決まってくると、必要なものに応じて授業を選択していくようになるので、楽しい授業を選ぶというよりは必要な授業を選ぶように傾向が変化していきます。
〇1年次から3年次に学ぶカリキュラム例
――今後取り入れていきたい技術などはありますか?
今の時点ですでに広く扱っているので、今はあまり考えていませんが、仕事の現場の動きには敏感に対応し、企業の方からの意見も取り入れています。
また、クリエイティブの現場で活躍する先生が授業の中で経験をもとに必要なツールや役立つツールを紹介してくれているので、意外と授業で扱っていないソフトウェアを触っている学生も多いのです。
仕事の現場で必須のソフトは1年次に授業で学習しますが、2年次以降に使用するソフトは原則フリーにしています。基本のソフトが習得できていれば、それ以降は各自が使いやすいソフトを使ってもらう、という形です。学生同士で教えあうこともあるので、3年間で10本以上のソフトウェアを使えるようになります。
学生が使用するソフトウェアに関する話と少し関係しているのですが、本校では理解できないことをすぐに先生に聞くということはあまりやりません。
1年次は導入なので、分からなくて当然ですから聞きに来てもらっていますが、2年次以降はわからないことがあってもまずは自分で調べるか周りの学生に聞くという方針で、先生は最後の確認のような立ち位置となっています。
仕事の現場では、新しい技術について自分で学習しなければなりませんから、聞き癖を付けないようにするための取り組みです。これも1つの現場への対応力といえるかもしれません。
また、このことを最初に説明するからか、先生に用がある時は分からない部分の質問よりも、作品を見せにくることが多いですね。
――カリキュラム決める作業において何か基準などはありますか?
クリエイターの現場ではどんどん新しい技術が使われるようになっていくので、細かい部分について非常勤の講師から意見をもらうことがあります。
また、教育課程編成委員会で企業の方とミーティングを行う機会があるので、その際にカリキュラムについて意見をいただいたり、こちらから提案したりします。
知識よりも情熱が大事。学生に対する思い
――町田・デザイン専門学校にはどのような生徒が入学されるのか、お聞かせいただけますか?
入学する前からデジタルイラストを描いていたという学生はとても多く、割合でいうと7、8割くらいで、中にはスマートフォンで描いていた人もいます。
一方、映像編集や3DCGの経験がある学生は少なく、年に1人いるかいないかといったところです。
なお、本校では経験の有無で区別せず新入生全員を初学者として教育しており、学生にもその旨を説明しています。
経験がない=できないというわけではないので、未経験の学生でも数カ月で高校まで絵を描いていた学生のベースに届くことが多いですし、場合によっては他の学生を追い越していくケースもあります。
初めて学習を始めたという学生の吸収力は凄いですから、事前に経験していた学生と割と早めに実力が並ぶことが多いです。
学生が本校を選ぶ理由としては、先生と学生の距離が近しいという部分があるようです。校内では先生と学生が世間話をしているなど、節度を保ったうえでフレンドリーに話せる関係となっています。
イベントなどでこの校風を見て入学を決めてくれる生徒が多いようで、入学の理由でも挙げられることが多いです。もちろん、入学の理由として幅広い分野を勉強できる点を挙げてくれる生徒もいます。
〇入学相談会の様子
――卒業生の進路として、主要な業界などはありますか? また、活躍している生徒に共通点などはありますか?
特にどの業界が多いというような偏りはありません。
TV関係を含むCMやPVなどの映像の仕事、3DCGのスタジオ、ゲーム、WEBデザイナーなど、その年ごとの偏りは多少ありますが、トータルで見ると卒業生たちはバランスよくさまざまな業界に進んでいます。
卒業後に活躍している卒業生については、簡単にあきらめない、粘り強かった学生が多いですね。在学中はチャレンジ精神が強かったり、研究熱心でさまざまな作品を作ったりしている印象があります。“自分にはできる”というポジティブな自信がある学生たちは社会に出てからしっかりと仕事している印象があります。
――こういった特徴は現代におけるクリエイターに求められるとも共通するのでしょうか?
共通していると思います。
最近ではないことですが、私が働いていたころのゲーム会社は泊まり込んで仕事をしていることが往々にしてありました。当時は労働時間に関する線引きが今ほど厳しくなかったので、やりたいだけやるという感じでしたね。
しかし泊まり込みで仕事といっても、作業量が多すぎて帰れないというよりは、もっとクオリティを上げたいから自発的にやっていたというイメージです。
最近ではオンラインでデータ更新できるようになりましたが、一度リリースしたら後戻りできないという点では今も昔も変わりません。その中で、あきらめずに粘り強く自分のできる限りのことをするということは必要だと思います。
また、これからのクリエイターには管理力も求められると思います。
ゲームの仕事をしている時にロサンゼルスのCG会社を見学したのですが、現地の方々はクリエイティブ業でも定時退社で、特定の日にはBBQなどを行っていました。
それを見て、同行者が「うらやましい」と漏らしたところ、「やることは沢山ある。いかに時間内に終わらせるよう努力するかが大事だ」と言われて目から鱗でした。今では日本も当時のロサンゼルスのように、計画を立てて時間内に目標に達成する働き方になっています。
――入学を検討している読者へメッセージをお願いします
入学を考えている本人や親御さんから「PCやデザインの知識がなくても入学できますか?」という質問をよくいただきます。回答としては、本校では前述の通りゼロから物事を教えるので、事前に知識は必要ありません。
やりたいという強い気持ちが重要ですので、クリエイターの道に躊躇している人は、まずは勇気を出して踏み出して欲しいです。知らないことはやらないことの理由にはなりませんから。
私の本心としましては、学生にやりたいという気持ちがある以上は、とことん付き合って教えることを信条としています。
――今後クリエイターを目指す読者に向けてメッセージをお願いします
WEB・CGアニメーション科はエンターテイメント分野のクリエイター育成を目的にしています。クリエイターは人に楽しい時間を与えるために頑張る仕事だと思っています。
なので、ユーザーを楽しませることに情熱を持つクリエイターになってほしいですね。
新型コロナウイルスの流行で多くの人が実感したことですが、エンターテイメントは現代になくてはならないものです。エンターテイメントを創作し、人々に提供するというのは誇らしい仕事だと思って欲しいです。
私が現場にいたときに実感したのは、“他の誰でもない自分だからこの作品はこのように出来上がった”ということでした。
他の人ならば違う結果だった、自分の成果がこうして形になったのだという充実感が確かにあったので、それを味わってほしいです。
――ありがとうございました。
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