コロプラが目指すこれからの『CX』! お客さまをファンに変えるプロフェッショナル集団の仕事に迫る
『白猫プロジェクト』、『黒猫のウィズ』、『白猫テニス』などのヒットタイトルを世にリリースしてきたコロプラが今注目するCXについて、株式会社コロプラお客さま応対部門の責任者である近藤雅弘氏にお話を伺いました。
目次
これまでの顧客応対と、コロプラが目指すCX(カスタマーエクスペリエンス)の違い
――まずは近藤さんの仕事について教えてください。
お客さまのためになることであればなんでもしています。
立場としては、最高のカスタマーエクスペリエンス(以下 CX)を実現するための応対部門にて、グループの統括と応対責任者をしています。
僕の役目は、商品・サービスに感動や嬉しい驚きを添えること。そして、お客さま応対(CS/CX)という仕事は、それらの価値を高めるプロフェッショナル集団であるというイメージを世に広めていくことです。
――確かにゲーム業界のお客さま応対業務というと、問い合わせメール対応をしているだけのイメージですよね。
お客さまがお問い合わせ窓口を使うときって、困っている時とか何か悩み事があるときなど、あまり楽しい気分ではないんですよね。なので、お客さまのマイナスの部分を0にすることが、お問い合わせ対応の役割になってしまっているんですよ。これって良くないイメージですよね。それを変えたいと。
コロプラのCXでは、このマイナスを0にする仕事は全体の2割程度。残り8割が0を1にする仕事や、1を10にする仕事に注力しています。
――今までのいわゆるカスタマーサポート(CS)と大きく違いますね!
コロプラCXが行う「0を1に、1を10に変える」業務とは
――実際、コロプラのCXではどんな業務をされているのでしょうか。
CXの業務は全部で4つあります。
1つ目は、お問い合わせに対するお客さま応対です。
元々は他のゲーム会社様と同じようにメール対応が主だったのですが、今ではチャットでの応対、動画を使ったお客さま応対、ストアのレビュー機能を活用したご案内など、この1年あまりで3つの新しいチャネルでの応対を開始いたしました。
これらは他のゲーム会社様も当然のように運営されているチャネルではありますが、我々の各チャネルへの応対比率は、おそらく他ゲーム会社様と異なっており、また比較しても積極的にコミュニケーションを推進していると自負しています。
さらに、場合によっては直接お客さまと対面でコミュニケーションをさせていただくことも積極的に推進しています。
――直接顔を合わせて話す、というのはなかなか他に無い取り組みですよね。
正式にチャネルを設けているわけではありませんが、近いうちに実店舗を設けて、積極的にお客さまとお話できる環境を用意したいという構想はあります。作品が好きだからこそ強い思いを持たれているので、それに対してきちんと向き合う姿勢が必要だと思っています。
――なかなかすごい取り組みだと感じているのですが、このお客さま応対は業務の4つあるうちの1つなんですよね。
そうです。業務の2つ目は、お客さま応対の品質を上げていくこと。語弊を恐れずに、、、極端に言えば、テンプレートを用いたご案内を行わないということ。スピードや的確なご案内を求めるお客さまもいらっしゃるので、テンプレートの良し悪しを言いたいわけではありません。
コロプラのお客さま応対においては”回答”ではなく“会話”を大切にしたい想いから、そのお客さま一人ひとりにあったご案内を差し上げるように心がけています。だから我々は、1件1件を応対者の言葉や感性を含め、オリジナリティのあるご案内を推進しています。
――それは大変そうですね。
テンプレートの文章を使うと1件数分でご案内を行うことができます。先ほども申し上げた通り、スピード感をもって応対ができることは、お客さまにとって嬉しいポイントなので、これも大切です。しかし、我々がこだわりを持っているのは、”会話”をすること。こだわりを持って手書きしているので何倍もの時間を要します。月間何万件もお問い合わせが来ているのですが、メンバーの想いや推進力に支えられて、徐々に形になってきています。初めてまだ半年ぐらいですが、基本的には手書きで返信し、定期的にメンバーみんなで集まって1件1件意見交換するようにしているんです。
――やりたいと思っていても、なかなか実行に移すのは難しそうなことですね。
そこに対して『やっていこう』というのがコロプラの強みですし、実際やれているのが自慢できるポイントだと考えています。
3つ目は、会社に対しての価値を高めていくこと。この業界でずっと仕事をしていて、なんども売り上げの立たない部署という雰囲気を受けてきて、悔しさがあったんです。しかしながら、会社の評判やブランドを築けるのは我々CXだと自負していたので、逃げませんでした。最近ではようやく、実際に会社の評価やブランドを上げていく仕事を確立しました。
社外では官公庁の方々とコミュニケーションを密に取り、会社だけでなくゲーム業界全体のイメージを変える努力をしています。なんで官公庁かというと、官公庁には各ゲーム会社へのお問い合わせ数以上のお問い合わせがあるんです。官公庁の方々におかれましては、ゲーム業界で働いているわけではありませんので、我々の業務内容やサービスについて理解をしていただく機会があまりありません。それは当然なのですが、そのような中、消費者であるお客さまから色々なお声を受けていただいても、ご案内も難しい状況にあります。
ですので、まずはお客さまと官公庁の方のコミュニケーションから改善していこうと始めました。今では定期的に官公庁に出向いて我々のサービスを説明したり、サービスの理解を深めてもらうことで正しい知識を覚えていただくということをやっています。
――壮大な活動ですね。社内ではどのような取り組みをされているのでしょうか。
社内では、不定期に勉強会を開催してCXの活動を報告しています。他にも各プロダクトゲームの担当者・責任者の方に一人一人お時間いただき、お客さまのお気持ちを知っていただく時間を設けるようにしています。
そういった活動をしていると、自然と「今週どういう声をいただいているのでしょうか?」と質問が各部署からいただくようになります。そういった声が自然と社内で上がってきたら、お客さまの声が求め始められたという確信に変わりますよね。
これからも社内の人達に、お客さまがどう思っているかを知ってもらうという活動をどんどん増やし、我々の部門のかかげるお客さまへのサービスマインドの醸成を進めていきたいと考えています。
こういった社内外に対するインフルエンス活動が、会社のイメージに繋がると思っています。
――社内の意識改革もCXの重要な役割なんですね。最後の4つ目はいかがでしょうか。
4つ目はCXのキャリアプランに関わる業務になります。これまでのメール対応をされている方のキャリアプランは、メールをやり続けて途中で辞めるとか、メールの部署でマネージャーになるとかが一般的だったと思うんですよね。これだと、お客さまに対して向き合うという環境ができにくいと感じていたので、そこを払拭したいと考えていました。
コロプラのCXでは業務の1割を好きなことをやってもらう時間にして、半年に1回のペースで成果を出そうという目標を決めているんです。好きなことを自由にできる環境を整えたことで、いろんなアウトプットが生まれて、組織と会社の成長にもつながりますし、個人としてはアウトプットがだせたという成功体験を得られる良い機会ともなります。
実際にやってみると、その成果がお客さまに対して全部ためになることが分かったんです。お客さまのために何とかしたいけど、これまでその方法と機会がなかっただけだったんですよ。今では、みんなが企画したものを通常業務として盛り込み、動いてもらっています。
――それは具体的にどういった取り組みなのでしょうか。
そうですね、お話できる部分だけにはなりますが、1つ例を挙げると、YouTubeの動画説明がわかりやすいので取り入れたいという意見がありました。具体的なイメージができてから1週間後には、専用の企業チャンネルを作って、FAQの動画を作成しYouTubeで視聴できるようにしました。
しばらくして、映像編集に興味関心のあるメンバーがいて、作成自体を自分たちでできないかという声から、動画編集の環境を即日手配してもらったりもしました(笑)今では日々動画編集の勉強をしながら自分たちで想いを映像に表現できるよう日々試行錯誤しています。
このように、個人の発想からCS・CXの新しい仕事が徐々に増え始めています。他にも企画を考えているので、今後の展開に注目して欲しいです。
「お客さまをファンに」するCXの活動と今後の展望
――ファンを獲得するためにはどういった努力をされているんですか?
利用されるお客さまの層というのは作品ごとに違います。現在ゲームを遊んでいるお客さまは、メールよりもLINE世代が多いんです。その人にメールを使うことを強制するのではなく、ちゃんとその人達が使うチャンネルを提供して、その人たちのフィールドでコミュニケーションを取った方が自然だと思いチャットを導入しました。
また、最近はYouTubeで新しくやるゲームを探している方が多く、実況で楽しそうなゲームがあったらそのゲームをやるといった背景もあり、お客さまの利用しやすいチャネルであることから動画のチャンネルを導入しています。
それでも、全部のサービスに同じチャットを導入すればいいわけではなくて、ちゃんとサービスに合ったお客さまに、応対をしやすい環境を提供することが大切ですね。
――その作品ごとに柔軟な対応が求められているんですね。
はい、そうなんです。言葉にすると安っぽく聞こえますが『お客さまを知る』ということを、きちんとやらなきゃいけないというのがゲーム業界全体の課題だと思っています。
――お客さまに対する、今後やっていきたいアプローチというのはありますか?
属性ごとに違うお客さまをお呼びして、直接、ご意見や改善項目をいただく機会を作りたいと考えています。また、不公平と履き違えやすいのですが、長らく利用してくださっているお客さまへの特別感であったり、お礼のような、、、遊んでくださったぶん、しっかりお返しができる環境も形成していきたいなあと個人的には考えています。
CXのポリシーとして、全てのお客さまに平等に対応するのは当然ですが、平等に対応するのと、すべき対価として接しないのは別だと考えています。楽しんでもらっているお客さまにあるべき応対をするのが当然だと思っているので、その部分は大事にしていきたいです。
コロプラのCXで働くCSD(カスタマーサービスディレクター)のやりがい
――コロプラのCXで活躍する、カスタマーサービスディレクター(CSD)はお客さまとの接点でやりたいことがある人が集まっているんですね。
何かしたいけどいろんな制約でできないと思っている方々は、何かしたいの『何か』というのが『メール対応の中でどういう工夫をやっていくか』というところに止まっちゃっているんですよね。
なので、お客さまのために何かしたい時にはツール、チャネルに縛られずに、「一番やりたいことをまずイメージする」ということを強く言いたいです。
コロプラのCXでは、『どれだけ良い品質で対応できるか』ではなく、『お客さまのために何ができるかという手段』を考えているんです。CXでゲームを作りたい人がいたら時間を設けますし、イベントを開催したいと言われればそれができる方法を一緒に考えます。「お客さまのためになるんだったらCXで何でもやってください」というのがスタンスですね。
――お客さまのためなら何でも、というのが今までのCSに無いことですね。
ソーシャルゲームやスマホゲームで楽しい仕組みがどんどん出てくる中、もっと他社との差別化を推進していきたい気持ちが強くあったんですよね。この『コンテンツ以外のところで興味関心を持ってもらう』というのは既視感があったんですよ。
ゲーム業界に入る前、とあるテーマパークで働いていた時期がありまして。テーマパークに来園したお客さまは、乗り物やパレードだけでなくそこで働いている人たちに「良い思い出を作ってもらったからまた来たい」という方が多いんですよね。我々が目指すところはそこだなとピンときました。
例えば弊社のサービスでも一緒です。「このゲームの仕組みも好きだけど、ゲームをプレイしていて困った時にお問い合わせで親切に案内を受けたのが印象に残っていて、ゲームを続けている」というのを目指しています。こういった小さい積み重ねこそが我々の価値だと思っていて、また会社に対して付加価値をつけて貢献できるのが理想だと思っています。
――これまでマイナスイメージだったCSにはない、ポジティブな流れをCXには感じますね!コロプラに就職・転職したいという方はきっと多いと思います。御社で働くために、求められるスキルがあれば教えてください。
面接ではマインド面を重視していて、お客さまに対する姿勢と、それに対してどういった表現をしていきたいかの2点を重点的に見ています。ゲーム業界・CSの経験は入社してから経験できるので、強く求めていません。
人を驚かせたり喜ばせたりする、サービスマインドを持たれている方を常に求めていて、アクティブで人とコミュニケーションをとるのが好きな方が向いている仕事だと思います。
逆にメール対応やお客さま応対を黙々とやりたい方には、あまり向いていないかもしれません。
――最後に、ゲーム業界を目指している方や、ゲームに興味を持っている方にメッセージをお願いします。
コロプラのCXでは、弊社で運用している各サービスの付加価値と企業の価値を高めていくことと、自分がやりたいことを素直にできる環境が揃っています。「自分の思いを、仕事を通じて形にしたい」といった思いがある方と一緒に仕事をしたいと思っています。インタビューの内容についてピンときた方がいれば、ぜひお話をしてみたいと思います。
――ありがとうございました。
コロプラのCXに興味をお持ちの方は、下記URLよりご応募ください!
【株式会社コロプラ CSD(カスタマーサービスディレクター)募集ページ】
https://be-ars.colopl.co.jp/recruit/career/corporate/internal-enterprise-support/post-82.html
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