
ウォーキングアプリゲーム『カメさんぽ』は『ポケモン GO』と何が違うのか
スマートフォン向けゲームはいつでもどこでも遊べるのが魅力ですが、最近では積極的に外へ出かけることを促すゲームも続々登場しています。
そんな中、新たに登場した『歩数で勝負!!カメさんぽ』は、従来のスマホゲーとは異なるアプローチで、外出することを促すゲームに仕上がっているようです。
目次
『歩数で勝負!!カメさんぽ』の魅力
このゲームは、その名の通り歩いた数がゲームの肝となる作品です。
「歩数」が鍵になる新しい放置ゲー
スマートフォンが持つ特性として、常に懐に携帯しているという点が挙げられます。
普段は意識していなくとも、肌身離さずスマホを持ち歩くことで、スマホもまた様々なデータを収集することができているのです。
ここに目をつけたアプリとしては、万歩計などのヘルスケア関連のものが目立ちますが、ここでは歩数に目をつけ、その数値をゲームにしてしまっています。
ゲーム内にその日の歩いた数がインプットされ、競争相手と歩数を競うという競技が展開されます。
対戦相手はコンピューターですが、勝ち上がっていくごとに多くの歩数をクリアのために要求するため、ステージをクリアするためにはより多く歩かなければならないという仕掛けになっているのです。
「スマブラ」でおなじみのHAL研究所の新作
カメさんぽを開発したのは、「星のカービィ」シリーズや「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズを開発したことで知られるHAL研究所です。
もはや任天堂の看板ゲームとも言える作品の数々を手がけてきたベテラン開発陣ということもあり、そのクオリティは折り紙付きです。
スマホゲームの多くはインディーズゲームで、安価ながらも多彩なゲームが楽しめるのがウリであるとも言える一方、個人開発ということもあり、バグや予期せぬエラーが発生することが多いことも見かけます。
カメさんぽはその点に関しては不安を覚える必要がなく、たとえ不具合が見つかったとしても、即座に修正対応が行われることが期待できます。
ゲーム製作やサービスの運営についてのノウハウは、HAL研究所のような大手の方が蓄積されている側面もあります。
まだまだリリースされて間もないゲームですが、今後のサービス拡大にも期待したいところです。
HAL研究所については以下の記事でも解説しています。併せてご参照ください。
→HAL(ハル)研究所に就職したい!会社の概要と就職の際のポイント
『カメさんぽ』が実現する新しい遊び方
このゲームは「健康的な歩きスマホ」に注目した、新しいゲームと言うこともできるでしょう。
「スマホは持ち歩くもの」に焦点
上述のように、カメさんぽは基本的にその日歩いた歩数がそのままゲーム内スコアとなって、プレイに直結する仕様となっています。
そもそも、スマートフォンは高いスペックを誇るコンピューターの一種とも言えますが、単にグラフィックや処理速度といったスペックに頼るだけでなく、スマホ特有の、人間の運動と結びついた高感度センサーをうまく活かしてゲームに落とし込んでいる点がポイントと言えるでしょう。
HAL研究所といえば任天堂作品ですが、ここ最近で大きな話題となっている家庭用ゲーム機のニンテンドースイッチもまた、ジャイロセンサーを活用したプレイングが話題となっています。
ただ、ニンテンドースイッチは毎日肌身離さず持ち歩くものかと言われると、少し厳しいものがあります。
このゲームは、そういった家庭用ゲーム機のニッチな落とし穴に目をつけたゲームとも言え、「スマホを持ち歩く」行為を最大限にゲーム化した作品と考えることもできそうです。
カメさんぽは任天堂のブランドこそ背負ってはいないものの、任天堂ブランドにも十分通用するほどのプレイ体験を、スマホを通じて提供してくれているのです。
スマホを懐に入れてどんどん歩きたくなるゲーム
また、このゲームでは歩けば歩くほどスコアが大きくなり、ゲームクリアが近づくシステムを導入しているので、良い健康増進になるとも言うことができます。
歩数がそのままゲームクリアに直結するため、「せっかくだから一駅歩こう」「休みの日は遠くまで散歩に行こう」など、歩くためのモチベーションを強烈に喚起してくれています。
外でゲームを遊ぶと言うよりも、歩数を稼ぐことでゲームクリアを目指す必要があるため、散歩することが目的となるのもカメさんぽの特徴です。
『カメさんぽ』と『ポケモン GO』の大きな違い
外へ出かけたくなるゲームといえば「ポケモンGO」が最も有名ですが、『カメさんぽ』とこの作品には決定的な違いもあります。
人気沸騰中の『ポケモン GO』系ゲーム
AR技術を活用し、まるで本当に現実世界へポケモンが現れたかのようなビジュアルが話題となったポケモンGOですが、今でも継続的にサービスの提供が続けられており、根強いファンは後を絶ちません。
新種のポケモンが定期的に登場することもあり、リリースから数年が経過した今でも、休日にはスポットへ行くと多くの人がポケモンゲットを求めてたむろしている様子が伺えます。
そんなGO旋風を受けて、最近ではドラゴンクエスト版ポケモンGOとも言える、『ドラクエウォーク』がリリースされました。
こちらもポケモン同様、目的地を目指しながら道中のモンスターを討伐しつつ経験値を稼ぐという、散策型アドベンチャーを基調としており、サービス開始当初から大きな注目を集めてきました。
ポケモンとドラクエ、どちらも国民的ゲームであることに変わりはありませんが、どちらの作品も好きと言う熱心なファンにとっては、どっちを優先してプレイすべきか悩ましい判断を迫られているに違いありません。
何れにせよ、これらのゲームは外に出ることをプレイヤーへ積極的に促す、イノベーティブな作品であることには間違い無いでしょう。
関連記事
→ドラゴンクエストウォークに学ぶwithコロナで試される位置情報ゲームのピボットな開発スタイル
→世界中を熱狂させたポケモンGoに必要なことは全部20年前に構成されていた
『カメさんぽ』は画面を凝視しなくても良い
このゲームは、ポケモンGOやドラクエウォークとは決定的に異なる点を秘めています。それは、画面を眺める必要がないという点です。
ポケモンやドラクエの場合、モンスターを見つけるために歩くというところまでは良いものの、モンスターを探すために画面を凝視する必要があるだけでなく、モンスターを捕まえたり、倒したりするのにも画面を見つめる必要が出てきてしまいます。
そのため、スマホ歩きが社会問題となったように、思わぬアクシデントを誘発してしまったり、せっかく見知らぬ街に出ても画面ばかり見続けてしまうので、現実世界を楽しむことができなくなってしまうのです。
一方、カメさんぽの場合はただ歩いてスコアを稼ぐことだけが目的となるため、画面を常に凝視している必要はありません。
今どれくらい歩いたかを確認する時にしかスマホをのぞく必要もないため、存分に散歩そのものを堪能することができます。
カメさんぽの場合は1日の終わりにどれくらいの歩数を稼いだかが重要になります。
万歩計をゲームにしたらこうなった、というお手本をうまく提示している作品と言えるでしょう。
おわりに
カメさんぽはいわゆる放置ゲーの仲間という点で、ポケモンGOなどとは一線を画している点が大きな特徴です。
スマホの携行性に目をつけ、ゲームが人を外に連れ出すという導線はポケモンGOでも達成されていましたが、現実世界を見て回るためのインセンティブをうまく作っているのは、カメさんぽが初めての作品になったのではないでしょうか。
位置情報ゲームについて、下記記事でも解説しております。
→携帯片手に旅してみよう!
署名:Satoru Yoshimura
プロフィール:ライター。20年以上の付き合いがあるビデオゲームとアメリカ音楽をテーマとした活動が中心。「日本のゲーム音楽がヒップホップに与えた影響」などブログで公開中。
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