格ゲーは本当に初心者が楽しめないジャンルなのか考える【ゲームジャンル研究部 第5回】

 

さまざまなゲームジャンルの魅力と歴史について、連載形式でひも解いていく“ゲームジャンル研究部”。
第5回では、“対戦格闘ゲーム”、通称“格ゲー”を取り扱います。
“アーケードでよく見る”、“大会が頻繁に開かれる”、“初心者はとっつきづらそう”というイメージをよく聞く本ジャンルですが、実際のところはどのような魅力があるのか、歴史とともにひも解いていこうと思います。

 

なお、“ゲームジャンル研究部”のバックナンバーはこちらから確認できますので、ぜひチェックしてみてくださいね!

 

対戦格闘ゲームというジャンルについて

“俺より強い奴に会いに行く”ジャンル

対戦格闘ゲームは、格闘技やストリートファイトなどをはじめとした“戦うこと”をテーマとしたジャンルで、ユーザー同士の対戦に主眼が置かれています。
テーマ性からアニメや漫画といったコンテンツを使うことも難しくないため、ジャンルの魅力の中には登場するキャラクターや演出が挙げられることも多いです。
しかし、何よりも大きなウェイトを占めるのは“対戦相手と腕を競い合う”という部分でしょう。
実力や経験がモノを言う本ジャンルにおいては“努力を積み重ね、そして勝つ”というドラマが毎試合起きており、人を選びこそしますが、虜になった人を離さす、誕生から現在まで根強い人気を誇っています。

 

“格ゲー”は本当に初心者にはオススメできないのか?

対戦格闘ゲームを語るうえでしばしば挙がる指摘として、“対戦格闘ゲームは新規ユーザーが参入しにくいジャンル”というものがあります。
この指摘は実際に正しく、対戦格闘ゲームでは、ほとんどの作品において基本的な操作やテクニック、技のコマンドが共通しており、一部のシステム、キャラクターの性能による戦術や対処法も流用が効きやすくなっています。
そのため、まったく新しいタイトルが発表された時、他の対戦格闘ゲームを経験したことがあるユーザーと、新規参入するユーザーの間にはプレイする前から実力の差ができてしまっているのです。

 

一方、各メーカーが新規ユーザー参入のための努力を行っていることも事実です。
特殊なコマンドが必要な技や複数の技を組み合わせた連続攻撃を簡単に行える操作方法、実力の近いユーザー同士でマッチングできるシステムおよび評価制度、充実したトレーニングモードやチュートリアルなどの導入により、対戦格闘ゲームを経験したことがないユーザーでも、ゲームを楽しむこと自体は簡単になっています。
また、近年ではシナリオ面に力を入れたタイトルも数を増やしており、対戦に興味がないユーザーでも楽しめるようになってきています。
例として、『GUILTY GEAR Xrd』シリーズには長時間の映像が収録されたストーリーモードが実装されており、映像作品としてのクオリティも高いシリーズとなっています。

 

対戦格闘ゲームの歴史

1984年~1993年:ゲームセンターの景色を変えた対戦格闘ゲーム

もっとも古い対戦格闘ゲームは、1984年に稼働開始となったデータイーストのアーケード用ゲーム『空手道』で、2本のレバー操作という独特な操作ながらさまざまな種類の攻撃や防御動作といった格闘ゲームの基本的要素は備えていました。
現在で見られるような、ユーザー同士の対戦がテーマのジャンルとして確立するのは1991年のことで、カプコンが同年に稼働を開始したアーケードゲーム『ストリートファイターII(ストII)』シリーズが、その先陣を切ります。
本作はアーケード・家庭用問わず大ヒットとなり、1992年6月10日に発売されたスーパーファミコン用ソフト『ストリートファイターII』は国内販売本数約288万本を記録、1992年には全国大会が両国国技館で開催されました。
また、アーケードにおいても幅広い年齢層に支持され、『ストII』シリーズの筐体を多数導入した店舗が現れた他、1992年4月に同社より『ストリートファイターII’ -CHAMPION EDITION-』が登場すると、それぞれのユーザーが異なる筐体で戦う形態となる“対戦台”が普及するなど、非常に大きな影響を与えました。

 

 

その後は、カプコンを含むさまざまな企業が格闘ゲームを制作、その中で他タイトルとの差別化のためにグラフィック向上やシステム追加が行われ、より高度で複雑になっていきました。

 

1993年~2007年:3Dによる新たな様式が確立。ジャンル自体は低迷期に

1993年に登場したセガのアーケードゲーム『バーチャファイター』は、対戦格闘ゲームの世界に新たな風を吹き込みます。
本作は世界初の3D対戦格闘ゲームであり、ポリゴンによる3D表現はユーザーに大きな驚きを与えました。
誕生当初こそ3D対戦格闘ゲームも2D対戦格闘ゲームもゲームシステムや操作に大きな変化はありませんでしたが、1996年9月よりセガが稼働を開始した『バーチャファイター3』では、横方向(画面で見た時の奥、手前側)への移動が可能になります。
三次元的な攻防を取り入れることにより、3D対戦格闘ゲームは2D対戦格闘ゲームとの差別化を果たし、それぞれの発展を遂げていきます。

 

 

しかし、時代が進むにつれて、シリーズのマンネリ化、市場の飽和、音楽ゲームの流行などにより、新作タイトルこそ発表されるものの、ジャンルそのものの人気は下がり始めます。
この時期には、コミュニティやユーザーの技術が成熟していきましたが、同時に新しいユーザーが参入しづらい土壌の生成にもつながってしまい、人気の下降を後押しすることとなってしまいました。
特にアーケードにおける低迷は激しく、ジャンルを牽引していた企業の1つであるSNKの倒産※なども起こりました。

 

※知的財産権は2001年に株式会社プレイモアへ移動。プレイモアは2003年に“SNKプレイモア”、2016年に“SNK”(新社)へ再度の社名変更を実施。

 

2008年~:低迷期からは脱出? オンライン対戦で世界中の“俺より強い奴”に会いに行けるように

PS3やXbox 360の普及により、家庭用ゲーム機におけるオンライン環境が整備されると、オンラインで世界中のユーザーと対戦格闘ゲームで戦うことが可能になり、ジャンルにおいて活気が戻り始めます。
なお、家庭用ゲーム機におけるオンライン環境の普及は、アーケードゲームの存在意義を奪うという側面もありましたが、実際にはシリーズとしては約10年ぶりの新作となる『ストリートファイターIV』が2008年7月より稼働を始めていると考えると、悪い影響ばかりではなかったと考えてよいでしょう。

 

売り上げの部分で見ると、カプコンのPS4/PC用ソフト『ストリートファイターV』が500万本(2020年9月30日時点/発売:2016年2月)、PS3/Xbox 360/PC用ソフト『ストリートファイターIV』が340万本(2020年9月30日現在/発売:2009年2月)となっており、『ストII』の630万本(2020年9月30日現在)に迫る勢いを見せています。
また、バンダイナムコエンターテインメントのPS4/Xbox One/PC用ソフト『鉄拳7』300万(2018年10月20日時点/発売:2017年6月)、サイゲームスのPS4/PC用ソフト『グランブルーファンタジー ヴァーサス(グラブルVS)』は45万本(2020年11月20日時点/発売:2020年2月)を記録しています。
『グラブルVS』は他と比べと数字こそ小さく、スマホゲームでの連動要素も存在していますが、新規国産タイトルの1年以内の記録と言うことを考慮すると、対戦格闘ゲームに対して興味を持つユーザーが再び増加していることの好例とみてよいでしょう。

 

対戦格闘ゲームの今

ジャンルではなく、ユーザーたちの視点が変化した?

ここ最近では、対戦格闘ゲームに対するイメージとして“eスポーツの主要ジャンルの1つ”というものがあり、ジャンルが活気を取り戻したのもこの視点から見直されたという考え方があります。
eスポーツは、大会への参加だけでなく観戦することでも楽しめることですが、対戦格闘ゲームはこのような取り組みをeスポーツという言葉が普及する前から行っています。
例えば、2003年~2012年まで行われていた格闘ゲームの全国大会“闘劇”では、大会の観戦チケットや大会内容を収録したDVDが販売されており、観戦目的で格闘ゲームを楽しむユーザーも存在していました。
現在ではオンライン形式など大会の細かなるルールなどが変わっていますが、参加と観戦の2つの方法で楽しめる部分はほぼそのままなので、ジャンルそのものよりも取り巻く環境に大きな変化が起きているといってよいかもしれません。

 

 

余談ですが、プロの格闘ゲーマーは自身の練習風景や大会ではないゲームの風景、初心者講座などを配信することもあります。
中には、練習の中で自身の考えを語っていたり、コメント形式で視聴者とコミュニケーションを取ったりと、ゲーム実況やVTuberのような楽しみ方ができるものも存在しています。

 

ゲームだけでなく入力デバイスにも変化が

ここ近年における大きな話題としては、“HitBox”のようなキャラクターの移動などに使うスティック部分をボタンに置き換えたレバーレスアーケードコントローラーがプロシーンで使用され始めたことが挙げられます。
例えば素早く左右方向の入力を行う際、従来ならば動かす過程で一度レバーを中央に戻す必要がありますが、本コントローラーを使用すると中央に戻す操作が必要なく、操作の精度と速度を向上させられます。
梅原大吾さんをはじめとしたプロの格闘ゲーマーは本コントローラーに注目しており、あくまでプロシーンにおける話ですが、“レバー+ボタン”という従来のコントローラーのイメージに変化が起きるのかもしれません。

 

まとめ

ジャンルの性質上、根本的なシステムが決まっていることから、初心者のユーザーほど尻込みしてしまう対戦格闘ゲームですが、実のところ現実のスポーツと同じように観戦して楽しめる、ゲームをプレイできなくても魅力を感じられるジャンルとなっています。
大規模な大会においては観客の熱狂もすさまじいので、興味がある人はぜひ見るところから始めてみてはいかがでしょう?

 

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